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+++真夏の楽園+++




「懐かしいぜ、この感じ。」

四年ぶりにパプワ島に立ったシンタローの第一声はそれだった。


『シンタローさーん!!!!!』

地響きとともに、懐かしくもあまり聞きたくなかった二匹の声を聞いてしまった。

「あら?おかしいわね、確かにシンタローさんの匂いを感じて
ここまで来たんだけど…。」

そう言ったのは巨大カタツムリのイトウ君だった。

「それに、見ない顔だけど、アナタ、どちら様?」

そう言って、シンタローに話し掛けてきたのは鯛のタンノ君だ。

「…ほんっとにかわんねぇナおめーら。」

呆れてそう呟くシンタロー。

「何よその言い草ー。はっ!さてはアナタ、私達とシンタローさんを引き裂くために
彼を光速で隠したのね!て、ことはもしかして恋敵なの!?」

そういちゃもんをつけたのはイトウだった。

「何てことなの!?いきなり出てきてそんなのないわ!彼の匂いはまだすっごい
近くにあるんだから早く彼を出しなさいよー!」

それに便乗して騒ぎだすタンノ。

「眼魔砲!!!!!!!」

ちゅどーん!!!!!


二匹の変態生物に騒がれて、ただでさえ短い堪忍袋の尾が切れた
シンタローはあっさり溜め無し眼魔砲を繰り出す。

眼魔砲にぶちあたってプスプスと黒い煙を出しながら
イトウは呟く。

「懐かしいわ、溜め無し眼魔砲…って、ことはもしかしてアナタ」

「シンタローさん…なの?」

続けてタンノが呟く。

「ああ、そーだよ。あのクソっ玉のおかげでな。」

ややヤケ気味にそう答えるシンタロー。

「ああ、何てことなのシンタローさん。あんなにたくましかったアナタの胸が今は
こんなにやわらかそう…」

大げさに嘆きだすイトウ。

「で、でも大丈夫よシンタローさん。」

タンノがそうシンタローに切りだす。

「…この忌まわしい呪いをとく方法を知ってんのか?!」

「やぁねぇ、昔から決まってるじゃない、そういう呪いは愛する人の
キスで戻るものなのよー」

そう答えるタンノ。

「…へぇ、それで?」

この先の展開が読めてきたシンタローはあきらめ半分に聞き返した。

「さぁ、私の熱い愛のキッスで呪いを解いてあ、げ、る…」

「あぁ、ずるい抜け駆けだわタンノちゃん!アタシもアタシも…」

そう言ってまたしても迫り来る変態生物達。

「おとといきやがれ、変態ナマモノ共!!!!!」

そう叫ぶとまたしても溜め無し眼魔砲を二匹にお見舞いするシンタローだった。

そんな騒ぎをしていたところに後ろからシンタローへ声をかける者があった。



「帰ってきたんだね…シンタローさ…?」

そう言って飛びつこうとしたエグチ君とナカムラ君は彼の姿を見て静止してしまった。

何故なら、確かに懐かしい彼の匂いをさせながら振り向いた
その人は女性だったからだ。

「あー…こんな体になってからわかんねぇかもしんねぇけど、俺はシンタローだよ。
エグチ君、ナカムラ君。それにみんな、久しぶりだな元気にしてたか。」

そう言ってシンタローは集まってきた島のみんなに笑いかける。


『お帰り!シンタローさーん!!!!!』

その笑顔に安心してか、二匹の胸キュンアニマルを筆頭に
島のみんながシンタローの帰還を喜ぶ。


「おい、ムツゴロウ…いや、シンタロー」

「素でボケるな、キンタロー。」

キンタローのボケにすかさず突っ込むシンタロー。

「再会を喜びあうのはいいが早めに用件を済ませるのを忘れんでくれ。
俺達がここに滞在できる時間は限られているんだ。」

そういうと、キンタローはシンタローに現状を説明した。


「…とにかく、時間がないってことはわかった。早ぇとこコタロー探すか。
おーい、コタロー!!!!!おにーちゃんだぞーー!!!!!」

「シンタロー、今のお前は正しくは『お姉ちゃん』だ。いいか、女兄弟は…」

「二度言うな!!!!!俺は誰が何といおうとコタローのにいちゃんだよ!!!!」

すかさず突っ込んだキンタローにむきになってそう返すシンタロー。

「おーい、コーター…「その名前、言っちゃアカーン!!!!!!」

一心不乱にコタローの名前を叫びつづけるシンタローに、
そう叫びながら、リキッドは彼女に飛びついた。


「うわっ!!!!!」

後ろから突然飛びついてきたリキッドに、シンタローは不覚にも
引き倒されてしまった。


「シンタロー!!!!!」

突然のことに、キンタローも驚き声を上げる。

「…あれ?なんだこの柔らかい感触は…。」

以下、リキッドの心の叫び。

今、ガンマ団新総帥の名前で呼ばれてたよな、この人。
でもこの柔らかい感触は…乳…チチ?胸がある!!!!(しかも柔らかい)
て、オンナの人???
ちょと待て落ち着けよ俺。
ガンマ団新総帥はマジック総帥の息子のシンタローだよな?
何度か垣間見た程度に会った事あるけどあの人歴記とした男だったよな?
でもこの感じは確かにホンマモンの女性特有の胸の膨らみだし(しかも結構でかい。)
え?え?え?一体どういう……。

「てめぇ、いい加減はなしやがれーーーーー!!!!!」

ショックでややトリップしていたリキッドに、男にとっての急所にあたる股間を
容赦無く蹴り上げるシンタロー。

「いぎゃーーーーーー!!!!!」

リキッドが断末魔の叫びを上げながら悶絶する。

痛みにのたうちまわっているリキッドのド頭に、シンタローは容赦無く
踵落しをくれてやると、そのまま踏みつける。

「この忌まわしい身体にされて不覚にも三年になるがな…。出会い頭に胸つかまれることは
あっても、流石に揉んできたのはてめぇが初めてだよ。逝く覚悟できてんだろぉな?アぁ??」

「ああ…俺、無意識のうちにそんな嬉しいことしちゃってたの?通りで気持ちイイわけ…」

今だにちょっとトリップ気味なのかリキッドがそう呟く。

「戯言は済んだか。じゃぁ逝け、今すぐに!!…って、お前、確か特選部隊のリキッドだな?
ってことはハーレムの差し金か、てめぇ。」

「違うっス!!俺はこの島の番人で特選部隊とは…」

「…あのクソ獅子舞。てめぇの部下使ってまでセクハラとは上等じゃねぇか。」

言い募ろうとするリキッドを無視してシンタローは誤解したまま事実を曲解する。

「は?あの何か勘違いしてるみたいっスけど……。」

「おお、おお、久々に会ったが相変わらず現状は変わってねーみたいだな。
ガンマ団のお嬢様?」

さらに言い募ろうとしたところで後ろから特選部隊隊長、ハーレムが現れる。

「誰がお嬢様だ!!!!!てめぇこそまだ生きてたのかよアル中。
こんなとこに来てまで部下使ってセクハラとは相変わらず姑息なエロ親父だなぁ?おい。」

曲解したままのシンタローはハーレムにそう言って食って掛かる。

「なーに勘違いしてんだ?だがあんなチェリーボーイのつたない技でもしっかり感じてんだろ?
なんせその身体は俺様が調教した身体だからな。俺がいない間もちゃんと寝技鍛えてたか?」

シンタローの嫌がる言葉を選んでハーレムはそう言う。

そんなハーレムに無言のままシンタローは彼の頭を狙って後ろ回し蹴りを繰り出す。

寸でのところでハーレムはそれを受ける。
だが、受けたその腕は痺れていた。

「…アンタの忠告はしっかり受け取ったよ。ちゃんと鍛えてたさ。アンタの言う
下品な技じゃなくて体術の方を基礎からみっちりとな。」

三年前に突然女性化してしまったシンタローは女性体となったせいで
筋肉がつきにくい体質になってしまった。
そのために、合気道を中心に、もう一度身体を鍛えなおしたのだった。
総帥としての激務の合間に。
幸いにも仕官学校時代から体術は得意だったから知識としては十分だった。


「はっ、相変わらず負けず嫌いだな。だが、半年前のあの事件、忘れたわけじゃねぇだろ?」

ハーレムがそう言うと、シンタローの目つきが変わった。

「それぐらいにしてもらおうか、ハーレム叔父貴。それは今話題にするには場所が悪すぎる。
…力不足だったのはシンタローだけじゃないはずだ。俺や貴方を含めてな。」

二人の間に入り、シンタローを庇うようにそう言うキンタロー。

「てめーも相変わらずかキンタロー。」

そんな様子に溜息を吐きながら呟くハーレム。

「当然だ。俺以外に誰がシンタローを止めつつ補佐できるヤツがいる。」

不敵に笑いながらそう言うキンタロー。

そんなキンタローに、ハーレムは彼にだけ聞こえるように囁く。

「前にも一度忠告したはずだ。そんな調子じゃアイツにゃ一生伝わらねぇってな。」

「…俺は貴方やマジック伯父貴とは違う。そんな愛し方をしたいわけじゃないんだ。」

そうキンタローは返した。
勿論、ハーレムにしか聞こえないように。









目まぐるしく展開していく目の前の現状に、
自分がチェリーだという発言に反論する暇もなく眺めていたリキッドが、
『ロタロー』に関してシンタローと一触即発するのはこのすぐ後だった。


















「しかし、ちょっと会わない間に随分縮んだな、シンタロー。」

コタローがシンタローの総帥服を見て力を暴走させ、さらにそれをパプワが
止めた後のことだった。

「うるせー。コレもみんな、あのクソッ玉のせいだよ。」

溜息を吐きながらそうぼやくシンタロー。

「それに胸だってこんなに柔らかくなかったぞ。」

そう言うと、いつの間にか座り込んでいるシンタローの懐に入って、
パプワはその胸をポンポンと触る。

「あ、あのな、パプワ。今俺は一時的に女の身体になってから言うけど、
普通、女の人の胸にいきなり触るのはしちゃいけないことなんだぞ?」

顔を赤らめ、『一時的に』という部分を強調しながら
シンタローはパプワに説く。
生まれてこの方、異性の大人(ウマ子を除き)に会ったことの無いパプワは知らなくて
当然といえば当然のことを。

「そーだよ、パプワ君。女の人にそんなことするのは失礼だよ。」

ひょっこり顔を出したロタローが口添えする。

「…なんなら君も触ってみるかい?」

そんなロタローに、ちょっとトリップ気味に鼻血を垂らしながらそう言うシンタロー。

「止めろ!!!!シンタロー!幾らなんでもそれは犯罪だぞ!!!!逆セクハラだ!!!!!
いいか、セクシャルハラスメントだぞ!!!!!」

やや錯乱気味にキンタローがトリップ気味に危ないことを言い出したシンタローを
止めに入る。

「チャッピー、餌。」

自力でトリップ世界に旅立ってしまったシンタローに向かって、パプワはチャッピーを
けしかける。
女体化していようがなんであろうが、やはりパプワの躾は容赦なかった。


「あがーーーーー!!!!!」

チャッピーに頭をかじられながら走り回るシンタロー。

「コレで少しは頭に上った血もさがっただろう。」

相変わらずの調子でそう言ってのけるパプワ。

「もう、誰なの?このすぐ流血する女の人は。美人なのに変な人だね。」

危うく女の人の危ない罠にはまりかけたロタローが顔を赤らめながらそう言う。

「あーーーー!もう、なんでもいいからコタローこっちに返せよ、パプワ!」

やっと本来の世界に戻ってきたシンタローがチャッピーを抱きかかえながらそう叫ぶ。

「ダーメ」

そんなシンタローに、あっさりそう切り返すパプワ。

「シンタロー、お前、何でこの島でそんな重たそーな服着てんだ?
そんな服着てたら心まで重たくなるぞ。」

その言葉はシンタローの胸を刺すには十分な言葉だった。


「その服脱いだら、僕の家に遊びに来てもいーからな。」

「バイバーイ。またねー。」


二人のちみっ子はそう言うと帰っていった。












 

ずっと書きたいと思ってましたがついにやってしまいました。
原作ベースの女化話。この先続きを不定期に連載するつもりです。
半年前の事件云々は裏作った後に入る予定の駄文の複線です(爆)
いやしかし、リキッドが総帥の乳を云々のところはなんとなく
ガッシ●のフ●ルゴレを思い出してしまいました(笑)
(この人の声、PAPUWAのリキッドの声なんですよ(笑))
チチもげ大好きだ!(黙れ。)

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+++家族パニック+++





「ここのところ、根を詰めているな。そろそろ少し休憩してはどうだ?」

「ああ、それじゃ最近みかん貰ったから食べようぜ。」


いつものごとく執務中の総帥室で、総帥と補佐官とのたわいない会話から
それは始まった。


「…このみかん随分すっぱいな。」

シンタローが団員から貰ったのだというみかんを頬張りながらキンタローは呟く。

「そうか?俺はこれくらいが丁度いいが。」

そのみかんをうれしそうに食べるシンタロー。

それをいぶかしげな顔で見つめるキンタロー。


「…うっ!」

「どうした?」

突然喉を詰まらせたシンタローにキンタローが声をかける。


「わりぃ、ちょっ…トイレ行ってく…」

最後まで言いきらないうちにシンタローは走り出した。







しばらくしてシンタローは戻ってきた。
心なしか顔色が青白かった。

「どうした?」

「あー…。なんか急に気持ち悪くなってな。吐いてきちまった。」

心もとない足取りで執務室の自らの椅子に座りながらシンタローは答える。

「……………」

そんなシンタローを凝視するキンタロー。

「なんだよ?変なもんでも見る顔して。吐いたら楽んなったからもう大丈夫だ。」

そんなキンタローに笑ってそう言うシンタロー。

「………すめ。」

「あ?何だって?」

「今日はもういい。お前は戻って休んでいろ。」

真剣なまなざしでシンタローにそう言うキンタロー。

「いや、だから吐いて楽になったから大丈夫だって。」

「いいから休んでいろ…!」

断ろうとするシンタローの肩を叩き、キンタローは危機迫る表情でそう言った。

「そ、…そうか?じゃあ悪りぃけど戻るぞ?」

そんなキンタローに気圧されてシンタローはうなずく。







シンタローが大人しく自分の部屋に戻ったのを見送ると、
キンタローはその足で特選部隊へと連絡を取った。



「ハーレム叔父貴。下手な言い訳はしなくていい。最近シンタローに手を出したのはいつだ?」

『…わざわざ遠征先に連絡よこしたと思ったら間髪入れずにそういう話題かよ。
まぁ、おれは好きだがな、そう言う話は』

人の悪い笑顔を見せながらそう答えるハーレム。

「茶化すな。大切なことだ。…どうやらシンタローが妊娠しているようなんだ。」

キンタローのその言葉に、ハーレムは目を見開く。

『おいおい、マジかよ。それで俺のとこに連絡入れたのかよ。』

「ああ、そうだ。」

いまいましげにキンタローは答える。

『…最後にヤッたのは今回の遠征前だから三ヶ月前くらいか…?』

「…兆候が出るには十分な期間だな。」

呟くようにそう言ったハーレムに、眉間に皺を寄せながら答えるキンタロー。

『いや、ちょっと待ってくれ。俺はナマじゃしてねぇぞ?』

「スキンか?それでも一割程度危険性はある。」

『あー…そりゃあなぁ…。』

「随分と渋るな。だが心配しなくてもいい。別に叔父貴に責任を取らせようというわけ
じゃない。」

『どういう意味だ?…まさかお前、シンタローに堕ろさせるつもりなのか?』

「まさか。シンタローはあの性格だ。あれだけ嫌がっていた事態だが
いざそうなってしまえばアイツは絶対産むだろう。」

『じゃあどういう…』

「貴方の認知は必要無い。産まれてくる子供の父親には俺がなる。」

ハーレムを見据え、キンタローはきっぱりと言いきる。

「叔父貴の勝手でこれ以上シンタローを傷つけないでくれ。」

『……お前こそ、何を勝手に言ってやがる』

そんなキンタローにハーレムは言う。

『ガキじゃあるまいし、何の覚悟もなしにアイツに手ぇ出したわけじゃねえ。』

『本当にアイツが俺のガキ身篭ったってんなら最後まで責任は取る。』

今度は逆に、キンタローをしっかりと見据えてハーレムは言う。

キンタローは密かにショックを受けていた。
女性体になってしまったシンタローにハーレムが手を出していたのは知っていた。
それはハーレムが面白半分にやっていたのだろうと思っていたのだ。
だが、それは違った。

ハーレムは確かに遊び半分だったのだろうが、それは本気の遊びだったのだ。

思えば、ちゃんと避妊具を使用していたのも、シンタローを思ってのことだったのだろう。

『ショックな顔してんな。…てーか、お前はどうなんだよ?心当たりは?』

「…それは絶対にない。俺はシンタローと寝たことは無い。」

うつむきながらそう言ったキンタローに、ハーレムは驚く。

『おいおい、マジかよ。……その立場を保ちたいってのはわかるけどな、
それじゃアイツにゃ絶対伝わんねぇぞー。アイツそういう方面は鈍感だから。』

他のことにかけては器用なキンタローの、
意外に不器用な面に驚きながらハーレムはそう言った。

『ああ、しかしそうは言ってもアイツは一人で産むって言いそうだなぁ。』

苦笑いしながらハーレムは言う。

『って、それよりも問題は兄貴に何て説明すっかだな…。俺、殺されかねないな…。
…ん?』

「…あ。」

マジックの名前が出た途端二人は向かい合って静止する。

『………キンタロー、マジック兄貴には確認入れたか?』

「いや、まず先にハーレム叔父貴に連絡入れたからまだだ。」


『馬鹿野郎!!!!まず先に怪しいのはあの親父だろう!!!!!』

「仕方ないだろう!突然のことで俺だって気が動転していたんだ!!!!!」

『いいから、兄貴んとこ確認して来い!!』


そう言われキンタローは急いでマジックの元へ連絡を入れた。









『やぁ、キンちゃん。こんな時間に私に連絡を入れるとは珍しいね。
仕事ははかどっているかい?』

いつもの派手なピンクのスーツ姿でマジックは通信に出た。

「マジック伯父貴、今はそれどころではない。最近いつシンタローに手を出した?」

『あはは、シンちゃんが聞いたら激怒しそうな内容だね。一番最近は昨晩だね。』

キンタローの質問にあっさりとマジックは答える。
それに呆れながらもキンタローは続けて聞く。

「そうか。では二、三ヶ月前には?」

『ああ、一週間に五回挑んで三回はなし崩しにことに及んでいるよ。』

ケロリとそう答えるマジック。

「…ちなみに避妊具は使っているか?」

顔に青筋を立てながらもキンタローは聞く。

『うーん…。シンちゃんはどうしても付けろと言うんだけどね。
三回に一回は付けないよ。まぁ、ほとんどシンちゃんが意識飛ばしちゃってる頃にね。』

ころころと笑いながらそう言うマジック。

こいつが犯人で間違い無い!!!!と、キンタローは心の中で絶叫した。

「伯父貴、落ち着いて聞いてくれ。どうも、シンタローが妊娠しているようなんだ…。」

『何だって!!』

キンタローの言葉に、驚き叫ぶマジック。

そんなヤり方してて何を驚いている。と、キンタローは思ったが次のマジックの言葉に
もっと驚かされた。

『そうか。やっとおめでたなんだねぇ。随分かかったなぁ。』

マジックは嬉しそうにそう言ったのだ。

「な…っ。伯父貴、まさか確信犯なのか?」

『え?当然じゃないか。そうじゃなきゃこんな抱き方はしないよ?』

やはりきっぱりとそう言うマジック。

マジックの代からの団員の中の一部で、彼の支持率が異常に低い
理由を垣間見たキンタローだった。

『ああ、こうしちゃいられない。だったら今すぐシンちゃんを抱きしめてあげなくちゃね!』

そう言うや否や、マジックは一方的に通信を切った。
行き先は恐らく、いや、絶対にシンタローの私室だ。
キンタローも急いでシンタローの私室のほうへ向かった。







「シーンちゃーん!よくやったね。おめでとう!」

ノックも何もせずにそう叫びながら部屋に乱入したマジックは一目散に
自室で結局のところ書類での仕事をしていたシンタローへ飛びついた。

が、それを身を翻し避けるシンタロー。

「…いきなり乱入してきて何なんだよ。」

呆れながら倒れ伏しているマジックへそう言い捨てるシンタロー。

「もー、照れなくても良いんだって。キンちゃんから聞いたよ?シンちゃん、
パパの子を身ごもったんだって?」

顔面着地を致して鼻血を噴いているにもかかわらず、マジックは嬉しそうに
シンタローを見上げながらそう言った。

「はぁ!?何の冗談だそれは。」

驚きながらそう返すシンタロー。

「冗談じゃないよ。キンちゃんが言ってたんだ。シンちゃんが『妊娠してるようだ』って。」

きょとんとしながらそう言うマジック。

それを聞き、先ほどのキンタローの態度を思い出し、
シンタローは盛大にため息をつきながら頭を抱えた。

「…アイツはほんと変に偏った知識がある上に思い込みが激しいな。」

シンタローがそう呟いたのと同時に、キンタローがその場にやってくる。

「シンタロー、それにマジック伯父貴、入るぞ。」

「おー、おー、この騒ぎの元凶が来てくださったな。」

声をかけ入ってきたキンタローに、シンタローは嫌味たっぷりにそう言った。

いきなりわけのわからない嫌味を言われてきょとんとしているキンタローだった。










「だから、俺が妊娠する確立は、1パーセント位の確立で、まずあり得ないんだって。」

シンタローが妊娠したと勘違いしたキンタローに、そう言ってやるシンタロー。

「だがお前、あんなにすっぱいみかんをおいしそうに食べていたし、
そのあとつわりだって…。」

「あのなー。俺はもともとみかんは甘いのよりほどほどなのが好きなの。
で、吐いたのだってその前の日徹夜で仕事してて空きっ腹にいきなり
消化に悪いみかん入れたのが悪かったんだろーよ。」

あっけなくそう言い捨てるシンタロー。

「でもまぁ、可能性はゼロじゃねぇわけだけど、それだってもうちょいしたら
月のモンが来っから結果はすぐわかる。」

この女性体になってはや半年。
いやなことにあれだけ抵抗があった月経にもすっかり慣れてしまった
シンタローはそう続けた。

「そうか、そうだったのか。」

シンタローのその言葉に安心するキンタロー。

だが、その横でマジックは不服そうな顔をしている。

「シンちゃん。なんで、出来ちゃう可能性が1パーセントしかないの?」

そんなマジックにしかめっつらをしながらシンタローは言う。

「あぁン?アンタがどんだけ言っても付けねーからピル飲んでんだよ。」

「薬飲んでるの!?」

マジックは驚きながらそう言った。

「…誰のせいだと思ってやがる、このアーパー親父!!それすら嫌だと
ぬかしやがるんならテメェとは金輪際何があっても寝ない!!!
そもそもなんでそんなに子作りにこだわンだよ、アンタは!?」

憤慨しながらシンタローは叫ぶ。

「私はお前との愛の結晶を望んでいるだけだよ?」

「…今以上にややこしい家族関係を構成してどーすんだよ。」

呆れながらそう言うシンタロー。

「それにほら、突発的なことでシンちゃんが女性体でいられるのは
いつまでかわからないでしょ?だったらこのチャンスを逃す手はないなーと思って。」

「俺は早急に元に戻りてぇんだよ。いいから、もうこの話は終わり!!!
わかったら執務室に戻ってもいいな?キンタロー。」

いい加減かなり不毛なやり取りをしていることに気づいたシンタローはキンタローにそう言う。

「ああ。だがせっかくだからお前は今日はもう休め。」

シンタローの言葉にそう返すキンタロー。

「あのなぁ、総帥がそう簡単に…」

「そう言って、何だかんだでお前体調少し崩しているだろう?今日はもう休め。」

言い返そうとするシンタローにそう言い捨てるキンタロー。

「うん。頑張るのはいいけど、休むのも大切なことだよ?シンちゃん。」

後押しする形でマジックも口添えする。

「あー…。もうわかったよ。」

結局シンタローが根負けする形となった。

それを満足そうに見て、部屋を出ようとするキンタロー。
しかし、マジックは逆にシンタローの傍へ行く。

「…おい。なんだよ。」

自分の傍に寄ってきたマジックに不服そうに聞くシンタロー。

「え?シンちゃんもう今日はお休みでしょ?だったら1パーセントの確立にかけて
パパ今日も頑張っちゃおうかと思って…」

『眼魔砲!!!!!』

図々しくもそう言ってきたマジックに、シンタローとキンタロー二人の
眼魔砲が炸裂する。

流石のマジックもそれにはボロボロになる。

「…シンタロー。伯父貴は俺が送っていくから安心して休め。」

ボロ雑巾のようになっているマジックを引きずりながらキンタローが言う。

「ああ、悪いな。キンタロー。」

それに礼をいうシンタロー。



その日はマジックの夜這いもなく、久しぶりの安眠を手にすることが出来たシンタローだった。








おわり。

 


 

女体化モノで一回はやってみたかった妊娠ネタでした(笑)
この駄文書くために、避妊具についてかなり本気で調べてしまいました(爆)
<2月9日追記>
一度、WEB拍手にて、『青の一族の子供を孕んだ女性は短命なのでは…』
というご指摘を受け、この駄文は一時降ろしていたのですが、
この駄文を好きだと言ってくださる方、残念だと仰ってくださった方が
いらっしゃったので、もう一度アップしました。
私としても結構、楽しんで書いた作品だったので、間違いがあるのを承知の上で
もう一度掲載させていただきます。
いっそ、女化モノだということで、その辺りのことも目をつぶっていただけると幸いです(滝汗)

また、WEB拍手にて、上記のご指摘していただけた方も、本当にありがとうございました。
パプワの二次創作をするにあたって、とても参考になりました。
折角のご指摘を覆すようなことをして申し訳ありません。

+++総帥の不機嫌な日+++





 

いつか来ると聞いていたから心の準備はしていたけれど。

いざ、本当にそういうことになるとやっぱり衝撃は受けるわけで。

それでもおいそれと寝込んでしまえるような優しい内容の仕事をしている
わけではないうえに、別段病気というものでもないわけで。


 



今日も我らが総帥は執務室で黙々と執務を執行していた。




「…シンタロー。どうした?なんだかいつもにまして眉間の皺が多いようだが。」

シンタローの補佐官であるキンタローはいつものように仕事をこなしてはいるが、
明らかに不機嫌なオーラをかもし出しているシンタローに聞いた。
キンタローだからこそ平然としているが、新入団員がその威圧感に
当てられたら恐怖に立ちすくむところだろう。
原因不明で現在女性であるにもかかわらず、
シンタローには平素の総帥としての貫禄は健在だった。

「あぁん?別になにもねぇよ。」

それに、明らかに不機嫌な様子でシンタローは返す。

「あまり無理はするな。お前に倒れられては元も子もないからな。」

「うるせぇな。何もねぇつってんだろーが。」

シンタローを心配してのキンタローの言葉だったが、シンタローは
やはり不機嫌なままそう返す。

そこへ遠征から戻ったばかりの伊達衆のミヤギが報告に総帥室への
入室許可を取りたいとの連絡が入った。


ミヤギの入室許可を承諾するとすぐに彼はやってきた。

「シンタロー総帥。東北ミヤギ、ただ今遠征から帰還したべ。」

敬礼しながらミヤギはそう言った。

「ああ、ご苦労さん。今回の遠征も長かったからな。疲れただろ?」

そんなミヤギにねぎらいの言葉をシンタローはかけるが、
ミヤギはシンタローの顔を見るや、言った。

「なんだかシンタロー、機嫌悪そうだべな。もしやアノ日じゃねぇべな?」

冗談混じりにミヤギはそう言ったが、それが地雷だった。

「眼魔砲!!!!」

 



ちゅどーん。


 

 


「ぎゃーーー!!!!」

普段は相手がマジックかアラシヤマ以外にはよほどのことがないかぎり
簡単には自身の必殺技を使わないシンタローだが、今回は違った。


眼魔砲により半壊状態になっている総帥室で肩で息をしているシンタローに
向かってキンタローは平然と言った。

「シンタロー。お前、ついに来てしまったんだな。この日が。」


「うるせぇ、平然とぬかすな!!!!!」

むきになってシンタローがキンタローに食って掛かる。

「そうか、もしや生理痛で不機嫌なのか?それなら痛み止めだ。
飲むといい。」

エキサイトしているシンタローとは対象的に、キンタローはいたって平然と
そう言いながら錠剤をシンタローに渡す。

「…お前は本当になんかズレてるよナ。」

呆れながらもシンタローはその薬を素直に受け取る。

丁度そのとき、半壊になってバリアフリーとなった総帥室へ
この部屋が半壊する原因の八割は担っているであろう人物が乱入してきた。

「シンちゃーん。おめでとう、女の子の日が来たんだって?今日はお赤飯にしてあげるね~」

ガンマ団元総帥、マジックその人だった。
いつものごとくピンクのスーツにシンちゃん人形片手にそんなことを
叫びながらシンタローへ近づく。

「眼魔砲!!!!!!!」

そんな元総帥へ、本日二回目の眼魔砲が炸裂した。

 



ちゅどーん


 



「どいつもこいつも人の気も知らないで浮かれてんじゃねぇ!!!!!」

たまらずシンタローは叫ぶ。

「ふふふ。シンちゃん密かに特訓していたね。眼魔砲の威力があがっているよ。」

服をボロボロにされつつかすり傷程度だがダメージを受けている様子のマジックが
起きあがってきた。
(ちなみにミヤギはいまだにダウン中)

「ちっまだ本調子には及ばねぇか。」

そんなマジックを見つつシンタローは呟く。

「シンタロー、あまり激しい運動はしないほうがいい。出血がひどくなるらしい
からな。」

やはり平然とキンタローは言う。

「………それも、本かなんかで仕入れた知識か?」

「ああ、その通りだ。」




その日の夜、本当に夕餉に赤飯を炊いたマジックは再度
シンタローの眼魔砲を食らう羽目になるのだった。
(ちなみに赤飯はちゃんと食べた。)








おわり。

 


 

はい、サブタイトル「女のこの日」でした(爆)
最初はこのタイトルで行こうと思っていたのですが、
タイトルからネタバレ満載だったので止めときました(笑)
+++ことの発端+++





 




ある朝、目が覚めたら。

昨日まで無かった胸部の脂肪があり。

昨日まであった男としての象徴が無くなっていた。





「コレはてめぇの仕業か、アーパー親父!!!!」

驚いて放心とか、ショックで失神するなどという状態にはならず、
この異常現象の原因になりそうな人物の元へとシンタローは即座に
怒鳴り込みに行っていた。

「君は…?もしかしてシンタローなのかい?」

いきなり怒鳴り込んできた団内ではいるはずの無い女性に、
マジックは内心驚いたが、その口調と身体的特徴で判断して聞いてみる。

「そうだよ!!!!あん?アンタの仕業じゃねぇのか?」

その言葉に、少し平静を取り戻すシンタロー。

「違うよ。…それにしても可愛いね、シンタロー。お母さんの若い頃にそっくりだ。」

そう言いながら、シンタローの頬へ手を差し入れ微笑むマジック。

「順応早すぎるだろ、親父…。」

そんな父親の態度にあきれながら呟くシンタロー。
だが、大人しくしていたのが間違いだった。

空いている方の手で、マジックはシンタローの膨らんでしまった胸を
鷲摑んだからだ。
しかも、服装は昨日就寝時のときの服装のままなので、
シャツとズボン一枚だった。
身体が女性体へと変化してしまっているので、サイズがかなり困ったことになっていた。
シャツは元々首元が空いている上、かなり緩くなっていて、
今にも胸が出てしまいそうな状態だった。
ズボンは長くなった分たくし上げ織り込み、ウェストは紐で縛ってなんとか着ている状態だった。

「!!!??」

「うん。中々いいサイズだ。Dくらいはあるかな?」

「こぉんのエロ親父!!!!!眼魔砲!!!!!」

そう叫ぶとシンタローは力一杯タメなし眼魔砲をお見舞いした。

衝撃音が部屋に響いた後、煙の中からマジックは出てくる。

だが、マジックにはたいしたダメージは無かったようだ。
服が少し汚れている程度だった。
秘石眼の力である程度相殺したというのもあるが、
それでも普段のシンタローの力だったら身体にダメージが及ぶほどの
被害が出る。

「う~ん。本当に女性化してしまってるみたいだね。力も弱まっているようだ。」

「ちっくしょう、一体なんだってんだよ…。」

ショックなのと悔しいのとでシンタローは唇を噛んだ。

「いいじゃない、シンちゃんだったら家事全般オッケーなんだし。パパはいつでもシンちゃんを
お嫁さんにする気でいたしねぇ~。いい機会だからいっそそうしちゃおうじゃないか!!!!」

「馬鹿野郎!!!!何言ってやがる!新生ガンマ団を立ち上げてまだ1年だぞ!?
それなのに総帥がいきなり行方不明になってどうすんだよ!!!!!」


「伯父貴邪魔するぞ。朝から親子喧嘩か…?」

「もう~こんな朝早くから二人ともうるさいよ~?また痴話喧嘩?」

シンタローが再度爆発しそうなときに、グンマとキンタローが
返事も聞かずにずかずかとマジックの部屋へ上がりこんできた。

そして、シンタローの変わり果てた姿を見て、一気に石化した。

「お、お前シンタロー…なのか?」

珍しく、キンタローが動揺している。

「わぁーシンちゃん女の子になったんだねぇ~。可愛い~~。」

血は争えないのかマジックと同じように尋常じゃないスピードで順応するグンマ。

「あっさり順応してんじゃねぇよ、グンマ。
キンタロー、俺だって信じたくねぇ事実だがホントに俺がシンタローだ。」

疲れたのか、ややうんざりしながらシンタローは答えた。

「しかし、何故いきなり女性体になっているんだ?」

「その辺は俺も物凄く知りたい。
…親父が原因じゃないとすると、ジャンに聞くのが手っ取り早いか?」

従兄弟達と話して大分落ち着きを取り戻したのかシンタローはそう言い出した。
元々今のシンタローの身体はジャンのもの。
もしかしたらジャンに聞けば何かが分かるかもしれない。

「すぐにサービス叔父貴に連絡を取ってみよう。解決できるなら内々に済ませたいだろう?
お前は出来るだけ部屋から出るな。」

「悪いな、キンタロー。頼む。」

いつもの調子を取り戻したのか、キンタローはいつもの有能な補佐官ぶりを発揮した。

「えー。折角だからもう少しそのままでいようよシンちゃ~ん。」

「そうだよ~折角可愛いのに~。」

と、マジックとグンマ。

「阿呆か!さっきも言ったけど団のことはどうすんだよ!!!!!」

「それはまたパパが代行という形で総帥に…。」

「それじゃ代変わりした意味ねぇだろうが。」

「大丈夫、シンちゃんはパパに毎日お味噌汁を作ってくれてればいいから!!!!」

と、鼻血をたらしながら答えるマジック。

「答えになってねぇー!」

憤慨するシンタローを余所に、キンタローはサービスへ連絡を取るために部屋を出た。
サービスとジャンは一緒にいるはずだから。







タイミングがよかったのか、サービスとジャンは丁度ガンマ団本部へ数時間でいける場所にいた。
事情を説明し、二人はこちらに来てくれる事となった。






「いや、話には聞いたけどホントに女になってんのなぁ。中々可愛いじゃん、シンタロー。」

気楽なジャンの言葉はシンタローをイラつかせるには十分だった。

「元々は同じ顔のシンタローがこうなのだから、お前も女性化したらさぞかし可愛いのだろうな。」

「…そういう問題じゃないです。美貌の叔父様…。」

この二人がすぐに来てくれたのはただ単に見物しに来たんじゃないかと思うほど
サービスとジャンは気楽だった。

「で、どうなんだ?何か知っていることはないか?」

見かねたキンタローがジャンへ問いかける。

「う~ん。俺もその身体使って随分長かったけどそんな異常現象おこったことないぞ。」

あっさりと答える。

つまり、原因は未だ不明ということだ。

「まぁ、可能性として、こういうとお前は嫌だろうが、お前の魂自体は青の番人のものだ。
影とは言えな。それが長く赤の番人の身体であるその身体に入っているうちに何らかの異常を
きたしたのかもしれないな。」

ジャンのその言葉を聞き、シンタローは呟く。

「俺はこの身体になって不調になったことはねぇぞ。だけど、アンタの言葉で
ありえそうなことがもう一つ浮かんだぜ…。もしかしたら、秘石の仕業かも知れねぇな。」

その言葉に、その場にいた全員が沈黙する。
その石のせいでどれほど自分達一族が酷い目に合ったか、
記憶は未だ鮮明だ。

「はっ!上等じゃねぇか。もし秘石のせいならどうせまた暇だからやったとかいう
くっだらねぇ理由に違いねぇ。俺は思惑通り面白おかしく踊ってやる気はさらさら無いぜ。」

そう言ってシンタローは笑う。

「…親父、キンタロー、それにグンマ。面倒なことになったが俺はこんなナリでも総帥を続けたい。
協力してくれるか?」

真剣に、シンタローは三人にそう言った。

「それでこそお前だ。安心しろ、今まで以上にお前をサポートしてやる。」

とキンタロー。

「勿論!僕でできることならなんでも協力するよ~。」

そう言ってにっこり笑うグンマ。

「お前を後継者にしたのは正解だったよ、シンタロー。
自分の思うようにやってみなさい。」

そう言って、マジックは優しく微笑んだ。

「でも、そんなに気負わなくても大丈夫だよ、シンちゃん。
シンちゃん団内で物凄く人気あるからみんなついてきてくれるよ」

のほほんと、グンマがそう言う。

「あのなぁ、普通あんまり簡単には受け入れられないと思うぞ、こんな異常現象。」

あきれた様子でそう返すシンタロー。

「心配は無い。よく考えてみろシンタロー。マジック伯父貴の奇行にもついて来ていた
団員達だぞ?全然問題ないだろう。」

「…それもそうかもしれん」

「…酷いいいようだね、キンちゃん、それにシンちゃんまで…。」

そう言ってマジックは涙を流すのだった。



シンタローの懸念とは余所に、団員達は驚くほどの順応を持って、
シンタローの女性化を受け入れた。

問題は、そのせいで、今まで以上に実際にシンタローに手を出しにかかる
愚か者が増えるだろうということだった。
(男性体の頃も密かに狙っていた団員は結構いた。(手を出されたいというのも含め。))
(それは本人以外は知らない事実だったが。(キンタローや伊達衆が密かに粛正していた。))


何はともかく、ここに、ガンマ団史上初めての女総帥が誕生することとなった。

 

 

 


 

やってしまいました、女化シンちゃん(滝汗)
新生ガンマ団はシンちゃんをアイドル化してると思う。(重症だよこの人。)
ので、女体化しててもノープロブレム(笑)
中身は男前なままですしね(そういう問題じゃない。)
5

 なんとか無事ホテルに到着した2人は車を駐車場に停め、会場となっているホテルの入り口へと向かった。
 このホテルは、この国では最も歴史と伝統があるホテルであり、ホテル側は「最新設備を備えつつも洗練された豪華な部屋&世界に誇るサービス」をモットーにしており、 「最もロマンチックなホテル第1位」・「通が選んだ『リゾーツ&グレートホテル』第3位」等々、様々な賞を受賞しているので利用客の評価も上々であると言える。
 2人はフロントであらかじめ予約しておいた部屋の鍵を受け取り、荷物を置くためと作戦の手順の最終確認を行うために部屋へと向かった。 
 パーティーの開始時間にはまだ早いので、パーティーに招待されたと思われる客は、ホテル内では見かけられなかった。
 部屋の入り口を入ってすぐ、ドレッシングエリアとベッドルームが見えていた。
 2人はベッドに腰掛け、作戦の最終チェックを行った。
 アラシヤマは、未だに作戦内容についてブツブツ言っていた。
 「シンタローはーん・・・。やっぱり、あんさんがわて以外に可愛いらしゅうするのは嫌どす・・・。そないな光景見たくありまへん」
 それに対しシンタローは、
 「大丈夫。俺がお前に愛想良くすることなんてぜってー、ありえねェから。それに、そもそも作戦からいうとお前は途中で退場する予定だし、俺が何をしようと結局見れねぇだろーが?」
 と、もっともな事をいったが、アラシヤマはどうにも納得がいかない様子である。
 「そうなんどすけど、やっぱり嫌なものは嫌どすえ~!!」
 そんなアラシヤマを無視し、シンタローは最終チェックを終えようとしていた。
 「うるせェな。とにかく!!途中の合流はこの部屋で。ノックは1回だからちゃんと開けろヨ」
 「へぇ。了解どす」

 28階のパーティー会場には、そろそろほぼ招待客が集まりかけていた。
 シンタローは、アラシヤマにエスコートされ、(嫌々であったが)腕を組んで会場内に足を踏み入れたのだが、
 ――――その瞬間。
 「Asian Beauty・・・!!」
 シンタローを見た会場内の人々から、どよめきの声が上がった。
 老若男女関係なく大勢の人々がシンタローに注目する中、堂々とした態度を崩さない シンタローは、人々の目には非常に気高く神秘的に写ったようである。
 しばらく2人は周囲の人達と話をしていた(というか、質問攻めにあっていた)が、折を見てアラシヤマはシンタローを伴い、組織のボスの所まで挨拶に行った。
一通りの儀礼的な挨拶が終わり、アラシヤマはシンタローを婚約者としてボスに紹介した。
 「なんて美しいお嬢さんなんだ・・・。私は今まであなたのような人は見たことが無い」
 そう言うとボスは手袋を嵌めたシンタローの手を取り口づけようとした。
が、それを見ていたアラシヤマは(わ、わてのシンタローはんに何しますのん・・・!!)と、すっかり任務だということを忘れて頭に血が上った様子であり、
 「平等院鳳凰堂極ら・・・」
 と、大技を繰り出しそうになっていると、シンタローが小声で
 (何必殺技を出そうとしてんだヨ!作戦を台無しにする気か!?)
 と囁き、ボスに分からないようにアラシヤマの足をハイヒールで思いっきり踏みつけた挙句、余程の武術の達人で無ければ目に見えないぐらいのスピードでアラシヤマの脇腹に強烈なエルボーをくらわした。
 あまりの痛みにアラシヤマは「うっ・・・」と呻いて脂汗を掻きながらうずくまった。
 「お客様、いかがなされました?大丈夫ですか」
 と、ホテル側が「世界に誇るサービス」と自負しているだけはある対応の速さで、ボーイが大急ぎで駆け寄り、アラシヤマをホテル内の病院へ案内しようとした。
 本来の作戦内容とは少々展開が違ったが、概ね流れは逸れていなかったので、アラシヤマとシンタローはそのまま作戦を決行することにした。
 ボスは何が起こったかよくわからない様子でポカンとその場の状況を見ていたが、どうにか調子を取り戻し、シンタローに話しかけた。
 「お嬢さん、アラシヤマ君は急に具合が悪くなったようでしたが、貴女は付き添わなくてもよろしいのですか?ご心配でしょう」
 シンタローは(目に見えない猫を100匹ぐらいかぶり)、そっと目を伏せこう言った。
 「いえ、いいんです。所詮、私達は親同士が勝手に決めた婚約者ですし。私達の間には愛情なんてありませんもの・・・(ケッ。我ながら気味悪ィぜ。あのババァ、男を誘惑する方法なんて気持ち悪ィもん覚えさせやがって。しかも、中々できねぇから散々扱かれたし。本当にこんなんで、効くのかよ??)」
 ――――どうやら、ボスには確りと効いていたようである。
 「おやおや。彼と貴女は、美男美女でお似合いのように見えるのですが、一体何処がご不満なのですか?女性というものは、大抵美男子がお好きなものでしょう?」
 「(ってゆーか、俺、元々男だし。あっ、美貌の叔父様のことはもちろん尊敬してますケド!)私、実は年上の男性が好きなんです。お父さんみたいで何処か安心するし・・・(ありえねェ!!)。顔の美醜なんかより、落ち着きがあって優しい人が好きカナ。それに彼、貧乏ですし、私はお金のある男性の方が好きなんです。あっ、すみません。初対面の方にこんなことまでお聞かせしてしまって・・・」
 恥らうような様子で頬を染め(←もちろん演技である)、少し俯いたシンタローの様子を見たボスは、「この女は落とせそうだ・・・!!」と直感したらしく、口説きにかかった。
 「ハハ。正直な方ですな。最初から貴女とは初対面という気は全くしませんでしたからお気になさらないで下さい。いや、むしろ今日貴女と出会うことは運命であったのではないでしょうか。2人の出会いに乾杯!」
 そう言って、悦に入った笑顔のボスとは対照的に、シンタローは内心かなり引きつっており、腕には鳥肌が立っていて思わず「眼魔砲!!」と叫びそうになったが、厳しい特訓を思い出してそこをグッと堪え、潤んだ目でじっとボスを見つめた(これも、マジックが探してきたエキスパートの特訓内容の内に入っていた)。
 それを見たボスは、それはもう心臓に衝撃を受けたようで、色々考えていた口説きの文句を全部すっ飛ばし、
 「パーティーが終わってから、私の部屋でお会いできませんか?もしよろしければ、今から部屋のキーをお渡ししますので、心が決まれば部屋の中で待っていて下さい。」
 そう言って、部屋のキーをシンタローに渡した。
 シンタローは、恥ずかしげ(くどいようだが、もちろん演技である)に「ハイ・・・」とキーを受け取った。
 パーティー会場を後にしたシンタローは、「気っ色悪かったゼ・・・」と非常にムカつきながら、アラシヤマが待つ部屋へと向かった。
 コン、と一回、シンタローが部屋の扉をノックすると、ものすごい勢いで扉が開き、アラシヤマが出てきた。
 「シ、シン」
シンタローは、大声を上げそうなアラシヤマの口を片手で塞ぎ、とりあえず部屋の中に入って扉を閉めた。
 手を離してもらい、口が自由になったアラシヤマは、ガバッとシンタローの両肩を掴み、
 「シンタローは~~~ん!!無事どした!?あの変態親父に何もされへんかったやろか??わてがボディーチェックを―――!!」
 と、錯乱状態であったが、シンタローはアラシヤマの手を振り払い、
 「この俺様が、何かされてたまるかヨ!!」
 と、アラシヤマに蹴りを入れた。
アラシヤマに八つ当たりをしたシンタローは、少しだけ気分が浮上した。
 蹴りを入れられて、なんとか落ち着いたらしいアラシヤマとシンタローはベッドの縁に腰掛け、作戦の最終確認を行った。
 「部屋の前にSPは何人いた?」
 「へぇ、2人でしたわ。ボスがあと2人連れてますから合計4人どすな」
 「いいか、カウントは5秒だからナ。5秒でケリつけろヨ」
 「4秒で十分どす」
 「火は使うなよナ。ホテル内の物が焼けたら弁償するのはガンマ団だし」
 「シンタローはん、わてを何やと思ってますのん?ガンマ団ナンバー2どすえ?何処かの誰かさん達と違って、特殊能力に頼らんでも大丈夫どす。任せておくんなはれ」
 「よし。じゃあ行くぜ」
 そう言って2人は部屋を出た。


 
 シンタローとアラシヤマは、27階のボスの部屋が見える廊下の曲がり角まで来ると、お互い無言で頷き、シンタローは影から一歩を踏み出し部屋に向かって歩き始めた。
 SP達には連絡が既になされていたようで、彼らは無言でシンタローが部屋の扉を開けるのを見ていた。
 シンタローは、入り口を入って左側の扉を開け、ベッドルームに入り、窓から夜景を眺めた。
 (おおっ、やっぱここの夜景はスゲーな。それにしても、任務がこんなに精神的に疲れるとは思わなかったぜ・・・)
 色々と思いながら外の風景を眺めていると、不意に入り口の方でドアを開ける音が聞こえ、どうやらボスが帰ってきたらしかった。
 そして、すぐに部屋のドアが開き、ボスが入ってきた。
 (よし、今から4秒だな。いーち、にーい、さーん、よん、っと。アイツ、うまく潜入できたかな?)
 「・・・やっぱり、来て下さったのですね。この部屋にいるということは貴女も中々大胆だ。貴女が背にしている夜景よりも、貴女の方が100万倍美しい・・・」
 ボスの恥ずかしい台詞を鳥肌を立てて聞きながら、シンタローは気色悪さよりも、どこかで聞いているはずのアラシヤマがタイミングを無視しないかどうかという事の方が気になっていた。
 シンタローはまたもや100匹ぐらい目に見えない猫を被り、儚げに俯いた。
 そして、
 「まだ、少し迷いがありますので、先にシャワーをお浴びになって下さいませんか?その間に心の準備をしておきますので・・・」 
 ボスは、「今更逃げられるわけが無い」と高をくくったようで、余裕をもって鷹揚に頷いた。
 「いいでしょう。それでは、お先に」
 そう言ってドレッシングルーム(その奥に浴室がある)の方に消えていくボスを見ながら、シンタローは(アラシヤマだったら、絶対一緒に入るって言い張りそうだな・・・。そんな状況ありえねェけど)と思っていた。
 程なくし、ベッドルームの扉が開き、アラシヤマが部屋に入ってきた。
 シンタローは少し、ホッとした。
 「シンタローはーん!わてにもあんな台詞言ってほしゅうおます~!!わてなら、むしろ、あんさんにシャワーなんて使わせまへんけど。その方がシンタローはんの匂いが堪能できますしvv」
 小声でそう言うアラシヤマの台詞を聞き、シンタローはさっきアラシヤマを見てちょっと安心した自分を全否定したい気分になった。
 「・・・(あぁ、今、眼魔砲が撃てたらナァ)。ホラ、早く準備しろヨ!」
 そうシンタローに言われ、アラシヤマはドレッシングルームとベッドルームを仕切る扉の横の壁に背中を預け、張り付いた。
 シンタローはベッドの縁に腰掛け、2人はボスが出てくるのを待った。
 数分経つとシャワーの音が止み、ドレッシングルームからバスローブを着たボスが出てきた。
 ボスはというと、シャワーを浴び体の神経がリラックスしており、扉からベッドに腰掛けたシンタローの姿が見えたのですっかり油断していたらしい。
 アラシヤマがボスの後ろから首筋に手刀を叩き込むと、あっけなくその場に倒れ気絶した。
 アラシヤマは、その場に屈みこみ、ボスの手から小指に嵌められていた蛇の形の指輪を抜き取った。
 念のため、アラシヤマが指輪の仕掛けを開け、中を確認するとマイクロチップが入っていた。
 「ええっと、これでよかったんどすな。これで任務完了ですわ。ほな、退却しまひょか。あ、そうそうその前に・・・」
 アラシヤマはシンタローの前に立ち、
「シンタローはん。わて、思ったんどすけど。この変態親父、ここの窓から放り出しまへんか?」
 と、真顔でそう言った。
 ・・・ちなみに、この部屋は27階なので、窓から放り出されると間違いなく天国または地獄行きである。
 「・・・何でだよ?そこまでする必要はねぇダロ?任務も終わった事だし、さっさと帰ろうゼ」
 そうシンタローは言ったが、アラシヤマはどうも不満気である。
 「だって!わてのシンタローはんの手を握ってキスしようとしたんどすえ!?万死に値しますやろ!!」
 「俺は、お前のもんじゃねぇよ!!勝手に所有格つけんなヨ!それに、『手を握った』つっても手袋の上からだし、キスされてねぇから別にいいじゃねぇか」
 「でっ、でも、わては見てないのに可愛ええシンタローはんの姿も見てますし、やっぱり納得いきまへんえ~!!」
 未だにブツブツ言うアラシヤマに、シンタローは非常に面倒くさくなった。
 「ホラ、手ぐらい握りたきゃ握ればいいダロ?ったく、面倒くせぇ」
 と、シンタローがアラシヤマの方に投げ遣りに腕を差し出すと、しばし、無言でそれを見ていたアラシヤマは、急にシンタローの腕を掴むとシンタローをグイッと自分の方に引き寄せ、いきなりシンタローを抱き上げた。
 「オイ、コラ!あにすんだヨ!?降ろせ――――!!!」
 所謂、お姫様抱っこされた状態のシンタローはジタバタと暴れたが、
 「嫌どす~♪ほな、部屋にもどりまひょか。あまり暴れはりますと、不審に思われますえ?」
 もっともなことを言うアラシヤマに非常にムカつきながら、シンタローは結局アラシヤマに抱えられたまま部屋に戻った。

 部屋に戻った2人であるが、シンタローはドレスのままでは目立つし動きにくいので着替えることにした。
 用意してあったバッグを開け、着替えを取り出した途端、シンタローは着替えを床に投げつけた。
 「シンタローはん?ど、どないしはりましたん??」
 「なんで、またスカートなんだヨ!?任務じゃねぇ時にスカートなんか着れっかよ。俺は男だ~~!!」
 「(元総帥の趣味なんやろか・・・)シ、シンタローはん?ここのホテルはカジュアル禁止ということで、女性は何故かスカートを履かなあきませんらしいどすえ?だから、スカートでむしろよかったんどす」
 そう言ってアラシヤマはシンタローをなだめようとしたが、かえって逆効果のようである。
 「お前はズボンだしいいよナ!もしお前が急に女になったら、スカートなんか履けんのかよ!?」
 シンタローはアラシヤマに語気荒く詰め寄ったが、
 「シンタローはんのためやったら、わてはスカートなんか全然へいきどす~vvv」
 アラシヤマは、全く躊躇せずにそう答えた。
 (コイツに聞いたのが間違いだったゼ・・・)
 シンタローは、もう何も言う気力が起こらず、ドレッシングエリアに行き黙々と着替えた。

 着替えた2人は、ホテルをチェックアウトし、駐車場に向かった。
 「シンタローはん、わてが運転しましょか?スカートやったら運転しにくいでっしゃろ?」
 「イヤ、いい。もう、金輪際お前の運転する車には乗らねェ・・・」
 来るとき、何があったのかは不明であるが、とにかくアラシヤマの運転はシンタローにとってはかなり怖かったようである。
シンタローが車を運転し、2人はガンマ団内に戻った。
 駐車場に車を停め、2人は本部の方に歩いていった。
 「シンタローはん、このあとお茶でも・・・vvv」
 「お前は、報告書かかなくちゃなんねェだろーが。報告書は明日提出だぜ?そんな暇ねぇダロ」
 「はうっ!そうどした・・・。あっ!シンタローはんも一緒の任務やったんやさかいに、別に報告書は書かんでもええんとちゃいます?」
 「・・・報告書を書かないと、お前、今回の報酬は無しだゼ?給料払うのに形式的な記録が残っていないと爺さん連中がうるせぇんだよ。じゃっ、また明日ナ」
 そう言って、アッサリと去っていくシンタローの背を見つめ、
 「シンタローはーん・・・」
 と、涙を流すアラシヤマであったが、とりあえず部屋に戻り、徹夜で報告書を書き上げた。

 翌日、報告書提出のため総帥室を訪れたアラシヤマは、男に戻ったシンタローと対面した。
 「シンタローはーん!!アレっ?元に戻りはったんどすか??女のあんさんもそれはもうメチャクチャ可愛ゆうおましたけど、やっぱり、男のシンタローはんが一番どすな。わて、できれば女性と組む任務はもう2度としとうおまへん・・・。心臓に悪いどす。あっ、シンタローはんがまた女性になりはったら話は別どすが」
 それを聞いたシンタローは、苦笑いし、
 「俺も、もう2度とあんな任務はしたくねェヨ」と言った。












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