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sg


 どうしてこんなに切ないほど愛しく感じるのか。
 抱きしめたくなる衝動をぐっと押さえ込む。自身の身体に爪をたて、無意識に伸ばしかけるその手を押しとどめる。
 指先ひとつでも触れれば、その身体を引き寄せ、抱きしめ、手放せなるだろう。
 けれど、それは、彼の自由を奪うということだ。
 身動きすらできぬほど、息苦しい世界へと彼を引きずりこむのは、自分の本意ではない。
 青の呪縛から解き放たれた彼は、どこまでも自由でなければいけないのだ。
 それなのに―――。
 

「マジック」

 
 いつの間にか自身を意志と身体で雁字搦めに縛りつけ、身動きできぬ状態となった自分の元に、彼は近づく。
 近づくなと、眼差しだけで警告を発するが、躊躇うことなく、その距離を縮めてくる。
 誰もが恐れる、青の双眸を真っ向から受け止め、力を込めれば一瞬で消滅させられるほどの距離へと、遠慮なく踏み入れる。


「なに、我慢してんだよ。あんたらしくねぇな。俺が―――欲しくねぇのか?」


 挑戦的な言葉。
 挑発的な視線。

 呆れるほど無防備に差し出される身体に、こくりと生唾を飲む。特別な光など、どこからも差し込んでいないというのに、自分の眼には、眩しく輝いてみえた。
 それを手に入れたいと、喉が一瞬で干上がるほどの渇望している自分に気付かされ、苦笑を禁じえない。そうなる前に、自分は、全てを手に入れていたというのに、彼にだけは、こうなるほどに躊躇したままなのだ。
 だが、それも限界である。
 何よりも、これは彼が望んだことなのだ。
 彼の望みならば、何でも叶えると誓ったのは、遠い昔のこと。けれど、その誓いは、今も変わりない。
 たった一歩の距離で立ち、やんわりと笑みを浮かべたまま、こちらを楽しげに観察するように眺める相手に、自分はゆるりと己を縛る枷を外す。
 彼の願望と自分の欲望を同時に絡み取り、己の元へ引き寄せる。
 

「お前の愚かさも含めて、全てをいただくよ―――シンタロー」


 終幕。
 
 結末は、予想通りの結果を示し、抱きしめた相手は、その腕の中で満足げに笑った。
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「クソ親父! 俺の下着をどこやった!」
「パパ、知らないよッ!」
「嘘つけッ。こんなことする奴は、お前しかいねぇだろうが」
「そうだけど、まだ今日はやってないよ!」
「否定しやがれ、このアーパー親父ッ!!! ―――――MAX眼魔砲ッッッ!」

 ちゅどーーーーーん!

 盛大な爆裂音と爆風をあたりに巻き起こし、建物の一部は綺麗さっぱり消え去った。



「あーー、すまん。悪かったな」
 ぺこりと頭を下げる先は、つい一時間ほど前、とことん溜めに溜めまくりMAX眼魔砲を放った相手である。その相手は、あれだけのものをくらったはずなのに、思いっきりムカつくことに、ごくごく軽いヤケド程度の元気な姿で、布張りの椅子にゆったりと腰掛け、つーん、とそっぽを向いている。子供っぽい姿だが、れっきとした五十路過ぎのミドルである。故に、鬱陶しいことこの上ない。
「シンちゃんに、誤解されるなんて、パパ哀しいなぁ」
 テーブルの上に飾っていた薔薇を手にして、花びらをぶちぶちと一枚ずつ摘んでは、その場にぱらぱらと散らしていく。ついでに小声で「シンちゃんはパパのこと、スキ…キライ…スキ…」などと花占いをやっているため、その薔薇を即行に握りつぶして捨て去りたかったが、今はぐっと我慢する。とにかく、先ほどの行為について、自分は謝罪をしなければいけなかったのだ。
 そう。先ほどの喧嘩の原因であった下着の行方がわかったのである。犯人は、父親ではなかった。
「悪かったってば………まさか、俺の下着がキンタローのところに紛れこんでいるとは知らなくて」
 結局、無くなったと思っていた下着は、その後、キンタローが自分の洗濯物の中に紛れ込んでいたと持って来てくれたのだ。誤って、一緒に洗濯してしまった上に、サイズも同じだったために間違えられたのだ。
「パパ、とーーーーーーっても傷ついちゃったなぁ」
 あれだけの威力の眼魔砲を受けても、ケロリとしているくせに、そういわれるのは腹が立つ。もっとも、彼が言っているのは身体の傷ではなく、心の傷のことだ。
 手元にある薔薇は、すでに三枚になっている。奇数の時に「スキ」がきていたので、このまま行くと俺はマジックが好きだということになる。そろそろここらで全てなかったことに―――つまりは薔薇を消滅させたいのだが、実力行使が出来ずにいる。濡れ衣を着せてしまったのは事実なために、こちらも分が悪いためだ。
「悪かったっていってるだろ」
 とにかく、機嫌だけは直してもらおうと、下手に出て謝れば、ついに最後の薔薇の花びら一枚を摘み取って、マジックはにっこりと笑顔を浮かべて言った。
「じゃあ、お詫びにパパの言うことを聞いてくれる?」
「え?」
 なぜ、そんな流れになるのだろうか。しかし、相手は、それをもう決定事項のように目をキラキラとさせていた。
「それなら、パパ許してあげるから!」
「いや、別に俺は、そこまでして許してもらわなくても……」
 っていうか、そもそも誤解を招くような行動をしている奴が悪いのであり、そう言えば、今回は間違いだったが、下着を盗んだことには、否定していなかったはずである。盗まれた記憶はないのだが、よくよく考えてみると、何度か履いてあるはずの下着が、ある日、新品のように綺麗になっている時がある。気のせいかと思っていたが、こうなると怪しい。というか、完璧に下着泥棒として存在しているのは間違いない。
 しかし、相手はすでに素敵な妄想世界へと飛んでいた。
「ふふっ。シンちゃんに何してもらおうかなぁ~♪ やっぱり、普段してもらえないことだよね。ここは! オーソドックスだけど、猫耳メイドで一晩パパにご奉仕をお願いしちゃおうかな」
 猫耳メイド………。それをさせて、一体何が楽しいのか。いや、物凄く楽しいのだろう。しかし、それを着る自分の姿を想像してしまった時点で、シンタローはプチッと切れた。
「親父……」
「なんだい、シンちゃん?」
「俺、思ったんだ」
 そう言うと、にこりと可愛く笑みを作る。
「何をだい?」
 それに応えるように、にこにこと笑う父親のその顔面に、高濃度のエネルギーを溜めた手のひらを押し当てた。
「貴様は、いっぺん死んで来いッ! ――-眼魔砲ッ!」




「………謝って損した」
 心から、そう思ったシンタローであった。


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「私を愛しているかい?」


 何度訊ねただろうか。
 それでも、ずっと昔から……そう、目の前にいる相手が、まだ自分を無条件に慕っていたあの頃から告げていた言葉ではない。むしろ、そう考えれば、ごく最近の言葉だ。
 喉を震わし声となり、大気を震わし相手の耳に入り込み、脳へと伝わるその言葉が、『親子愛』や『敬愛』・『親愛』という類のものではなく、もっと粘着質で貪欲な、深い『愛情』であることを理解できるようになった時から、訊ねてきた言葉だった。


「………」


 それに対して、相手からの答えはなかった。口を真一文字に結び。視線は、確固としてこちらと触れ合わない方向へと向けられる。
 何度訊ねても同じ態度だった。
 けれど、マジックも無理強いはしなかった。相手が照れているわけでも、恥らっているわけでもなく、本気で迷っているのがわかっているから――。

 だが、『好きかい?』と訊ねれば、機嫌がいい時や酒気が入り気持ちが緩んでいる時には、『好き』だと答えてくれる。好かれている。それは、間違いのないことは、わかっていた。けれど、欲しい言葉は、もらえない。

 彼の中で明確にわかれている『好き』と『愛している』という言葉。曖昧になる者も多い中で、彼の中では、それは交わることがなく存在していた。

 だから、未だに答えはもらえない。


「シンタロー。誕生日おめでとう」

 
 そして、今日は彼の生誕日だった。この世に生を受けてから、28年。長いようで短いその間、ずっと自分の手の中に、彼はいた。愛しみ、大切に育ててきた彼への気持ちは変わらない。ただ、それに愛欲が加わり、愛執となって自分の内を占めていきだしたのである。すでに執念へと成長を遂げている。
 それでも、自ら全てを奪い取ることは出来なかった。
 愛しい子―――その想いが、自分を留まらせる。
 だからこそ、彼から足を踏み出して欲しかった。
 なのに最後の一線は、まだ越えてはくれない。それ故に、全てを手に入れることは出来てはいないが、だが、自分の気持ちを全て押さえつけることもしなかった。

 マジックは、手を伸ばし、相手の精悍な線を描く頬に触れた。弾力性のある肌が、少し力を込めて触れれば、弾かれる。しかし、それをしっかりと両手で挟み込むようにして掴み、自分の方へと寄せた。


「愛しているよ、シンタロー」


 吐息がかかるほどの距離で、捧げる言葉。
 かすかに顰められる眉。歪む口元。それでも構わなかった。
 逃げ出さずにその場にいることが、ざわつく自分の胸を押さえてくれる。貪愛しそうになる気持ちを制限することができる。


「生まれて来てくれて、ありがとう。お前を愛せることが、私の幸せだ」


 それは真実だから―――ここに今、在ることを深く感謝して、愛しい人へ口付けを贈った。 
 
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「眠い」
 尊大にそう言い放って、ドカッと音が立てて、こちらの胸にどっかりと倒れかかってくる。遠慮ないそれに、痛みが走るが、これが彼なりの甘えだから、可愛いものである。
「痛いよ、シンちゃん」
 でも、そう言ってあげなければ、せっかく近づいてきてくれたのに逃げてしまう。なかなか難しいが、その難しさが楽しい。
「はん。知るか」
 そっけなく言い放って、さらに身動ぎしてしっかりと私の胸の上に落ち着いてしまった。
 くくくっ…。
 ついつい笑いが零れてくる。愛しすぎてたまらない。
 そうして、その手に触れる髪に指を絡ませる。彼は拒絶しなかった。鬱陶しがられることもない。指を絡ませたまま、それを梳けば、気持ちよさそうに眼を細めてくれた。
「ふわぁ~ぁ」
 本当に眠かったのだろう。大きな欠伸を一つ零す。瞼はすでに閉じたままだった。美しく魅惑的な漆黒の瞳を見れないのは残念だが、自分の中でくつろぐ相手に、自分の要求を押し付けるほど、愚かにはなれない。
 この温もりだけでも幸せなのだ。お手軽と言われようとも、事実なのである。
「ベッドにいくかい?」
 この場から動こうとしないシンタローに声をかけた。
 ここで寝させてあげてもいいけれど、寝心地はあまりよくないはずだった。
 しかし、それにゆるゆると首が横に振られた。
「いい。寝ないから」
 そういいながらも、すでに夢の世界へと行っている。声までも眠気を帯びていた。だが、それを指摘することはしなかった。
「そうかい。それならいいよ」
 ここで眠れとも、ベッドに行けとも言わない。そうすれば、この気まぐれでへそ曲がりな猫はそれ以外の場所で眠ってしまう。そんなことはさせるわけにはいかないから――何よりも、彼自身がそんなことを望んでないから、一番相応しい言葉をかけてあげる。
「それじゃあ、好きにすればいいよ」
 そう言えば、何も言わぬまま、指を絡ませるようにこちらのシャツを強く握り締め、しがみつき、完全に眠りの体制に入ってしまった相手に、笑みが零れ落ちる。
「本当に君は可愛いね」
 眠りについた相手に、そっと言葉をかける。
 だから、手放せない。その指を絡ませ、掴んで離さなくしてしまいたくなるほど、自分は彼に夢中なのだ。何年経とうとそれは変わらないし、この先変わることもない。
 自分以外、彼を所有することは許さない。
「お休み、シンタロー」
 その手で、愛しいものを包みこんだ。

 大切なものは永遠にこの手の中に―――。

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「ふふぅ~ん♪」
 鼻歌交じりの声が、ガンマ団の本部の一角で聞こえてくる。
 リズム感はあるようで、しっかりとした音程の中で、軽快なリズムを刻み込む。
「シ~ンちゃんのた~めなら、え~んや、こ~らっ♪」
 ………どうやら歌詞は、問題視してはいけないようである。
 とりあえず、自作の歌を歌いながら、せわしくなく部屋の中で動き回るのは、元ガンマ団総帥であるマジックであった。
 お手製エプロン(もちろん胸のアップリケはこれまた手製の愛息の顔)を身につけ、頭にはほっかむりと、完全お掃除態勢の元総帥は、先ほどから、ガタガタ、ズルズルとなにやら大掛かりな掃除―――というよりは、部屋に大小さまざまな物を大量に入れ込んでいる。
 それも、しばらくして落ち着いたかと思うと、今度は、部屋中にそれを飾りつけにかかった。
「ふふっ。楽しいねぇ」
 口元をほころばせ、部屋に運び入れたそれを手に、ランランと軽やかなスキップをしつつ、ここぞと決めた場所に運んでいく。
 これが、世界に名立たる暗殺集団を元とはいえ、率いてきた者なのか、と疑われるような姿だが。この男は、元からこんなものである。
 ただ、世の中その事実が蔓延してないだけなのだ。
 そして、そんな事実を知る数少ない人間である現総帥は、その部屋に訪れた瞬間まっとうな台詞をはいた。
「おい。あんた、何をしているんだ?」
 その声に、部屋の中で作業をしていたマジックは即座に反応した。
「あっ、お帰りシンちゃん♪ 今日も、お疲れ様。毎日毎日遅くまで大変だね。あんまりにも忙しかったらパパにお手伝いをお願いしてもいいんだよ? パパ、シンちゃんのためならなんだってしてあげるからv」
 やたらと語尾を弾ませる、ナイスミドルことマジックは、仕事から帰ってきた、息子をいそいそと出向かえる。ついでに、抱きつきにも行ったのだが、もちろんそれは素早い動きでかわされた。
「シンちゃんってば、相変わらず冷たい……」
 息子の横をすり抜ける結果となってしまった演技派親父は、エプロンのすそを持ち上げ、口に含むと、悔しげに噛んで見せるが、そんなものは、一切息子には通用しなかった。
「いいから、親父。質問に答えろよ。これは一体なんのマネだ?」
 なにやらご機嫌斜めな感じのシンタローは、バンッと手近な壁に平手を打ちつけた。
 そのとたん、ガタリと壁にかかっていた絵が落ちてくる。
 だが、床に落ちる寸前、いつのまにかそこに移動していたマジックの手によりすくわれた。
「あ、折角飾った絵を落としちゃだめじゃないか。ほら、見てごらん。よく描けているだろう?」
 見事にキャッチした絵画をシンタローの方に向けるが、即座にその顔はそらされた。
「見たくない」
「どうしてだい?」
「なんで、実物が目の前にいるのに、そんな肖像がを見ないといけないんだよ。いや、それよりも。どうして、そんなもんが、このオレの部屋においてあるんだっ!」
 首を傾げるマジックに、ピキッと青筋を浮かばせたシンタローは、その絵を―――マジックの肖像がであるそれを指差した。
 そんなものは、今朝その部屋から出て行く時には存在していなかった。
「絵はお気に召さなかったかい?」
 自分の肖像画を胸にだいたまま首をかしげてみせたマジックに、頬をひきつらせながら、視線を向けたシンタローは、大仰な溜息を一つついて言い放った。
「………全部だ」
 そう。それは、肖像画一つでは終わっていなかった。
「これ、全部かい?」
 ぐるりとあたりを見回したマジックに、シンタローは最大級の大声で怒鳴った。
「当然だろうがっ!!」
 疲れて部屋から帰ってきたら、親父がいた。
 それでさらに疲れが上乗せされる状況にもかかわらず、その上、くつろぐべき場所には、留守中に運びこまれたのだろう、マジックの肖像がからはじめ、マジック等身大写真。マジック等身大人形。それ以外にもマジックだらけに埋めつくされているこの部屋を見た瞬間、シンタローは眩暈がした。
 もっとも、哀しいかなその手合いのことには、耐性がついてきていて、どうやら持ちこたえることができたのだが。
「ひどいなあ。頑張って飾ったんだよ? この部屋にいればどこでもパパを見れるようにって」
「大きな…いや、多大なお世話だ。とっとともって帰れ。というか、即効粗大ゴミにだしておけ!」
 仕事から疲れて帰ってきているのに、さらに疲れることがまっているなど、最悪である。
 とりあえず、言いたいことは言った。マジックの奴が素直に言うことを聞くとは思えないが、これ以上とりあいたくもなかった。
 シンタローは、総帥服である真っ赤な上着を脱ぎ、マメな性格ゆえにそれを放り投げることもせず、きちんとハンガーにかけ、適当な場所につるしておくと、ベットの方へと向かう。
 ベットの上では、すでにマジック等身大人形が存在しているが、とりあえず、それは無視だ。
 明日にでも部下に言って片付けさせようと思いつつ、ベットの上に腰かけると、背後から、これ見よがしな溜息を疲れた。
「ふう。そんな冷たいことを言うなんて、パパ、育て方を間違ったかな」
「間違いだらけだな」
 律儀に返してやりながらも、シンタローは寝る準備を着々と進めていく。
 眠れば勝手に出て行くだろうと思っていたのだが、もちろんそんなわけがなかった。
「しょうがないな。イチから教育しなおそうか」
 そう言ったマジックは、すでにベットの上に腰掛けていた。
「えっ? ちょっとまて、何の教育だ」
 横になり、眠りかけたシンタローは慌てて身を起こすが、それよりも先に、肩を押さえつけられ、ベットの上に身体を押し付けられる。
 目の前には、マジックの顔。
 その顔が、楽しげに笑みを浮かべていた。
「ん? だから、性教育をね♪ 手始めにやろうと思って」
 マジックの言葉に、シンタローは目を見開く。
 背中に冷たい汗が流れ落ちるような感覚だった。
「なっ。ま、まて。なんで、イチからがそれになるんだ……」
 起き上がろうとするが、肩をがっちりと押さえつけられていればそれは不可能に近い。足をバタバタとさせるが、それは無駄なあがきでしかなかった。身勝手極まりないこの男を制止させるすべなど、もうシンタローにはない。
「どこからでも一緒だろ? 大丈夫、パパが優しく教えてあげるからねv」 
 笑みを浮かべるマジックの顔が徐々に近づいてくる。逃げ場はどこにもなかった。
「俺は疲れている……んぐっ……(うぎゃぁぁ~~~~~~~~)」


 

 それから数時間後。ベットの中で。

「とりあえず、これでレッスン1は終わりだね。まだまだ、続きも教えてあげるから、楽しみにしててね、シンちゃん♪」
「………もう、結構です」
 シンタローは涙をはらはらとこぼしながら、マジックの言葉を丁重にお断りした。
 が、もちろんそれは無駄な抵抗でしかなかった。

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