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うららかな天気。
パプワハウスでは筋肉質なアニキ二人がちゃぶ台を挟み茶を啜りつつ向かい合っていた。
そこには俗世とは切り離された独特の雰囲気が流れていた。
『 おい、ばーさんや 』 『 なんだい、おじーさん 』の世界である。
酸いも甘いも共に分かち合ってきた二人が居た。
が、ばーさん、もとい、シンタローの何気ない 「 たまにゃお前の言う事もきいてやるよ 」 の一言から
誰がその場に居ても異様と感じる空気へと変った。
「 じゃあ、恋人になってください!! 」
リキッドは何故かすっくと立ち上がり叫ぶ。
じーさんは再び青年、を通り越し、ヤンキーへと変貌を遂げた。
その馬鹿でかい、誰が聞いても無駄に力が入りまくっている声が家全体に響く。
声の気合通りの直立不動の姿勢で、その人へと挑んでいる。ついでにぐっと奥歯も噛み締め、
いつ殴られても良い臨戦態勢だ。
「 …………ほぉ 」
全身全霊を言葉に込めて思いの丈を叫んだリキッドに対し、
言われたシンタローはなんともやる気のなさろうなその一言だった。
ばーさんはばーさんのままだった。立ち上がる気配すら無い。
「 あれ? 」
リキッドは拍子抜けする。
言った瞬間、最悪眼魔砲、最高でも拳は飛んでくると思っていたからだ。
「 あの……? 」
シンタローをそろそろと見る。別に怒りを堪えている様子には見え無い。
その視線に応える要にシンタローは顎をしゃくる。
「 あん?」
「 殴らないんですか? 」
何故かリキッドは自らシンタローの元へと行き、真横に膝をつき身を乗り出す。
「 何? お前殴られたいの?」
じゃあ遠慮なく、と拳を固める。
「 ……っ 」
リキッドはぶんぶんと首がもげそうな勢いで否定する。
いくら好きな相手でも殴られて喜ぶような特殊な趣向ではない。
ひょっとしたらそのうちそれに快感を見出せるようになるかもしれないが、
そこまでの域には達したくないとリキッドは思っている。
「 しっかしお前変わってんな 」
普通、男が男に言う事じゃない。
島の番人になっちまうくらいだしヤンキーか特戦部隊時代に頭のネジを2,3本どこかその辺に
捨ててきたのかもしれないと勝手に納得する。
変態はシンタローのごくごく身近にもいるのでその辺の理解とは言えないが順応は早い。
「 じゃあ俺のお願い聞いてくれるんすか? 」
「 ああ 」
針の先ほどの可能性も無かったその承諾にリキッドはよっしゃ! と歓声と共にガッツポーズをきめる。
「 ただし! 」
シンタローはきっとここ最近で一番の喜びようを見せているリキッドに氷水をぶちまけるような言葉を付け加える。
「 10分間だけな 」
「 え? 10分? 」
「 そう 」
長い黒髪を揺らしながら深々と頷く。
「 なんで10分なんですか? 」
「 何? 不満なわけ? 」
鋭い眼力でリキッドの不満そうな声を撥ね退ける。
シンタローは特に意味があって10分にしたわけではない。
何となく10という区切りの良い数字が浮かんだからだ。
「 い、いいえ! そんな事ないです! 」
そんな事ないわけないが、この機会を逃してたまるものかと勢いのまま応える。
リキッドはただ単にシンタローが自分の感情の浮き沈みを見るのが楽しいだけじゃないか、
それとも新しいイジメ?とそんな考えが頭をよぎるが
僅かでも好意を持ってくれていないとOKはくれないだろうと無理矢理良い方向へ考える。
それに10分もあればあーんな事やこーんな事も出来る!
一人あれこれと妄想を巡らす。
その妖しい考えに顔がでれーん、崩れる。
「 あ、俺に触るのもナシな 」
そんなリキッドのヤバそうな様子に、切れ味抜群の包丁をサクっと刺す。
「 ええーー!それじゃ 」
何の意味も無いと続けようとしたが、シンタローがリキッドにすっと右腕を差し出し、
手の平に青い光を生み出す。
暴力に訴える直前の精神的圧力をかけるのは青の一族の得意技だ。
シンタローも皆まで言わせず黙らせる。
そんな真顔でリキッドを見つめ必殺技をちらつかせる有無を言わせない様子にコレが惚れた弱みか、と
リキッドはうな垂れるが一瞬後再び笑顔全開で立ち直った。
「 じゃあ、シンタローさんが俺に触るのはありっすか?」
「 …まぁ、それならいいけどよ 」
一瞬思案したあと答えた。
その言葉を聞くと、すうっと大きく息を吸い込み、再び叫ぶ。
「 一緒に風呂入ってください! 」
その青空のように澄み切った瞳の奥には、
恋人といえばお風呂でいちゃいちゃぱらだいす! と文字が凄い勢いで流れている。
永遠の二十歳は誤った認識のまま一生をこの聖地で終えそうだ。
シンタローはその文字が見えなかったのか、そんな事なら時々パプワたちと全員一緒に入っている
のだから今更頼む事なのかと首をかしげる。彼は妙なところで鈍かった。



暫く後、シンタローたちが風呂の代わりとして利用している温泉から
盛大な水しぶきと大きな青い光線が天へと昇った。

H17.1.1
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