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|単発| |女体化| |リキシンお題| |シン受けお題| |キンシンお題|
--------------------------------------------------------------------------------
はぁ~~。
深い、深い、地にめり込んでいきそうなほどのため息が出る。
コタローと入れ替わりにパプワハウスで、同じ屋根の下☆で暮らしているシンタローさんが来てから
今までとは違うため息が多くなった。
パプワ、コタロー、チャッピー。
エグチくんにナカムラくん。
あ~~、奴が羨ましい。イヤむしろ恨めしい。
彼らの共通点。
シンタローさんと仲が良い。
そして、ずばり、『可愛い系』だ。
とくにコタローにはメロメロ(古っ!)だったよな~
あ~、あれはブラコンだから違うのかな?
でも可愛い系だもんな。
可愛い=ファンシー。
そうファンシーだよ。俺が愛してやまない。
俺(といえば)=ファンシー。
ファンシー=(たぶん)可愛い系。
可愛い系=シンタローさんが好意を寄せてくれる。
つまり、略すと、
俺=シンタローさんが好意を寄せるっ!!
だから、新しい次元にとばされる度にこんなに必死に俺の可愛さを、
お気遣いの紳士の協力の元!(←勝手に思い込んでいる)全力で表現しているのに。
何故、貴方は見向きもしてくれないんだ~~~っ!
やっぱり、もっとファンシーにしなきゃダメなのか?
そう思って、こっそり作っていたセーラーも着たのにっっ。
男のロマン、チラリズムまで駆使したのにっ!
チラリズムといえば。
あの空から降って、俺の上の落ちてきたあの時のシンタローさんの格好!
あ、やばい。思い出しただけでも鼻血でそう。
腰パンですよ、腰骨がセクシーです。男の色気です。ムンムンですよ!
思わず、口調がかわっちゃったよ。
それに俺は一体誰にこの心の叫びを言っているんだ?
ふっ、我にかえると目の前には台所の出窓の観葉植物。
シンタローさんが、家の中が殺風景だから、と外から摘んできたものだ。
ああ、植物相手に何を言っているんだ。
・・・アレ?もしかして今アラシヤマと一緒?
いやアラシヤマはあれでもシンタローさんに構って貰っている。
あんなに酷い扱いなのに、羨ましいと思う俺はもう末期なのかもしれない。
ここで悩んでいてもしょうがない。
よっし、シンタローさんに直接、と気合を入れる。
台所から、ちゃぶ台へと視線を移すと、
シンタローさんとパプワが気持ち悪そうに俺のことを見ていた。
え、俺なんかした?
一人台所で、悩んでいただけなんだけど。
と思っているとパプワが一言。
「家政夫、オマエ全部声に出てたゾ。」
「え、嘘!」
動揺のあまり、両手の人差し指をあさっての方向に突き出す変な格好をしてしまう。
そんな俺にお構えなしにパプワが続ける。
「シンタロー、あれを聴いた感想は?」
さすが、ちみっこ。無邪気に無敵だ。
でもこれで、シンタローさんの気持ちがきけるっと胸が高まる。
心臓が脈打つのを感じる。
シンタローさんの黒く澄んだ瞳を見つめる。
シンタローさんも、俺の目を見つめてくれている。
いつもパプワに向けている最上級の笑顔まで!
熱い視線が絡まる。見つめ合う二人。自然と期待が高まる。
「うん、でも俺はお前がキライだ。」
そう言うと、散歩行ってくるわ、と背を向けられた。
離れていくシンタローさんの背中を見つめつつ思う。
ああ、爽やかな笑顔で軽くあしらう貴方も素敵v
なんだか、癖になりそうっ。
アラシヤマとは案外仲良くなれるかも・・・・
今度アラシヤマに会ったら、シンタローさんの隠し撮り写真を譲ってもらおう。
そして、シンタローさん研究を続けよう。
・・・リキッドの報われない努力は続いていく・・・
H16.4.16
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はぁ~~。
深い、深い、地にめり込んでいきそうなほどのため息が出る。
コタローと入れ替わりにパプワハウスで、同じ屋根の下☆で暮らしているシンタローさんが来てから
今までとは違うため息が多くなった。
パプワ、コタロー、チャッピー。
エグチくんにナカムラくん。
あ~~、奴が羨ましい。イヤむしろ恨めしい。
彼らの共通点。
シンタローさんと仲が良い。
そして、ずばり、『可愛い系』だ。
とくにコタローにはメロメロ(古っ!)だったよな~
あ~、あれはブラコンだから違うのかな?
でも可愛い系だもんな。
可愛い=ファンシー。
そうファンシーだよ。俺が愛してやまない。
俺(といえば)=ファンシー。
ファンシー=(たぶん)可愛い系。
可愛い系=シンタローさんが好意を寄せてくれる。
つまり、略すと、
俺=シンタローさんが好意を寄せるっ!!
だから、新しい次元にとばされる度にこんなに必死に俺の可愛さを、
お気遣いの紳士の協力の元!(←勝手に思い込んでいる)全力で表現しているのに。
何故、貴方は見向きもしてくれないんだ~~~っ!
やっぱり、もっとファンシーにしなきゃダメなのか?
そう思って、こっそり作っていたセーラーも着たのにっっ。
男のロマン、チラリズムまで駆使したのにっ!
チラリズムといえば。
あの空から降って、俺の上の落ちてきたあの時のシンタローさんの格好!
あ、やばい。思い出しただけでも鼻血でそう。
腰パンですよ、腰骨がセクシーです。男の色気です。ムンムンですよ!
思わず、口調がかわっちゃったよ。
それに俺は一体誰にこの心の叫びを言っているんだ?
ふっ、我にかえると目の前には台所の出窓の観葉植物。
シンタローさんが、家の中が殺風景だから、と外から摘んできたものだ。
ああ、植物相手に何を言っているんだ。
・・・アレ?もしかして今アラシヤマと一緒?
いやアラシヤマはあれでもシンタローさんに構って貰っている。
あんなに酷い扱いなのに、羨ましいと思う俺はもう末期なのかもしれない。
ここで悩んでいてもしょうがない。
よっし、シンタローさんに直接、と気合を入れる。
台所から、ちゃぶ台へと視線を移すと、
シンタローさんとパプワが気持ち悪そうに俺のことを見ていた。
え、俺なんかした?
一人台所で、悩んでいただけなんだけど。
と思っているとパプワが一言。
「家政夫、オマエ全部声に出てたゾ。」
「え、嘘!」
動揺のあまり、両手の人差し指をあさっての方向に突き出す変な格好をしてしまう。
そんな俺にお構えなしにパプワが続ける。
「シンタロー、あれを聴いた感想は?」
さすが、ちみっこ。無邪気に無敵だ。
でもこれで、シンタローさんの気持ちがきけるっと胸が高まる。
心臓が脈打つのを感じる。
シンタローさんの黒く澄んだ瞳を見つめる。
シンタローさんも、俺の目を見つめてくれている。
いつもパプワに向けている最上級の笑顔まで!
熱い視線が絡まる。見つめ合う二人。自然と期待が高まる。
「うん、でも俺はお前がキライだ。」
そう言うと、散歩行ってくるわ、と背を向けられた。
離れていくシンタローさんの背中を見つめつつ思う。
ああ、爽やかな笑顔で軽くあしらう貴方も素敵v
なんだか、癖になりそうっ。
アラシヤマとは案外仲良くなれるかも・・・・
今度アラシヤマに会ったら、シンタローさんの隠し撮り写真を譲ってもらおう。
そして、シンタローさん研究を続けよう。
・・・リキッドの報われない努力は続いていく・・・
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うららかな天気。
パプワハウスでは筋肉質なアニキ二人がちゃぶ台を挟み茶を啜りつつ向かい合っていた。
そこには俗世とは切り離された独特の雰囲気が流れていた。
『 おい、ばーさんや 』 『 なんだい、おじーさん 』の世界である。
酸いも甘いも共に分かち合ってきた二人が居た。
が、ばーさん、もとい、シンタローの何気ない 「 たまにゃお前の言う事もきいてやるよ 」 の一言から
誰がその場に居ても異様と感じる空気へと変った。
「 じゃあ、恋人になってください!! 」
リキッドは何故かすっくと立ち上がり叫ぶ。
じーさんは再び青年、を通り越し、ヤンキーへと変貌を遂げた。
その馬鹿でかい、誰が聞いても無駄に力が入りまくっている声が家全体に響く。
声の気合通りの直立不動の姿勢で、その人へと挑んでいる。ついでにぐっと奥歯も噛み締め、
いつ殴られても良い臨戦態勢だ。
「 …………ほぉ 」
全身全霊を言葉に込めて思いの丈を叫んだリキッドに対し、
言われたシンタローはなんともやる気のなさろうなその一言だった。
ばーさんはばーさんのままだった。立ち上がる気配すら無い。
「 あれ? 」
リキッドは拍子抜けする。
言った瞬間、最悪眼魔砲、最高でも拳は飛んでくると思っていたからだ。
「 あの……? 」
シンタローをそろそろと見る。別に怒りを堪えている様子には見え無い。
その視線に応える要にシンタローは顎をしゃくる。
「 あん?」
「 殴らないんですか? 」
何故かリキッドは自らシンタローの元へと行き、真横に膝をつき身を乗り出す。
「 何? お前殴られたいの?」
じゃあ遠慮なく、と拳を固める。
「 ……っ 」
リキッドはぶんぶんと首がもげそうな勢いで否定する。
いくら好きな相手でも殴られて喜ぶような特殊な趣向ではない。
ひょっとしたらそのうちそれに快感を見出せるようになるかもしれないが、
そこまでの域には達したくないとリキッドは思っている。
「 しっかしお前変わってんな 」
普通、男が男に言う事じゃない。
島の番人になっちまうくらいだしヤンキーか特戦部隊時代に頭のネジを2,3本どこかその辺に
捨ててきたのかもしれないと勝手に納得する。
変態はシンタローのごくごく身近にもいるのでその辺の理解とは言えないが順応は早い。
「 じゃあ俺のお願い聞いてくれるんすか? 」
「 ああ 」
針の先ほどの可能性も無かったその承諾にリキッドはよっしゃ! と歓声と共にガッツポーズをきめる。
「 ただし! 」
シンタローはきっとここ最近で一番の喜びようを見せているリキッドに氷水をぶちまけるような言葉を付け加える。
「 10分間だけな 」
「 え? 10分? 」
「 そう 」
長い黒髪を揺らしながら深々と頷く。
「 なんで10分なんですか? 」
「 何? 不満なわけ? 」
鋭い眼力でリキッドの不満そうな声を撥ね退ける。
シンタローは特に意味があって10分にしたわけではない。
何となく10という区切りの良い数字が浮かんだからだ。
「 い、いいえ! そんな事ないです! 」
そんな事ないわけないが、この機会を逃してたまるものかと勢いのまま応える。
リキッドはただ単にシンタローが自分の感情の浮き沈みを見るのが楽しいだけじゃないか、
それとも新しいイジメ?とそんな考えが頭をよぎるが
僅かでも好意を持ってくれていないとOKはくれないだろうと無理矢理良い方向へ考える。
それに10分もあればあーんな事やこーんな事も出来る!
一人あれこれと妄想を巡らす。
その妖しい考えに顔がでれーん、崩れる。
「 あ、俺に触るのもナシな 」
そんなリキッドのヤバそうな様子に、切れ味抜群の包丁をサクっと刺す。
「 ええーー!それじゃ 」
何の意味も無いと続けようとしたが、シンタローがリキッドにすっと右腕を差し出し、
手の平に青い光を生み出す。
暴力に訴える直前の精神的圧力をかけるのは青の一族の得意技だ。
シンタローも皆まで言わせず黙らせる。
そんな真顔でリキッドを見つめ必殺技をちらつかせる有無を言わせない様子にコレが惚れた弱みか、と
リキッドはうな垂れるが一瞬後再び笑顔全開で立ち直った。
「 じゃあ、シンタローさんが俺に触るのはありっすか?」
「 …まぁ、それならいいけどよ 」
一瞬思案したあと答えた。
その言葉を聞くと、すうっと大きく息を吸い込み、再び叫ぶ。
「 一緒に風呂入ってください! 」
その青空のように澄み切った瞳の奥には、
恋人といえばお風呂でいちゃいちゃぱらだいす! と文字が凄い勢いで流れている。
永遠の二十歳は誤った認識のまま一生をこの聖地で終えそうだ。
シンタローはその文字が見えなかったのか、そんな事なら時々パプワたちと全員一緒に入っている
のだから今更頼む事なのかと首をかしげる。彼は妙なところで鈍かった。
暫く後、シンタローたちが風呂の代わりとして利用している温泉から
盛大な水しぶきと大きな青い光線が天へと昇った。
H17.1.1
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うららかな天気。
パプワハウスでは筋肉質なアニキ二人がちゃぶ台を挟み茶を啜りつつ向かい合っていた。
そこには俗世とは切り離された独特の雰囲気が流れていた。
『 おい、ばーさんや 』 『 なんだい、おじーさん 』の世界である。
酸いも甘いも共に分かち合ってきた二人が居た。
が、ばーさん、もとい、シンタローの何気ない 「 たまにゃお前の言う事もきいてやるよ 」 の一言から
誰がその場に居ても異様と感じる空気へと変った。
「 じゃあ、恋人になってください!! 」
リキッドは何故かすっくと立ち上がり叫ぶ。
じーさんは再び青年、を通り越し、ヤンキーへと変貌を遂げた。
その馬鹿でかい、誰が聞いても無駄に力が入りまくっている声が家全体に響く。
声の気合通りの直立不動の姿勢で、その人へと挑んでいる。ついでにぐっと奥歯も噛み締め、
いつ殴られても良い臨戦態勢だ。
「 …………ほぉ 」
全身全霊を言葉に込めて思いの丈を叫んだリキッドに対し、
言われたシンタローはなんともやる気のなさろうなその一言だった。
ばーさんはばーさんのままだった。立ち上がる気配すら無い。
「 あれ? 」
リキッドは拍子抜けする。
言った瞬間、最悪眼魔砲、最高でも拳は飛んでくると思っていたからだ。
「 あの……? 」
シンタローをそろそろと見る。別に怒りを堪えている様子には見え無い。
その視線に応える要にシンタローは顎をしゃくる。
「 あん?」
「 殴らないんですか? 」
何故かリキッドは自らシンタローの元へと行き、真横に膝をつき身を乗り出す。
「 何? お前殴られたいの?」
じゃあ遠慮なく、と拳を固める。
「 ……っ 」
リキッドはぶんぶんと首がもげそうな勢いで否定する。
いくら好きな相手でも殴られて喜ぶような特殊な趣向ではない。
ひょっとしたらそのうちそれに快感を見出せるようになるかもしれないが、
そこまでの域には達したくないとリキッドは思っている。
「 しっかしお前変わってんな 」
普通、男が男に言う事じゃない。
島の番人になっちまうくらいだしヤンキーか特戦部隊時代に頭のネジを2,3本どこかその辺に
捨ててきたのかもしれないと勝手に納得する。
変態はシンタローのごくごく身近にもいるのでその辺の理解とは言えないが順応は早い。
「 じゃあ俺のお願い聞いてくれるんすか? 」
「 ああ 」
針の先ほどの可能性も無かったその承諾にリキッドはよっしゃ! と歓声と共にガッツポーズをきめる。
「 ただし! 」
シンタローはきっとここ最近で一番の喜びようを見せているリキッドに氷水をぶちまけるような言葉を付け加える。
「 10分間だけな 」
「 え? 10分? 」
「 そう 」
長い黒髪を揺らしながら深々と頷く。
「 なんで10分なんですか? 」
「 何? 不満なわけ? 」
鋭い眼力でリキッドの不満そうな声を撥ね退ける。
シンタローは特に意味があって10分にしたわけではない。
何となく10という区切りの良い数字が浮かんだからだ。
「 い、いいえ! そんな事ないです! 」
そんな事ないわけないが、この機会を逃してたまるものかと勢いのまま応える。
リキッドはただ単にシンタローが自分の感情の浮き沈みを見るのが楽しいだけじゃないか、
それとも新しいイジメ?とそんな考えが頭をよぎるが
僅かでも好意を持ってくれていないとOKはくれないだろうと無理矢理良い方向へ考える。
それに10分もあればあーんな事やこーんな事も出来る!
一人あれこれと妄想を巡らす。
その妖しい考えに顔がでれーん、崩れる。
「 あ、俺に触るのもナシな 」
そんなリキッドのヤバそうな様子に、切れ味抜群の包丁をサクっと刺す。
「 ええーー!それじゃ 」
何の意味も無いと続けようとしたが、シンタローがリキッドにすっと右腕を差し出し、
手の平に青い光を生み出す。
暴力に訴える直前の精神的圧力をかけるのは青の一族の得意技だ。
シンタローも皆まで言わせず黙らせる。
そんな真顔でリキッドを見つめ必殺技をちらつかせる有無を言わせない様子にコレが惚れた弱みか、と
リキッドはうな垂れるが一瞬後再び笑顔全開で立ち直った。
「 じゃあ、シンタローさんが俺に触るのはありっすか?」
「 …まぁ、それならいいけどよ 」
一瞬思案したあと答えた。
その言葉を聞くと、すうっと大きく息を吸い込み、再び叫ぶ。
「 一緒に風呂入ってください! 」
その青空のように澄み切った瞳の奥には、
恋人といえばお風呂でいちゃいちゃぱらだいす! と文字が凄い勢いで流れている。
永遠の二十歳は誤った認識のまま一生をこの聖地で終えそうだ。
シンタローはその文字が見えなかったのか、そんな事なら時々パプワたちと全員一緒に入っている
のだから今更頼む事なのかと首をかしげる。彼は妙なところで鈍かった。
暫く後、シンタローたちが風呂の代わりとして利用している温泉から
盛大な水しぶきと大きな青い光線が天へと昇った。
H17.1.1
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--------------------------------------------------------------------------------
今日も今日とて家政夫業に精を出す。
パプワとチャッピーそしてシンタローさんはオヤツを済ませ夜ご飯の食材を獲りに行っている。
シンタローさんも家事を手伝ってくれるが、彼はこの島にいつまでも居られる訳ではない。
パプワと少しでも多くの時間をすごせる様に主に食材獲りをお願いしている。
普段ならパプワも気が向いたときしか手伝ってくれないのだが、
シンタローさんが来てからというもの毎日一緒に出かけている。
シンタローさんとパプワの仲の良さには、今この島を預けられている番人としては複雑な思いを
抱かないわけではないが、彼らの嬉しそうな顔を見るとそんな思いも吹き飛んでしまう。
それに、その事に感謝してくれてか唯我独尊、天上天下な俺様シンタローさんがオヤツ当番の時には、
俺に何時もより少し多く作ってくれている。
それを少し残しておき、オヤツの後片付け・洗濯の取り入れ後の休憩に食べるのが
俺の至福の時間の一つだ。
シンタローさんが来て、コタローが日本に帰ってしまったから洗濯の量は今までと大差ない。
それにシンタローさんが着ている物をこうやって触れるのは嬉しい。
自然、にへら~と顔が緩んでしまう。
こんな所を誰かに見られたら単なる変態になってしまう。
いかんいかん、と緩めていた顔を締める。
そんな事を繰り返し洗濯物を畳み箪笥にしまう。
休憩しようと先ほどちゃぶ台に用意しておいたチーズケーキへと振り向こうとした。
カサ。
ぴぴくぅ。俺の動きが止まる。
誰しも一度は聴いた事があるであろう、あの音が聞こえた。
カサカサ。
やばい、固まっている場合ではない!慌てて振り返る。
ちゃぶ台の上にヤツはいた。
あんなに小さいのに感じるプレッシャー。
黒光りし、異様に早く動くアレ。人類普遍の敵。
シンタローさんが俺のために作ってくれたチーズケーキが!!ヤツに狙われているっ!!
ゴキブリ目ゴキブリ科。
俺はあんな生き物を節足動物とは認められないっ!
いや、生き物ですらないっ!悪魔だっ地獄の使いだっ!
カサカサカサ。
いや~な音を奏でケーキに向かって突き進んでいる!
俺の為のシンタローさん特製愛情ケーキまであと数センチまで迫るっ!
ダメだ、このままでは敵にやられてしまう!
抹殺っ!
電磁波!!
ケーキと家具を破壊するわけにはいかないからごくごく僅かとなる。
力を抑えると敵に到達するまでの時間が通常より遅くなる。
しかしそれが仇になったのか、
カサササッ。電磁波が着弾する寸前、ブブヴヴヴッッ!足に力を入れ飛び立つ。
生意気にも避ける人類の敵!
よっし、でもケーキからは反れた!
ヤツはそのままケーキの脇を通り過ぎ壁へととまる。
ピタっと動きを止め俺のほうを見た、様な気がする。
甘いんだよ、坊や。
ヤツに鼻なんて高尚なものは無いが、そう鼻で笑われたような気がした。
・・・っ!!くっそ~、下等生物め!
憤っているとそこに、
「ただいま~」
「帰ったぞ。」
「わうぅ」
声と同時にドアが開き入ってくる二人と一匹。
「いや~、今日は魚が沢山釣れたから、鍋にでもすっか。リキッドはどーよ?」
愛しいシンタローさんの声が聞こえたが、答えたくとも答えられない。
いつ飛び立つとも判らないヤツから目を離す事が出来ない。
そんな俺を不審に思ってか、シンタローさんが
「あん?オマエどうしたんだよ」
と声を掛けてくれた。
ヤツから目を離さずに指を向ける。
「ああ、なんだゴキブリか。あれ嫌いなんだ。まあ、好きなやつなんかいないよな。
意外に可愛いところあるじゃんか。あんなんに怯えて声も出せないなんてさ。」
言うがな、どこからともなくナイフを取り出しとばす。
ヒュンっと風を切り、一直線に飛び壁に突き刺さる。
壁とナイフの間にはまだしぶとくピクピクと動いているヤツが居た。
「す、すごいっす!シンタローさんっ」
俺が感動に打ち震えている間に、シンタローさんは紙を取り出しヤツの始末をした。
台所のゴミ箱に、ソレを投げ入れナイフを洗う。
パプワにするようにぽんっと頭の上に軽く手を置き、髪をくしゃっと軽く撫でてくれた。
そしてそのまま軽く笑いながら、
「俺が居るときなら退治してやるよ。」
っと言ってくれた。
4.19
|単発| |女体化| |リキシンお題| |シン受けお題| |キンシンお題|
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今日も今日とて家政夫業に精を出す。
パプワとチャッピーそしてシンタローさんはオヤツを済ませ夜ご飯の食材を獲りに行っている。
シンタローさんも家事を手伝ってくれるが、彼はこの島にいつまでも居られる訳ではない。
パプワと少しでも多くの時間をすごせる様に主に食材獲りをお願いしている。
普段ならパプワも気が向いたときしか手伝ってくれないのだが、
シンタローさんが来てからというもの毎日一緒に出かけている。
シンタローさんとパプワの仲の良さには、今この島を預けられている番人としては複雑な思いを
抱かないわけではないが、彼らの嬉しそうな顔を見るとそんな思いも吹き飛んでしまう。
それに、その事に感謝してくれてか唯我独尊、天上天下な俺様シンタローさんがオヤツ当番の時には、
俺に何時もより少し多く作ってくれている。
それを少し残しておき、オヤツの後片付け・洗濯の取り入れ後の休憩に食べるのが
俺の至福の時間の一つだ。
シンタローさんが来て、コタローが日本に帰ってしまったから洗濯の量は今までと大差ない。
それにシンタローさんが着ている物をこうやって触れるのは嬉しい。
自然、にへら~と顔が緩んでしまう。
こんな所を誰かに見られたら単なる変態になってしまう。
いかんいかん、と緩めていた顔を締める。
そんな事を繰り返し洗濯物を畳み箪笥にしまう。
休憩しようと先ほどちゃぶ台に用意しておいたチーズケーキへと振り向こうとした。
カサ。
ぴぴくぅ。俺の動きが止まる。
誰しも一度は聴いた事があるであろう、あの音が聞こえた。
カサカサ。
やばい、固まっている場合ではない!慌てて振り返る。
ちゃぶ台の上にヤツはいた。
あんなに小さいのに感じるプレッシャー。
黒光りし、異様に早く動くアレ。人類普遍の敵。
シンタローさんが俺のために作ってくれたチーズケーキが!!ヤツに狙われているっ!!
ゴキブリ目ゴキブリ科。
俺はあんな生き物を節足動物とは認められないっ!
いや、生き物ですらないっ!悪魔だっ地獄の使いだっ!
カサカサカサ。
いや~な音を奏でケーキに向かって突き進んでいる!
俺の為のシンタローさん特製愛情ケーキまであと数センチまで迫るっ!
ダメだ、このままでは敵にやられてしまう!
抹殺っ!
電磁波!!
ケーキと家具を破壊するわけにはいかないからごくごく僅かとなる。
力を抑えると敵に到達するまでの時間が通常より遅くなる。
しかしそれが仇になったのか、
カサササッ。電磁波が着弾する寸前、ブブヴヴヴッッ!足に力を入れ飛び立つ。
生意気にも避ける人類の敵!
よっし、でもケーキからは反れた!
ヤツはそのままケーキの脇を通り過ぎ壁へととまる。
ピタっと動きを止め俺のほうを見た、様な気がする。
甘いんだよ、坊や。
ヤツに鼻なんて高尚なものは無いが、そう鼻で笑われたような気がした。
・・・っ!!くっそ~、下等生物め!
憤っているとそこに、
「ただいま~」
「帰ったぞ。」
「わうぅ」
声と同時にドアが開き入ってくる二人と一匹。
「いや~、今日は魚が沢山釣れたから、鍋にでもすっか。リキッドはどーよ?」
愛しいシンタローさんの声が聞こえたが、答えたくとも答えられない。
いつ飛び立つとも判らないヤツから目を離す事が出来ない。
そんな俺を不審に思ってか、シンタローさんが
「あん?オマエどうしたんだよ」
と声を掛けてくれた。
ヤツから目を離さずに指を向ける。
「ああ、なんだゴキブリか。あれ嫌いなんだ。まあ、好きなやつなんかいないよな。
意外に可愛いところあるじゃんか。あんなんに怯えて声も出せないなんてさ。」
言うがな、どこからともなくナイフを取り出しとばす。
ヒュンっと風を切り、一直線に飛び壁に突き刺さる。
壁とナイフの間にはまだしぶとくピクピクと動いているヤツが居た。
「す、すごいっす!シンタローさんっ」
俺が感動に打ち震えている間に、シンタローさんは紙を取り出しヤツの始末をした。
台所のゴミ箱に、ソレを投げ入れナイフを洗う。
パプワにするようにぽんっと頭の上に軽く手を置き、髪をくしゃっと軽く撫でてくれた。
そしてそのまま軽く笑いながら、
「俺が居るときなら退治してやるよ。」
っと言ってくれた。
4.19
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二人仲良く並んで夕食の後片付け。
パプワは後ろで仲良く、チャッピーと食後の踊りを踊っている。
洗い終わった食器を隣に立っているシンタローさんに渡し拭いてもらう。
が、さっきから視線を感じる。
チラっと横を見るとシンタローさんとバッチリ目が合ってしまった。
『どっ』
心臓が一瞬止まったかのような錯覚が起こる。
見られているのは分かっていても実際に確認すると吃驚する。
しかも目視線がかち合ったなら尚更だ。
「何だよ?」
見ていたのはシンタローさんで、見られていたのは俺なのに相も変わらず俺様な態度で聞かれる。
「いっいえ、なんでもないっす。」
それ以外どう答えろと・・・心の中でそう言い意識を切り替えまた食器洗いに専念する。
まだ視線を感じる。暫らくするとやっぱり気になる。
どーにも落ちつかない。そのうち食器を落としてしまいそうだ。
そんな失敗をするまいに、と思い切って聞いてみる事にした。
食器をシンクに置き泡の付いた手を洗う。
よっし、と気合を入れて横のシンタローさんに体を向ける。
「なんすか?シンタローさんっ。言いたい事があるなら言って下さい!」
「は?別に無いけど?」
皿を拭く手を止め、きょとんと俺を見る二つの目。
あ、カワイイと思ってしまう。
いやここで流されちゃダメだと口を開く。
「嘘っす!さっきからずっと俺のこと睨んでるじゃないっすか!」
「いや、別に睨んでないけど。」
サラリと言われて、別に怒られている訳ではないのだなと安心する。
「じゃあ、どうして俺のこと見てたんですか?」
悲しい事に怒られる以外で見られる理由が思い浮かばない。
「いいよなぁ。」
ポツリとシンタローさんの声が漏れる。
「え?」
何を言われたか解らないので思わず聞き返してしまう。
「だからコレ。」
皿をカタンと置いて手を俺に向かって伸ばしてくる。思わず体に力が入る。
が、手は頭上で止まり髪を一房つかみ軽くツンっと引っ張る。
「髪、っすか?」
「そう。オマエ染めてんの?やっぱヤンキーだしさ。」
不良に対して誤った偏見がシンタローさんにはあるみたいだ。
俺ってシンタローさんにとったら一生ヤンキーのままかなぁと思い落ち込んでしまう。
名前も殆ど呼んで貰ったことないし・・・
気持ちの下降と共に自然顔も俯いてしまう。
「でも自然な色だよなぁ。」
とまたツンツンと引っ張られる。
髪を引っ張られ顔を上げると、真剣な色を湛えた黒い瞳。
そんな瞳に見られ顔に熱が集まる。
「いえ、元々この色っす・・・」
赤くなったであろうままで答える。
そんな俺の様子には気にもせずにシンタローさん手を引っ込め呟く。
「そうか・・・俺も染めたらそんな色になるかなぁ。」
「え?」
シンタローさんが髪を染める?その姿を想像する。
・・・似合わない・・・
今のままの方がいいっすよ、と言おうとした時。
「僕は今のシンタローが好きだぞ。」
さっきまで踊っていたはずのパプワの声が唐突に掛かる。
その声に俺とシンタローさんはパプワを振り返る。
なっチャッピー、とパプワはチャッピーに同意を求める。
「わうぅ。」
チャッピーも力強くパプワに頷き返す。
「そうか。」
それを見たシンタローさんは破顔した。
「これで俺は俺だもんな。サンキュ。」
と笑みが更に深くなる。
俺が、俺が言おうと思った台詞なのにっ!
横からパプワに引っ攫われたぁ!
しかも笑顔まで!
思わずパプワを見るとそんな俺の心の内などお見通しなのか
ニヤリ。と笑った。
や、やられた・・・・
5.2
|単発| |女体化| |リキシンお題| |シン受けお題| |キンシンお題|
--------------------------------------------------------------------------------
二人仲良く並んで夕食の後片付け。
パプワは後ろで仲良く、チャッピーと食後の踊りを踊っている。
洗い終わった食器を隣に立っているシンタローさんに渡し拭いてもらう。
が、さっきから視線を感じる。
チラっと横を見るとシンタローさんとバッチリ目が合ってしまった。
『どっ』
心臓が一瞬止まったかのような錯覚が起こる。
見られているのは分かっていても実際に確認すると吃驚する。
しかも目視線がかち合ったなら尚更だ。
「何だよ?」
見ていたのはシンタローさんで、見られていたのは俺なのに相も変わらず俺様な態度で聞かれる。
「いっいえ、なんでもないっす。」
それ以外どう答えろと・・・心の中でそう言い意識を切り替えまた食器洗いに専念する。
まだ視線を感じる。暫らくするとやっぱり気になる。
どーにも落ちつかない。そのうち食器を落としてしまいそうだ。
そんな失敗をするまいに、と思い切って聞いてみる事にした。
食器をシンクに置き泡の付いた手を洗う。
よっし、と気合を入れて横のシンタローさんに体を向ける。
「なんすか?シンタローさんっ。言いたい事があるなら言って下さい!」
「は?別に無いけど?」
皿を拭く手を止め、きょとんと俺を見る二つの目。
あ、カワイイと思ってしまう。
いやここで流されちゃダメだと口を開く。
「嘘っす!さっきからずっと俺のこと睨んでるじゃないっすか!」
「いや、別に睨んでないけど。」
サラリと言われて、別に怒られている訳ではないのだなと安心する。
「じゃあ、どうして俺のこと見てたんですか?」
悲しい事に怒られる以外で見られる理由が思い浮かばない。
「いいよなぁ。」
ポツリとシンタローさんの声が漏れる。
「え?」
何を言われたか解らないので思わず聞き返してしまう。
「だからコレ。」
皿をカタンと置いて手を俺に向かって伸ばしてくる。思わず体に力が入る。
が、手は頭上で止まり髪を一房つかみ軽くツンっと引っ張る。
「髪、っすか?」
「そう。オマエ染めてんの?やっぱヤンキーだしさ。」
不良に対して誤った偏見がシンタローさんにはあるみたいだ。
俺ってシンタローさんにとったら一生ヤンキーのままかなぁと思い落ち込んでしまう。
名前も殆ど呼んで貰ったことないし・・・
気持ちの下降と共に自然顔も俯いてしまう。
「でも自然な色だよなぁ。」
とまたツンツンと引っ張られる。
髪を引っ張られ顔を上げると、真剣な色を湛えた黒い瞳。
そんな瞳に見られ顔に熱が集まる。
「いえ、元々この色っす・・・」
赤くなったであろうままで答える。
そんな俺の様子には気にもせずにシンタローさん手を引っ込め呟く。
「そうか・・・俺も染めたらそんな色になるかなぁ。」
「え?」
シンタローさんが髪を染める?その姿を想像する。
・・・似合わない・・・
今のままの方がいいっすよ、と言おうとした時。
「僕は今のシンタローが好きだぞ。」
さっきまで踊っていたはずのパプワの声が唐突に掛かる。
その声に俺とシンタローさんはパプワを振り返る。
なっチャッピー、とパプワはチャッピーに同意を求める。
「わうぅ。」
チャッピーも力強くパプワに頷き返す。
「そうか。」
それを見たシンタローさんは破顔した。
「これで俺は俺だもんな。サンキュ。」
と笑みが更に深くなる。
俺が、俺が言おうと思った台詞なのにっ!
横からパプワに引っ攫われたぁ!
しかも笑顔まで!
思わずパプワを見るとそんな俺の心の内などお見通しなのか
ニヤリ。と笑った。
や、やられた・・・・
5.2
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|単発| |女体化| |リキシンお題| |シン受けお題| |キンシンお題|
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さんさんと輝く太陽の下、四羽の鳥がいる。
最初は皆仲がよさそうに地面を突付いていたが、突然一羽がもう一羽へと突っかかる。
鋭いクチバシで突付き、更には追っ払おうとしたのか、クチバシを避けるように逃げていた鳥を
バッサバッサと翼を広げて威嚇する。
残りの二羽はそんな二羽の様子など関係ないように、相変わらずせっせと地面をつつく。
追われた一羽は結局森へと逃げていった。
後は三羽がまた、何事も無かったように地面を突付いていた。
その様子を見守っていたリキッドがだぁーと涙を流す。
「・・・分かる。分かるよ、鳥・・・」
などど独り言をブツブツ呟いている。ハタから見ると危ない人だ。
尚も独り言は続く。
「どーせ、俺はあの鳥だよ。その内俺も森の隅っこに掘っ建て小屋を建てて、ソコに一人で済む事になるんだ。
うん?待てよ。いや、一人じゃないか。コレ幸いと、ウマ子、ウマ子が来る!
『リッちゃん、二人きりじゃね。まるで新婚さんのようじゃの~。結婚したら後はする事は一つじゃけん。
いやじゃ、乙女に恥ずかしか事、言わせ・・・』」
「だぁああーーっっ!!」
勝手に脳内を流れる悪夢の映像を打ち消すかのように、天に向かって力いっぱい叫ぶ。
その声に驚いて、三羽の鳥は何処かへと飛び立つ。鳥の羽ばたきの音で我に返る。
息の続く限り叫び続けたのだろうか、ぜいぜいと肩で息をしている。
息を整わると、鳥にすら見捨てられた様な気になり、地面へと座る。
どこかの誰かがしているような、体育座り。ただし前にデッサン人形はいない。
背中には哀愁の文字が見える。
「お、いたいた。」
突然後ろからリキッドに声がかかる。
「あ、シンタローさん・・・」
一人何も無いところで、体育座りをしているリキッドを不審に思ったのかシンタローが訊ねる。
「お前、こんなところで何してるんだ?・・・それにその座り方。」
アラシヤマを思い出したのだろうか、渋い顔をする。
「いえ、ちょっと」
まさか本人の目の前で言うわけにもいかず、言葉を濁す。
立ち上がり、パンパンと土を払う。
「ふ~ん。ま、いいけどよ。今度からは唐突に居なくなるのやめろよな。」
「え?」
「パプワとチャッピーも心配してたぞ」
リキッドはあの二人が心配してくるなんて、と驚く。そして『も』という言葉に引っかかる。
「・・・ひょっとして心配してココまで探しに来てくれたんすか?」
そんな事は無いだろうと思いながらも口にする。
「じゃなきゃ、誰がこんなところまで来るかよ。パプワたちは入れ違いになったら手間だから残っているけどよ。」
「・・・・・・」
「ほら、帰るぞ。」
まったく子供じゃねーんだからとブチブチ文句をいいながら背を向け歩き出す。
リキッドはその場から動こうとしない。
「どうしたんだよ?」
ついてくる気配のないリキッドを振り返り、シンタローはそのまま固まる。
我に返り、深いため息をつきながらそのまま近寄る。
「おいおい、いいトシして泣くんじゃねーよ。」
「・・・スンマセン。」
子供に様に鼻をぐすぐす言わせながら謝る。
「そんな顔して帰るわけにもいかないだろ。とっとと泣き止め。」
泣くのは悪い事じゃないけどよ、と何かを思い出しながら微かに微笑む。
くしゃくしゃとリキッドの頭をかき回す。
シンタローはそのまま側に佇んでいる。
リキッドは涙を堪える様に空を仰ぐ。
鳥が四羽、気持ちよさそうにはばたいていた。
7.10
|単発| |女体化| |リキシンお題| |シン受けお題| |キンシンお題|
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さんさんと輝く太陽の下、四羽の鳥がいる。
最初は皆仲がよさそうに地面を突付いていたが、突然一羽がもう一羽へと突っかかる。
鋭いクチバシで突付き、更には追っ払おうとしたのか、クチバシを避けるように逃げていた鳥を
バッサバッサと翼を広げて威嚇する。
残りの二羽はそんな二羽の様子など関係ないように、相変わらずせっせと地面をつつく。
追われた一羽は結局森へと逃げていった。
後は三羽がまた、何事も無かったように地面を突付いていた。
その様子を見守っていたリキッドがだぁーと涙を流す。
「・・・分かる。分かるよ、鳥・・・」
などど独り言をブツブツ呟いている。ハタから見ると危ない人だ。
尚も独り言は続く。
「どーせ、俺はあの鳥だよ。その内俺も森の隅っこに掘っ建て小屋を建てて、ソコに一人で済む事になるんだ。
うん?待てよ。いや、一人じゃないか。コレ幸いと、ウマ子、ウマ子が来る!
『リッちゃん、二人きりじゃね。まるで新婚さんのようじゃの~。結婚したら後はする事は一つじゃけん。
いやじゃ、乙女に恥ずかしか事、言わせ・・・』」
「だぁああーーっっ!!」
勝手に脳内を流れる悪夢の映像を打ち消すかのように、天に向かって力いっぱい叫ぶ。
その声に驚いて、三羽の鳥は何処かへと飛び立つ。鳥の羽ばたきの音で我に返る。
息の続く限り叫び続けたのだろうか、ぜいぜいと肩で息をしている。
息を整わると、鳥にすら見捨てられた様な気になり、地面へと座る。
どこかの誰かがしているような、体育座り。ただし前にデッサン人形はいない。
背中には哀愁の文字が見える。
「お、いたいた。」
突然後ろからリキッドに声がかかる。
「あ、シンタローさん・・・」
一人何も無いところで、体育座りをしているリキッドを不審に思ったのかシンタローが訊ねる。
「お前、こんなところで何してるんだ?・・・それにその座り方。」
アラシヤマを思い出したのだろうか、渋い顔をする。
「いえ、ちょっと」
まさか本人の目の前で言うわけにもいかず、言葉を濁す。
立ち上がり、パンパンと土を払う。
「ふ~ん。ま、いいけどよ。今度からは唐突に居なくなるのやめろよな。」
「え?」
「パプワとチャッピーも心配してたぞ」
リキッドはあの二人が心配してくるなんて、と驚く。そして『も』という言葉に引っかかる。
「・・・ひょっとして心配してココまで探しに来てくれたんすか?」
そんな事は無いだろうと思いながらも口にする。
「じゃなきゃ、誰がこんなところまで来るかよ。パプワたちは入れ違いになったら手間だから残っているけどよ。」
「・・・・・・」
「ほら、帰るぞ。」
まったく子供じゃねーんだからとブチブチ文句をいいながら背を向け歩き出す。
リキッドはその場から動こうとしない。
「どうしたんだよ?」
ついてくる気配のないリキッドを振り返り、シンタローはそのまま固まる。
我に返り、深いため息をつきながらそのまま近寄る。
「おいおい、いいトシして泣くんじゃねーよ。」
「・・・スンマセン。」
子供に様に鼻をぐすぐす言わせながら謝る。
「そんな顔して帰るわけにもいかないだろ。とっとと泣き止め。」
泣くのは悪い事じゃないけどよ、と何かを思い出しながら微かに微笑む。
くしゃくしゃとリキッドの頭をかき回す。
シンタローはそのまま側に佇んでいる。
リキッドは涙を堪える様に空を仰ぐ。
鳥が四羽、気持ちよさそうにはばたいていた。
7.10