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いままさに、という時。
唐突にドアが開かれた。
薄暗い部屋に一筋の光が入り、勢いよく廊下の明かりがなだれ込む。
場違い甚だしい能天気な声がその空間を壊した。
「あれ?どうして明かりも付けていないのかな?シーンちゃーん、パパだよぉ」
よぉの語尾が部屋の奥、光の届かぬ闇へと吸い込まれる。
空間の破壊の次に訪れたのは痛いほどの沈黙。
静寂がこれほどの破壊力を持つものだとこの時初めてシンタローは知った。

「…………………………。」
「…………………………。」
「…………………………。」
誰もこの状態を打ち破れないでいた。
シンタローはマジックの声に反射的に身を起こしかけ、キンタローのむき出しの逞しい肩越しにマジックを凝視し、
キンタローは振り向きもせずシンタローを組み敷いたそのままの体勢。
マジックは目だけが忙しなく二人の間を泳ぎ、足はその場に縫い付けられたように動かない。



「シンタロー、続けるぞ」
キンタローは固まったシンタローを暫くの間見つめていたが、ちらっと振り返りマジックの姿を確認すると
何事も無かったかのようにそう言い放った。
どうやら驚いて真っ白になっていたわけではなくただ単にシンタローが石のように固まってしまったから
それに付き合って動きを止めていただけのようだ。
「はぁ?!おまえアレの姿が目に入らないのかよ?」
この様な状況でもシンタローのツッコミ体質は発揮された。
アレ、と腕を上下に振りまだ石化が解けないマジックを指差す。
「アレ、は伯父貴だ。問題は無い」
「問題ありだろ!大有りだろっ!」
ついついいつものように声が高くなる。
「こういうときは何も無かったようにさり気なく続きをすれば良いのだ」
「何事も無かったように出来るかっ!さり気なくもくそもあるかっ!どーやってこの状況でさり気なくなんて出来るんだよ!!」
「俺は出来る」
あくまでも真面目に答えた。青い瞳は不気味なほど穏やかな光を湛えている。
至近距離にいるシンタローには逆光でも見えたのだろう、猛然と反発し始めた。
「変だ!おまえはおかしい!前から言おうと思っていたんだよ!!」
肩肘を突いて半身を持ち上げていた中途半端な体勢だったが、両手を付きずっと下がると、完全に半身を起こす。
そしてびしっとキンタローに人差し指を突きつけた。
「羞恥心を持て!!」
「当然そんなものは持ち合わせている。おまえが持ちすぎなんだ」
突きつけられた指を片手で掴み手をそっと引き寄せると甲に唇を落とす。
「だ~か~ら~~っっ!!!」
「シンちゃん、キンちゃん、君たちそういう関係だったの?」
マジックは真っ青になって震えた声を絞り出す。
キンタローと夫婦漫才を繰り広げてマジックの事をすっかり失念していたシンタローはその声で我に返り
この心情的危機状況を思い出す。
扉へ向って腕をばっと伸ばし手を開く。
眼魔砲。
それがマジックへの答えだった。

H17.8.24
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