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さんさんと輝く太陽の下、四羽の鳥がいる。
最初は皆仲がよさそうに地面を突付いていたが、突然一羽がもう一羽へと突っかかる。
鋭いクチバシで突付き、更には追っ払おうとしたのか、クチバシを避けるように逃げていた鳥を
バッサバッサと翼を広げて威嚇する。
残りの二羽はそんな二羽の様子など関係ないように、相変わらずせっせと地面をつつく。
追われた一羽は結局森へと逃げていった。
後は三羽がまた、何事も無かったように地面を突付いていた。

その様子を見守っていたリキッドがだぁーと涙を流す。
「・・・分かる。分かるよ、鳥・・・」
などど独り言をブツブツ呟いている。ハタから見ると危ない人だ。
尚も独り言は続く。
「どーせ、俺はあの鳥だよ。その内俺も森の隅っこに掘っ建て小屋を建てて、ソコに一人で済む事になるんだ。
 うん?待てよ。いや、一人じゃないか。コレ幸いと、ウマ子、ウマ子が来る!
 『リッちゃん、二人きりじゃね。まるで新婚さんのようじゃの~。結婚したら後はする事は一つじゃけん。
 いやじゃ、乙女に恥ずかしか事、言わせ・・・』」

「だぁああーーっっ!!」

勝手に脳内を流れる悪夢の映像を打ち消すかのように、天に向かって力いっぱい叫ぶ。
その声に驚いて、三羽の鳥は何処かへと飛び立つ。鳥の羽ばたきの音で我に返る。
息の続く限り叫び続けたのだろうか、ぜいぜいと肩で息をしている。
息を整わると、鳥にすら見捨てられた様な気になり、地面へと座る。
どこかの誰かがしているような、体育座り。ただし前にデッサン人形はいない。
背中には哀愁の文字が見える。

「お、いたいた。」
突然後ろからリキッドに声がかかる。
「あ、シンタローさん・・・」
一人何も無いところで、体育座りをしているリキッドを不審に思ったのかシンタローが訊ねる。
「お前、こんなところで何してるんだ?・・・それにその座り方。」
アラシヤマを思い出したのだろうか、渋い顔をする。
「いえ、ちょっと」
まさか本人の目の前で言うわけにもいかず、言葉を濁す。
立ち上がり、パンパンと土を払う。
「ふ~ん。ま、いいけどよ。今度からは唐突に居なくなるのやめろよな。」
「え?」
「パプワとチャッピーも心配してたぞ」
リキッドはあの二人が心配してくるなんて、と驚く。そして『も』という言葉に引っかかる。
「・・・ひょっとして心配してココまで探しに来てくれたんすか?」
そんな事は無いだろうと思いながらも口にする。
「じゃなきゃ、誰がこんなところまで来るかよ。パプワたちは入れ違いになったら手間だから残っているけどよ。」
「・・・・・・」
「ほら、帰るぞ。」
まったく子供じゃねーんだからとブチブチ文句をいいながら背を向け歩き出す。
リキッドはその場から動こうとしない。
「どうしたんだよ?」
ついてくる気配のないリキッドを振り返り、シンタローはそのまま固まる。
我に返り、深いため息をつきながらそのまま近寄る。
「おいおい、いいトシして泣くんじゃねーよ。」
「・・・スンマセン。」
子供に様に鼻をぐすぐす言わせながら謝る。
「そんな顔して帰るわけにもいかないだろ。とっとと泣き止め。」
泣くのは悪い事じゃないけどよ、と何かを思い出しながら微かに微笑む。
くしゃくしゃとリキッドの頭をかき回す。
シンタローはそのまま側に佇んでいる。

リキッドは涙を堪える様に空を仰ぐ。
鳥が四羽、気持ちよさそうにはばたいていた。

7.10
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