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m,

ゾロ目リク5777小説『マジック×シンタロー』ちょっとラブラブv

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あれ以来オヤジがうるさい。
『アレ』というのは、この前の父の日……
色々あって妙な薬を飲まされた訳なんだが、
まぁ……何にも起きずに済んだ。
しばらくはオレも落ち込んだりしたが、事情を知ってるキンタローがそのことは秘密にしていつものメンバーで飲み会を開いてくれたり、
事情をどこからか知ったサービスおじさんが、オレの代わりに高松をボコにしてくれたりと、色々な協力から何とか立ち直った。
だと言うのに! あのオヤジと言ったらスキを見てはあの薬を飲ませようとしてくる。
どうやら高松から無理矢理手に入れたらしい。
高松にしてもせっかく作った薬だから、捨てたくはなかったのだろう。データだって欲しいだろうし。
だがしかぁし! 何で総帥自らが妙な薬の実験台になんなきゃいけねーんだ!
一昨々日は、夕食のビーフシチューに入れられてたらしい。
『らしい』というのは、食べる前に緊急会議が入ってしまい、そっちに行ったからだ。
ちなみにオヤジの言動が妙だったので、露見した。
一昨日は会議中のコーヒーに。コレは……オレが飲むはずだったのを、間違えてトットリが飲んでしまい……
……まぁ……色々あってばれた。ミヤギ大変だったろーなー
昨日にいたっては、天井裏から糸を垂らし、寝ているオレの口に入れるという…………忍者かアンタは。
まったく……今日はどうなるやら…………
そんなことを考えつつ服を着替え、朝食を食べるためダイニングルームに行く。
テーブルにはハムエッグとポテトサラダ、トマトと、飾りに乗っているレタスが乗ったお皿、
きつね色に焼けたトースト、ミルクたっぷりのコーヒーが乗っていた。
しかし、先にテーブルに付いていた人物を見て硬直する。
オヤジはこちらに気づき、振り向きざまにっこりと笑うが。
「帰る」
思わず即答。
「大丈夫だよ、今回は何にもしないからv」
今回『は』って何じゃ!
そもそも
「アンタの言うことは信用なんねぇんだ!」
はっきり言うと少し寂しそうな顔で言われる。いっとくが、そんな顔しても説得力ねーぞ。
「ひどいねぇ……せっかくいつもお疲れのシンちゃんに朝食を用意したって言うのに……」
「アンタの用意した朝食だからだ! この3日間アンタが何してたのか忘れたのか!?」
オレが疲れてるのはアンタのせいだろうがぁ!と叫ぶのを抑え、きっとにらみつける。
「やれやれ……」
仕方ないなぁと言うように溜息をつかれたが、溜息をつきたいのはこっちの方だ。
「じゃあシンちゃん朝食はどうするんだい?」
「自分で作れる。」
言いながらキッチンの方に歩いていく。
「私が用意したのはどうする~?」
「捨てちまえそんなの!」
「せめてポテトサラダだけでも……」
「いらんっ」
っていうか何で『ポテトサラダ』と限定するんだ!
薄切りのパンと、冷蔵庫からトマトとレタス・ハムを取り出し、簡単にサンドイッチとコーヒーを作る。
そのままテーブルに運んでいくと、まだオヤジが作ったヤツは残っていた。
「どうするんだよソレ……」
「だから食べないか?って言ってるんだが……」
「絶対いらん!」
「仕方ないなぁ……じゃぁパパが食べちゃうぞ?」
言ってポテトサラダにお箸をのばす。
「好きにしろっ」
言いながら自分で作ったサンドイッチに手を伸ばすが……
って待て……
「私が食べるとどうなるんだろうねぇ……」
不吉な台詞にお皿の上を見ると、見事にポテトサラダは消えていた。
早ッ!
「お……オイ…………」
不吉な予感がして椅子から立ち上がる。
同時にオヤジも立ち上がった。
3……2……1……
0!
出口に向かってダッシュ!
ガッ
後ちょっとと言うところで腕を捕まれた。
オイ…………おいおいおいおいおいおい~~~
やめろ!と言う暇も与えられず、抱きしめられる。
オヤジの顔を見ようとすると、先に頭を捕まれ無理矢理上を向かされた。
「んっ……うぅっ」
そのまま唇が押しつけられる。と、なんかいきなり暖かいモノが口の中に注がれてきた。
こりは……
顔が離れ、オヤジをキッと睨み付けると、俺の目に見える位置に空になったコーヒーカップを手に持っていた。
ポテトサラダはフェイクか!?
――――てぇコトは…………
「うわぁぁぁあああッッのんじまったぁぁああ!」
頭を抱えて絶叫するオレの首根っこを掴み、オヤジが言った。
「さ、パパの部屋にいこーねv」
そのままずるずると引きずられていく。

オヤジの部屋に入ったとたん、ぎゅっと身体を抱きしめられる。
その行動に顔が熱くなりながらも、何とか抵抗するが、
背中やら頭やら撫でられると、抵抗する気も失せてくる。
何より父親の胸は暖かくてこうやって抱きしめられてるだけでも安心する。
あ……そろそろやべーか……?
「シンちゃん……」
名を呼ばれ上を向くと、父さんの人差し指がオレの唇をなぞっていた。
「私が好きだって言ってごらん?」
……そんなのっ
「言えない……」
目をつむり、首をふってイヤだというと、少し寂しそうな声で言われた。
「シンちゃんは……パパが嫌いなのかい?」
本当に辛そうな声で言われるが……
こんな薬で言わせる方がどうかしている!
そもそも無理矢理飲ませたのはアンタだろうが!
「こんな……こんな薬の所為で言うんじゃなくて……自分の口から言いたいんだっ!」
…………………………………………………………………………
言ってから、自分の台詞の意味に気づく。
……くッ……クスリのせいだ!
慌てて上を見ると、オヤジはもっと驚いたような顔をしていた。
っておい、アンタが飲ませたんだろうが! 『考えてもないようなこと』まで言う薬だろうが!
そこでオレが妙なこと言っても『あ、薬の所為だな』って分かるだろ!?
何でそこで驚くんだよ!
そう突っ込もうとすると、またぎゅうっと抱きしめられる。
「シンちゃん……シンちゃん…………」
ただ名前を呼ばれてるだけなのに、顔がどんどん熱くなる。
その熱から逃げるように父親の身体を押すと、今度はあっさりと身を引いてきた。
「?」
意外な行動に顔を見ると、オヤジはにっこりと笑って言った。
「朝早くからすまなかったね。もう行っていいから、ちゃんと朝食食べておいで」
ぽんっと頭を軽く叩かれるが、何でそうあっさりしてるか。
まぁ……このままココにいたら操が危なそうだし……
「あ、ああ」
とだけ言って部屋から出ていった。

にしても……
今度こそ自分の作ったサンドイッチ(そのままにしてあった)を頬張りつつ
ふと考える。
何だってオヤジはあそこで引いたんだ?
いつもならもっと強引に……
…………………………………………………………………
まさか……
イヤ……でも……
オヤジに抱きしめられたとき、
顔は熱かったけど……頭はしっかりしてたな……
以前例の薬飲まされたとき……あそこまで頭しっかりしてたっけな……
と言うことは……………………………………………………………………
ま、高松の作った薬だしな。
あの後イロイロ改良してても不思議はないか。
そう判断したオレは残りのツナサンドに手を伸ばした。

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後書き~
と言うことで後書きです。
『ちょっとラブラブv』がリクエストですが、ラブラブかなぁ……
『ちょっと』じゃなくて『実は』が正しいんじゃないかなぁ……
さてさて今回のお話のポイントは、『果たして本当に薬は入っていたのか?』です。
さ~てさてさてどうなんでしょうねぇ?
とりあえず分かっているのは、管理人がこの後のことは何にも考えていないと言うことですね。
行き当たり人生万歳!

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キリリク5200『マジック×シンタロー』シンタロー士官学校時代

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世界最強の殺し屋集団と言われるガンマ団。
だが、それを構成するのは人間である。
例えそれが、人を切り刻んでも何とも思わないような殺人鬼だとしても、
平気で知り合いを人体実験に使う狂科学者だとしても、
部下の給料をどんどん下げる鬼部隊長だったとしても、
分類上は霊長類ヒト科、ホモサピエンスである。
だから、一瞬のうちに岩山を砕く戦闘員が、ガンマ団内の食堂で野菜ラーメンを食べていたとしても、驚くことはないのである。
むしろ驚かれたら、相手はきっと気を悪くするだろう。
――――けど、よ
士官学校の名物教師―――ただし悪い意味でだが―――が言っていた言葉を頭の中で反芻し、シンタローは頭の中で考えた。
―――― 一瞬のうちにあたりを灰燼に帰す人間が、戦闘員のキッチンでカレーを作ってる姿というのには……驚いても良いよな……?
そんなことを、今まさに一瞬のうちにあたりを灰燼に帰す人間が、戦闘員のキッチンでカレーを作っている姿を見て、溜息をついた。
その音に目の前の男が振り向く。
「やぁシンちゃんお帰りv 今日は遅かったんだね。」
「たでーま……何やってんだよ……」
「何って……」
一瞬のうちに辺りを灰燼に帰す人間;ガンマ団総帥マジックは自分の姿(ピンクのふりふりエプロン)を見て言った。
「見てのとーりお料理vだよ?」
――――………………んなこたぁわかっとる。
「何だって泣く子も笑うガンマ団総帥が、一戦闘員のキッチンでカレーなんざつくっとんじゃ!」
「ん~何でって……シンちゃんカレー好きだろう?」
「そーじゃなくって!」
まがりなりにもシンタローはガンマ団総帥の息子である。
よって他の戦闘員と同じ宿屋ではなく、父親とおなじ棟に入れられていた。
――――……公私混同とはいわんのか。
何度か考えた疑問だが、当面の問題ではない。
「先にお風呂がいいかい? それと」
『も、わたしかい?』は言えなかった。
シンタローの回し蹴りが飛んできたのだ。
紙一重でよけるマジック。
「はっはっは相変わらず殺気を悟られ安いぞ」
「ぐぅ……」
あっさり避けられ、ちょっと敗北感を感じるシンタロー
「ほら、そんなところでふてくされてないで、早く冷めないうちに食べちゃおう」
――――勝手にヒトの部屋に入ってきて何を言う……
そう思ったが、こちらはいつもより激しい戦闘練習の所為でお腹がぺこぺこ……今にもぐ~とか言いそうである。
仕方がない、若いのだから。
「食べないのかい?」
「……………………食べる」
言うことを素直に聞くのはちょっと悔しかったが、ココは従うことにした。
何より父親の料理の腕前は超一級……とまでは行かないものの、そこんじょそこらのレストランじゃ太刀打ちは出来ないほどである。
「じゃぁ、椅子に座って待ってるんだよv すぐに用意するからね?」
嬉しそうににっこりと笑うその表情。
――――こーゆー顔してっけど、平ー気で人殺せるんだよなぁ……
頭で理解していても、どうもにわかに信じられない。
まだ実践『練習』はしていても、実際の戦場に立ったことのない、
ましてや父親と一緒に戦ったこともないシンタローには無理のない話なのかもしれないが。
「シンちゃん?」
自分の顔をじっと見るシンタローに、マジックは怪訝な瞳を向ける。
「え?」
「そんな風に見つめられるとパパ照れちゃうぞ」
「なっにをいっとるかぁ! とっとと用意しやがれ!」
「は~い♪」
自分の怒りもどこ吹く風、もっとも三分の一は照れ隠しだと分かっているからかもしれないが。
「シンちゃんは何飲む?」
「別に何でも。」
「やっぱりカレーには氷水かなぁ……でもせっかくのシンちゃんとのお夕食vだしなぁ……」
氷水にスプーンを入れて運んでくる。これが基本でしょう。
シンタローにとってはどうでも良いことで悩み始めたマジック。
思わず口を出す。
「カレーになら甘口のワインでもいけるぞ」
「………………………………………………」
「あ……」
「シンちゃん……」
「イヤほらサービスおじさんが言ってたんだ!」
「ほほう……サービスがねぇ」
「あっイヤその………………」

口には出さないが、2人とも流石に親子である、アイコンタクトでいくらでも通じたりする。
つまり。
『カレーになら甘口のワインでもいけるぞ』
『………………………………………………』
『あ……』
『シンちゃん……』
(どうしてそんなことが分かるのかな?)
『イヤほらサービスおじさんが言ってたんだ!』
( 飲むわけねーだろオレ未成年だしっ!!)
『ほほう……サービスがねぇ』
(君は私がサービスに嫉妬してるって分かってて言ってるのかな?)

「あっイヤその…………」
父親の目が青く光ったのを見て、引きかけるシンタロー。
――――何とかしてごまかさねーと……
「ほらっ未成年が酒飲んだりタバコすったりすんのも、オレはタバコはやんねーけど、
 単に『大人へのアコガレ』ってヤツだしっそんなに飲んでねぇって!」
「『大人への憧れ』ねぇ……」
「可愛いもんじゃねぇかっ! ってところで何でこっちに来るんだよ?カレー食べるんじゃないのか?」
無言でシンタローの方に歩み寄り、目線に会わせるように腰をさげてくる
「そんなに大人に憧れてるんなら、大人の扱いをしてあげようと思って」
「へっ?」
何かイヤ~な予感がして、逃げようとするが、それより先に腰を捕まえられる。
「ちょっとっおいっ」
……悪い予感という物は当たる物である。
「ん~っ♪」
「――――っっ!!」
とゆーわけで、でぃーぷな口づけをして、逃げられないように頭と腰を押さえ、そのまま引っ張り椅子から立たせる。
「――――~~~!!!」
シンタローは硬直している
シンタローは硬直している。
シンタローの体から力が抜け、マジックに支えられてやっと立っている……という状況になる。
そこでやっとマジックは唇を離した。
「ふっ…………」
そのまま椅子に力無く座る。へたり込んだ先に椅子があったと言うべきか。
手すりに捕まるのがやっと、というシンタローに、上から見下ろしてマジックが言った。
「このぐらいで腰が抜けてるようじゃ、まだまだ子供だよ♪」
「――――! ぐぬぅぅぅっ…………!」
そーゆー風に本気で悔しがるところも子供なのだが。
「ま、お子さまは牛乳でも飲んでなさい」
「ちっくしょぉぉっ!!」
――――
結局
父親の作ったカレーは、いつも通りおいしかったことをココに残しておく。
悔しいので、
「おいしいかい?」
と言う質問には
「まぁまぁだな」
と返しておいたが。

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後書き
はやくおとなになりた~い!
大人になったら『あのころは良かったなぁ』とかって思うんでしょうねぇ
ま、そんなことはともかく、
たいへん長らくお待たせしました(まったくだ)
シンタロー士官学校時代のマジシンでっす。
『マジシン』って『マジシャン』に似てません? あ、似てない? そうですね……
シンちゃんの好きな料理はカレー。と言う時点でお子さまですよ。
ハンバーグでもやっぱりお子さまだけど。
かくいう私は中学校2年まで『お子さまメニュー』で通してました。
大人用は量が多い……

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キリ番5000リク 『マジック×シンタロー』 シンタローが異常に積極的v

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こんこんこんっ
「グンマだよっ シンちゃんいる?」
『ああ、連絡が来てた。入ってくれ』
「は~い」
がちゃ……
重々しい扉を開け、中によく知った人物を見つける。
「珍しいな、お前がココを訪ねるってのは」
長い黒髪をおろし、前とずいぶん印象が変わっているが、髪と同じ黒い目はずっと前から同じ光をたたえていた。
「う~ん……そういえばそうかも……」
「キンタローはどうした?」
「今高松と、バイオエンドウの研究でCブロックの農園に行ってるよ?」
「何だバイオエンドウって……」
「優性の法則なんざクソくらえ!って研究途中のレポートには書いてあったけど」
「……あ~…もーちょっとまともな活動してほしいもんなんだが……」
「ところでシンちゃん。」
「あ?」
「父の日プレゼントどうする?」
「……どうって…?」
「シンちゃんはお父さんに何かあげるの?」
「オトウサンかァ……」
いきなり窓の外から遠くを見つめ出すシンタロー
「何見てるの?」
「父の日っつってもよ。」
グンマの質問はとりあえず無視して、話を続けるシンタロー
まずは人差し指をピッと立て、
「1、『あれ』までずっと父親だと思っていて、育ての親でもあるマジック。」
次に中指をたてる。
「2、遺伝子上は父親に当たるルーザー」
そして薬指を
「3、この体はジャンのだし、一番最初に青の一族に赤の戦士を送り出した赤の秘石」
最後に小指をたてる。
「4、アスの隠れ蓑として『オレ』を創り出した青の秘石
 さぁっどれがオレの本当の父親だっ!?」
「う~~~~~~ん…………」
「イヤ、本気で考え込まれても情けないんだが。」
「シンちゃんは誰だと思ってるの?」
「あ?」
「シンちゃんが『お父さん』って聞いて、最初に頭に浮かぶ人は誰?」
「あ~~……そぉらぁ…………」
「やっぱり『マジック』?」
「…………………………」
「もしそうなんだとしたら、はっきりさせた方が良いと思うよ?
 お父さんだって気にしてるっぽいし、……宙ぶらりんじゃ絶対お互いのためにならないよ?」
「イヤ、そんな彼女と冷めてきた友人へのようなアドバイスされても……」
「ウソは言ってないモン。」
「……………………………………」
「シンちゃんがはっきりさせたいなら協力する!」
「あ?」
「父の日に、色々セッティングしてあげるよ。2人がもっと仲良くなれるよーに!!」
そういって嬉しそうに笑うグンマに邪気は感じない。
その顔から少し目をそらしてシンタローが呟くように言った。
「オレは……」

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父の日。
マジックはグンマに呼ばれ、夕方――と言うよりも夜に近い――ガンマ団内のSブロックに行った。
――――一体何なんだろうねぇ? ……別に報告するようなこともないし……コタローのコトかな?
のんきにもそんなことを考えつつマジックはドアをノックした。
『入ってくれ』
――――?
中から聞こえたのは、グンマの声、なんてものでは全然なく、
それこそ生まれたときからずっとかわいがってきた、そして今も大事に思っているシンタローの声だった。
とりあえず、言われたとおりドアを開け、中を見る。

「……よぉ」
部屋の中には、やはりシンタロー。
それと、普段倉庫として機能しているSブロックにはおよそ似つかわしくないベージュのソファ、その前はテーブル。純白のテーブルクロスがまぶしい。
そしてそのテーブルや壁、テーブルには黄色のバラがメインの花飾りが付けられ、倉庫としてのイメージは見事に消えていた。
シンタローはそのテーブルの前、部屋に入って数歩というところに立っていた。
「あれ……シンちゃん?」
「あ、ああ」
多少ぎこちない言葉を交わし、少し沈黙が落ちる。
先に口を開いたのはマジックだった。
「グンちゃんに呼ばれてきたんだけど……」
「あ、それは…。あのさ、今日……父の日だろ?」
「え? ああ、そういえば……」
シンタローに指摘され、マジックの頭の中でいくつかのパズルがそろった。
――――つまり、これを機会にシンちゃんと仲良くなれ……という訳か……
      グンちゃんらしいプレゼントだけど……
総帥としての慧眼か、父親としてのカンか、あっさりマジックはそう判断した。
「つまり……」
そのまま口を開く
「シンちゃんからはシンちゃん自身がプレゼントなんだね!!?
 早速いただ」
べきょっ
「オーパスワンの87年物が手に入ったんでな。
 良かったら一緒に飲もうと思って。」
たった今父親を殴り倒したワインボトルを指さし、シンタローがそういった。
「そ、そうなんだ。」
痛いを通り越して熱くなっている額をさすり、マジックがテーブルに付いた。
「あ、そっちオレの席みてぇ」
「え?」
「あ~……この部屋さ、グンマが飾り付けしたんだよ。ほら、そこにネームプレートあるだろ。
 …………ちなみに………………料理は高松だとか。」
「高松の……大丈夫か?」
「…………アイツの良心を信じよう。あ、あと秘石の力。」
「だね……
 そうかぁグンちゃんがなぁ……」
「あ、やっぱり高松の方が先に来たか。」
「今までが今までだからね」
苦笑しながら2人が言う。
少しだけ空気が柔らかくなったところで2人ともネームプレートの通りに席に着いた。
シンタローはマジックの席の前に用意してあったグラスを手に取り、ワインを注ぐ。その音が耳に心地良い。
次に自分の席に用意してあるグラスを取り、同じように注ぐ。
乾杯をしてから話をする。
コタローのコト、今のガンマ団のこと、
トットリがこの前ノー天気雲の調整をしているときに、間違って自分の頭に雷落とした。
サービスが先週帰ってきたときに、ハーレム対ジャンの喧嘩に巻き込まれて、眼魔砲で片を付けた。(喧嘩両成敗)
グンマが寝言で『プリンが食べたい~』とか言って、それを聞いた(どこでだ)高松とキンタローが、台所で電子レンジを爆発させた。
などなど、話題は尽きない。
話がはずめば、お箸も進む。
高松がつくったという料理も、もはや半分ほどになっていた。
だが、しばらくするとどうもシンタローの様子がどうもおかしい。
なにやらテーブルの上にある飾りをいじったり、ワインを少しずつ飲んだりとせわしない。
顔も朱に染まっているように見えるが……
――――シンちゃんは……グンちゃんと違ってお酒には強いはずだけど……
「シンちゃん?」
「えっ? ああ……なんだ?」
「何だ?じゃないよ。どうしたんだい?」
「え……どうって……何か変だったか? オレ……」
「変というか……何か心配事でもあるのかい?」
「へ? 何でいきなり……」
「シンちゃんがいきなり黙っちゃったから心配だったんじゃないか。
 お酒にでも酔ったとか……?」
「イヤ、まさか……これくらいの量で……ただ……」
「ただ?」
そこでまた黙ってしまう。2人とも少しの間黙っていたが、
「ね、シンちゃんそっち行っても良いかな?」
シンタローの座っている横を指しマジックが言うと、シンタローは黙って頷いた。

「シンタロー、本当に辛いことがあったら、何でも良いから言うんだよ?
 総帥の座はシンちゃんに譲ったけど、パパだってまだまだだし、
 私にじゃなくっても……サービスや、キンタロー、グンマもいるんだし、
 何より、君には頼りになる仲間達がいるだろう?
 あのハーレム特撰部隊相手に、本気で戦いを挑んだ頼もしい仲間達がね。」
優しくマジックが言い、そっと(どさくさ紛れに)肩を抱き寄せるが、シンタローはやはり俯いたままで
「うん……」と言うだけだった。
さてどうした物か……。とマジックが思案していると、シンタローがようやく口を開いた。
「アンタは……やっぱりオレを息子としてみてくれるんだな……」
その台詞に驚いたように目を見開き、シンタローをじっと見る。その時やっと2人の目があった。
「シンちゃん……? 一体何を言うんだい? シンタローは私の大事な息子だよ。何を今更……うわっ」
台詞が途中で切れたのは、いきなりシンタローが抱きついてきたからだったりする。
マジック鼻血ゲード30%
「オレ……オレずっと考えてたんだ、本当にオレは、アンタの息子でいいのかって……」
「シンちゃんそれは……」
「だってそうだろ!? オレは……っこの顔が……ジャンに似ているのは、赤の秘石が青の一族に……一族の長の息子に
 スパイとして赤の一族を送り込もうとして、そのことを知った青の秘石がそのままアスの隠れ蓑としてオレをつくったからで、
 でも実際にはオレはアンタの息子じゃなくてルーザー叔父さんの息子でってあーもー訳わかんね――――っ!!」
そこまで言うと、自分の顔を相手の胸にすり寄せるようにして、マジックの背中に手を回した。
マジック鼻血ゲード40%
「シンタロー……」
マジックも肩と腰に(ちゃっかり)手を回し、
「つまりシンちゃんは……今までそんな下らないことで悩んでいたのかい?」
その声は、シンタローには少し怒っているように聞こえた。
「ッ!!」
“つまらないこと”よわばりされ、『これでもオレは真剣なんだッ!!』と言おうとしたが、
「私は、あのときシンちゃんに何度も『自分の息子だよ』って言ったはずだが?」
「でも…オレは……」
「もちろん、シンちゃんが心配なら何度でも聞けばいい。そのたびに同じ答えを返してあげるからね?」
しっかりと目を合わせ、にっこりと微笑みつつそう言う姿は、もうすぐ鼻血大放出vとは見えない。
もっとも、シンタローからすればマジックがそう言う状況だとは知るはずがなく、
「ごめん父さん……なんかオレ……今日……変…………」
と、素直に謝ったりする。しかも伏せ目がち。
マジック鼻血ゲード45%
「でも……なんか……ほっとしたかも。」
「シンちゃん……」
「何か……やっぱり酔ってるのかな……頭がちょっとくらくらする……」
ぽふっと、マジックの胸に体を預け、そのままゆっくりとまぶたを閉じる。
マジック鼻血ゲード60%!
――――ちょっとヤバいかなー……
そう思いつつ、少し落ち着こうとシンタローの頭を撫でながら、視線を彷徨せると、
シンタローのワイングラスが目に入った。
――――シンちゃんは、酔ったって言ったけど。この子はお酒には強いはず……
そこで手に持ってちょっと匂いを嗅いでみると…………
明らかに自分が飲んでいたワインとは別の匂いがした。
…………………………………………
――――高松ーーッッッ!!!
……………………………よくやった。
「父さん……どうしたんだ……?」
「あっ! いやっ 何でもないんだよ??」
「うん……」
顔をちょっと上げて、不思議そうにこちらを見つめてくるシンタローは
可愛さ60%増し(当社比)といった感じだった。
というわけで、マジック鼻血ゲード65%。
――――さてどうする?
「ん……父さん…………」
眠そうに言いながら、背中に回していた手はそのままに、体をさらにすり寄せてくる。
――――うあぁぁっ可愛すぎるぞシンタローッ!!
……75%。
「シンタロー……」
そっと耳元で呟くと、顔を上に上げて、じぃっとこちらを見る。
……と思ったら、だんだんシンタローの顔が近づいてきた。
――――えーと……
そのまま2人の唇が触れる。
「――――んっ…………」
――――シンちゃんからキスですカ―――ッッ!!???
しかしそこは元ガンマ団総帥。必死で正気に戻り、前を見ると、
シンちゃんのどあっぷ☆……鼻血ゲード80%!
――――落ち着けッ落ち着くんだマジック!私はガンマ団の元総帥だ!
    落ち着いて考えてみろ!
以下、マジック思考回路
シンちゃんが珍しく可愛いところを見せてくれている。
しかしそれは高松のつくった薬の所為だ。
とーぜんシンちゃんの本意ではないかもしれない。
ココで行き着くところまで進んだら、後々どうなるか判らない。
何より、薬の所為でこんな行動取ってるシンちゃんと接していても……
………………………………
嬉しいじゃないか。
(この間約0.4秒)
既にゲージは90%。と言うかその前に、未だにキスしている状態だったりする。
しかし! 据え膳食わぬは男の恥。
背中に回してあった手を、そのまま下に持っていき、服の裾から中に進入。
直に背中をさすると、一瞬シンタローの体がびくんっと震えた。
……その時点で94%。
「まっ……待ってッッ……父さんッ」
唇を(やっと)放し、慌てて体をさげるシンタロー。
「シンタロー……」
そう呟いて息子を見ると、シンタローは顔を真っ赤にして、目に涙まで浮かべていた。
――――ぐはあっ
マジック鼻血ゲード98%! レッドランプがついてます。
そしてとどめを刺すようにシンタローが叫んだ!
「こんな所じゃヤダぁッ父さんの部屋がいいッ!!」
―――― …………………………………………………………
    OVER120% Countdown…START!

        3

     2

  1

ぶぼぉっっ!!
「うぎゃあッッとーさんッ!!???」
「ふ……ふふ……ルーザー……そこにいたんだね…………にーさんは頑張ってるぞぉ」
「うわぁぁぁッ戻ってこおぉぉいいッッ!!!」

□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□

一方こちらはガンマ団内の生物研究室。
いつもなら、黒髪のお兄さん2人が日頃怪しい研究をしているところですが、
今いる2人は、金髪の青年と、黒髪の男でした。
「……で、この前のプリンはどこが悪かったんだろう」
金髪の青年が言います。
「どこも何も、プリンつくるのに、だし汁入れた時点でアウトですよ。」
「アイツの中で見てた時、確かにそうやってたような気がしたんだが……」
「…………それ……茶碗蒸しです」
2人ともなかなかの外見とは裏腹に、話している内容は結構おばかです。
と、入り口が開いて、お客さんが入ってきました。
「やっほぉ高松! キンちゃん!!」
「よぉ」
「どうも」
「あ、あのね、高松の言うとおりにしたけど……アレだけで大丈夫なの?」
「ええ、十分ですよ。」
「……?なにがだ?」
「あのねっあのねっ 今日の父の日に、何プレゼントするかってので思い浮かばなくて、高松に相談したの!」
「…………大丈夫か?それ……」
「…どういう意味ですかキンタロー様」
「で、高松はなんて言ったんだ?」
「単にシンタロー様と2人っきりにしてあげるのはどうかと提案しただけです。」
「…………それだけか?」
「料理は僭越ながら私が引き受けさせていただきました。」
「…………何入れた」
「いきなりその質問ですか。まぁいいですけど。
 なに、ちょっと素直になる薬をですよ。」
「素直になる……薬…… 自白剤か何かか?」
「イヤ。普段から考えていることはもちろん、考えてないようなことまで口にしてしまうという…………」
「考えてないようなコトって…………ダメだろそれッ!!」
「大丈夫ですよ。2人とも男なんですから、とりあえず責任取るようなことは起きません。」
「起きてたまるかっ!!」
「それに、ある程度時間がたてば薬も切れますし。」
「時間……」
「そうですねー……
 グンマ様がおっしゃってた時間通りにコトが運べば……」
「運べば?」
「明日の朝5時までには切れてます。」
「遅いわっ!」
「ねーねーキンちゃん。」
「あ? どうした?」
「キンちゃんは、お父さんに何かプレゼントしたの?」
「ああ、オレは墓に花と、生前好きだった酒をあげに行ったが。」
「僕も一緒に行きたかったな~」
「今度な。」
「うんっ!」
「嗚呼……お二人ともご立派に成られて……」
感動のあまり涙を流す高松。黄色いバラの柄が付いたハンカチが既にびしょびしょになっていた。



次の日――――
ガンマ団元総帥マジックは、出血多量でしばらく入院することとなり、
現総帥は、薬が効いていたときのことはしっかり覚えていたらしく、しばらく鬱になっていたとか。



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後書きv
積極的なシンちゃんって想像が付かなかったんですよぉぉぉ(言い訳v)
だってシンちゃんが積極的になろうモンなら
マジックパパ一緒に行き着くところまで行くか、鼻血出して終わりvみたいなイメージがあったんですものっ

お酒のこと
私のイメージでは、どう考えても、何にも無しにシンタローが積極的にマジックにアタックvになりそうになかったので、
お酒か薬を使ってみようとは思ってたのですよ。
でも、同時にシンちゃんお酒には強そうなイメージがあったので(一応戦闘員だし……関係ないのかな?)薬に頼ってみました。
必然的に高松登場。同時にグンマ登場。
で、グンマとシンタロー=マジックの息子。
――――と言うわけで父の日ネタです。何というタイムリーな(今日は6月1日。もうすぐ父の日~)
で、オーパスワンというワインですが、
自分がお酒にはぜんっぜんくわしくないもんでして、ヤフーで『超高級ワイン』というので検索してみた結果、
オーパスワンが最初の方にきて、ついでにオークションで『オーパスワン』と検索してみたところ、
10万以上!の値をつけてる方がいらっしゃいまして、
「あ、これ高いんだ~」と思って付けてみました。
単純ですな。
ですんで「父の日にこの酒は合わん! こーゆー場面なら、やはり●●●だろう!」
と言う方、
ぜひ教えてくださいまし。
変えますんで。(いいのかな~)





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3700キリ番リクエスト 『マジック×シンタロー』

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なさけないが風邪を引いた。
はっきり言ってこれでもかと言うほど珍しいことだ。
もっとも、ガンマ団の医療システムは完璧だし、そんな大した風邪ではなかった。
だから他の奴らも心配していない。
ただ一人をのぞいては

「シンちゃぁぁぁん!!風邪引いたんだってぇぇぇっ!!??」
「あれ……親父……? 何だってこんな所に……」
「可愛い息子が風邪引いたんだ! お見舞いに来ない方がおかしいだろう!?」
「あーそうだな……」
「嗚呼シンちゃん……こんなにやせ細って……」
「イヤ、ひいたの昨日だし、一応食うモン食ってるぞ」
「心の問題だ!」
「……そうか」
とりあえず親父の相手してたら、身がもたねぇ……
そう判断したオレは適当にあしらって目をつぶろうとした。
「そうだシンちゃん、夕ご飯はパパが作るからな!」
「はぁ?」
いきなり言われて無視するどころかしっかり反応してしまった。
「とりあえずお粥と『ご●んですよ』は基本だろう」
イヤ基本って……
「ガンマ団総帥がんなマネすんなよ」
「ガンマ団総帥である前に父親だ!」
あーそーかい
「任せるよ……」
「よし! じゃ早速作ってくるからな!  シンちゃんはしっかり寝ているんだぞ!」
へーへー
ばたんとドアが閉まる音がして、人の気配は消えた。
――――夕飯までまだあるか。
そう判断したオレは、少し寝ることにした。

目が覚めるとそこは……………………
父親の部屋だった
ぐわばぁっ!
と勢いよく起きて叫び声をあげる
「何故だああ――――!!! うぅっげほっげほっ」
「ああシンちゃんっ! 風邪引いてるんだから無理はしちゃダメだよ」
「その前にこの状況を説明しやがれッ!!!」
そう叫んで又せき込む。
「この状況って……私の自室だが?」
「な・ん・で、こおのオレがいつの間にかアンタのベッドの上なんだよ」
「それはパパがさっき他の団員に、シンちゃんが寝ている間に、私の部屋に運んどくよう伝えといたからだよ」
「な・ぜ・に?」
「パパがすぐ横にいた方が安心するじゃないかv」
「ほほう」
オレの白い目に気づいているのかいないのか親父はベッドに腰を下ろし、お粥を乗っけたお盆を膝の上に乗せた。
「ささ、そんなことよりお粥出来たよ。ちゃんと冷ましといたから。」
「あ、あんがとよ」
「はい、あーんv」
「………………………………………………」
にっこりと程良く冷まされたお粥と適量の『ごはん●すよ』をスプーン(レンゲ)に取り、俺の前に持っていく。
「…………イヤ、一人で食べれるからいい」
「こーゆー時くらい甘えてくれないかい?」
「う~~~……」
しばらく迷った後…… はくりっと父親の差し出したレンゲからお粥を食べた。
ふと父親の方を見ると、もうこれ以上ないというくらいの満面の笑みをうかべていた。
――――う……
「熱くないかい?」
「まあまあかな」
本当は丁度良いしおいしいのだが、何となくそれを言うのが悔しかったので、ついついそんなことを言ってしまった。
悔しいが父親の料理の腕はピカ一だ。総帥という地位にいて、一体いつの間にそんな技術を手に入れたのか知りたいぐらいだが。
少なくとも、サバイバル訓練でカレーはともかく、肉じゃがなんか作るはず無いと思うのだが。
「はい、ちゃんと全部食べ終わったね」
「ああ。ごっそさん」
「あとは薬なんだけど…………」
食器を部屋の外に来た団員に渡し、片づけるよう命令を出しながら(職権乱用)親父が言う。
「? どうしたんだ? 切らしてるのか?」
「いや、シロップがあるんだけど……」
「……………………子供用だろそれ」
「大人用なんだよ」
「あ?」
「シンちゃん苦い薬は苦手だろう?」
「…………いつの話だよ」
「それでちょっと頼んで大人用のを作ってもらったんだけど」
「……『作ってもらった』……?」
「たかま」
「ふつーのがいい」
言い終わる前に自分の希望を言った。
「だろうねぇ。じゃ、はいこれ。それとお水だよ」
「……錠剤なら味関係ないだろ」
「…………実はパパもそう思う」
薬を飲んで、ベッドに横たわろうとすると、父親の手が額に触れてきた。
「お薬飲んだから、もうすぐ眠くなると思うんだけど……熱がまだあるか……」
「大したほどじゃねぇだろ」
「心配してるんだよ。シンちゃん滅多に風邪なんか引かないのに」
「あ~……昨日酒飲んで酔っぱらって部屋に帰る途中どっかの噴水だかに突っ込んだみたいで。」
「しかも昨日はだいぶ冷えたからねぇ」
「まあナ」
「シンちゃんもそんなに飲み過ぎちゃダメだぞ」
「う……その場のノリってモンが」
「限度というモノもある。」
「……でも」
まだ渋っていると、いきなり抱きつかれた。
「おっおやじ?」
「子供を心配するのは親として当然だろう」
そのままゆっくりとベッドに横たえられる。
あ~っ なんかイヤな予感!
……と思っていたが、意外にもマジックはそれ以上顔を近づけてくる様子はなく、代わりにオレの隣に横になった。
「……風邪移るぞ」
慌てているのを悟られないようにくだらないことを言ってみるが、親父はあっさりとかえす
「シンちゃんのなら移されても良いし、その方が早く直るって言うから大丈夫だよ。」
「そんな民間の伝承………」
「だったら試してみるかい?」
へ? と聞き返す暇もなく、自分の口があっさりとふさがれた。
「――――んぅっ」
かすかにうめき声を上げるが、親父の手はそんなこと全く気にしてないように、こちらの背中をさすってくる。
父親のぬくもりが心地良い。 そんなことを不覚にも思っていると、やっと口が離れた。
「は……ぁ……」
すっかり息すんの忘れてた。
「シンタロー……」
愛おしそうに俺の名を呼び、いつの間にか解かれていた髪をさする。
「そろそろ眠くなってきたんじゃないかい?薬が効いてくる頃だし……」
「そうだな……」
「とりあえず治った後も少し休むと良い。しばらくは体力落ちているだろうし」
「ああ…………」
「ずっと近くにいてあげるからねv」
「…うん…………」
「とりあえず噴水は壊しとかないとね」
「……………………………………………………」
最後に何か引っかかるようなことを言われた気がしたが。オレはすっかり眠っていた。

3日後 トレーニング場に行く途中、ガンマ団敷地内にある休憩所によった。
―――ここの噴水に突っ込んだよな~
そんなことを考えながら噴水の方へ行くと
「…………………………をや?」
そこに噴水はなく、かわりに、オルゴール付き時計が鎮座ましましていた。

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『マジック×シンタロー』
意外とリクエストされる方が多くて(と言ってもまだ3人)ちょっと驚いています。
まだまだ人気ねv パプワ君! トカ思ったりして。
あ、そーいや今リメイクバンでてるんだっけ。
最初のキリリクではシンタロー総帥就任後の話。
次のキリリクではシンタローがパプワ島に流れ着く前の話。
そして満を持して出てくる『病気ネタ』
あとやってみたいのが、女装ネタ。
もはやお約束ですな。
それでは、訳判らない後書きになってしまいましたが、3700リクエスト『マジック×シンタロー』お届けします。

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キリ番3300リクエスト小説『マジック×シンタロー』

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ガンマ団のとある場所。
そこにいるのは赤のスーツをまとったガンマ団総帥、マジック。
もう一人は総帥の息子、ガンマ団ナンバーワン戦闘員シンタロー。
「親父ィイ!!! コタローをどこやった!
 答えろよ! 親父!!!」
「シンタロー・・・
 コタローのことは忘れろ!」
「何言ってんだ親父! 気は確かかよ!!!」
「私の息子はお前だけだ・・・
 おまえさえいればいいんだ!」
「な・・・何言ってんだヨ親父・・・」
「覚えておけシンタロー お前は一族の後継者だ」
「違うよ!
 俺は後継者なんかじゃねぇッ!!  秘石眼すら持たねえできそこないだ!!!
 俺はアンタみたいにゃなれねえ!!!」
静かな廊下に、甲高い音が響き渡った。

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「――――……そーいえば、親父に殴られたのって初めてだよな……」
数日後、ガンマ団シンタローの自室。
書き上がった報告書を前にシンタローはつぶやいた。
あれ以来父親とは口を利いていない。 こっちから避けていたから、というのもあったが、
とある任務が入っていて、それを解決した後すぐに報告書を仕上げなければならなかったのだ。
後は報告書を……総帥に渡しに行くだけ。
もちろん、直に渡しに行く必要など普段なら無い。
ただ今回は、ある程度機密性の高い任務だったため、直接報告しなければいけないのだ。
「ったく……タイミングわりーよナ」
正直、報告する必要がなければ、もうしばらくの間顔を会わせたくはなかった。
――――あの親父に仕組まれたんじゃねーだろーな。
今回の任務は前々から言いつけられていたモノだったから、そんな訳はないのだろうけど。
いつも冷静な指示を出す父親の顔を思い出し、シンタローはふとそんなことを思った。
会いたくない理由は一つだけ。 どんな顔をして会えばいいのか分からないから。
なんだかんだ言って自分にはいつも甘かった。
それがコタローのこととなると、とたんに冷たい瞳になる。
その豹変ぶりが分からない。
ただ……今回殴られたのは、コタローが原因ではなく、
自分の発言が原因だったというのは分かる。
それが分からないほど子供じゃないし。
そんな状況下で、一体どんな顔して会えと?
――――せめて、痣が消えてくれるまで待っててもらいたかったナ。
未だに青く残る痣を見ながらふとそんなことを思った。
もっとも、任務終了後なのだから体のあちこちに傷はある。
だが、自分は元々戦闘能力が高く、今回の任務でもそんな目立つ傷はつくらなかった。
――――すっげぇ大怪我でもワザと受けて、療養すれば良かった。
はぁ、と溜息をつき報告書を持つ。
不幸にも総帥の部屋は近くにある。 いくら息子とはいえ、こちらは一戦闘員に過ぎないのだから、
他の戦闘員と同じ 宿屋にしてほしかったと思うのは、贅沢なのだろうか。
「…………行くか……」
諦めたようにつぶやき、自室のドアに向かって歩いていった。

『総帥のお部屋v 』
赤い丸文字でかかれたプレート。
本人は気に入っているらしいが、完全防音、防銃、防ダニ加工までしてある重々しい扉と全然マッチしていない。
直せ直せと息子を始め弟や幹部にまで言われるが、一向に直す気がないらしい。
だが、今回はそんなことすら気にならない。報告しに行くと連絡は入っているはずだし、父親、いや、総帥は中にいるのだろう。
――――そう、ただ報告をしに来ただけなんだ。何か気にする必要はない。
そう言い聞かせても、先ほどここに来るまでに見た、窓に映った自分の顔を思い出し気が重くなる。
なかなか入る気になれず、しばらくの間、扉と格闘していた。

キィ…… 扉に会わず、軽い音を立て扉が勝手に開いた……わけではない。
「親父…………」
「シンちゃぁあぁんっよかった無事だったんだぁねぇッ!!」
「ぐはァッ!」
自分より10cm近く身長差がある父親にいきなりタックル……もとい抱きつかれ一瞬息が止まる。
「予定の時間よりも2分近く遅れてたからパパ何かあったんじゃないかって心配してたんだぞ!!」
「ぐえぇぇぇ……」
思いっきりベアバッグ(熊の抱きつき)……もといそのままぎぅぅと抱きしめられる。
「今回の任務なんかちょっとハードだったもんだからまさかケガが悪化して来られないんじゃないかとか、色々想像しちゃったじゃないか!!」
「お……オヤジ……頼むか…………手……放…………」
ぎぅぎぅと締め付けられながらも、何とか声を絞り出す。
「え? ああ すまない。ついねぇ」
腕を緩めてはくれたが、どうやら手を離す気はないらしい。
仕方なく、父親に抱かれたまま顔を上げると目があった。
「シンちゃん……」
「な、なんだよ」
右頬に手が当てられ、親指で口の端にある痣を撫でられると、ちくりとした痛みが走り、思わず目をつぶっていた。
再び目を開け、何か言おうとしたが、 頬に当てられていた手が頭の後ろに回り、そのまま胸に押しつけられる。
「ごめんねシンちゃん、痛かったろう?」
頭の上から声が聞こえる。 その声があまりにも辛そうで、何もいえなかった。
「けどね、コタローを外に出すわけには行かないんだよ。絶対に」
――――だから何でだよ!?
そう思うがやはり言えなかった。かわりに上を向き、じっと父親の両の秘石眼を見つめる。
すると、マジックの顔が近づいて次の瞬間、痣をぺろりとなめられた。
「とりあえず消毒と言うことでv」
そう言う父親の顔はいつもの調子だった。
「血なんか出てねぇよ」
やや憮然としながらも返事をかえす。
「じゃ、おまじないだね」
頭の後ろにあった手が今度は頭を撫でている。
――――ったく、何だってこの男はいつもどおりなんだ?
「も、いいから放せよ」
「う~ん……あと5分……」
「寝ぼすけかてめえはッ!!」
「そうだねぇ……たまにはシンちゃんと一緒に朝まで」

ガンマ団のとある一室。
そこにいるのはこの部屋の主であるガンマ団戦闘員ミヤギとそのベストフレンドのトットリ。
ベッドに座り日本茶を飲んでいる。
「ったく今回の任務もシンタローの独り舞台だったべな」
「そげなコトなかよ。ミヤギ君もかっこよかったっちゃv」
「トットリ……」
「ミヤギ君……」
二人の指が絡められる。
部屋の外で『コージのキヌガサ君が逃げたぞおぉぉおお!!!』
『さがせぇッ!! まだ遠くには行ってないはずだ!!』とか言う声が聞こえたが、
二人の耳には入らなかった。
顔がだんだん近づいていって…………
ちっど――――んっっ
がいんっ
「ぐはあッ」
いきなり起きた地響きに部屋が揺れ、タンスの上の花瓶がトットリの頭を直撃した。
「ああ! トットリ!!」
慌ててミヤギが起こすが、完全に気絶している。
「またあの親子か――――ッッ!!!」
ミヤギの怒声がガンマ団の戦闘員宿屋に響いた。

ちゃんちゃん♪

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ということで、3300リクエスト小説。マジック×シンタローをお送りします!
の割には最後で何故か「ミヤギ×トットリ」
あ、アラシヤマ出てねぇや。
さてさて恒例の後書き

プロローグ(と言うほど大げさなモンでもない)
コミックスをそのまま引用しました。

完全防音・防銃・防ダニ加工
私の小説は、一件シリアスに見えて何処かに笑いのタネが隠れています。

没原稿のこと。
実は没原稿があります。
最後まで書いてみたら、×ではなくなってしまったのでボツにしたのですが
よろしかったらそちらもどうぞ!

3300リクエスト小説もう一つの物語。

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