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人は誰しも二面性がある。心は自分でも思うようには制御できない。
だからだろうか、どうしても不安を覚える。
たとえ今では誰よりも近く隣に立っていようとも、だ。

「いいじゃないか、それで。」
「え?」
「人の心を読み取れる人間などいない。お前の中に居るうちは出たくてどうしようもなかったが、
 実際こうして確固たる自分として存在していると心が全て感じる事が出来たあの頃を懐かしく思う。」
不思議なものだなとキンタローはひとりごちる。
思わず眉を寄せ、呟く。
「懐かしく思う?」
キンタローが耳ざとく聞き止める。
「ああ、そうだが?」
ごく当たり前のようにサラリと答える。
「・・・いや、何だか安心したんだ。」
本当に何の他意も感じなかった。思わず安堵が漏れる。
24年間も意識がありながら誰にも気づかれない。行動もおこせない。
己でないものからしか、外からの情報を一方的に受ける。
しかもそれが自分を閉じ込めている張本人だ。
想像も出来ない苦しみだ。

「誰のせいでもない。親を選べないように、自分の力ではどうにも出来ない事がある。
 好きでマジックの息子になったわけではないだろう?」
あんな息子の顔を見るたびに抱きついてこようとする親に、と。
キンタローは微かに眉間に皺を寄せる。
ポンっと頭の中に、年がいも無く自分を模った人形に頬を摺り寄せているマジックが思い浮かぶ。
思わず苦笑してしまう。
「そうか・・・・」
ひょっとしてこの頼りになる片割れは励ましてくれようとしているのだろうか。
「何を考えているかは大体わかる。
 心配するな。例えお前が頼んでも、俺はお前から離れる気は毛頭ない。」
俺の目をひたっと見据え常と変らぬ口調で断言する。

「お前のそういう一面を見れるのが俺だけだと思うと嬉しい。」
「そういう一面?」
「ああ。普段は何事にも迷いが無いように見えて、時々弱気になる所だ。」
「別に弱気になんてなってねーよ。」
思わず否定してしまう。
「そうか?まあお前が言うならそういうことにするが。」
でも、と言葉を続ける。
「そういう表情は他のヤツの前ではするなよ。」
「は?」
キンタローが何を言っているか理解できない。
「だから、その妙に子供っぽい顔や無防備な顔だ。」
「・・・アホか。」
照れ隠しにそういうとあまり感情を表に出さないキンタローが微かに笑ったような気がした。

たとえ心の中に俺には見せられない表情を持っていたとしても、キンタローのこの言葉と顔は本物だ。

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