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ソファーで寛いでいるシンタローにマジックが声を掛けた。
「シーンちゃーん。これ、これ習ってみない?」
マジックがパンフレットをぴらっとシンタローに差し出しながら、さりげなく隣に座る。
それを気にするでもなく、パンフレットを受け取る。
「あ~~ん?なんだこれ?」
『茶道入門』
シンタローはパンフレットの表紙を見、思わずというように後ろにポイっと投げ捨てる。
「ああ、シンちゃん!何するんだい!」
「なんなんだよ、アンタはっ!この間から!」

そう、ここ数日マジックは色々な稽古事のパンフレットをシンタローに押し付けている。
怒るシンタローに対し、マジックが力説する。
「何を言うんだいシンちゃん!これはとても重要な事だよ。シンちゃんはもう男の子じゃないんだから。
 見目麗しい女の子なんだよっ!それに、ガンマ団はもうパパの頃のように殺し屋集団って
 呼ばれたくないんでしょ?」
パパはシンちゃんが隣にいて、世界征服だけすれば他のものはどうでもいいんだけど、
とサラリと壮大かつ人でなしの事を言う。
そのまましつこく食い下がるマジック。
「新総帥が女性だからこそ、良いイメージがもたれやすくなるかもよ。
 例えばさ、各国のお偉いさんを招いてさシンちゃんがお茶でもてなしたり、踊りを披露したりさ。
 友好的な関係が築く事が出来るかもよ。シンちゃんはそんなことしなくても勿論可愛いし、美人だけどねーv」
そのまま、延々に喋り続けそうなマジックをシンタローが指先でこめかみを押さえながらさえぎる。
「だいたいガンマ団の総帥がどの面提げてこんなの習いに行くんだよっ!」
「ああ、なんだシンちゃんそんなこと心配していたの。シンちゃんは恥ずかしがりやさんだなぁ」
そんなところも可愛くて堪らないっとマジックはシンタローに擦り寄る。
「そんなにシンちゃんが嫌なら、パパが教えてあげるよ。大丈夫、パパは何だって出来るからv」
以前の節だった手とは違い、柔らかなシンタローの両手を包み込みながら言う。
「冗談じゃない、アンタに習うぐらいならどっか適当に教師探して、本部に連れてくるっ!」
「本当?じゃあ、連れてくるからねっ。
 日本舞踊にしようよ。シンちゃんの舞と艶姿が拝める、一石二鳥。
 さらに足腰も鍛えられるし、女らしいしぐさも身につくみたいだよ。ね?」

シンタローから目を離し、どこか遠くを思い浮かべながらマジックは言う。
「それに、パパは大和なでしこの様な女性が好きなんだ。」
マジックのその言葉を聴き、シンタローは亡き母親を思い浮かべる。
マジックは自分の気に入ったもの以外は容赦なくなぎ倒していく。
だがコタローが生まれるまでは、自分の妻と家族だけは大切にしていた。
「ふ~ん」
シンタローはその事を思い出しながら、相槌を打つ。
「ママの着物姿、綺麗だったでしょ?色々な着物を着せてあげたくて、パパ着付けも覚えたんだよ。
 ね?着物はパパが着付けるから、踊りだけでも。
 来月に予定している就任の挨拶、あのときに何かシンちゃん自ら余興しようよ~」
ねっ、と懇願してくるマジック。
「判ったよっ!やりゃあいいんだろっ」
マジックの理想の女性と母親を思い浮かべた所為だろうか、
シンタローが半ば自棄のように了承の意を示した。

それから1ヵ月後。

ガンマ団本部のホールに団員が集められた。
無論、現場を離れるわけにはいかぬものも居るので全員というわけにはいかない。
それでも八割近い団員と、一族の筆頭である前総帥のマジック、キンタロー、グンマもこの場に構えた。

壇上に真っ赤なパンツスーツを着たシンタローが立つ。
するりとした長い足、少し開いた白いブラウスからは白い肌がのぞいている。
服の上からでもよく分かる明らかに男性とは異なる体躯。
ざわめく会場。
「おい、あれシンタロー新総帥?」
「そうじゃないのか?」
「噂、本当だったんだ。」
「本当に女性になっていたんだなぁ。」
「なんでも、秘石の力だとか」
「相変わらず色々な法則を無視したむちゃくちゃな一族だな」
などという団員の声があちこちでささやかれる。

それをまるで聞こえないかのようにシンタローが口を開く。
「今日から俺がマジックの後を継ぎ、ガンマ団の総帥になる。」
ざわめきが止まる。
シンタローの声が続き、会場に響く。
 「ただし、今までのように無益な殺生は一切しない。
 この方針に賛同してくれるものだけが、明日からもまた勤務してくれ。」

あと、と僅かに頬が赤くなりシンタローは言う。
「これから30分後に、俺からお前たちに余興を贈る。」
見てくれ。と締めくくり豊かな黒髪を揺らし、壇上を後にする。
シンタローの姿が置くに消えると、幕が下りた。
舞台の様子が隠される。

何が始まるのだろうと、団員たちは体を硬くしたままシンタローの登場を待つ。

再び壇上の幕があがり、白い装束をまっとった女性が現れる。
頭巾をかぶっていて表情が見えない。

女性が歌にあわせ踊りだす。

※妄執の雲晴れやらぬ朧夜の
恋に迷いし わが心
忍山 口舌の種の恋風が
吹けども傘に雪もって 積もる思いは泡雪の
消えて果敢なき恋路とや 思い重なる胸の闇
せめて哀れと夕暮れに ちらちら雪に濡鷺の
しょんぼりと可愛いらし

シンタローが舞台であでやかに舞う。
頭巾が取り払われる。
顔が晒しだされる。
まるで絹のように白くなめらかな肌。
切れ長な瞳ながらどこかたおやかな印象を与える。
頬は桜色にそまり、ふっくらとした形のよい唇は紅い。
まるで穢れをしなぬ白魚のような手が傘を操る。

シンタローの踊りは拙いものだ。
だが、その場の誰しもがシンタローにのまれる。
まるで時間が止まったかのような静寂。
舞台の上で舞うシンタロー以外動くものはいない。

踊りは最後を迎える。
シンタローが扮する白鷺は苦しげにまわり、消えてゆく。

そして、ゆるやかに幕が下りた。

『俺は貴女にそんな思いはさせませんっ』
このとき団員達の心がひとつになった。

「えー、団員諸君。」
幕の前に前総帥であるマジックがマイクを持って登場する。
隣にはマジックと同じ、金の髪と青い目を持つキンタローが控える。
「前総帥である私から挨拶を。」
壇上から見渡し言葉をつむぐ。
「私の頃と同じように、シンタローを支えて欲しい。
 無論、最初にシンタローが述べたように強制はしない。
 これはシンタローの父親としての言葉だ。」
『マジック様、俺どこまでもシンタロー総帥についていきます!』
と言う声があちこちから上がる。
その声に満足そうにマジックが頷く。
「ありがとう。さて、ここからが本題だ。」
本題?と団員たちが首をかしげる。
「シンちゃんを支えてくれる事は非常に嬉しく思うが、
 それ以上の事を望む不埒ものがいたら、まず私とキンタローと手合わせをしてもらう。
 全てはそこからだ。」
マジックの隣で、キンタローが深く頷く。
それじゃと片手をあげ、ここに居る全団員には一生かかっても無理な事を言い残し
キンタローを連れ、颯爽と去る。
その後ろ姿を見送る団員たち。彼らの心はみな同じだ。


打倒っマジック&キンタロー。
この翌日から鍛錬強化メニューが大人気になった。

因みにガンマ団の裏名は、シンタロー保護会~あの人に幸せを~になったという。




後書。リク内容:日本かぶれのマジック(着物,日舞,琴,茶道)
キツネコさま、感想とリクをありがとうございました。
今までで一番時間が掛かってしまいました。コレが限界です、スイマセン。宜しかったら貰って下さい・・・
ワタクシ日舞などサッパリわかりませぬ。・・・日舞をご存知の方、ご容赦を~~
一応鷺娘。白鷺が町娘に転じ、恋が恨みへと、最後は地獄の苦しみをあじわい死んでしまう。
てな感じのお話らしいです。あれ、最後って死んじゃう?違うかも・・・

※華翠さん www005.upp.so-net.ne.jp/kasui/op.htm
長唄はこちらのサイトさんの紹介を勝手に抜粋してしまいました。他にも凄い数の歌がありました。
なんだか、物悲しい・悲恋って感じのが多いのですね~
H16.4.25







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ふと書類から目を上げると総帥室の窓から、一隻の軍艦が見えた。側面には"G"の文字がハッキリと確認できる。
連絡もなしに軍艦を使用し自由に飛び回っているのは、獅子を彷彿される様な容姿と雰囲気を持った男だけだ。
最近姿を見せなかったがようやく帰還したのだろう。
それを確認したしばらく後、ノックもなしに勢い良く扉が開かれる。
「よう、シンタロー。報告に来てやったぞ。」
思ったとおり現れたのはハーレムだ。
「・・・・・。」
ハーレムは入ってすぐに立ち尽くし、目を限界まで見開きまじまじと俺を見つめてくる。
「あのさぁ~、アンタ誰?なんでここに居るんだ?」
口を開こうとするとハーレムが遮る。
「あ、シンタローの女か。総帥室に女連れ込むなんてあのお坊っちゃんもやるねぇ。」
口笛さえ吹きそうな勢いで茶化す。
「で、シンタローはどこだ?」
「アホかっ!よく見ろよっ!」
勢い良く立ち上がる。キャスター付きの椅子だったので、そのまま後ろの壁に鈍い音を立ててぶつかった。
そんなことは気にせずに机を回り込みズカズカとハーレムの前に立つ。
うわ、今まで殆ど目線が同じだったのに何か頭一個分ぐらいデカくなっている。
いや、俺が小さくなったのか。
・・・。なんかどっちにしろムカつく。
「ん~~~?」
ハーレムが腰を屈め見つめる。
視線が合わない・・・。ハーレムの目線は顔のやや下にあるようだ。視線を追う。自分の胸を見る。
「小さい。」
ホレ、俺が大きくしてやろう、
言いつつ、胸にでかい手のひらを押し付けぐにぐに触ってくる。
そのあまりの気色悪い感覚に右手をハーレムに突き出す。
何かを感じ取ったのだろうか、それとほぼ同時にハーレムが手を離し横に逃げ俺の右手から距離をとる。
流石は特戦部隊隊長か。が、構わずにそのまま溜め無し眼魔砲を放つ。
「眼魔砲。」
ハーレムの横を青く輝くエネルギー体が通過し、後ろの壁に炸裂する。
ガラガラと素晴らしい音を奏でながら、壁が崩壊していく。
新たに開いた大穴からは小憎らしい程の青空が見えた。
ハーレムは大穴と青空とを一瞥した後怒鳴る。
「あ、アブねー。俺じゃなきゃ当たっていたぞ、コラッ」
怒鳴ってから考え込む。
「なんで、アンタ眼魔砲打てるんだ?」
鈍い。
「いい加減解れ。俺はシンタローだよ。」
「は?」
ハーレムが再び俺を凝視する。今度は口が空いている。
あ、獅子が獅子舞になった。そんなことが頭をよぎる。
獅子舞が喋る。
「オマエが?」
「そう。俺が。」
「シンタロー?」
「シンタローだ。」
重々しくうなずいてやった。
「・・・。オマエはたしか俺の記憶によると生まれた時から最後に会った時まで男だったと思うが・・・」
「ああっ、つい数ヶ月前までは男だったんだよ!生まれて25年間ぐらいはなっ!」
見当違いだとは分かっているが、ついハーレムにきつく当たってしまう。
そんな俺の様子には気にも留めず、尤もな疑問を口にした。
「・・・何で女?」

突然、バンッと扉が開く。
「シンタロー!」
先ほどの眼魔砲を感知したのだろうか、キンタローが部屋に飛び込んできた。
「無事か?何があった?!」
白衣を翻しハーレムの横をスッと通り過ぎ、俺の真正面に立つ。
まるで抱き付かんばかりの勢いだ。
俺のなんともない様子を確認し、安堵しているキンタローにクイっと顎でハーレムの存在を示した。
指した先をキンタローが目で追う。
「・・・ああ。」
それだけの動作で、だいたい何があったか想像出来たようだ。
「ハーレムは知らなかったのか?」
「ああ、本部に寄り付きもしない命令違反ばっかりのヤツにこんな事知らせても仕方ねーと思って。」
「そうか。」
納得するキンタロー。
そんな俺たち二人のやり取りを見ていたハーレムが声を掛けていた。
「おーい。俺を無視するなー。」
再び同じ質問を口にする。
「で、何でシンタローは女になっているんだ。」
ハーレムは俺とキンタローに交互に視線を向ける。
「何度もこんな事説明するの馬鹿らしいし虚しくなるんで、キンタロー、頼むわ。」
「わかった。」
と軽く頷く。

キンタローの説明を聞き終えたハーレムは一言吐き捨てる。
「・・・俺たちのこと何だと思っているんだ・・・」
「まぁ、今更アレのする事に文句言っても仕方ないしな。
 どうやら元に戻す気もない様だしそれについてはもう諦めた。妙に喜んでいる奴らもいるし。」
と、隣に立つキンタローを見上げチロっと軽くねめつける。
キンタローは涼しい顔をして受け流す。
「まぁ、今は俺の性別の事はあっちに置いておくとして。」
さあ本題だ、と視線をハーレムに戻す。
「親父の代とは方針を変えた。」
ハーレムは知っていると、頷き口を開く。
「一度動けば、標的地は焦土と化す。それが特戦部隊だ。そんな甘い事には賛同できない。
 女になって、心まで女々しくなっちまったのか?元々甘かったがな。」
余計な一言は黙殺する。
「わかっている。だが、その甘い事を実現したい。」
パプワにも約束したし、と心の中で呟く。
「アンタの様な人は、無理にとは思わない。頼んでも絶対に首を縦には振らないだろうからな。」
「よくわかってるじゃねーかよ。」
それに肩をすくめ応える。
「餞別にあの軍艦はくれてやるよ。部下もアンタ以外には従わないだろう。直属だしな。
 連れて行ってやってくれ。」
「ハッ、言われなくとも。精々、犬死はしないこったな。」
ハーレムはそう言い捨て、踵を返す。
黙ってその後ろ姿を見送った。
「大丈夫かシンタロー?あれでもあの叔父はオマエの事を心配しているのだと思うぞ。」
「ああ。分かっている。平気だ。」
壁に開いた大穴から一陣の風が吹く。
俺の黒髪とキンタローの金髪が風になびく。
その風を受けてキンタローが一言呟く。
「・・・南風、かな。」
「ああ。」

鮮やかな青い空に真っ白い雲が風に乗って流れる。
小憎らしかった青い空が、今は勇気をくれる。

H16.4.30

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