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長いつややかな髪が彼の動きを追うように揺れる。
この日差しの強いパプワ島では、色の濃い髪は光に反射しまるで太陽のように輝いて見える。
今は背を向けて見えない形のよい切れ長の目は、意志の強さを表し見るものを引き付ける。
身長190cm越え、逞しく隆起した筋肉を持つその人が、
普段からは想像もつかないくらい、家庭的にパンっと洗濯物の皺をのばしながら洗濯物を干していようとも、
見守る彼にとっては可愛らしく見える様だ。

「おい。」
最後のシーツを破きそうな勢いで皺をのばす。
シンタローはこめかみに青筋を立てながら押し殺した様な声を出す。
「気持ち悪いから、やめろ。」
「え?なんすか?」
声をかけられたリキッドは本当に何を言われているのか理解できない、
というようなキョトンとした表情で応じる。
やや逆立った金髪が平和そうに風に吹かれ左右に揺れる。
更に我慢強く、シンタローは怒鳴らないように口を開く。
「その恋する女の子のような目で俺を見ること。」
「そっ」
そんなことは無いと否定しようとしたのだが、しっかりと図星だったので否定できず言葉を切る。
両手を拳にし、口の前当てきょろきょろと視線をさ迷わせる。
視界に入るのは、見慣れたのどかなパプワ島の様子だ。
そんなリキッドの反応を見て、シンタローは更に声をおとす。
「しっかり規格サイズ以上に成長したヤローに見つめられても嬉しくない。」
「いいじゃないっすか!見ているだけなんすから!」
リキッドにしては、強気な態度にでる。
触れることが出来ないのだから、見ることまでも拒否されてしまっては堪らないと思ったのだろう。
シンタローは間髪いれず答える。
「よくない。」
「減るわー」
台詞の途中で思いっきり言おうとした事を否定される。
「減るわけじゃない、とか月並みなことをいうな。減るんだよ。俺のセンサイな神経がな。」
シンタローは、はぁと深いため息をつく。
「お前だってヤだろ?ウマ子にじーっと凝視されたら。」
リキッドは脳裏にその様がありありと浮かぶ。
いつも強制的に絞め殺されそうになっているが、何もされずじっと見られるのも物凄く怖い。
こんな穏やかな気候にもかかわらず、一瞬にしてざぁっと鳥肌が立つ。
思わず、という様子で腕を擦りながら頭を左右に振る。
そんなリキッドの様子にシンタローは、したり、というような顔でうんうんと頭を上下する。

「でも、見るぐらいいいじゃいっすか!?」
「お前、何聞いてたんだよ。んな他意の篭った目で見られるのは嫌なんだよ。
 何?お前そんなに俺のこと好きなの?」
俺様道を遺憾なく発揮する。
リキッドはさっと朱のはしった顔を隠すため、慌てて下を向く。
幸いな事にシンタローの方がやや背か高いため、リキッドの顔は見えない。
が、赤く染まった耳は見える。
シンタローは、はぁと本日2度目のため息が漏れる。
「まあ、俺ぐらいかっこいいと惚れたくなるかもしれないけどな。」
「いえ、どちらかといえばかわいいです。」
聞こえたら半殺しでは済まないかもしれないので、心の中で反論する。
「お前、兄弟いないだろ。」
行き成り話が変ったので、リキッドは思わず顔を上げる。
「どうよ?」
シンタローが答えを促す。
「ええ、いないっす。それが?」
「いや、そうだろうなって思っただけ。」
気にするな、というように手をパタパタと振る。
「まあな、この愉快な島に俺みたいな常識人がいたら思わず惚れちまうかもしれないわなー」
「常識人?」
リキッドは思わず呟く。果たしてこの島に適応できる人物を常識人と呼んでよいのだろうか?
そんな反応が気に食わないのだろうか、シンタローが凄む。
「んだよ。何か文句あるのか?」
「い、いえ、そんな事無いっす!」
ここは流した方が良いだろうとリキッドは慌て、不自然なぐらい力強く頭をぶんぶんと左右に振る。
「それは、アレだ。極限状態を一緒に体験すると、相手に惚れちまうってやつ。
つり橋なんか渡るとよくなるそうだ。これと一緒。」
しかめっ面が薄れ、パプワ島は常にある意味極限状態だからなーとどこか嬉しそうに言う。
また唐突に話が元に戻ったので、リキッドは暫らく考えて、言葉を発した。
「じゃあ、その極限状態かどうか、見極めるために今まで通り、見てもいいんっすね?」
「は?今までの話を聞いていてどうしてそーゆー結論に達するんだよ!」
お前は馬鹿かっ、と怒鳴る。
「ええー」
情けなさそうに呟く。眉が垂れている。
「わかった。好きにしろ。」
これ以上何を言っても無駄と思ったのか、それともリキッドのあまりの情けなさそうな表情にほだされたのだろうか、
シンタローはさっさと背を向けパプワハウスへと帰る。
「待ってくださいよー」
と刷り込まれた雛の如く慌ててシンタローの背中を追いかける。
ぴこぴことまるでヒヨコのような金色の頭が後をついて行く。

二人が去った後には、真っ白な洗濯物が平和そうにひらひらと風に吹かれていた。
今日もパプワ島は平和だ。

6.3
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