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崩れ落ちた家。
所々まだ煙が上がっている。
だが、残骸が残っているだけましなのかもしれない。
その瓦礫の中心にはただぽっかりと穴が開いていた。
土すら抉れている。
まるで最初から何も存在しなかったかのようだ。
焦土を前に男が一人佇んでいる。
金と赤のコントラストが鮮やかに目に残る。
その鮮やかさとは裏腹に彼を見るものは恐怖しか覚えないだろう。
そこでの生を奪い、望まぬ死を贈ったにも拘わらず顔には何の色も浮かんでいない。
彼は、この世界で知らないものは居ないだろう、ガンマ団総帥マジックだ。

マジックに近づく一人の青年。
彼の妻が亡き後、愛している数少ない人間、彼の二人の息子の内の一人だ。
まだ幼いもう一人の息子は青の一族の特徴を色濃く受け継いだが、
今マジックに近づいている青年はその特徴を一切持たないで生まれた。名をシンタローという。
マジックはこの場にそぐわぬとても綺麗な笑みを見せ近づくシンタロー手を広げ迎えた。
が、シンタローは抱きしめられる一歩手前で止まる。
今シンタローの眼前に広がる光景。
それをもたらしたのは間違いなく父親。
自分を溺愛する普段の姿からは想像できない父親の顔。
それはシンタローにとって初めて見た総帥マジックの姿だった。
声を掛けようとしたが、喉から声がでない。ヒュっと空気を切る音が生まれただけだ。
そんなシンタローの様子に構わず距離を詰め抱きしめるマジック。
シンタローの耳のすぐ横に口を近づけ低く囁く。常と変わらない優しい声色で。
「どうしたんだい、シンタロー?」
『どうしたんだ』
シンタローは、なぜこんな事をしておきながらそんな台詞が出るのかと正気を疑う。
呪縛が解け、声が出る。
「『どうした』って何でそんな事言えるんだよ!」
両手でマジックの胸を押しやり抱擁から抜け出し、距離をとる。
「シンタロー、何時も言っていただろう?もう子供じゃないって。
 だからパパのお仕事の様子を見てもらったんだけど、まだ早かったかな。」
「早いとかそういう問題じゃないだろ、これは!」
マジックはやれやれと幼い子供の我が儘にあきれたかのように首を横にふると
「困った子だなぁ。」
言うがなマジックの拳がシンタローの腹にめり込む。
「ぐっ」
シンタローの肺からいやな音をたて空気が漏れる。同時にぐったりと体から力が抜ける。
マジックは拳を抜き完全に力の抜けたシンタロー胸に寄りかからせ、背中に手を廻す。
シンタローは意識が遠のくなか、マジックの言葉が耳に残った。
「私はお前さえいればいいのだよ、シンタロー。」
完全に気を失ったシンタローの髪をいとしそうに梳きながらなおも言葉を紡ぐ。
「そう、お前さえ・・・」

暫らくそうしていたマジックに声が掛かる。
「総帥!出発の準備が整いました!」
「ああ分かった。」
「あの、シンタロー様は」
気を失っているシンタローを見、思わず口に出す団員。
「私が連れて行く。構うな。」
マジックは鋭く言い放つとシンタローを抱きかかえ、軍艦へと消えた。

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