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シン受けお題、シンちゃん人形の続き?



コン、とドアを叩く音が静まり返った廊下へと響く。
もうこんな時間だから寝てしまっているだろうか。
起きている時も多々あったので、期待してきたのだが。
片手にぶら下げた酒のビンを目の前に持ち上げる。
一人で飲んでも良いのだが、今日は二人で飲みたい気分だった。
帰ろうと踵を返したが、ふと顔だけでも見ようと、そっと部屋へと通じるドアを開けた。

電気を消し忘れたのだろうか、部屋は人工的な光によって昼間同様に明るかった。
この部屋も研究室同様、殺風景な部屋だった。
物にたいする執着がないのだろう。彼の顔を思い浮かべながらそんなことを思う。
相変わらず大きな部屋には不似合いな小さなテーブルが目に付く。
以前のアレを思い出し、見たくは無いが目がついつい椅子へといく。
・・・そこには何も無かった。ほっと息をつく。
手に持っていた酒のビンをテーブルの上にそっと置く。
彼を起こさないように、そっと歩を進める。
ベッドの一部分が人一人分ぐらい膨らんでいる。金色の髪ものぞいている。
さらに近づく。・・・・ソレが目に入った。
思わずうっと唸る。
あそこに無かったから油断していた。すっかりもう部屋には置いていないものだと思ってしまった。
「オマエ、マジックじゃあるまいし、なんでそんなことしているんだよ・・・」
脱力しながら呟いた。
キンタローの枕元には、以前椅子に鎮座していたあの人形が居た。

突然パチっとキンタローの目が開く。
「・・・シンタロー?」
驚いたようにキンタローがやや擦れた声を出す。
俺の気配と、呟いた声で起こしてしまったようだ。悪いことをしてしまった。
「ああ、悪りぃ。起こしちまったか?」
「いや、本物が良いに決まっている。」
会話が噛み合っていない。
いつでもどこでも紳士なキンタローだが寝起きはわるいのだろう。
ベッドから半身だけ起こし、直ぐ脇に立っていたシンタローの手を掴む。
「え?うわっ」
短い悲鳴とともに、ベッドに引きずり込まれた。
キンタローを思いっきりつぶしそうになり、慌てて腕をつっぱる。なんとか回避する。
「おい、危ないじゃんか。思いっきり体重かけるところだったぞ。」
キンタローはシンタローを無視し、そのままモゾモゾとベッドの端へと移動する。
引きずり込んだシンタローをまたぐいっとひっぱり丁度いい位置まで誘導する。
「おいおい、オマエ聞いてんの?」
起こしてしまった手前強くも出られず、おとなしく従いながらも文句を口にする。
「よし。」
一言呟いたかとおもったら、手が伸びてきた。ぎゅうっと抱きつかれる。
小さな女の子が、お気に入りのぬいぐるみと一緒に寝ているようだ。
「ちょっ、キンタロー!」
さすがにハッキリと抗議する。
「何だ?」
確りした答えが返ってくる。起きているのか、寝ぼけているのか分からない。
「『何だ?』じゃねーよ。離せよ。」
「嫌だ。」
「い、嫌だってオマエ、子供じゃあるまいし・・・」
あんまりなキンタローの答えに、本日何度目だろうか、思いっきり脱力する。
更に言い募ろうとすると、その前にまた抱きついている腕に力が入る。
「・・・分かったよ。」
だから、力緩めろ、と声を掛ける。
その答えに満足そうにキンタローは腕から力を抜いた。相変わらず、シンタローからは離れていないが。
まぁ、知らない間に人形片手に寝られるよりはいいか、とそのまま目を閉じた。
なんだか知らないが、このまま眠れるような気がした。
完全に思考が落ちる前に、ちらっと思う。
やはりアレを処分しなくては。が、アレを取り上げたら俺、毎晩こんな目にあうのだろうか・・・?

7.4
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浮上したパプワ島を後にした。
パプワ達とはもう二度と会えないだろう。
そう思うと、あの夢の様な時間をすごした島を少しでも長く見ていたくて
部屋の小さな窓からずっと外を見ていたが今はもう深い青色の海が見えるのみだ。
何時までもこんな窓際に立っていたら変に思われるだろう。
というか、先ほどから視線を背中に感じる。もう既に変に思われているのかもしれない。

何故かこの部屋はもう一人いる。
『従兄弟同士仲良くしなくちゃね』とかなんとか言ってグンマがヤツを連れて来た。
『キンちゃんって言うんだよ。宜しくね。』
隣に立っていたヤツにキンちゃんもお辞儀っと言うと素直にペコっと頭を下げる。
頭を下げた拍子に、硬そうなヤツの長い金髪も前に垂れる。
そのままグンマが部屋に備え付けてあるベッドにここに座ってと指差し、ヤツはでどんと座った。
グンマは『僕はおとーさまと親睦を深めてくるよ~』と呑気に告げてさっさと帰りやがった。
グンマがいりゃ少しは会話があるだろうに。
年中頭に花が咲いているよーなグンマだがああ見えて結構しっかりしている。
今度の事もショックだったろうにとっとと前向きに受け止め
傍目には抵抗無くマジックの事を『おとーさま』と呼んでいる。
俺のことはマジックの息子、従兄弟のままらしい。矛盾しているがそうと勝手に決めたみたいだ。

ため息一つついて振り返り、ヤツが座っているベッドと少し離れて並んでいるもう一つのベッドに
向かい合うように腰掛ける。
ぼすっとベッドがなる。そんな些細な音すらまるで大きく響くように聞える。
連れて来たコイツも従兄弟らしい。名前はキンタローになったそうだ。
二人になってから俺もヤツも何も言葉を発していない。
口をきかないのに、何故か俺の方ばかりを見ているような気がする。
「なぁ、何か言ってくんねー?見られてばっかじゃ気持ちわるいんだけどさ」
ひょいっと肩をすくめる。
「何か?」
と反応した。
暫くの間視線をやや下に、何か考えているようだった。
そしてふいっと俺を見る。
「好きだ」
「…………。」
自分の耳を疑った。
よもやこの相手からそんな言葉を聞こうとは。
「何?」
「好きだと言ったんだ」
聞えなかったのか、と言う感じでコイツはもう一度はっきり言う。
思わず青い目をまじまじと見つめてしまった。
俺の言葉を待っているようにじっと俺を見つめている。
「……それは、アレか?恋愛の情ではなく人としての俺が好きだと言う事だよな?」
と訊いてみる。
「俺はお前がどこにいるのかと常に気になる。姿が見えないと不安にもなる。
 グンマにそう告げたら『それは好きということだ』と教えてくれた。
 それはお前の言う、お前という人間が好き、という事になるのか?」
本当に真面目な顔で訊いてきた。
……。後でグンマを殴ろう。思わず拳を胸の前で固めた。
コレがマジックなら単に俺をからかっているのだとわかるから、眼魔砲をぶっ放して終わりだ。
だがコイツだとそうはいかない。大真面目に聞いているのだ。
コイツのこういう変な所は、理不尽な話だがそれは俺にも責任はある。
あるからにはどうにかしなくちゃならないだろう。
これもいわゆる刷り込み、と言うのだろうか。
どう答えれば良いのかと考えていると
「触ってみたくもなる」
すいっと音も無く立ち上がると、少しかかがんで抱きしめられた。
……頭痛がした。
コレは一体どーしたら良いのか。
目の前には黒のレザー。皮特有の匂いも、俺のむき出しの両腕に掛かる髪の感触も
伝わってくる体温も、この怪異な行動が夢じゃないと告げている。
出来ればこのまま気を失って、気づけば夢オチだったという事を願いたい。

コンコンっとノックの音と共に
「シンちゃーん。入るよー?」
グンマの間延びした声が、逃避しかかっていた俺の頭に響いた。
「わぁ、もう仲良しさんだね。僕、心配で見にきたんだけどぉ」
そんな必要なかったね、とほわほわとそんなことを言いやがった。
「おい、グンマ」
額に青筋がたっているだろう、きっと。
動けないので顔だけ向ける。
「なぁに?シンちゃん?」
「コレはお前の言う『仲良し』なのか?」
「え?どうみても仲良しじゃない」
そーか、大の男が男に抱きついているのは仲良しなのか。
「おい、今度はグンマに引っ付いてみろよ」
「わかった」
ヤツは俺が力ずくで剥がす前に、素直にスタスタとグンマの元へと行く。
グンマの目の前に立つと、そのまま腕を広げ軽く抱きしめる。
「キンちゃん、どぉお?」
グンマはなーんにも思っていないような、いつも通りに訊ねた。
「お前も落ち着くが、アイツのほうが落ち着くような気がする。
 それにずっと触っていたい感じもする。」
グンマを解放する。
「でしょ?」
「それが『好き』って事だよ」
教師が生徒に教えるように言う。
「アイツは『恋愛の情か人柄を慕う情か』と聞いてきた。これはどっちだ?」
「うーん、愛情、恋愛の情なんじゃない?」
くりんと可愛らしく顔を上げてヤツに応じる。
「こぉら、グンマ! 適当なこと言うなっ!」
駄目だ、グンマ一人に任していたらきっとその内グンマを無愛想にしたような人間になってしまう。
「えー、適当じゃないよ。キンちゃんが自分で思っている感情を僕が教えているだけだよ?」
「なお困るわっ!」
声を荒げる。
そんな俺がおかしいかのような目で二人が俺を見る。
「なにか問題あるのか、グンマ? 知らない事を教えてもらうのはありがたいが」
「さあ? 僕も問題ないと思うよ」
グンマは何事にも大らかな分、どっかずれている。
今ならよーく分かる。間違いなく、マジックの血を引いている。
「シンちゃんが何を怒っているのか僕には分からないけど、キンちゃんのこと宜しくね」
キンちゃんもね?とグンマはにっこりと笑いかける。
「わかった」
コックリと素直に頷いている。
何を宜しくするんだ。何を。
そして何がわかったんだアイツは。
そう言いたいのを抑える。言ったら当たり前のようにサックリと変な事を言われそうだ。
それをヤツが鵜呑みにしたら更に事態は悪化する。
ここは抑えろ、俺。
自分に言い聞かせる。
そんな俺の葛藤に全く気づかずグンマは
「じゃあ、僕もう行くね。二人ともとっても仲いいみたいだから心配して損しちゃった」
そう言い残し再び軽やかな足取りで、部屋から出て行った。
またコイツと二人きりだ。
どーしろってんだよ、一体。
とりあえず、まだ突っ立ったままのアイツに声を掛ける。
「座ったらどーよ」
「そうだな」
何故か俺の真隣に腰を下ろす。
「……なぁ、なんで俺の、」
途中で言葉を飲み込む。ヤバイ。自ら墓穴を掘る所だった。
「なんだ?」
「いや、なんでもない。…………俺、なんだか疲れたから寝るわ」
腰を上げ隣のベッドへと移動する。
そして、相手の顔もみずにそのまま布団を頭まで被る。
きっとまたこっちを見ているんだろうなぁ。
重い、重すぎるため息が出た。

嫌われるのは覚悟していたが、こんな事態は全く想定していなかった。
どっちがマシなんだろうか。
島を後にした感傷はどっかにふっとんでしまった。
それはありがたかった。が、この先俺にどーしろと。
馬鹿グンマを呪いつつ寝たふりを決め込む事にした。

12.4

→お題28 「今」 がコレの続きっぽい。
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いままさに、という時。
唐突にドアが開かれた。
薄暗い部屋に一筋の光が入り、勢いよく廊下の明かりがなだれ込む。
場違い甚だしい能天気な声がその空間を壊した。
「あれ?どうして明かりも付けていないのかな?シーンちゃーん、パパだよぉ」
よぉの語尾が部屋の奥、光の届かぬ闇へと吸い込まれる。
空間の破壊の次に訪れたのは痛いほどの沈黙。
静寂がこれほどの破壊力を持つものだとこの時初めてシンタローは知った。

「…………………………。」
「…………………………。」
「…………………………。」
誰もこの状態を打ち破れないでいた。
シンタローはマジックの声に反射的に身を起こしかけ、キンタローのむき出しの逞しい肩越しにマジックを凝視し、
キンタローは振り向きもせずシンタローを組み敷いたそのままの体勢。
マジックは目だけが忙しなく二人の間を泳ぎ、足はその場に縫い付けられたように動かない。



「シンタロー、続けるぞ」
キンタローは固まったシンタローを暫くの間見つめていたが、ちらっと振り返りマジックの姿を確認すると
何事も無かったかのようにそう言い放った。
どうやら驚いて真っ白になっていたわけではなくただ単にシンタローが石のように固まってしまったから
それに付き合って動きを止めていただけのようだ。
「はぁ?!おまえアレの姿が目に入らないのかよ?」
この様な状況でもシンタローのツッコミ体質は発揮された。
アレ、と腕を上下に振りまだ石化が解けないマジックを指差す。
「アレ、は伯父貴だ。問題は無い」
「問題ありだろ!大有りだろっ!」
ついついいつものように声が高くなる。
「こういうときは何も無かったようにさり気なく続きをすれば良いのだ」
「何事も無かったように出来るかっ!さり気なくもくそもあるかっ!どーやってこの状況でさり気なくなんて出来るんだよ!!」
「俺は出来る」
あくまでも真面目に答えた。青い瞳は不気味なほど穏やかな光を湛えている。
至近距離にいるシンタローには逆光でも見えたのだろう、猛然と反発し始めた。
「変だ!おまえはおかしい!前から言おうと思っていたんだよ!!」
肩肘を突いて半身を持ち上げていた中途半端な体勢だったが、両手を付きずっと下がると、完全に半身を起こす。
そしてびしっとキンタローに人差し指を突きつけた。
「羞恥心を持て!!」
「当然そんなものは持ち合わせている。おまえが持ちすぎなんだ」
突きつけられた指を片手で掴み手をそっと引き寄せると甲に唇を落とす。
「だ~か~ら~~っっ!!!」
「シンちゃん、キンちゃん、君たちそういう関係だったの?」
マジックは真っ青になって震えた声を絞り出す。
キンタローと夫婦漫才を繰り広げてマジックの事をすっかり失念していたシンタローはその声で我に返り
この心情的危機状況を思い出す。
扉へ向って腕をばっと伸ばし手を開く。
眼魔砲。
それがマジックへの答えだった。

H17.8.24
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ドアを開けると、先ず眼に入るのが広い部屋の真中にちょこんと鎮座しているテーブルと2脚の椅子。
部屋の大きさに全くあっていないが、
この部屋に来るのは自分を除くとグンマ、たまにマジックが来るぐらいだからまあそれで当然なのかもしれない。
そこまでは、分かる。
が、何故その2脚しかない椅子に、人形が置いてあるのだろうか?

考えるのもおぞましいが、部屋の至る所に、
『シンちゃんがお仕事で毎日パパと会えなくても、これで寂しくないよねv
 でも、生身が一番だよ~~vv』
などど頭に年中花が咲いているバカ親父が持っている人形と同じものだ。
いや、コレはあのカンフー服ではない。
最近やっと馴染みつつある真っ赤でド派手な総裁服だ。
自分をかたどったものだから余計にそれを感じるのかもしれないが、
最低限の物しか置いていないこの部屋でソレは一際異彩を放っていた・・・

取り敢えず、目を瞑った。
思考。
この部屋の持ち主が、アレをどうしているのだろうか?
まさか、あの親父と同じように・・・。
いやいやそれはないだろう。
言ってみれば、まだ子供だ。
俺が子供の頃だって、男の子で人形遊びをしていた子も居た。
居たが。
立派な成人男子、しかも金髪碧眼、端整な顔の持ち主。
・・・・・。
それはそれで、とてつもなく恐ろしい。
だめだ、これ以上考えるな。
遮断。


俺は今、人として一番正しい事をしている。
アレを視界に入れないために瞑っていた目を開ける。
自然、俯いていた顔を上げる。
意味もなく、勢いをつけクルっと反転。
ドアを開く。
部屋を見ずに、後ろ手で閉めた。
後は、何事も無かったように、仕事に戻るだけだ。
キンタローの顔を見て、反応しないでいられるだろうか?
・・・無理かもしれない・・・
ごめんなさい。誰ともなしに心の中で謝ってしまう。
俺は人として正しい事を出来ないみたいだ。

H16.4.16

たぶんシン受けお題のどこかに続きます・・・
キンシンお題12へ。
k
居酒屋だった。
いかにも、昔ながらの飲み屋という感じの。
木の引き戸と色あせた昔は紺色だっただろう暖簾が年季を物語っている。
シンタローが足を止め、その店を見ながらキンタローに問いかける。
「あー、そういや、お前と外で飲んだこと無いよな?」
今更といえば今更な発言。
わざわざ外に出歩かなくとも、自宅にちょっとしたバーを完備している。
遠征に出る飛行艦も一応完備しているが、総帥が行くわけにも行かない。
お気に入りのボトルを何本か持ち込んでいる。
キンタローとは自宅か、遠征帰りで飲んでいる。
「ないな」
「どうよ?ちょっと寄っていかないか?」
シンタローはその飲み屋を顎で指す。
「いや、遠慮しておく」
キンタローはサックリと誘いを断る。
「なんでだよ?外だと家と雰囲気違って楽しいぞ?」
独りで呑んでもつまんねーから行こうぜ、と食い下がる。
「俺はお前と外では飲みたくないんだ」
「なんだぁ?俺、別に酒乱じゃないぜ?」
よくキンタローと酒を飲むが、舐める程度だ。前後不覚に成る程は呑んだ事は無い。
「別にお前が酒に呑まれるから外で飲みたく無いわけじゃないぞ」
「じゃあなんでだよ」
「いいのか?言っても」
キンタローは妙にもったいぶる。
「いいんだな。怒るなよ」
キンタローは念を押す。
そして周囲をうかがうように視線を巡らせる。それにつられシンタローも目を遣る。
世間では2件目に梯子するであろう時間だろうか。
周りにはほろ酔いかげんの2つ3つの集団がいるだけだ。
シンタローが不思議に思っているとキンタローが話し出した。
「俺は、お前の力のある目が酒が入ると緩む所や、張っていた気が和んで近寄りやすくなる所が」
「わかった。悪かった。俺が悪かったから、頼むからそれ以上言うな」
呑んでもいないのに既に酔いが回っているかのようなキンタローの戯言を押しとどめる。
「だから言ったじゃないか。まだあるぞ?聞くか?」
「言わんで宜しい。帰るぞ」
「ああ。酒は馴染んだ所で呑むのが一番だ」
そういうとキンタローはさっさと前へ行く。
騙されたような気がする、と思いつつシンタローはその背を追った。

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