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きゅぴーんっ。
今、確実に脳内で音が鳴り響いた。

この人の笑顔は反則の必殺技だ。
しかも、無自覚の時が一番キク。あの下心が見え見えな、爽やかな笑顔ではない。
そう、ごく自然な笑顔だ。パプワがチャッピーと仲良く踊っている時、今のような二人の寝顔を伺っている時。
そんな時によくこの顔を見ることが出来る。

シンタローさんは、パプワ達が眠っている横に腰を落とし、
柔らかく微笑んだまま、すーすーと軽く寝息をたてているパプワの髪を起こさない様に優しく梳いている。
気のせいだろうか、パプワもいつもより穏やかな顔のように見える。
「やっぱり、パプワも子供なんだよなぁ。」
少し離れておいてあるちゃぶ台に頬杖をつきながら、
そんな様子をぼーっと見ていた俺に向かって小声で囁くように言う。
普段はスーパーちみっこぶり、妙に達観している所為かつい忘れがちになるが寝顔だけ見ていると
本当にどこにでもいる子供だ。
「そうっすねぇ。」
俺もパプワ達を起こさないように小声で応じる。
聞いているんだかいないんだか、分からないような、そんな微妙な間を置いてからシンタローさんはまた囁く。
「…パプワはさぁ、あんま自分のことは喋らねーし、何だかんだムチャクチャやっている様に見えても
 いつも自分より、他の人間のことを優先させちまうだろ?」
「…ええ。」
言われて振り返ってみればそうかも知れない。
パプワはいつも他人を思いやる。特にコタローは初めての同世代の友達だったためか、それがよく見られた。
「それに、寂しがりやだし。パプワ島には友達はたくさんいるが、それでもやっぱり寂しいんだろーなぁ。」
じっとパプワの穏やかな寝顔を見つめている。
「だから、頼むな。」
何を、とは言わなかった。
シンタローさんは、いつか帰る人だ。今はここで生活を共にしているが、
赤の秘石が見つかり、ガンマ団からの迎えが来たら迷わず帰るだろう。
例え、心はここにあろうとも、だ。
シンタローさんが安心できるように、キッパリと言い切った。
「はい。」
梳いていた手を止めると、パプワの柔らかそうな頬に手を伸ばす。
そのままそっと触れる。
気が済んだのだろうか、またゆっくりと手を離す。
俺の方に向き直るとかつてないほど穏やかな口調。
「ありがとう。」
俺に向けられた、初めての笑顔だった。


9.15
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