+++総帥の不機嫌な日+++
いつか来ると聞いていたから心の準備はしていたけれど。
いざ、本当にそういうことになるとやっぱり衝撃は受けるわけで。
それでもおいそれと寝込んでしまえるような優しい内容の仕事をしている
わけではないうえに、別段病気というものでもないわけで。
今日も我らが総帥は執務室で黙々と執務を執行していた。
「…シンタロー。どうした?なんだかいつもにまして眉間の皺が多いようだが。」
シンタローの補佐官であるキンタローはいつものように仕事をこなしてはいるが、
明らかに不機嫌なオーラをかもし出しているシンタローに聞いた。
キンタローだからこそ平然としているが、新入団員がその威圧感に
当てられたら恐怖に立ちすくむところだろう。
原因不明で現在女性であるにもかかわらず、
シンタローには平素の総帥としての貫禄は健在だった。
「あぁん?別になにもねぇよ。」
それに、明らかに不機嫌な様子でシンタローは返す。
「あまり無理はするな。お前に倒れられては元も子もないからな。」
「うるせぇな。何もねぇつってんだろーが。」
シンタローを心配してのキンタローの言葉だったが、シンタローは
やはり不機嫌なままそう返す。
そこへ遠征から戻ったばかりの伊達衆のミヤギが報告に総帥室への
入室許可を取りたいとの連絡が入った。
ミヤギの入室許可を承諾するとすぐに彼はやってきた。
「シンタロー総帥。東北ミヤギ、ただ今遠征から帰還したべ。」
敬礼しながらミヤギはそう言った。
「ああ、ご苦労さん。今回の遠征も長かったからな。疲れただろ?」
そんなミヤギにねぎらいの言葉をシンタローはかけるが、
ミヤギはシンタローの顔を見るや、言った。
「なんだかシンタロー、機嫌悪そうだべな。もしやアノ日じゃねぇべな?」
冗談混じりにミヤギはそう言ったが、それが地雷だった。
「眼魔砲!!!!」
ちゅどーん。
「ぎゃーーー!!!!」
普段は相手がマジックかアラシヤマ以外にはよほどのことがないかぎり
簡単には自身の必殺技を使わないシンタローだが、今回は違った。
眼魔砲により半壊状態になっている総帥室で肩で息をしているシンタローに
向かってキンタローは平然と言った。
「シンタロー。お前、ついに来てしまったんだな。この日が。」
「うるせぇ、平然とぬかすな!!!!!」
むきになってシンタローがキンタローに食って掛かる。
「そうか、もしや生理痛で不機嫌なのか?それなら痛み止めだ。
飲むといい。」
エキサイトしているシンタローとは対象的に、キンタローはいたって平然と
そう言いながら錠剤をシンタローに渡す。
「…お前は本当になんかズレてるよナ。」
呆れながらもシンタローはその薬を素直に受け取る。
丁度そのとき、半壊になってバリアフリーとなった総帥室へ
この部屋が半壊する原因の八割は担っているであろう人物が乱入してきた。
「シンちゃーん。おめでとう、女の子の日が来たんだって?今日はお赤飯にしてあげるね~」
ガンマ団元総帥、マジックその人だった。
いつものごとくピンクのスーツにシンちゃん人形片手にそんなことを
叫びながらシンタローへ近づく。
「眼魔砲!!!!!!!」
そんな元総帥へ、本日二回目の眼魔砲が炸裂した。
ちゅどーん
「どいつもこいつも人の気も知らないで浮かれてんじゃねぇ!!!!!」
たまらずシンタローは叫ぶ。
「ふふふ。シンちゃん密かに特訓していたね。眼魔砲の威力があがっているよ。」
服をボロボロにされつつかすり傷程度だがダメージを受けている様子のマジックが
起きあがってきた。
(ちなみにミヤギはいまだにダウン中)
「ちっまだ本調子には及ばねぇか。」
そんなマジックを見つつシンタローは呟く。
「シンタロー、あまり激しい運動はしないほうがいい。出血がひどくなるらしい
からな。」
やはり平然とキンタローは言う。
「………それも、本かなんかで仕入れた知識か?」
「ああ、その通りだ。」
その日の夜、本当に夕餉に赤飯を炊いたマジックは再度
シンタローの眼魔砲を食らう羽目になるのだった。
(ちなみに赤飯はちゃんと食べた。)
おわり。
はい、サブタイトル「女のこの日」でした(爆)
最初はこのタイトルで行こうと思っていたのですが、
タイトルからネタバレ満載だったので止めときました(笑)
いつか来ると聞いていたから心の準備はしていたけれど。
いざ、本当にそういうことになるとやっぱり衝撃は受けるわけで。
それでもおいそれと寝込んでしまえるような優しい内容の仕事をしている
わけではないうえに、別段病気というものでもないわけで。
今日も我らが総帥は執務室で黙々と執務を執行していた。
「…シンタロー。どうした?なんだかいつもにまして眉間の皺が多いようだが。」
シンタローの補佐官であるキンタローはいつものように仕事をこなしてはいるが、
明らかに不機嫌なオーラをかもし出しているシンタローに聞いた。
キンタローだからこそ平然としているが、新入団員がその威圧感に
当てられたら恐怖に立ちすくむところだろう。
原因不明で現在女性であるにもかかわらず、
シンタローには平素の総帥としての貫禄は健在だった。
「あぁん?別になにもねぇよ。」
それに、明らかに不機嫌な様子でシンタローは返す。
「あまり無理はするな。お前に倒れられては元も子もないからな。」
「うるせぇな。何もねぇつってんだろーが。」
シンタローを心配してのキンタローの言葉だったが、シンタローは
やはり不機嫌なままそう返す。
そこへ遠征から戻ったばかりの伊達衆のミヤギが報告に総帥室への
入室許可を取りたいとの連絡が入った。
ミヤギの入室許可を承諾するとすぐに彼はやってきた。
「シンタロー総帥。東北ミヤギ、ただ今遠征から帰還したべ。」
敬礼しながらミヤギはそう言った。
「ああ、ご苦労さん。今回の遠征も長かったからな。疲れただろ?」
そんなミヤギにねぎらいの言葉をシンタローはかけるが、
ミヤギはシンタローの顔を見るや、言った。
「なんだかシンタロー、機嫌悪そうだべな。もしやアノ日じゃねぇべな?」
冗談混じりにミヤギはそう言ったが、それが地雷だった。
「眼魔砲!!!!」
ちゅどーん。
「ぎゃーーー!!!!」
普段は相手がマジックかアラシヤマ以外にはよほどのことがないかぎり
簡単には自身の必殺技を使わないシンタローだが、今回は違った。
眼魔砲により半壊状態になっている総帥室で肩で息をしているシンタローに
向かってキンタローは平然と言った。
「シンタロー。お前、ついに来てしまったんだな。この日が。」
「うるせぇ、平然とぬかすな!!!!!」
むきになってシンタローがキンタローに食って掛かる。
「そうか、もしや生理痛で不機嫌なのか?それなら痛み止めだ。
飲むといい。」
エキサイトしているシンタローとは対象的に、キンタローはいたって平然と
そう言いながら錠剤をシンタローに渡す。
「…お前は本当になんかズレてるよナ。」
呆れながらもシンタローはその薬を素直に受け取る。
丁度そのとき、半壊になってバリアフリーとなった総帥室へ
この部屋が半壊する原因の八割は担っているであろう人物が乱入してきた。
「シンちゃーん。おめでとう、女の子の日が来たんだって?今日はお赤飯にしてあげるね~」
ガンマ団元総帥、マジックその人だった。
いつものごとくピンクのスーツにシンちゃん人形片手にそんなことを
叫びながらシンタローへ近づく。
「眼魔砲!!!!!!!」
そんな元総帥へ、本日二回目の眼魔砲が炸裂した。
ちゅどーん
「どいつもこいつも人の気も知らないで浮かれてんじゃねぇ!!!!!」
たまらずシンタローは叫ぶ。
「ふふふ。シンちゃん密かに特訓していたね。眼魔砲の威力があがっているよ。」
服をボロボロにされつつかすり傷程度だがダメージを受けている様子のマジックが
起きあがってきた。
(ちなみにミヤギはいまだにダウン中)
「ちっまだ本調子には及ばねぇか。」
そんなマジックを見つつシンタローは呟く。
「シンタロー、あまり激しい運動はしないほうがいい。出血がひどくなるらしい
からな。」
やはり平然とキンタローは言う。
「………それも、本かなんかで仕入れた知識か?」
「ああ、その通りだ。」
その日の夜、本当に夕餉に赤飯を炊いたマジックは再度
シンタローの眼魔砲を食らう羽目になるのだった。
(ちなみに赤飯はちゃんと食べた。)
おわり。
はい、サブタイトル「女のこの日」でした(爆)
最初はこのタイトルで行こうと思っていたのですが、
タイトルからネタバレ満載だったので止めときました(笑)
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