3700キリ番リクエスト 『マジック×シンタロー』
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なさけないが風邪を引いた。
はっきり言ってこれでもかと言うほど珍しいことだ。
もっとも、ガンマ団の医療システムは完璧だし、そんな大した風邪ではなかった。
だから他の奴らも心配していない。
ただ一人をのぞいては
「シンちゃぁぁぁん!!風邪引いたんだってぇぇぇっ!!??」
「あれ……親父……? 何だってこんな所に……」
「可愛い息子が風邪引いたんだ! お見舞いに来ない方がおかしいだろう!?」
「あーそうだな……」
「嗚呼シンちゃん……こんなにやせ細って……」
「イヤ、ひいたの昨日だし、一応食うモン食ってるぞ」
「心の問題だ!」
「……そうか」
とりあえず親父の相手してたら、身がもたねぇ……
そう判断したオレは適当にあしらって目をつぶろうとした。
「そうだシンちゃん、夕ご飯はパパが作るからな!」
「はぁ?」
いきなり言われて無視するどころかしっかり反応してしまった。
「とりあえずお粥と『ご●んですよ』は基本だろう」
イヤ基本って……
「ガンマ団総帥がんなマネすんなよ」
「ガンマ団総帥である前に父親だ!」
あーそーかい
「任せるよ……」
「よし! じゃ早速作ってくるからな! シンちゃんはしっかり寝ているんだぞ!」
へーへー
ばたんとドアが閉まる音がして、人の気配は消えた。
――――夕飯までまだあるか。
そう判断したオレは、少し寝ることにした。
目が覚めるとそこは……………………
父親の部屋だった
ぐわばぁっ!
と勢いよく起きて叫び声をあげる
「何故だああ――――!!! うぅっげほっげほっ」
「ああシンちゃんっ! 風邪引いてるんだから無理はしちゃダメだよ」
「その前にこの状況を説明しやがれッ!!!」
そう叫んで又せき込む。
「この状況って……私の自室だが?」
「な・ん・で、こおのオレがいつの間にかアンタのベッドの上なんだよ」
「それはパパがさっき他の団員に、シンちゃんが寝ている間に、私の部屋に運んどくよう伝えといたからだよ」
「な・ぜ・に?」
「パパがすぐ横にいた方が安心するじゃないかv」
「ほほう」
オレの白い目に気づいているのかいないのか親父はベッドに腰を下ろし、お粥を乗っけたお盆を膝の上に乗せた。
「ささ、そんなことよりお粥出来たよ。ちゃんと冷ましといたから。」
「あ、あんがとよ」
「はい、あーんv」
「………………………………………………」
にっこりと程良く冷まされたお粥と適量の『ごはん●すよ』をスプーン(レンゲ)に取り、俺の前に持っていく。
「…………イヤ、一人で食べれるからいい」
「こーゆー時くらい甘えてくれないかい?」
「う~~~……」
しばらく迷った後…… はくりっと父親の差し出したレンゲからお粥を食べた。
ふと父親の方を見ると、もうこれ以上ないというくらいの満面の笑みをうかべていた。
――――う……
「熱くないかい?」
「まあまあかな」
本当は丁度良いしおいしいのだが、何となくそれを言うのが悔しかったので、ついついそんなことを言ってしまった。
悔しいが父親の料理の腕はピカ一だ。総帥という地位にいて、一体いつの間にそんな技術を手に入れたのか知りたいぐらいだが。
少なくとも、サバイバル訓練でカレーはともかく、肉じゃがなんか作るはず無いと思うのだが。
「はい、ちゃんと全部食べ終わったね」
「ああ。ごっそさん」
「あとは薬なんだけど…………」
食器を部屋の外に来た団員に渡し、片づけるよう命令を出しながら(職権乱用)親父が言う。
「? どうしたんだ? 切らしてるのか?」
「いや、シロップがあるんだけど……」
「……………………子供用だろそれ」
「大人用なんだよ」
「あ?」
「シンちゃん苦い薬は苦手だろう?」
「…………いつの話だよ」
「それでちょっと頼んで大人用のを作ってもらったんだけど」
「……『作ってもらった』……?」
「たかま」
「ふつーのがいい」
言い終わる前に自分の希望を言った。
「だろうねぇ。じゃ、はいこれ。それとお水だよ」
「……錠剤なら味関係ないだろ」
「…………実はパパもそう思う」
薬を飲んで、ベッドに横たわろうとすると、父親の手が額に触れてきた。
「お薬飲んだから、もうすぐ眠くなると思うんだけど……熱がまだあるか……」
「大したほどじゃねぇだろ」
「心配してるんだよ。シンちゃん滅多に風邪なんか引かないのに」
「あ~……昨日酒飲んで酔っぱらって部屋に帰る途中どっかの噴水だかに突っ込んだみたいで。」
「しかも昨日はだいぶ冷えたからねぇ」
「まあナ」
「シンちゃんもそんなに飲み過ぎちゃダメだぞ」
「う……その場のノリってモンが」
「限度というモノもある。」
「……でも」
まだ渋っていると、いきなり抱きつかれた。
「おっおやじ?」
「子供を心配するのは親として当然だろう」
そのままゆっくりとベッドに横たえられる。
あ~っ なんかイヤな予感!
……と思っていたが、意外にもマジックはそれ以上顔を近づけてくる様子はなく、代わりにオレの隣に横になった。
「……風邪移るぞ」
慌てているのを悟られないようにくだらないことを言ってみるが、親父はあっさりとかえす
「シンちゃんのなら移されても良いし、その方が早く直るって言うから大丈夫だよ。」
「そんな民間の伝承………」
「だったら試してみるかい?」
へ? と聞き返す暇もなく、自分の口があっさりとふさがれた。
「――――んぅっ」
かすかにうめき声を上げるが、親父の手はそんなこと全く気にしてないように、こちらの背中をさすってくる。
父親のぬくもりが心地良い。 そんなことを不覚にも思っていると、やっと口が離れた。
「は……ぁ……」
すっかり息すんの忘れてた。
「シンタロー……」
愛おしそうに俺の名を呼び、いつの間にか解かれていた髪をさする。
「そろそろ眠くなってきたんじゃないかい?薬が効いてくる頃だし……」
「そうだな……」
「とりあえず治った後も少し休むと良い。しばらくは体力落ちているだろうし」
「ああ…………」
「ずっと近くにいてあげるからねv」
「…うん…………」
「とりあえず噴水は壊しとかないとね」
「……………………………………………………」
最後に何か引っかかるようなことを言われた気がしたが。オレはすっかり眠っていた。
3日後 トレーニング場に行く途中、ガンマ団敷地内にある休憩所によった。
―――ここの噴水に突っ込んだよな~
そんなことを考えながら噴水の方へ行くと
「…………………………をや?」
そこに噴水はなく、かわりに、オルゴール付き時計が鎮座ましましていた。
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『マジック×シンタロー』
意外とリクエストされる方が多くて(と言ってもまだ3人)ちょっと驚いています。
まだまだ人気ねv パプワ君! トカ思ったりして。
あ、そーいや今リメイクバンでてるんだっけ。
最初のキリリクではシンタロー総帥就任後の話。
次のキリリクではシンタローがパプワ島に流れ着く前の話。
そして満を持して出てくる『病気ネタ』
あとやってみたいのが、女装ネタ。
もはやお約束ですな。
それでは、訳判らない後書きになってしまいましたが、3700リクエスト『マジック×シンタロー』お届けします。
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