キリ番5000リク 『マジック×シンタロー』 シンタローが異常に積極的v
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こんこんこんっ
「グンマだよっ シンちゃんいる?」
『ああ、連絡が来てた。入ってくれ』
「は~い」
がちゃ……
重々しい扉を開け、中によく知った人物を見つける。
「珍しいな、お前がココを訪ねるってのは」
長い黒髪をおろし、前とずいぶん印象が変わっているが、髪と同じ黒い目はずっと前から同じ光をたたえていた。
「う~ん……そういえばそうかも……」
「キンタローはどうした?」
「今高松と、バイオエンドウの研究でCブロックの農園に行ってるよ?」
「何だバイオエンドウって……」
「優性の法則なんざクソくらえ!って研究途中のレポートには書いてあったけど」
「……あ~…もーちょっとまともな活動してほしいもんなんだが……」
「ところでシンちゃん。」
「あ?」
「父の日プレゼントどうする?」
「……どうって…?」
「シンちゃんはお父さんに何かあげるの?」
「オトウサンかァ……」
いきなり窓の外から遠くを見つめ出すシンタロー
「何見てるの?」
「父の日っつってもよ。」
グンマの質問はとりあえず無視して、話を続けるシンタロー
まずは人差し指をピッと立て、
「1、『あれ』までずっと父親だと思っていて、育ての親でもあるマジック。」
次に中指をたてる。
「2、遺伝子上は父親に当たるルーザー」
そして薬指を
「3、この体はジャンのだし、一番最初に青の一族に赤の戦士を送り出した赤の秘石」
最後に小指をたてる。
「4、アスの隠れ蓑として『オレ』を創り出した青の秘石
さぁっどれがオレの本当の父親だっ!?」
「う~~~~~~ん…………」
「イヤ、本気で考え込まれても情けないんだが。」
「シンちゃんは誰だと思ってるの?」
「あ?」
「シンちゃんが『お父さん』って聞いて、最初に頭に浮かぶ人は誰?」
「あ~~……そぉらぁ…………」
「やっぱり『マジック』?」
「…………………………」
「もしそうなんだとしたら、はっきりさせた方が良いと思うよ?
お父さんだって気にしてるっぽいし、……宙ぶらりんじゃ絶対お互いのためにならないよ?」
「イヤ、そんな彼女と冷めてきた友人へのようなアドバイスされても……」
「ウソは言ってないモン。」
「……………………………………」
「シンちゃんがはっきりさせたいなら協力する!」
「あ?」
「父の日に、色々セッティングしてあげるよ。2人がもっと仲良くなれるよーに!!」
そういって嬉しそうに笑うグンマに邪気は感じない。
その顔から少し目をそらしてシンタローが呟くように言った。
「オレは……」
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父の日。
マジックはグンマに呼ばれ、夕方――と言うよりも夜に近い――ガンマ団内のSブロックに行った。
――――一体何なんだろうねぇ? ……別に報告するようなこともないし……コタローのコトかな?
のんきにもそんなことを考えつつマジックはドアをノックした。
『入ってくれ』
――――?
中から聞こえたのは、グンマの声、なんてものでは全然なく、
それこそ生まれたときからずっとかわいがってきた、そして今も大事に思っているシンタローの声だった。
とりあえず、言われたとおりドアを開け、中を見る。
「……よぉ」
部屋の中には、やはりシンタロー。
それと、普段倉庫として機能しているSブロックにはおよそ似つかわしくないベージュのソファ、その前はテーブル。純白のテーブルクロスがまぶしい。
そしてそのテーブルや壁、テーブルには黄色のバラがメインの花飾りが付けられ、倉庫としてのイメージは見事に消えていた。
シンタローはそのテーブルの前、部屋に入って数歩というところに立っていた。
「あれ……シンちゃん?」
「あ、ああ」
多少ぎこちない言葉を交わし、少し沈黙が落ちる。
先に口を開いたのはマジックだった。
「グンちゃんに呼ばれてきたんだけど……」
「あ、それは…。あのさ、今日……父の日だろ?」
「え? ああ、そういえば……」
シンタローに指摘され、マジックの頭の中でいくつかのパズルがそろった。
――――つまり、これを機会にシンちゃんと仲良くなれ……という訳か……
グンちゃんらしいプレゼントだけど……
総帥としての慧眼か、父親としてのカンか、あっさりマジックはそう判断した。
「つまり……」
そのまま口を開く
「シンちゃんからはシンちゃん自身がプレゼントなんだね!!?
早速いただ」
べきょっ
「オーパスワンの87年物が手に入ったんでな。
良かったら一緒に飲もうと思って。」
たった今父親を殴り倒したワインボトルを指さし、シンタローがそういった。
「そ、そうなんだ。」
痛いを通り越して熱くなっている額をさすり、マジックがテーブルに付いた。
「あ、そっちオレの席みてぇ」
「え?」
「あ~……この部屋さ、グンマが飾り付けしたんだよ。ほら、そこにネームプレートあるだろ。
…………ちなみに………………料理は高松だとか。」
「高松の……大丈夫か?」
「…………アイツの良心を信じよう。あ、あと秘石の力。」
「だね……
そうかぁグンちゃんがなぁ……」
「あ、やっぱり高松の方が先に来たか。」
「今までが今までだからね」
苦笑しながら2人が言う。
少しだけ空気が柔らかくなったところで2人ともネームプレートの通りに席に着いた。
シンタローはマジックの席の前に用意してあったグラスを手に取り、ワインを注ぐ。その音が耳に心地良い。
次に自分の席に用意してあるグラスを取り、同じように注ぐ。
乾杯をしてから話をする。
コタローのコト、今のガンマ団のこと、
トットリがこの前ノー天気雲の調整をしているときに、間違って自分の頭に雷落とした。
サービスが先週帰ってきたときに、ハーレム対ジャンの喧嘩に巻き込まれて、眼魔砲で片を付けた。(喧嘩両成敗)
グンマが寝言で『プリンが食べたい~』とか言って、それを聞いた(どこでだ)高松とキンタローが、台所で電子レンジを爆発させた。
などなど、話題は尽きない。
話がはずめば、お箸も進む。
高松がつくったという料理も、もはや半分ほどになっていた。
だが、しばらくするとどうもシンタローの様子がどうもおかしい。
なにやらテーブルの上にある飾りをいじったり、ワインを少しずつ飲んだりとせわしない。
顔も朱に染まっているように見えるが……
――――シンちゃんは……グンちゃんと違ってお酒には強いはずだけど……
「シンちゃん?」
「えっ? ああ……なんだ?」
「何だ?じゃないよ。どうしたんだい?」
「え……どうって……何か変だったか? オレ……」
「変というか……何か心配事でもあるのかい?」
「へ? 何でいきなり……」
「シンちゃんがいきなり黙っちゃったから心配だったんじゃないか。
お酒にでも酔ったとか……?」
「イヤ、まさか……これくらいの量で……ただ……」
「ただ?」
そこでまた黙ってしまう。2人とも少しの間黙っていたが、
「ね、シンちゃんそっち行っても良いかな?」
シンタローの座っている横を指しマジックが言うと、シンタローは黙って頷いた。
「シンタロー、本当に辛いことがあったら、何でも良いから言うんだよ?
総帥の座はシンちゃんに譲ったけど、パパだってまだまだだし、
私にじゃなくっても……サービスや、キンタロー、グンマもいるんだし、
何より、君には頼りになる仲間達がいるだろう?
あのハーレム特撰部隊相手に、本気で戦いを挑んだ頼もしい仲間達がね。」
優しくマジックが言い、そっと(どさくさ紛れに)肩を抱き寄せるが、シンタローはやはり俯いたままで
「うん……」と言うだけだった。
さてどうした物か……。とマジックが思案していると、シンタローがようやく口を開いた。
「アンタは……やっぱりオレを息子としてみてくれるんだな……」
その台詞に驚いたように目を見開き、シンタローをじっと見る。その時やっと2人の目があった。
「シンちゃん……? 一体何を言うんだい? シンタローは私の大事な息子だよ。何を今更……うわっ」
台詞が途中で切れたのは、いきなりシンタローが抱きついてきたからだったりする。
マジック鼻血ゲード30%
「オレ……オレずっと考えてたんだ、本当にオレは、アンタの息子でいいのかって……」
「シンちゃんそれは……」
「だってそうだろ!? オレは……っこの顔が……ジャンに似ているのは、赤の秘石が青の一族に……一族の長の息子に
スパイとして赤の一族を送り込もうとして、そのことを知った青の秘石がそのままアスの隠れ蓑としてオレをつくったからで、
でも実際にはオレはアンタの息子じゃなくてルーザー叔父さんの息子でってあーもー訳わかんね――――っ!!」
そこまで言うと、自分の顔を相手の胸にすり寄せるようにして、マジックの背中に手を回した。
マジック鼻血ゲード40%
「シンタロー……」
マジックも肩と腰に(ちゃっかり)手を回し、
「つまりシンちゃんは……今までそんな下らないことで悩んでいたのかい?」
その声は、シンタローには少し怒っているように聞こえた。
「ッ!!」
“つまらないこと”よわばりされ、『これでもオレは真剣なんだッ!!』と言おうとしたが、
「私は、あのときシンちゃんに何度も『自分の息子だよ』って言ったはずだが?」
「でも…オレは……」
「もちろん、シンちゃんが心配なら何度でも聞けばいい。そのたびに同じ答えを返してあげるからね?」
しっかりと目を合わせ、にっこりと微笑みつつそう言う姿は、もうすぐ鼻血大放出vとは見えない。
もっとも、シンタローからすればマジックがそう言う状況だとは知るはずがなく、
「ごめん父さん……なんかオレ……今日……変…………」
と、素直に謝ったりする。しかも伏せ目がち。
マジック鼻血ゲード45%
「でも……なんか……ほっとしたかも。」
「シンちゃん……」
「何か……やっぱり酔ってるのかな……頭がちょっとくらくらする……」
ぽふっと、マジックの胸に体を預け、そのままゆっくりとまぶたを閉じる。
マジック鼻血ゲード60%!
――――ちょっとヤバいかなー……
そう思いつつ、少し落ち着こうとシンタローの頭を撫でながら、視線を彷徨せると、
シンタローのワイングラスが目に入った。
――――シンちゃんは、酔ったって言ったけど。この子はお酒には強いはず……
そこで手に持ってちょっと匂いを嗅いでみると…………
明らかに自分が飲んでいたワインとは別の匂いがした。
…………………………………………
――――高松ーーッッッ!!!
……………………………よくやった。
「父さん……どうしたんだ……?」
「あっ! いやっ 何でもないんだよ??」
「うん……」
顔をちょっと上げて、不思議そうにこちらを見つめてくるシンタローは
可愛さ60%増し(当社比)といった感じだった。
というわけで、マジック鼻血ゲード65%。
――――さてどうする?
「ん……父さん…………」
眠そうに言いながら、背中に回していた手はそのままに、体をさらにすり寄せてくる。
――――うあぁぁっ可愛すぎるぞシンタローッ!!
……75%。
「シンタロー……」
そっと耳元で呟くと、顔を上に上げて、じぃっとこちらを見る。
……と思ったら、だんだんシンタローの顔が近づいてきた。
――――えーと……
そのまま2人の唇が触れる。
「――――んっ…………」
――――シンちゃんからキスですカ―――ッッ!!???
しかしそこは元ガンマ団総帥。必死で正気に戻り、前を見ると、
シンちゃんのどあっぷ☆……鼻血ゲード80%!
――――落ち着けッ落ち着くんだマジック!私はガンマ団の元総帥だ!
落ち着いて考えてみろ!
以下、マジック思考回路
シンちゃんが珍しく可愛いところを見せてくれている。
しかしそれは高松のつくった薬の所為だ。
とーぜんシンちゃんの本意ではないかもしれない。
ココで行き着くところまで進んだら、後々どうなるか判らない。
何より、薬の所為でこんな行動取ってるシンちゃんと接していても……
………………………………
嬉しいじゃないか。
(この間約0.4秒)
既にゲージは90%。と言うかその前に、未だにキスしている状態だったりする。
しかし! 据え膳食わぬは男の恥。
背中に回してあった手を、そのまま下に持っていき、服の裾から中に進入。
直に背中をさすると、一瞬シンタローの体がびくんっと震えた。
……その時点で94%。
「まっ……待ってッッ……父さんッ」
唇を(やっと)放し、慌てて体をさげるシンタロー。
「シンタロー……」
そう呟いて息子を見ると、シンタローは顔を真っ赤にして、目に涙まで浮かべていた。
――――ぐはあっ
マジック鼻血ゲード98%! レッドランプがついてます。
そしてとどめを刺すようにシンタローが叫んだ!
「こんな所じゃヤダぁッ父さんの部屋がいいッ!!」
―――― …………………………………………………………
OVER120% Countdown…START!
3
2
1
ぶぼぉっっ!!
「うぎゃあッッとーさんッ!!???」
「ふ……ふふ……ルーザー……そこにいたんだね…………にーさんは頑張ってるぞぉ」
「うわぁぁぁッ戻ってこおぉぉいいッッ!!!」
□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□
一方こちらはガンマ団内の生物研究室。
いつもなら、黒髪のお兄さん2人が日頃怪しい研究をしているところですが、
今いる2人は、金髪の青年と、黒髪の男でした。
「……で、この前のプリンはどこが悪かったんだろう」
金髪の青年が言います。
「どこも何も、プリンつくるのに、だし汁入れた時点でアウトですよ。」
「アイツの中で見てた時、確かにそうやってたような気がしたんだが……」
「…………それ……茶碗蒸しです」
2人ともなかなかの外見とは裏腹に、話している内容は結構おばかです。
と、入り口が開いて、お客さんが入ってきました。
「やっほぉ高松! キンちゃん!!」
「よぉ」
「どうも」
「あ、あのね、高松の言うとおりにしたけど……アレだけで大丈夫なの?」
「ええ、十分ですよ。」
「……?なにがだ?」
「あのねっあのねっ 今日の父の日に、何プレゼントするかってので思い浮かばなくて、高松に相談したの!」
「…………大丈夫か?それ……」
「…どういう意味ですかキンタロー様」
「で、高松はなんて言ったんだ?」
「単にシンタロー様と2人っきりにしてあげるのはどうかと提案しただけです。」
「…………それだけか?」
「料理は僭越ながら私が引き受けさせていただきました。」
「…………何入れた」
「いきなりその質問ですか。まぁいいですけど。
なに、ちょっと素直になる薬をですよ。」
「素直になる……薬…… 自白剤か何かか?」
「イヤ。普段から考えていることはもちろん、考えてないようなことまで口にしてしまうという…………」
「考えてないようなコトって…………ダメだろそれッ!!」
「大丈夫ですよ。2人とも男なんですから、とりあえず責任取るようなことは起きません。」
「起きてたまるかっ!!」
「それに、ある程度時間がたてば薬も切れますし。」
「時間……」
「そうですねー……
グンマ様がおっしゃってた時間通りにコトが運べば……」
「運べば?」
「明日の朝5時までには切れてます。」
「遅いわっ!」
「ねーねーキンちゃん。」
「あ? どうした?」
「キンちゃんは、お父さんに何かプレゼントしたの?」
「ああ、オレは墓に花と、生前好きだった酒をあげに行ったが。」
「僕も一緒に行きたかったな~」
「今度な。」
「うんっ!」
「嗚呼……お二人ともご立派に成られて……」
感動のあまり涙を流す高松。黄色いバラの柄が付いたハンカチが既にびしょびしょになっていた。
次の日――――
ガンマ団元総帥マジックは、出血多量でしばらく入院することとなり、
現総帥は、薬が効いていたときのことはしっかり覚えていたらしく、しばらく鬱になっていたとか。
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後書きv
積極的なシンちゃんって想像が付かなかったんですよぉぉぉ(言い訳v)
だってシンちゃんが積極的になろうモンなら
マジックパパ一緒に行き着くところまで行くか、鼻血出して終わりvみたいなイメージがあったんですものっ
お酒のこと
私のイメージでは、どう考えても、何にも無しにシンタローが積極的にマジックにアタックvになりそうになかったので、
お酒か薬を使ってみようとは思ってたのですよ。
でも、同時にシンちゃんお酒には強そうなイメージがあったので(一応戦闘員だし……関係ないのかな?)薬に頼ってみました。
必然的に高松登場。同時にグンマ登場。
で、グンマとシンタロー=マジックの息子。
――――と言うわけで父の日ネタです。何というタイムリーな(今日は6月1日。もうすぐ父の日~)
で、オーパスワンというワインですが、
自分がお酒にはぜんっぜんくわしくないもんでして、ヤフーで『超高級ワイン』というので検索してみた結果、
オーパスワンが最初の方にきて、ついでにオークションで『オーパスワン』と検索してみたところ、
10万以上!の値をつけてる方がいらっしゃいまして、
「あ、これ高いんだ~」と思って付けてみました。
単純ですな。
ですんで「父の日にこの酒は合わん! こーゆー場面なら、やはり●●●だろう!」
と言う方、
ぜひ教えてくださいまし。
変えますんで。(いいのかな~)
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こんこんこんっ
「グンマだよっ シンちゃんいる?」
『ああ、連絡が来てた。入ってくれ』
「は~い」
がちゃ……
重々しい扉を開け、中によく知った人物を見つける。
「珍しいな、お前がココを訪ねるってのは」
長い黒髪をおろし、前とずいぶん印象が変わっているが、髪と同じ黒い目はずっと前から同じ光をたたえていた。
「う~ん……そういえばそうかも……」
「キンタローはどうした?」
「今高松と、バイオエンドウの研究でCブロックの農園に行ってるよ?」
「何だバイオエンドウって……」
「優性の法則なんざクソくらえ!って研究途中のレポートには書いてあったけど」
「……あ~…もーちょっとまともな活動してほしいもんなんだが……」
「ところでシンちゃん。」
「あ?」
「父の日プレゼントどうする?」
「……どうって…?」
「シンちゃんはお父さんに何かあげるの?」
「オトウサンかァ……」
いきなり窓の外から遠くを見つめ出すシンタロー
「何見てるの?」
「父の日っつってもよ。」
グンマの質問はとりあえず無視して、話を続けるシンタロー
まずは人差し指をピッと立て、
「1、『あれ』までずっと父親だと思っていて、育ての親でもあるマジック。」
次に中指をたてる。
「2、遺伝子上は父親に当たるルーザー」
そして薬指を
「3、この体はジャンのだし、一番最初に青の一族に赤の戦士を送り出した赤の秘石」
最後に小指をたてる。
「4、アスの隠れ蓑として『オレ』を創り出した青の秘石
さぁっどれがオレの本当の父親だっ!?」
「う~~~~~~ん…………」
「イヤ、本気で考え込まれても情けないんだが。」
「シンちゃんは誰だと思ってるの?」
「あ?」
「シンちゃんが『お父さん』って聞いて、最初に頭に浮かぶ人は誰?」
「あ~~……そぉらぁ…………」
「やっぱり『マジック』?」
「…………………………」
「もしそうなんだとしたら、はっきりさせた方が良いと思うよ?
お父さんだって気にしてるっぽいし、……宙ぶらりんじゃ絶対お互いのためにならないよ?」
「イヤ、そんな彼女と冷めてきた友人へのようなアドバイスされても……」
「ウソは言ってないモン。」
「……………………………………」
「シンちゃんがはっきりさせたいなら協力する!」
「あ?」
「父の日に、色々セッティングしてあげるよ。2人がもっと仲良くなれるよーに!!」
そういって嬉しそうに笑うグンマに邪気は感じない。
その顔から少し目をそらしてシンタローが呟くように言った。
「オレは……」
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父の日。
マジックはグンマに呼ばれ、夕方――と言うよりも夜に近い――ガンマ団内のSブロックに行った。
――――一体何なんだろうねぇ? ……別に報告するようなこともないし……コタローのコトかな?
のんきにもそんなことを考えつつマジックはドアをノックした。
『入ってくれ』
――――?
中から聞こえたのは、グンマの声、なんてものでは全然なく、
それこそ生まれたときからずっとかわいがってきた、そして今も大事に思っているシンタローの声だった。
とりあえず、言われたとおりドアを開け、中を見る。
「……よぉ」
部屋の中には、やはりシンタロー。
それと、普段倉庫として機能しているSブロックにはおよそ似つかわしくないベージュのソファ、その前はテーブル。純白のテーブルクロスがまぶしい。
そしてそのテーブルや壁、テーブルには黄色のバラがメインの花飾りが付けられ、倉庫としてのイメージは見事に消えていた。
シンタローはそのテーブルの前、部屋に入って数歩というところに立っていた。
「あれ……シンちゃん?」
「あ、ああ」
多少ぎこちない言葉を交わし、少し沈黙が落ちる。
先に口を開いたのはマジックだった。
「グンちゃんに呼ばれてきたんだけど……」
「あ、それは…。あのさ、今日……父の日だろ?」
「え? ああ、そういえば……」
シンタローに指摘され、マジックの頭の中でいくつかのパズルがそろった。
――――つまり、これを機会にシンちゃんと仲良くなれ……という訳か……
グンちゃんらしいプレゼントだけど……
総帥としての慧眼か、父親としてのカンか、あっさりマジックはそう判断した。
「つまり……」
そのまま口を開く
「シンちゃんからはシンちゃん自身がプレゼントなんだね!!?
早速いただ」
べきょっ
「オーパスワンの87年物が手に入ったんでな。
良かったら一緒に飲もうと思って。」
たった今父親を殴り倒したワインボトルを指さし、シンタローがそういった。
「そ、そうなんだ。」
痛いを通り越して熱くなっている額をさすり、マジックがテーブルに付いた。
「あ、そっちオレの席みてぇ」
「え?」
「あ~……この部屋さ、グンマが飾り付けしたんだよ。ほら、そこにネームプレートあるだろ。
…………ちなみに………………料理は高松だとか。」
「高松の……大丈夫か?」
「…………アイツの良心を信じよう。あ、あと秘石の力。」
「だね……
そうかぁグンちゃんがなぁ……」
「あ、やっぱり高松の方が先に来たか。」
「今までが今までだからね」
苦笑しながら2人が言う。
少しだけ空気が柔らかくなったところで2人ともネームプレートの通りに席に着いた。
シンタローはマジックの席の前に用意してあったグラスを手に取り、ワインを注ぐ。その音が耳に心地良い。
次に自分の席に用意してあるグラスを取り、同じように注ぐ。
乾杯をしてから話をする。
コタローのコト、今のガンマ団のこと、
トットリがこの前ノー天気雲の調整をしているときに、間違って自分の頭に雷落とした。
サービスが先週帰ってきたときに、ハーレム対ジャンの喧嘩に巻き込まれて、眼魔砲で片を付けた。(喧嘩両成敗)
グンマが寝言で『プリンが食べたい~』とか言って、それを聞いた(どこでだ)高松とキンタローが、台所で電子レンジを爆発させた。
などなど、話題は尽きない。
話がはずめば、お箸も進む。
高松がつくったという料理も、もはや半分ほどになっていた。
だが、しばらくするとどうもシンタローの様子がどうもおかしい。
なにやらテーブルの上にある飾りをいじったり、ワインを少しずつ飲んだりとせわしない。
顔も朱に染まっているように見えるが……
――――シンちゃんは……グンちゃんと違ってお酒には強いはずだけど……
「シンちゃん?」
「えっ? ああ……なんだ?」
「何だ?じゃないよ。どうしたんだい?」
「え……どうって……何か変だったか? オレ……」
「変というか……何か心配事でもあるのかい?」
「へ? 何でいきなり……」
「シンちゃんがいきなり黙っちゃったから心配だったんじゃないか。
お酒にでも酔ったとか……?」
「イヤ、まさか……これくらいの量で……ただ……」
「ただ?」
そこでまた黙ってしまう。2人とも少しの間黙っていたが、
「ね、シンちゃんそっち行っても良いかな?」
シンタローの座っている横を指しマジックが言うと、シンタローは黙って頷いた。
「シンタロー、本当に辛いことがあったら、何でも良いから言うんだよ?
総帥の座はシンちゃんに譲ったけど、パパだってまだまだだし、
私にじゃなくっても……サービスや、キンタロー、グンマもいるんだし、
何より、君には頼りになる仲間達がいるだろう?
あのハーレム特撰部隊相手に、本気で戦いを挑んだ頼もしい仲間達がね。」
優しくマジックが言い、そっと(どさくさ紛れに)肩を抱き寄せるが、シンタローはやはり俯いたままで
「うん……」と言うだけだった。
さてどうした物か……。とマジックが思案していると、シンタローがようやく口を開いた。
「アンタは……やっぱりオレを息子としてみてくれるんだな……」
その台詞に驚いたように目を見開き、シンタローをじっと見る。その時やっと2人の目があった。
「シンちゃん……? 一体何を言うんだい? シンタローは私の大事な息子だよ。何を今更……うわっ」
台詞が途中で切れたのは、いきなりシンタローが抱きついてきたからだったりする。
マジック鼻血ゲード30%
「オレ……オレずっと考えてたんだ、本当にオレは、アンタの息子でいいのかって……」
「シンちゃんそれは……」
「だってそうだろ!? オレは……っこの顔が……ジャンに似ているのは、赤の秘石が青の一族に……一族の長の息子に
スパイとして赤の一族を送り込もうとして、そのことを知った青の秘石がそのままアスの隠れ蓑としてオレをつくったからで、
でも実際にはオレはアンタの息子じゃなくてルーザー叔父さんの息子でってあーもー訳わかんね――――っ!!」
そこまで言うと、自分の顔を相手の胸にすり寄せるようにして、マジックの背中に手を回した。
マジック鼻血ゲード40%
「シンタロー……」
マジックも肩と腰に(ちゃっかり)手を回し、
「つまりシンちゃんは……今までそんな下らないことで悩んでいたのかい?」
その声は、シンタローには少し怒っているように聞こえた。
「ッ!!」
“つまらないこと”よわばりされ、『これでもオレは真剣なんだッ!!』と言おうとしたが、
「私は、あのときシンちゃんに何度も『自分の息子だよ』って言ったはずだが?」
「でも…オレは……」
「もちろん、シンちゃんが心配なら何度でも聞けばいい。そのたびに同じ答えを返してあげるからね?」
しっかりと目を合わせ、にっこりと微笑みつつそう言う姿は、もうすぐ鼻血大放出vとは見えない。
もっとも、シンタローからすればマジックがそう言う状況だとは知るはずがなく、
「ごめん父さん……なんかオレ……今日……変…………」
と、素直に謝ったりする。しかも伏せ目がち。
マジック鼻血ゲード45%
「でも……なんか……ほっとしたかも。」
「シンちゃん……」
「何か……やっぱり酔ってるのかな……頭がちょっとくらくらする……」
ぽふっと、マジックの胸に体を預け、そのままゆっくりとまぶたを閉じる。
マジック鼻血ゲード60%!
――――ちょっとヤバいかなー……
そう思いつつ、少し落ち着こうとシンタローの頭を撫でながら、視線を彷徨せると、
シンタローのワイングラスが目に入った。
――――シンちゃんは、酔ったって言ったけど。この子はお酒には強いはず……
そこで手に持ってちょっと匂いを嗅いでみると…………
明らかに自分が飲んでいたワインとは別の匂いがした。
…………………………………………
――――高松ーーッッッ!!!
……………………………よくやった。
「父さん……どうしたんだ……?」
「あっ! いやっ 何でもないんだよ??」
「うん……」
顔をちょっと上げて、不思議そうにこちらを見つめてくるシンタローは
可愛さ60%増し(当社比)といった感じだった。
というわけで、マジック鼻血ゲード65%。
――――さてどうする?
「ん……父さん…………」
眠そうに言いながら、背中に回していた手はそのままに、体をさらにすり寄せてくる。
――――うあぁぁっ可愛すぎるぞシンタローッ!!
……75%。
「シンタロー……」
そっと耳元で呟くと、顔を上に上げて、じぃっとこちらを見る。
……と思ったら、だんだんシンタローの顔が近づいてきた。
――――えーと……
そのまま2人の唇が触れる。
「――――んっ…………」
――――シンちゃんからキスですカ―――ッッ!!???
しかしそこは元ガンマ団総帥。必死で正気に戻り、前を見ると、
シンちゃんのどあっぷ☆……鼻血ゲード80%!
――――落ち着けッ落ち着くんだマジック!私はガンマ団の元総帥だ!
落ち着いて考えてみろ!
以下、マジック思考回路
シンちゃんが珍しく可愛いところを見せてくれている。
しかしそれは高松のつくった薬の所為だ。
とーぜんシンちゃんの本意ではないかもしれない。
ココで行き着くところまで進んだら、後々どうなるか判らない。
何より、薬の所為でこんな行動取ってるシンちゃんと接していても……
………………………………
嬉しいじゃないか。
(この間約0.4秒)
既にゲージは90%。と言うかその前に、未だにキスしている状態だったりする。
しかし! 据え膳食わぬは男の恥。
背中に回してあった手を、そのまま下に持っていき、服の裾から中に進入。
直に背中をさすると、一瞬シンタローの体がびくんっと震えた。
……その時点で94%。
「まっ……待ってッッ……父さんッ」
唇を(やっと)放し、慌てて体をさげるシンタロー。
「シンタロー……」
そう呟いて息子を見ると、シンタローは顔を真っ赤にして、目に涙まで浮かべていた。
――――ぐはあっ
マジック鼻血ゲード98%! レッドランプがついてます。
そしてとどめを刺すようにシンタローが叫んだ!
「こんな所じゃヤダぁッ父さんの部屋がいいッ!!」
―――― …………………………………………………………
OVER120% Countdown…START!
3
2
1
ぶぼぉっっ!!
「うぎゃあッッとーさんッ!!???」
「ふ……ふふ……ルーザー……そこにいたんだね…………にーさんは頑張ってるぞぉ」
「うわぁぁぁッ戻ってこおぉぉいいッッ!!!」
□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□
一方こちらはガンマ団内の生物研究室。
いつもなら、黒髪のお兄さん2人が日頃怪しい研究をしているところですが、
今いる2人は、金髪の青年と、黒髪の男でした。
「……で、この前のプリンはどこが悪かったんだろう」
金髪の青年が言います。
「どこも何も、プリンつくるのに、だし汁入れた時点でアウトですよ。」
「アイツの中で見てた時、確かにそうやってたような気がしたんだが……」
「…………それ……茶碗蒸しです」
2人ともなかなかの外見とは裏腹に、話している内容は結構おばかです。
と、入り口が開いて、お客さんが入ってきました。
「やっほぉ高松! キンちゃん!!」
「よぉ」
「どうも」
「あ、あのね、高松の言うとおりにしたけど……アレだけで大丈夫なの?」
「ええ、十分ですよ。」
「……?なにがだ?」
「あのねっあのねっ 今日の父の日に、何プレゼントするかってので思い浮かばなくて、高松に相談したの!」
「…………大丈夫か?それ……」
「…どういう意味ですかキンタロー様」
「で、高松はなんて言ったんだ?」
「単にシンタロー様と2人っきりにしてあげるのはどうかと提案しただけです。」
「…………それだけか?」
「料理は僭越ながら私が引き受けさせていただきました。」
「…………何入れた」
「いきなりその質問ですか。まぁいいですけど。
なに、ちょっと素直になる薬をですよ。」
「素直になる……薬…… 自白剤か何かか?」
「イヤ。普段から考えていることはもちろん、考えてないようなことまで口にしてしまうという…………」
「考えてないようなコトって…………ダメだろそれッ!!」
「大丈夫ですよ。2人とも男なんですから、とりあえず責任取るようなことは起きません。」
「起きてたまるかっ!!」
「それに、ある程度時間がたてば薬も切れますし。」
「時間……」
「そうですねー……
グンマ様がおっしゃってた時間通りにコトが運べば……」
「運べば?」
「明日の朝5時までには切れてます。」
「遅いわっ!」
「ねーねーキンちゃん。」
「あ? どうした?」
「キンちゃんは、お父さんに何かプレゼントしたの?」
「ああ、オレは墓に花と、生前好きだった酒をあげに行ったが。」
「僕も一緒に行きたかったな~」
「今度な。」
「うんっ!」
「嗚呼……お二人ともご立派に成られて……」
感動のあまり涙を流す高松。黄色いバラの柄が付いたハンカチが既にびしょびしょになっていた。
次の日――――
ガンマ団元総帥マジックは、出血多量でしばらく入院することとなり、
現総帥は、薬が効いていたときのことはしっかり覚えていたらしく、しばらく鬱になっていたとか。
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後書きv
積極的なシンちゃんって想像が付かなかったんですよぉぉぉ(言い訳v)
だってシンちゃんが積極的になろうモンなら
マジックパパ一緒に行き着くところまで行くか、鼻血出して終わりvみたいなイメージがあったんですものっ
お酒のこと
私のイメージでは、どう考えても、何にも無しにシンタローが積極的にマジックにアタックvになりそうになかったので、
お酒か薬を使ってみようとは思ってたのですよ。
でも、同時にシンちゃんお酒には強そうなイメージがあったので(一応戦闘員だし……関係ないのかな?)薬に頼ってみました。
必然的に高松登場。同時にグンマ登場。
で、グンマとシンタロー=マジックの息子。
――――と言うわけで父の日ネタです。何というタイムリーな(今日は6月1日。もうすぐ父の日~)
で、オーパスワンというワインですが、
自分がお酒にはぜんっぜんくわしくないもんでして、ヤフーで『超高級ワイン』というので検索してみた結果、
オーパスワンが最初の方にきて、ついでにオークションで『オーパスワン』と検索してみたところ、
10万以上!の値をつけてる方がいらっしゃいまして、
「あ、これ高いんだ~」と思って付けてみました。
単純ですな。
ですんで「父の日にこの酒は合わん! こーゆー場面なら、やはり●●●だろう!」
と言う方、
ぜひ教えてくださいまし。
変えますんで。(いいのかな~)
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