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mv
■策略の媚薬■


おかしい…。
もう、10分経った…そろそろ何かしらの効き目があってもいいはずじゃないか。
チラリと時計を見やりため息をついた。
「シンちゃん、どうしたの?さっきから時計とパパの顔ばかり見てるけど」
そわそわと自分の顔と時計を見比べては、ため息をつく息子の姿に声をかけた。
なんでもない。と首を振りながらも、マジックの前に置いてあるグラスをシンタローは見た。
確かに、飲まれてる。グラスの中の琥珀の液体は半分以上減っている状態だ。
おかしい…。シンタローは説明された言葉を思い返すように、記憶を手繰る。

あれは、1週間ほど前のアジア地域での遠征の出来事だ。
ぶらりと街を散策中に、一軒の古ぼけた店に入った。
その店のドアの張り紙の一枚に気にかかる言葉が書かれていたからだ。
”精力の減退・増進など相談受け付けます”と…。
その言葉に引き付けられるように、漢方を扱うような店内に足を踏み入れ、そのモノを手に入れた。
なぜそんなものを買ったかと言えば…。
いい歳のハズなのに、隙をみせると盛ってくる。シンタローの悩みの種の一つでもある自分の父親だ。
なんとか大人しくする方法はないかと考えた。
高松に頼もうかとも思ったが、その情報がバレればどんな仕打ちをされるか分かったもんじゃない。
そんなこんなで考えあぐねている頃、グッドタイミングとばかりにそのモノを手にすることができた。
言葉の違いはあったから多少の不安はあるが、大丈夫だ。
あれだけ身振り手振りで説明して、最後は分かり合えたと思っている。ちゃんと減退という言葉は認識できた。

そして今日、それを実行に移したのだ。
明日は休み、そうなればマジックがくるのは決まっている。
予想通りやって来て、ベタベタと触る親父をなんとか説き伏せ酒を進めることが出来た。
もちろんその中に、精力減退の粉薬を混ぜた。
無臭とのことだったが匂いのあるアルコールと混ぜれば多少は、毒などに免疫がある親父といえども分かるハズがない。
ましてやそんな薬を使われる経験などないだろう。
そして、その液体を口に含んでから15分が経過した。確か飲んでから10分で何かしら体調に変化があると言っていたが…。

「親父…それ旨い?」
我慢しきれずにシンタローは口を開いた。
「ん?これかいシンちゃんが入れてくれたから美味しいよ。飲むかい?」
「いや…いい。なんともないのか?」
聞いちゃイカンとは思いつつも気になって仕方が無い。値段だって安くはない、効いてもらわねば困るのだ。
「なんともって?まだこれぐらいじゃ酔わないよ」
「そうだよな…。もう一杯飲むか?」
殆ど空になったマジックのグラスを掴んだ。そうすると、自身の手首を掴まれビクっと身体を強張らせた。
バレたか!!ιιι

ススっとマジックの手がシンタローの手首を這うようにして、シャツの袖口から中に入ってきた。
「今日はサービスがいいんだね。でも、パパはお酒よりもシンちゃんを味わいたいなv」
蒼い冷ややかな、それでも確かに情欲を含ませている瞳が自分を捉えた。
「もう一杯ぐらいいいだろ」
なんとか手を引き剥がすと、そそくさとドリンクバーのある一角へと足を向けた。
丁度死角になっていて、自分がなにをやっているからは見えない。
シンタローはため息をつくとアルコールと氷を取出し、そして置くの戸棚から茶色袋のそれを取り出した。
「おかしい…。確かに入れた…。飲んだハズだろ」
殆ど何も書かれていないが、裏に小さな文字で説明書きの欄がある。買ってから説明の欄は目を通していなかった。
薄くかすれている文字を食い入るように見ると…………………ッ!!!!??
効果の内容を見た瞬間、シンタローの喉がヒクっと痙攣し、力が抜けたようにその場にへたれ込む。
……………せ、……精力……促進…ッッッ!!!!
「なるほどね~。そういうわけか」
「ヒッッ!!」
 シンタローは後ろから聞こえてきた声に、その場で飛び上がって驚いた。
夢中になって近づかれていることに気付かなかった。
「そういう代物を飲ませたってわけだね」
言葉とともに、逞しい二の腕が伸びてくる。肩越しに袋を奪われ、シンタローは恐る恐る背後を振り返った。
「おっ…お、…親父……」
「漢方ねぇ」
見上げた男は無表情で、シンタローを見下ろす。
「どうにもおかしいと思ってたんだよね。さっきのブランデーに混ぜたんだね、シンタロー」
言いながら、袋の効果の能書きに目を走らせているマジックからシンタローは後退り、そのままマジックの横を通りすぎようとしたところを二の腕に捕まった。
「これは…私じゃ満足できてなかったと考えていいのか?」

「ち…ちがう!!…おれは確かに減退を買ったんだっ!!!…」
「減退……」
「あっ!?いや…あの…その…なんで…確かに……あ!!」
「あの時か…」
その時、恐ろしい考えがシンタローの脳裏を過ぎる。
あの時、確か店内には年配の男がいたような…。
紙袋を受け取った直後に、店内で人とぶつかった。その時誤って袋を取り違えた??
それぐらいしか、思いつかない。確かに買う時に目を皿のようにして減退という文字を睨みつけた。ハズだった。
そうなるとそれしか考えられない。
「何をブツブツいってるんだ。訳はベットの上でゆっくり聞こうじゃないか」
「違う、これは手違いで…」
どんなに言い訳したって、聞く耳など、もっちゃーいない。小脇に抱えられそのままベッドルームへと直行となった。
乱暴にベッドの上に投げ出され、身体がスプリングで安定しないうちにシャツにに手がかかり、破られそうな勢いで脱がされた。
「ま、待てっ…親父っ」
「責任はとってもらうよ…パパをたばかった罪、大きいからね」
いいながらも引き千切らんばかりの勢いで、ズボンに手をかけあっという間に裸にさせる。
「飲んでないんだろっ!!」
 当然、飲むはずがない。あんな怪しい見え見えの態度で、私の目を誤魔化したと思っているのかい? 本物は今頃、植木の肥料だ。
「飲んだとしたら。愛しいシンちゃんが用意してくれたものだよ。シンちゃんだって私が飲むところ見ただろう?」
そういわれると頷くしかない。確かに男が口に含むところを目にしていた。それでも時間がかかり過ぎるのではないか?
これは自分を騙し返す為の悪戯だと思い込みたい。
「早くシンちゃんの中に突っ込みたくて、身体がどうしようも無いほど熱いよ…どうしてくれるんだい」
冷や汗が背中を伝う。身体の温度が上昇していくのがよく分かる。
「シンちゃんには、気持ち良くなるお薬を使ってあげよう」
「やだ…飲まない!!」
グッと唇を噛み締め、手で口を覆った。そんなシンタローの仕草にクスッと薄く笑いをこぼすとピンク色した小瓶を手に持った。
一度使いたいと思っていたところだ、丁度いい。

「そんなことしても無駄だよ」
「じゃあ……」
「ここで飲んで貰う」
 いいながら、シンタローが暴れて巻きついたシーツをはがしながら、足を広げ指でなぞる。
「…変態!スケベ野郎・オヤジ・万年色情狂っっ」
「いい度胸だ…覚悟しなさい」
ぐっとシンタローの足を掴むと目の前に見えるように引き上げる。
「いっ……やぁ…めろ」
「どうやって使おうか?本当は薄めた方いいみたいだけど…いいよね」
「ばか…冗談だろ…」
喉がヒクリと痙攣を起こす。身体を後ろに退けようともガッチリと足を抱え込まれ、余計に卑猥な格好にさせられることとなった。
「離せっ!離せって!」
足をバタバタとばたつかせるが、肩にかけられているので意味をなさない。
「大人しくしなさい。酷いことはしないさ…。ただ…気持ちよくするだけだよ」
抱えた足の間から目線だけを向け意地悪く笑う男と目があった。目線はそのままに、露になったなったソコをぺロリと舐めた。
見たくなくとも、シンタローの視界には自分では決して見ることのできない、隠された場所をマジックに侵されているのが見えた。
「んっうぅ……ッ」
シンタローの体内を甘い痺れが襲った。
せめて声だけはあげるまいと、両手で口を押さえてせめてもの抵抗を表す。
「ほぅ……」
ニヤリとマジックは口角をあげると、できるものなら耐えてみろとばかりに、突っつくように刺激していた舌を差込む。そして、
空いた手でペニスを掴むと上下に扱い、親指で鈴口をグリグリと刺激を繰り返した。
「うんッ…あぁん…んんっ!」
知り尽くした愛撫に声を漏らすのを防ぐことが出来なくなる。
それでも必死に声を抑えるが、その甘い鼻にかかったような吐息がマジックを挑発している事になっているとは、気づくはずもない。
「頑張るね。……さて、いつまで続くかな」

マジックは指は動かしたままに、器用に片手と唇を使い瓶を開ける。いったん、指をペニスから離し手にその液体を溢した。
本来なら水やアルコールで薄めて使う催淫剤で特別に高松に作らせたものだ。
直接だと…どうなるのかな?楽しみだねぇ。
ネットリとしたゲル状のようなピンクの液体をたっぷりと手にとると、そこから果物を煮詰めたような濃い果実の匂いが漂う。
その手をペニスに擦り付け、そのまま液体にまみれた手で会淫部をたどりアヌスの入り口を人差し指と中指で撫で回すと、ヒヤリとした感触にシンタローは身体を振るわせた。
「あっんん……」
先端から根元…裏の筋や袋もなじませるように揉みしだき、指は焦らすように縁を辿る。
「はぁッ!…ぁああっ」
シンタローの左手がシーツを彷徨い、右手は声を殺すように指を咥えこむと、荒い吐息をあげながら、悩ましげに眉を寄せ頬を蒸気させた。
「ヒクヒクしてる、指いれようか」
言葉とともに、一指し指と中指を第一関節まで差込むと、アヌスからはチュプチュプと濡れた音が響いた。
「うんぁ…もっ…と…ぉ」
「もっとなに?」
中に入れた指を、広げるとそこに液体を流しいれる。
「うぁ…やッいやっ! 入ってくる…」
「…もう効いてきたか…真っ赤になって、厭らしくヒクヒクしてるね」
「や…だ…みるなぁ…あぁ」
指を広げられているから、中に冷たい空気が入ってくる。それが、余計に火照った体に拍車をかけた。
「ココ見たことないだろ?今度見せてあげる。 …シンちゃんは言葉で責められるのが好きだね。パパの指をどんどん締め付けてくるよ」
重厚な声で囁かれた思うと…。だんだんと甘い香りに頭がぼんやりしてきて、ペニスとアヌスがジンジンと疼きだした。
もっと直接的な愛撫が欲しくて、ねだるように腰を浮かせる。
それに答えるように、中にいれた液体を塗りこませるように指が押し挿ってきた。
「あっああんっっ」
ズズっと中に入れた指を奥にまで突き立てられ、擦られると頭にまで走るような快感が通り抜ける。
「っああっ!」
声を噛み殺す為の指はいつしか、マジックの髪を掴みさらに深い快楽を望むように腰を擦り付けた。
「さすがに…濡れてるねもうグチュグチュだ。ほら触ってみたら?」
シーツを彷徨っていた指を掴むと、シンタローの濡れたアヌスに導いた。シンタローは自らのアヌスに触れブルッと腰が震えた。
「あぁ…ん」
酷く柔らかく解けた襞に触れると、触れると解けてしまいそうな肉が自分の指を中へと誘う様に、指を滑り込ませたからだ。
クチュッ…と卑猥な音を洩らして、精液が指を濡らしている。
「あぁ…いやぁ…だめ…だめぇ」
「ほら、ここがシンちゃんのイイトコロだよ」
マジックは指をシンタローの指に絡ませると、指で届く範囲の奥まで指を突きいれた。
「ああんっ!…も、もう…っっ!!」
熱い塊が背中を駆け抜け、静を吐き出そうと腰を前に突き出すと、マジックがシンタローの根元を掴みそれを阻んだ。
「まだだ、もっと我慢すると余計にいい」
「いやっ!…ぁ…ぁん、いきたいっ」
「そんなにいい?どんな感じだい?」
マジックは絡ませていた指を増やすと、それぞれを中で蠢かせ言葉を促す。
「んぁっ…ぁふっ…ん…んっ」
「言わないなら抜くしかないね」
言いざま、指を引き抜く動きに咄嗟に、逃すまいと締め付けるが男の動きの方が一歩早く指を引き抜いた。
そのままシンタローの両手を押さえつけると、自由を奪う。そうされると、自分の両手を使うことも出来ず、いじることが出来ない。
「嫌だ…ッぁ…ぁ、離せ」
指を抜かれるとますますペニスやアヌスは熱を持ち、奥からの疼きが酷くなり我慢することが出来ない。
ただ下半身を捩じらせても、なんの慰めにもならない。
「お…かしく…なっちゃうよぉ…」
「どうして欲しい?」
頬を蒸気させ涙目で、息も絶え絶えに甘い声で訴えられると、むしゃぶりつくしてもっと乱れさせてやりたい!という欲望が沸き起こる。
が、それを叱咤すると意地悪く耳元で囁いた。
抱かれれば、しがみついてヨガるくせに…自分から欲しがるようなことはない。そして、終れば親父が悪いと詰め寄ってくる。
それも悪くはないが…たまにはシンタローの口から欲しい!!という言葉を聞いてみたい。
危うく…不能になるかもしれなかったのだ、そのお仕置きもしなくてはね…。
「助けて…ぇ」
「助けてじゃ、どう助けていいか分からないね」
シンタローが小声で囁いたか、マジック時はあえて無視をした。

「ん? 聞こえないなあ」
「…っ!!」
「…ほら…シンタロー? このままでいいのかな」
疼きは酷くなる一報で、うずうずとした疼きは痛みに変わり頭の先から指の先までズキズキとした痛みが伝わる。
それなのに腰を揺らめかせることしか出来ない。
耐えかねて、息を吸い込むと夢中で言葉をだした。
「お願いだからっ…中をいじって…親父で…めちゃくちゃにしてぇ…!イカせて…っ」
シンタローが泣きながら懇願するのを見て、マジックは満足げに笑みを溢した。
「お望みとおり…イカせてやろう」
わざとシンタローの『イカせて』の部分を強調すると、手を離してシンタローの足を抱えなおす。
前をくつろげると、すでにスタンバイ十分の男根を後ろに押し当てた。

「ん、うっ……あぁぁぁ!!」
待ち焦がれた男のものに、シンタローは入れられただけで放ってしまった。
「おやおや、半分いれただけだよ」
そう言葉を続けながら、ゆっくりと円を描くように腰を動かした。
それだけの動きで、放ったばかりのものがまた立ち上がりをみせる。
「あ、あん…もっと…擦って」
放したというのに、中のウズウズは止まらずに、擦ってもらえればおさまるのは分かっている。
それなのに、マジックはゆるゆると緩慢な動作しかしてくれない。
「あん、そこじゃない…あっぅ」
「っふ…かわいいよ」
微笑を浮かべながら、クイっと腰を奥まで押し込むと、襲ってくる快感と衝撃に身体を強張らせるシンタローをマジックは硬く抱きしめる。
「っ…全部入ったよ」
シンタローの熱さと締め付けに、腰を進めている男が呻いた。
シンタローも自分の中でドクドクとマジックが脈打っているのを感じるだけで、溶けてしまいそうだった。
「あん、あ…もっと…ちょうだいッ」
挿れられても満足せず、身体の奥から痒きは増す一方で…どうにかその奥の部分を擦って欲しくてシンタローは喉を鳴らして足を絡め奥へと誘う。
「痒いよぉ…もっと…奥に…奥までいれてぇ…っ」
何度かゆっくりと腰を動かすと、シンタローの望みどおりに奥を突き上げるように抜き差しを始めた。
「っ…いいか?」
「い…いい、っあ、んっ」
激しく揺すられる度に、シンタローの身体は勝手に震えて、ただその疼きをとって欲しいということだけに夢中になっていて、いいも、悪いもを通り過ぎた刺激に翻弄されてただ、喘ぐことしか出来ない。
「あ、あ、も…でる…ッ」
「出しなさい…空になるまで出してあげる」
シンタローは力の入らない腕で必死にマジックの背中に爪をたてると、ガクガクと腰を震わせて熱を開放した。


************************


「はぁ…はぁ………あぁ」
いい加減にしろと、シンタローは二桁目を数えたセリフを口にした。
「俺が…わる…たかぁ……ら、ん、ん」
声は掠れ、散々泣け叫んで顔は涙と精液で濡れ果て、声帯は悲鳴を上げている。が、
その様子が男をますます煽っているなど分かるはずもない。
「も、もぅ…許して」
「人聞きの悪いことを言うね。最初に仕込んだのは誰かな?危うく使いものにならなくトコロだんだよ、パパは」
シレっとした口調で答えたマジックは、掴んでいたしなやかな腰を立て続けに数回揺さぶった。
ベットに這わされたシンタローの上半身は、すっかりシーツとお友達で支えられた腰だけが高く突き出され男を咥え込んだ格好となっている。
足もすっかり萎えて力が入らず、マジックが支えていたければすぐに崩れ落ちてしまう。
「もうバテたの?シンちゃんは若いからまだ大丈夫だよね」
「も…無理ぃ…あ、あ…っ」
「パパはまだ1回しか言ってないよ」
「ホントに無理…もう離して…」
腰を抑えられながらも、マジックに泣きついた。

が、
「でも、シンちゃんのここはそういってないみたいだよv」
囁くように言って、マジックはゆっくり腰をひいた。
「…っん、あぁぁっ」
一緒に内臓まで引き出されてしまいそうな不快感と快感を伴って、ようやく内蔵を穿っていたマジックが出て行く。
支えを失いガクリと身を投げ出したシンタローは、湿った精液と唾液でグチョグチョのシーツの上で荒い呼吸を繰り返す。
何度出しただろうか?幾度となく体位を変えて吐き出した…確か8回目までは覚えていた気がするが…。抜かずに責立てられ数えることもままならない。
何度も穿たれ摩られた箇所は、マジックが去った今でも何かを含んでいるような感覚を訴えている。
さっきまで、疼きが止まらずにマジックに泣きながら懇願したが、やっと薬もおさまり…酷い脱力感だけが残った。
腰などに力が入るはずもなく、気だるくてこのまま眠りたかった。
「嫌だ………」
呟いたのに背中の中心にマジックの指が這わされた。
「…嫌だっていってるだろ。俺が悪かったから…もうっ」
いい加減にしてくれと言葉続けようとして遮られた。
「何が嫌だって?」
いいながら背中を這い回る指は止まらない。ゆっくりと肩の辺りを彷徨っていたと思ったら、今度は背骨のラインにそって下へ下へと下がっていく。
そして双方の狭間を割っていった。
「マジ……クぅっ!」
あっ、と思った時には遅く、さっきまでマジックを飲み込んでいた部分に指を突っ込まれていた。
「あっ、あっ、や…ふざけろ…っ」


「まだそんな口聞くの?反省の色無しかな? こんなに身体は悦んでいるのにね」
「いつも…そんなだから…しつこいから、薬使おうと…した…だぁ…あぁぁっん」
身を捩って逃れようとするのを、強引に貫いた3本の指で阻止される。
いきなり増えた指に、シンタローは思わず仰け反った。
「あんっ、や、やだ、や」
グチュと厭らしい水音が耳につく。思わず耳を塞いでしまいたいほどに卑猥な…でもその音に身体が熱くなる。
わざと音を立てるように愛撫するマジックのおやじぶりに、身体は…反応する。
「嫌も嫌よも好きのうちだもんね、シンちゃんは」
否定しようと、気力を振り絞って首を振ったが、甘いねだる様な声しか漏れず、効果はない。
むしろもっと、もっととねだられている様な気分になる。
「ココ好きだよね。もっと弄って嬲って欲しいんでしょ」
「や…変態…エロおやじ…っ」
「言ったね」
シーツに突っ伏していたため、シンタローには見えなかったがマジックは心底楽しそうに口元をゆがめると、ねじ込んだ指でシンタローの一番敏感なポイントを強く擦った。
「だめっ…そ…たまん…なぁ…いい…ふっ」
「イイでしょ?こんなに熱くして…本当淫乱なんだから」
「イ………っ」

乱暴に3本の指を最奥まで突きたてられる。身体の奥のたたが外れていくような気がした。
薬の効力なのか、マジックの愛撫がそうさせるのか…自分が淫らになっていくのがわかる。
「い、イイっ…あっあっ、ああー!!」

「二度とパパを嵌めようとしたらダメだよ…これで分かっただろ?」
そう耳たぶを弄びながら囁かれ、夢中で頷いた。


それでも…シンタローは心の奥で、次回こそはと!!希望の光を胸にしまい込み。
シンちゃん次回はどんなトラップを張るのかな?などとほくそ笑むマジック。

結局は、まだまだシンタローとマジックの攻防??は続きそうである。

ただ、四六時中…シンタローの事を考え、どうやったらスムーズにシンタローとヤレるかを考えるマジックと、多忙なシンタローである。
どちらに軍配があがるかは聞くまでもない…。
今のトコロはシンタローに勝ち目無し。といったところだろうか。


次回に向けて頑張れーシンタロー!!




後日、痛む体を支えながら…なんでバレたんだろう?と首を捻るシンタローの姿があったとか。
やっぱり先は長そうだ…。


☆オワリ☆

よっすぃさま。1111キリリクで薬ネタのマジシンです。
サブタイトルは”騙すつもりが騙されて?
パパに薬を仕込もうとしたのに、逆に美味しく頂かれてしまいました。
面白かったですね~。いつも面白いですが、薬ネタは好きです。
もっとヘロヘロな所につけこんで、いやらしいセリフを連発できたらなぁっと
今、読み返して思いました。
う~ん、まだまだだ。

このあたりから、文章の書き方が変わってきたような気がします。
…が、相変わらず誤字脱字が激しいかもしれません。
気がつかれましたら、コソっと教えて頂けると幸いです。

幸央




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gh
■甘い罠■

ここはガンマ団総帥室。
限られたものしか入室は許可されない。のだが、セキューリティーもなんのその…、部屋の中で不穏な動きをする人物が一名。
真夜中だというのにも関わらず、白いスーツに身を包み新総帥の机をガタガタとあさっている。
「お、あったあった!!これこれ」
針金で机の引出しをあけ、お目当てのものを見つけ出した。
「これでシンちゃんを……フフ」
その資料を握り締め、いやらしく喉を震わせて笑う男の声が、真夜中の総帥室に響き渡った。

*******************************

「かっしなか~。確かあったんだけど…」
長期遠征から戻り、遠征前に残っていた仕事を片づけようと、机を探ってもあるはずの資料がない…。
あの統計の資料がないと仕事にならない…。
ティラミスあたりが片づけたのか??
確かに引出しの2段目に鍵をかけておいたハズなんだけどな。
シンタローは首をかしげ、カリカリと頭をかいた。

そのティラミスに聞こうにも、チョコレートロマンスとともに席を外しており、聞くにも聞けない。
あるべき場所に片したとしたら、場所は資料室しかない…シンタローはやれやれと、席を立つと資料室へと向かった。

資料室は普段あまり使われておらず、シンタローでさえ数えるぐらいにしか足を運んだことは無い。
「なんだか薄暗いなぁ~。今度ちゃんとしたやつ設置させるか…」
まわりの部屋に比べて重要なものもないせいか、防音効果がきちんと施されておらす、静かにしていると廊下の声が微かだか聞こえてくる。

「チっ、仕方ねえな。リフォームするか」
ぶつぶついいながら、今までの統計資料などを探す。
どうにも見つからない。イライラと苛立ちが募り始めた頃…

「手伝おうか?」
シンタローの耳元で、よく聞き慣れた声が低く響いた。
(いつの間に!? 全く気付かなかった)
シンタローは持っていた資料はそのままに、身を捩ると後ろに立っていたマジックに向き直った。
「い……や、平気だからっ」
びっくりしたぁ~。
驚いて動悸している胸を押さえながら、なんとか返事を返したが、声が上ずって動揺を隠しきれなかった。

お互いが触れ合うほど近くの距離から、少し距離をとろうとしても棚に阻まれてすぐに背がぶつかった。
「親父っ、驚かすなよっ!!なんだよ、突然」
「いや~、シンちゃんが戻ってきてるって聞いたから、会いにきちゃった」
まずい…。
今まで、あれやこれやとうるさいから、挨拶だけは欠かさなかったが…。
昨日は、遠征から帰ってきたのが遅く疲れてきっていて、すぐに寝てしまった。
今朝も早朝から会議が入っていたし、まだ挨拶にいってない…ιι
変な難癖を付けられないといいんだが…ι

たかが、挨拶というかもしれないが、されど挨拶。
この挨拶一つで親父のしつこさは変わってくる。
顔を見せれば安心するらしく、そんなにしつこくは迫ってこない。
少しでも遅れようものなら、ネチネチと言葉と身体で絡んでくるんだから始末におけない。
そのため、身の保身の為にオレは遠征に行った時はコタローの次に、義務的に!!
あくまで事務的に親父の部屋に行くようにしていた。全ては己の保身の為だ。

「パパが手伝ってあげるよ」
行く手を阻むようにシンタローの顔の横辺りに、両手を置いた。
そうすると、身体を拘束されるような形になり、ますます動きづらくなる。
(どこが!?これのどこが手伝う姿勢だって言うんだ…危険だ、ヤバすぎる。ここは早々に出た方がいい)

今までの感か学習能力のおかげさまか、シンタローは一歩でもこの部屋を出ようと、
マジックを押しのけようと手を突っぱねた。
「どけよっ。まだ仕事が片付いてないんだからっ」
「だから、パパが手伝ってあげるって言ってるじゃない」
「てめえがいたら、はかどるものも進まねぇよ」
穏便にすますには、ごめんね。
っと首でも傾げて謝ればいいのかもしれないが、それは出来なかった。
頭では分かっていたが、つい声を荒げて…。
力任せに、押しのけようとして腕が棚にぶつかった。
…やべっ!!
整理もされてなく、ただ乱雑に置かれているような棚だ。
この衝撃で棚の上に不安定につんであった書類が耐えられるはずが無い。
シンタローは落ちてくるファイルをよけきれずに、次にくる衝撃にそなえて目をつぶった。

…いったぁ……くない??
書類と言ってもファイリングされているから、厚さは相当ある。当たって痛くないハズがない。
恐る恐るまぶたを開けると、そこには庇ってくれたのだろうマジックがファイルを床から拾い上げ、スーツの埃をはたいている。
「親父……」
意外だった…。
「こんなとこで暴れちゃ危ないよ、シンちゃん」
怪我はない?と心配そうに聞かれるとつい素直に謝ってしまった。
「…わりぃ…」
「………っていうか、お前がこんなとこにいなければ、起きなかったことじゃねぇかっ」
そんな、まともそうな動作に誤魔化されるもんか。いつもそうやって人の事騙して好き勝手にしてるくせに。


絶対その手には乗らねぇぞ!!と思いを込めながら、向かいの男を強く睨み付けた。
「ふ~ん。そう…」
腕を組み、上から下へと舐めるように視線を動かすと、にやりと唇を歪めて微笑んだ。
その、ぞっとするような笑みにシンタローは身体を強張らせると、部屋から出るために肘で目の前の男を押し退けて一歩を踏みだす。
が、その身体はドアにたどり着く前に、マジックに捕らえられた。
「シンちゃんは、パパに挨拶もできない子どう思う?」
後ろから片手でシンタローの顎を捉えると、顔を耳元によせ低い声で囁いた。
もう片方の腕は前に回って腰を抱く。そうされると動くことができない。
「そんな躾のなっていない子には、お仕置きが必要だと思わないかい?」
味見でもするように、シンタローの耳を舐めるとそれが合図だというように、腰を抱いていた手がシャツのボタンをぬって入り込んでくる。
低いベルベットのような声で囁かれ、シンタローはうっすらと額に汗を浮かべると抵抗することも忘れて、一瞬身を強張らせた。が、
「………っ、いつまでもお前の思い通りになると思うなよっ!!」
それでも、なんとか身体を動かすと顎を掴んでいるマジックを振り払い、身体を反転させてマジックに向き直ると拳を振り上げた。
「とっくに、反抗期は終わったかと思ったけど…」
難なくシンタローの腕を掴むと、やれやれとため息をついた。
スッと掴んでいない手を伸ばすと、シンタローが身構えるように身体を反らせた。
「パパに手をあげるなんて、悪い子だね」
マジックはシンタローを棚に押し付けて、シンタローの腕を頭上で一まとめに押さえつけると、顎を捕らえ強引に唇を塞いだ。
「やだ……ん…っ、んっ、ぁ…」
抵抗の言葉を封じ込めるように、舌が強引に中に入ってくる。
歯茎の裏の敏感な箇所を舐められ、舌をきつく吸い上げられる。
「…っあ………」
息が止まるぐらいの激しいキスが続き、飲みきれない唾液が首筋を伝ってシャツの襟元へ落ちていく。
マジックが唇を離す頃には、シンタローの意識は朦朧とした余韻に身を震わせていた。
「感じてたんじゃ、お仕置きにならないかな?」
「ふざけろ。離せ!!…くそ親父っっ!!」
がたがたと身を揺すっても棚が軋む音しか聞こえない。
「あんまり大きな声出すと、人がきちゃうよ」
シーっとシンタローの耳元で囁きながら、手でシンタローのズボンに手をかける。
カチャカチャとベルトが外される音に、シンタローは焦り身体を震わせた。
「みられちゃまずいよね~。こんな姿を」
チャックを下げる音が嫌に、鮮明に耳に入る。

「な……っ」
シンタローは突然身体を震えさせると、口を噤んだ。廊下を微かだが誰かが歩いてくる足音が聞こえたからだ。
マジックにもその音が聞こえたのか意地悪そうに笑うと、半開きにされたズボンのチャックに、ぐっと重量がかけられる。
仕立てがいいのが、スーっと特にひっかかりもせずにジッパーの金具が下げられていく。
布ごしに握りこむと、シンタローのペニスは既に硬くなっており先端からは、蜜を滴らせていた。
「キスだけで、こんなになって…こうされること期待してた?」
「やめっ…」
 大きな声を出すこともできず、男を突き放そうにも両手を頭上で押さえつけられている為、目の前の屈強な男を突き飛ばすことなどできない。
「おやおや、シンちゃん下着が濡れてるよ。ちょっと敏感すぎるね」
「くっ・・・」
からかうような口調に、顔を背けて唇を噛みしめた。
複数人なのか、廊下の声と足音はいっこうに静かになってくれない。
それをいいことにマジックは淫靡にシンタローを責め立てる。
「キスしたぐらいで、こんなに染みをつくるぐらい硬くなって、厭らしい身体」
「あ…や…は、離して…」
直にペニスを握りこむと上下に手を動かした。
「離していいの?ここをこんなに大きくして、ヌルヌルさせてるのに?」
握り締めていた根元から、茎のところをもみ始める。
じっとりと滲んしまっている粘膜をわざと長い指に絡めて、くちゅくちゅとぬめった音を響かせた。
「ああぁ!!…や、やだぁ…」
扉の向こうの声に体を強張らせる…聞かれた!?
じっと硬直するシンタローにマジックは、耳たぶにぴったりと押し付けた唇から楽しげに含み笑いを漏らす。
「随分いい声で啼いたね。声聞こえたいの?」
なんとかそのまま足音が遠ざかるよう様子に、シンタローはホッと緊張を解いたが、それをマジックが見逃すはずがない。
「あぁ!」
その瞬間を見計らって、ペニスを抜きあげられながら、長いごつごつと骨ばった指で先端の小孔を弄くられて、シンタローの腰が大きく跳ねた。
「おっと、そう簡単にイカせないよ」

手短にあった輪ゴムを手に取ると、それをシンタローのペニスに乱暴に通し射精を阻む。
ゴムのバネが過敏になっているペニスを痛い程刺激して、シンタローは生理的に涙を滲ませ唇を噛み締めた。
眉をよせ苦痛に耐える姿がマジックの征服欲をさらに煽る。
「イキたいなら、…そうだね自分でしなさい」
その言葉にシンタローは顔を青ざめさせると、ふるふると顔を左右にマジックを睨み付けた。
「フッ、そんな顔は私を煽るだけだよ」
近くにあった本などを縛るような、ビニールテープを手の中で弄んだ。
そしてシンタローの身体を仰向けに倒し膝を割る。
マジックの手にはまだビニールテープが握られている。
シンタローは次の行動が読めずに不安げに瞳を揺らめかせ男を見つた。
「どうすると思う?」
楽しそうに喉の奥で笑うと、持っていたビニールテープをシンタローの右腿と右足首が離れないように結び。左足も同じように結んだ。
そうするとM字の形になり、閉じたくでも足を閉じることが出来ない。ましてや動くことさえもままならない。
「!!っ、なっ…何だよこれ、外せ!!外せよ」
羞恥心で顔を上気させ声を荒げるが、マジックはそんなシンタローの姿を満足気に微笑むと一度身体を退く。

そうして資料室の置くの棚から、手のひらほどのビデオカメラとボールペンの入った箱をを取り出してきた。
その物体を見つけるとシンタローは顔を青ざめ、少しでもマジックの視線から逃れようと身体を横に倒してうずくまる。
「来るな!!そんなもので、どうするつもりだよ」
「どうするって…ビデオカメラっていったら使い道は一つだろう」
唇の端を上げニタリと笑うと、カメラを手に持ったマジックが近づくと、ジーという機械音が室内に響きだした。
「あぁ…や、やめぇ」
マジックの手が伸びたかと思うと、シンタローのペニスの敏感な箇所を引っ掻いた。
「ほら、坊やが泣いてるよ。ピクピクしてイキたいんだろう?」

そのまま指をペニスの裏筋を通って奥の厭らしく蠢くアヌスへと辿り着いた。
「ここも欲しがってるね」
用意していたボールペンを箱から一本取り出すと、シンタローの目の前でそれを口に含むと見せ付けるように、濡らす。
ほどよく濡れた頃、それをゆっくりとシンタローのアヌスへと押し入れた。
「んぁっ!!、や…だ、やぁ」
指やマジックとは違う、無機物なものにシンタローは身を硬くするが細いボールペンは痛みを伴うことなく入っていく。
「いつもはパパが痛くないように、舐めてあげてるよね…でも、今日無しだよ」
2本目のボールペンも入り、3本目のボールペンがあてがわれた。
「はぁ、んんぁ、あぁっ」
身体が勝手に反応して腰が揺れる。先走りにまみれてぬめるそれを弄られ、ペンを掻き回されるとびくっびくっと痙攣するように
腰が動いてしまう。
まるで早くイカせて、と催促しているようだ。
「美味しそうに咥えてる。そうだ…たまには自分で慣らしてみたらどうかな」
ほらっと1本、ペンをシンタローに握らせる。
「こんな細いの3本じゃたりないだろう?あと2本は余裕だよね」

そう言い放つと、マジックは身体を起こした。
「パパはここでシンちゃんのやらしい姿をとらなきゃいけないから、手伝わないよ。解いてほしいならどうしたいいだろうねぇ」
シンタローから少し離れた場所に無造作に置かれたイスに座ると、マジックは長い足を組んでカメラを構えた。
その舐めるような視線に、シンタローは身体の芯からゾクゾクとした快感が駆け抜けるのを感じた。
「早くしないと、誰か入ってくるかもしれないよ…ま、見せたいならずっとそのままでいることだね」
身体中の熱が出口を求めて、蠢いている。
シンタローは目をかたく閉じるとそろそろとペンを握りなおした。
「まずは口に含んで、舌でたっぷり濡らしなさい」
シンタローはたっぷりと唾液で濡らすと、片手で双方割り既に入っているペンに添えるようにおずおずと差込んだ。
敏感な入り口にペンが触れると、ビクっと反射的に体が震えた。
「ぁふっ…んんっ」
敏感な粘膜を無機質なペンが押し入ってくる、無意識にもう一本手にもつと差込んだ。
慣れてきかたからさ、それは濡らさずともスムーズに受け入れた。
「いいよ…。そうしたら、ペンで中もかき回して、グチュグチュってね」
「ひぁぁ……ぁぁ、もう」
それぞれのペンが中で、バラバラに動き床の上で淫らに足を広げさせられながら、上半身がビクビクと痙攣を繰り返した。
「どうした?前もいじっていいんだよ」」
「あぅ、…ん、んん」
今にも弾けそうになっているペニスを手に包むだけで、背筋に快感が這い上がる。

「う…ぅん、…や…ぁ、やだぁ…」
恥ずかしいという感情はあるのに、手が止まらない、腰が跳ねる度に中のボールペンが粘膜を擦り余計に止まらない。
見られているという感覚が余計にシンタローを敏感にさせた。
「くぅっ…あぁ…痛いぃ…んぁ」
もうすぐにでもイケるのに、輪ゴムのせいでイケない…感じれば感じるほど辛くなる。
輪ゴムが食い込むような感覚に、シンタローを無意識に輪ゴムに手をやると外そうと試みた。
「誰がいいっていった」
マジックの叱咤する声に手が止まるが、辛さと快感がまざりあい行き場の無い熱に殻を震わせて、上目遣いにマジックをみつめ哀願する。
「やだ…イキったい…とって…これっ」
「取ってくださいだろ、シンタロー?」
カメラを構えたまま、シンタローの前に膝をつくと濡れそぼりピクピクと震えるペニスを軽く弾いた。
「っああ……!!」
貫くような刺激にシンタローは声を殺して叫んだ。
「父さん…ねが…い」
「ん?どうして欲しいの?」
うずきは身体全体に広がり、身体を捩じらせて紛らわそうとしてもボールペンが敏感な場所を突き、さらに追い込まれるだけだ。
シンタローはマジックの甘い拷問に耐えかね、涙声になって懇願を繰り返す。
「ゴムを…取ってくだ…さ…い。お願いします」
満足そうに微笑むと、マジックは自身の前をくつろがせシンタローの前に突き出した。
「いかせて欲しいなら、分かるよね」
ゴクリと唾を飲み込むと、舌先をマジックのペニスに伸ばした。
「ん、ん、ぅんっ」
「いいこだ、奥まで入れなさい」
口に含むと舌を使い全体を湿らせる。いつもされているように、カリの部分に舌を這わせながら、出てくる液を吸い取った。
「シンちゃん…すごくいやらしいよ」
間近でマジックが一部始終をビデオに収めている。分かっていても止めることが出来ない。
イケない苦しさを紛らわすように、腰をくねらせながらどうにか満足を得ようと丹念に嘗め尽くす。
でも、もう限界だった。
「う…うん…ねがい…父さ…」
体が疼いて…欲しくて欲しくて仕方がなかった。
めまいを覚えるほどに、何も考えられない。ただ、マジックが欲しいということだけだった。
「お…ねがい…ねがいだから…もう…すぐ…して」
すがりつくように、上目づかいでマジックをみると、快感に上擦った声でお願いした。
「何でもパパの言うこときくかい?」
「きく、何でもきく。だからとってぇ」
その言葉を引出しマジックはしてやったりと、笑みを浮かべた。

「しようの無い子だね、シンちゃんは…」
シンタローの足の紐を解くとマジックは、カメラはそのままに床に腰を下ろす。
「私の身体を跨いで、入れてみなさい」
「い、嫌……」
「取って、欲しいんでしょ…」
 シンタローは上気した顔を左右に振った。
マジックの言わんとしている体位を知って、恥ずかしさに一瞬理性が戻る。が、
そんなシンタローを追い詰めるように。中に差し込んでいたボールペンを一気に抜き取った。
「あぁ…ん、んぁ」
刺激に体を反らせたが、喪失感と吐き出すことの出来ない熱に身を悶えさせるシンタローの視界に、
マジックの股間で息づく凶器が目に入った。
「挿入てほしくてウズウズしてる。前もいきたがってるしよ、いらないの?」
その言葉にシンタローは操られたように、足を一歩マジックの元へ踏み出すと、棚にもたれかかっているマジックの膝の上に跨った。
「いいこだね・・・そのまま腰をおとしなさい」
シンタローは至近距離にあるカメラをなるべく見ないように下をむくと、
片手をマジックの肩において体勢を安定させ片手でマジックのものを掴んだ。
先ほど自分が咥えていたものと知っていても、その大きさに身が竦みそうになるが、その熱さにブルっと体が誘惑に震える。
これからコレが中に入るのかと思うだけで、歓喜にペニスが震えるのが痛いほと分かる。
そのまま手で支えると自らのアヌスへと招き入れた。
「シンちゃんのココ、嬉しそうにヒクヒクして私のを誘い込んでるね」
「ん、ぁあっ…無理…」
開ききったアヌスに怒張の先端が触れただけで、シンタローは喉を絞って腰を震わせた。
「そのまま腰を落として」
「……っ」
シンタローは眉を顰め、下唇を噛みしばってブルっと総身を慄かせながら、躊躇いがちに腰を沈めていく。
「あッ…あ……はぁ…」
マジックの太い先端が狭い間口に飲み込まれていくと、シンタローは整った顔を歪めて呻きを零した。
いくらペンで慣らしたとはいえ、それを飲み込むのは苦痛が伴う。体はもっともっと奥へと望むのに、なかなか飲み込むことが出来ない。
「ほら、欲しいんでしょ?」

先端のみの挿入を繰り返し、なかなか腰を下ろさないシンタローに焦れたマジックは両手で掴んで引き落とした。
「あ──ッ!…」
一気に奥まで貫かれたシンタローは脳天まで響いた抉痛に絶叫し、マジックの肩に汗が浮かぶ頬を伏せた。
「やっぱり、輪ゴムで縛っておいて正解v」
「うう…ん」
強烈な刺激にイケたハズなのに縛られていてイケず、それでも先から先走りの液がトロリトロリとペニスを伝う。
輪ゴムが食い込み痛みに呻いた。
「い、痛い…ぃ…」
耳元でカメラの機械音が耳につく、その音に荒く熱い息を吐き出しながら、自分の中に存るペニスを内壁で感じ取る。
「痛い?こんなにトロトロになってるのに?」
「ひぃっ…ちが…いた…も…ッ」
マジックは下から突き上げられ、がっしり掴んだ腰を左右上下に揺さ振った。
「ひっ、あぁっ……!!」

──『確か、ここに置いてあったよね』
廊下から声が聞こえ、その言葉にビクっとシンタローは体を強張らせた。ドアの向こうに誰かいる!?
ぎょっとしてマジックを見ればニヤニヤと下品た笑みをこぼすと、シンタローの耳元で囁いた。
「鍵…かけたかな?」


そう囁くと、腰を使い前後左右に熱い楔を打ち込んだ。不意の動きに一瞬あられもない喘ぎ声を漏らすが、マジックの肩口に噛み付き声を押し殺した。
「あ、んっ、っ……、ぐ、ん、んんっ……!」
必死に声を押し殺そうとするのに、漏れた声が薄暗い資料室にエコーのように響いているような気がして、却ってシンタローを刺激する。
「ほら、もっと声をあげれば誰かがきて助けれくれるかもしれないよ」

『おい、グンマ何をしているんだ』
この声は…!?聞き覚えのある声…そういえばさっきのよく通る声も聞き覚えがある…。ま、まさか…
『あ、キンちゃんv実験に使う資料がここにも置いてあったと思うんだ』
『ここにか?ここはお前が実験に使うような資料は無いはずだが…』

「うっふッ…く…」
シンタローの緊張を面白がるようにワザとポイントを突き、声を出させた。目を潤ませながら気丈にも睨みつけるが、快感に溺れて上気した頬濡れた唇に
煽られるようにマジックはシンタローを追い詰めた。
「シンちゃん、こういうの好きでしょ?パパのそんなにおいしい」
「んん…んゥ…っ!?」
マジックの肩口の背広を噛み締めながら、何かを訴えるシンタローにマジックが動きを止め、耳元で囁いた。
「何?…どうして欲しいの」
「離せ…っ…」
「何?聞こえない…どうして欲しいかキチンとお願いしなさい」
クリクリと前に回った手の親指と一指し指で、乳首を摘まれ捏ね繰り回される。
その刺激にビクビクと背を震わせながら口を開いた。
「お…願い…離して…っ」
「…仕方ないね……」
そいうと、乳首を弄んでいた手がすっかり先走りの液で濡れそぼったペニスと掴んだ。
「な…なにっ……あ…あぁッ!!」
「離して下さいっていったから、輪ゴムから離してあげるんだよ」
そう言うと、乱暴に輪ゴムで弾くように外し、同時に腰を上下に動かした。
そのいきなりの刺激にシンタローは声を塞ぐことも出来ずに、マジックのジャケットと自身の腹筋あたりに
白濁とした欲望を吐き出した。

射精後の余韻に、マジックの肩へ倒れこみ全身を振るわせる、乱され漆黒の髪が頬や額に張り付いていた。
それを愛しそうに、生え際に手を沿え掻き揚げる、そんな仕草にも感じるのが、ピクピクっとシンタローは身を震わせた。
『ん、今なにか聞こえなかったか?』
『そう?僕は聞こえなかったけど』
『聞き間違いか?確かに資料室から聞こえたんだが…』
『疲れてるんだよぉ。そういえば、キンちゃんはどうしてここにいるの?』
『シンタローが見当たらないんでな…グンマ見なかったか?』

「ほら、いるって返事してあげたら?」
「やめ……っん、んぁ…あん」
散々いかせてもらえず、やっと開放できた後の敏感な体にマジックの執拗とも言える愛撫は拷問に近かった。
「シンちゃんの…カメラのレンズにまでかかったよ。…溜まってたのかな?」
もう声を抑えることも拒絶の言葉を吐くこともできず、ただマジックの手管に甘い声を漏らしていた。
マジックは達していないため、熱い楔で前立腺を擦り、片手はペニスの袋部分を揉みしだき、片手で乳首を突っついたりとを繰り返した。
「ダメ、だ…っあぁ…っも……っ」
「ほら、私を楽しませて」
必死にマジックの肩口に歯をたてるが、その動きにあわせて声が自然と漏れてしまう。


『シンちゃん?見ないよぉ~。お父様のところじゃない?』
『マジックの?…それは…無いんじゃないか』
だんだんと声は遠ざかっているように、思えるがそれも自分の気のせいかもしれない…確かな意識などとうにないのだから…。
どんなに意識をもとうとも、すぐに男のくれる甘い熱に流されてしまう…。

「はっ…ぁ…んく……んっ」
「ほら、シンちゃんのいじってもいいんだよ」
シンタローはすっかり張り詰めているものに、手を伸ばすと狂ったように擦り続けた。
「シンタローは淫乱だね…キンちゃんにバレてもいいの?この恥ずかしい姿みてもらう?」
マジックのペニスで後ろを揺り動かされて、自身の重みも手伝って絶えず内壁を刺激してくるので、前後の刺激にいつもまにか声を
押し殺すことも忘れ、ドアの前には二人がいること、ビデオにとられていることなどすべてを忘れてしまうほど気持ちがいい。
「んぁ…あっ…いい…、っすご…く」
自分がどんな声を出しているのか、それすらも分からないままにマジックの与える快楽に溺れていた。それなのに、
親父の声だけはどんなに溺れても入ってくる。それすらも愛撫の一つのように、手は自分を慰めながら、必死で腰を揺らめかせてしまう。
ただ、更なる快感が欲しくて、吐き出すことしか頭にない。
「いいよ…シンちゃん…・・・そう、腰で円を描くようにね」
下からさらに奥へと、腰を押し付けるとシンタローの背が仰け反り、体を震わせて。
「ダメだよ…私をいかせてからね」
生理的に涙を滲ませている、シンタローの瞳に舌をよせると涙を舐めとった。
「いいね、征服欲を煽る…男を欲情させる瞳だよ…もっと苛めて喘がせたくなる」
「いやだ…も、くる…いっちゃッ…あぁぁぁッ」
体を押されたかと思うと、体を床に倒され足をマジックの肩へとかけられていた。絶妙な部分を擦られ、背中から一気に射精感を感じる
がせき止められた。
「パパをいかせてからだよ。 自分ばかりイイ思いというのは関心しないね」
体重をかけながら、焦らすように円をかく。抜けるほど引き抜いてから、最奥へと入れる動きを繰り返した。
「この方が、結合部分やいい顔が撮れるね」
「や、いやだ…ぁんっ…あああっ」
いくら顔を背けても、カメラが視界の端に入り逃れることが出来ない、カメラ越しに視犯されているような錯覚に陥り肌が興奮で粟立った。
「やっぱり…視られると感じるんだね…さっきよりも中があつい…吸い付いて離さないよ。ここもそそり立たせて、涙を流してるね」
いやらし汁を滴らせているペニスから、男のものを飲み込み歓喜しているアナルの縁を移しながら、顔へとカメラが移ってくる。
おぞましいと思い、嫌悪しつつもその異常な環境に体が打ち震えてうのが分かった。
「と、さん…もっと…もっ、っと…くっん、揺さぶって」
男のペニスが激しく内壁が擦りあげて、ぐちゅぐちゅっと大きい音を立てる。
「も…父さん・・・も、イク…あぁぁ…イっちゃう」
腰を打ち付けられて最後は殆ど悲鳴になりながら、苦しいほど感じながら男の最後を受け止めてた。
「次は、どんなポーズをカメラに収めたい?」

、徐々に意識が遠のいていくなかで、微かにだが遠ざかっていく足音を聞き、抜け出すことの出来ない罠に嵌まったのだと実感していた。
意識の片隅で、耳に残る機械音が響いていた。



★完★

翡翠様、キリリク贈呈品です。
18禁・20禁止を目指せしちゃえ!!と頑張ったつもりです。が、まだまだ甘いです。
初の長編(?)破廉恥です。
コンセプトは羞恥プレイと言葉責め!!!そして小道具です。っと書くと改めて、できていないとおもいしらされますねιι

ご来読ありがとうございました。

幸央




bv
font-size  L  M  D  S
パパお見合いする!?

「シンちゃんただいま~」
遠征から戻ると、仕事もそこそこに、マシ゛ックはシンタローのいる家へと向かう。

母親がいなくとも、すくすくと育つ一人息子のシンタローの成長のみが、マシ゛ックの生きがいだ。目に入れても痛くないくらい、むしろもうちょっと育ったら食べちゃおうかなぁっと計画しているぐらいに、可愛くて仕方がない。

予定よりも、早く遠征先から戻ってきた。仕事は多忙を極めるが、あの子が待っていると思うと、頑張れる。
もう、親子の感情からはとうに離れていると、自身も自覚している。
「シンちゃん?ハ゜ハ゜だよ」
部屋に入るといつも、抱きついて迎えてくれるはずのシンタローが今回は反応がない。
あれ?…あ!今回は1週間と長かったから拗ねちゃったのかな?

もう本当に可愛いんだからっvとテ゛レテ゛レと顔を緩ませながら、シンタローを探すとソファーに膝をかかえてうずくまる息子の姿あった。
「シンちゃん??どうしたの?どこか痛いの?」
オロオロと息子に近づくと、下から覗きこむように床に膝をつく。よく見ると、かすり傷らしきものが、シンタローの顔や手足に見える。
もしや悪いお兄さんにいたずらされちゃったとか!!誰にいじめられたとか?
何かされちゃったんじゃ!?なんて想像するだけで怒りがこみあげ八つ裂きにしてくれるっと、殺気をだつ。が…、冷静に考えると服は破けてるわけでもないので、それは違う。
そうすると…考えられるのは…。
「ケンカしたの?」
そっと、頭に手を置くとヒ゛クッと体が反応を返した。その反応にやはり、誰かに…!?
と悪い思いもかすめるが…。

「…だって…だって…」
叱られると思ったのだろう、涙ぐみながらようやく顔をあげた。久しぶりに見る我が子の姿に愛おしさがこみ上げてくる。
おもっきりスリスリしたいが、が!!ここは我慢、我慢。
エク゛エク゛とえづくシンタローの身体を抱えると自分の膝に座らせる。頭を撫でながらなだめると、たどたどしくだが、ケンカの理由を話しだした。

事のいきさつはこうだ。


「シンタローのハ゜ハ゜ってかっこいいよなぁ。」
学校の帰り道、友達数人と歩いていると、そんな事を言われた。
(だって、ぼくのハ゜ハ゜だもん。かっこいいに決まってるよ。)
えっへん。とはにかみながらも、アタリ前じゃんと答えるシンタロー。

もう小学2年生にもなる男の子が、父親を自慢しすぎるのも、ちょっと可笑しな話しがあるかもと思うかもしれないが、早くに母親を亡くして、父と子の2人で暮らしていればそうなるのは自然なことかもしれない。

「うちのママがシンタローのハ゜ハ゜なら再婚したいっていってたよ」
「…再婚?」
きょっとんっとした顔で、シンタローが首を傾げると、友達はシンタローが再婚という言葉を知らないと思ったのだろう。事細かに、親とテレヒ゛で知った情報を話し出す。
(ハ゜ハ゜がもう一度結婚する??)
「絶対!!無い!ありえないよ」
シンタローはムーっと頬を膨らませた。
「なんで??」
「なんでって、ハ゜ハ゜いつも、シンタローがいればいいって言ってるもん」
自信満々に答えるシンタローに友達の一人が、
「でも、おまえ子供じゃん。シンタローのハ゜ハ゜まだ若いし恋人ぐらいいるんじゃない」
一人がそういうと、口々にそうだ、そうだ。と同意の声やあまつさえ、遊んでそう!などの言葉も飛び交った。
その言葉に我慢できなかったシンタローが、キレて手を出した結果、ケンカになったということだ。

「なるほどねぇ~」
事情を聞き終えたマシ゛ックが、膝の上のシンタローをぎゅっと抱きしめる。
「起こらないの??」
漆黒の瞳を涙で濡らしながら、小首を傾けるとマシ゛ックの方へ顔だけ向ける。

「ケンカはよくないことだよ。でも、ハ゜ハ゜の為に怒ってくれたんでしょ」
「…だって、ハ゜ハ゜が再婚するなんて言うから…」
思い出したのか、ぐすぐすと鼻をすすり、マシ゛ックに抱き着いた。
「シンちゃんは、新しいママが来るのは反対?」
「…わかんない」
確かに、ママがいたらいいな。って思うことはある。一人の夜は寂しくて、寂しくて…。ママがいたらいいのにって思うけど…。
でも、ハ゜ハ゜がぼくだけのハ゜ハ゜じゃなくなるのは…。考えると涙が止まらない…。
それを見られなくて、顔をきつくマシ゛ックに摺り寄せた。

そんなしぐさをマシ゛ックはどう受け取ったのか、複雑そうに顔を歪めるとシンタローをきつく抱きしめる。
…シンちゃん…ママ欲しいのかな。

背中を撫でてやると、しばらくして泣き付かれたのか、クークーと寝息をたてシンタローは眠りについてしまった。
「……ママ…か…」
やっぱり必要かな? 寂しいか…当たり前だな。まだシンタローは幼いんだから。最近のシンタローは母親のいる親子連れを見るとどこか、寂しそうなまぶしそうな顔をする。父親だけじゃ無理なのか…。仕事も忙しさを増している、だんだんと昔ほど一
緒にいられる時間が減ってきた。
それを察してか最近はあまりわがままを言わなくなった。
シンタローの為に再婚を考える時期が来たのかもしれないな…シンタローを強く抱きしめながら、しみじみと母親の存在を考えた。

********************

「ん、なんだこれ?」
遠征の報告の為にマシ゛ックの元を訪れていたハーレムは、机の上に書類とは違う、厚い封筒のようなものが大量に積み重ねられているのに気付いた。
「ああ、それか…」
ハーレムの視線に気付いたのか、大きなため息をつくと、一つをハーレムに投げ渡す。
「なんだ~ぁ!兄貴見合いでもすんのか」
他のを手にとってみても、全部いかにもな、お見合い写真ばかり…。
シンタローへの溺愛ぶりを見ていると、どうにも信じられず何かの冗談だと言わんばかりにニヤニヤと笑みをこぼす。
何も返さないマシ゛ックの様子に驚き手元の写真と兄貴を交互に見比べた。
「マシ゛かよ…。シンタローは知ってんのかよ?」
ハーレムの言葉にぴたっと仕事の手を止めると、顔はあげずに苦々しくため息をついた。
「まだ…言ってない」
「言ってないって…いつ会うんだよ」
どうみても手がつかずの見合い写真を睨みながら、ハーレムが問いかけた。
「今週らしいな…子供好きらしいぞ」
「らしいって…いいのかよ、シンタローはどうすんだよ」
見合いなどありえないと、のんきに構えていたが、シンタローが知っていないとすると、傷つくのは目に見えている。
普段泣かせたりしているが、可愛い甥っ子だ。悲しむ顔は見たくない。
兄貴にべったりのシンタローが知れば、傷つくのは目に見えている。
兄貴だって分かってるハス゛じゃないのかよ…。
どこか人事の様に振舞う態度に我慢ができず声を荒げた。
「兄貴っっ!!」
マシ゛ックに詰め寄ると、手に持っていた書類を奪い、肩を荒々しく掴んだ。

「シンタローの為だよ…」
そうされても、顔色を変えずに淡々と声をだした。やんわりとハーレムの腕を外すと立ち上がった。
「私はシンタローの為なら…シンタローが寂しい思いをしないですむなら…したくない再婚だってするよ」

真意なマシ゛ックの言葉に、ハーレムは言葉をなくすが、声を震わせながら絞り出した。
「シンタローが言ったのか…」悲痛な面持ちで首よ左右にふるマシ゛ックをみると、ハーレムはそれ以上言葉を続けることができなかった。
ハーレムが出て行くとマシ゛ックはイスに深く座りなおし、卓上に置いてあるシンタローの写真を手に取った。
今ならまだ戻れるかもしれない…。自分のシンタローへの思いは父親の持つ感情なんかじゃない。
いつかその思いがシンタローを傷つけることになる。
それなら、早いうちに手を打ったほういい。
再婚相手に愛情なんか沸くわけが無い。
相手には可哀想だが、シンタローの為ならそれぐらいなんともない。
これは、シンタローの為でもあるが自分の為でもある。
シンタローを自分の欲望で彼を傷つけて拒絶されたら…生きていけない。
それこそシンタローに何をしてしまうか分からないし、凶暴な感情を押さえられるとは思ってない。
今ならまだ家族ごっこだって演じられる。深く息を吸い込むとゆっくりと目を閉じた。

********************

「ハ゜ハ゜…出かけるの?」
シンタローはもそもそと起き上がると、顔を洗いマシ゛ックのいる部屋へ向かった。
日曜だというのに、スーツを着込む父親に話しかけた。いつもの赤いスーツじゃないから、仕事ではない気がする。
それに自分の顔を見て一瞬なんとも気まずいような顔をした。
それは一瞬だったから、気のせいだと思ったけど…どこか普段のハ゜ハ゜とは違うような気がする。
「シンちゃんおはよー。今日は早いね~。ハ゜ハ゜ちょっと…出かけてくるから、待っててね」
「…何時に帰ってくるの?」
日曜だけがハ゜ハ゜を独り占めできる日だ、どんなに忙しくても日曜だけは一日中一緒にいてくれたのに…。
たまに無理な日があっても前の日に言ってくれたし、戻りの時間を伝えてくれたのに、今日のことは何も聞かせれていない。
「午後には戻るから、そしたら一緒にでかけよう」
どこかいつものハ゜ハ゜とは違う気がする…どこかとは言えないが違和感を感じた。
なんだかむしょうに寂しくて、マシ゛ックに抱きついた。
「シンちゃん?」
抱き上げえるとよしよし、背中を撫でる。
「僕も行っちゃだめなの?」
「…今日は…」
シンタローには結局言えずに今日がきた。行ってから言うべきか迷っていたが、何かを感じたのだろうか…。
いつまでも逃げれるものだとは思わない。

「シンタローいいかい?」
「なに?」
不思議そうに首を傾げるしぐさに、どうにも言い出すことができない。
それでも…大きく息を吸うとシンタローの目をまっすぐに見つめる。
「シンちゃんのママになるかもしれない人と会うんだよ」
「え……」
何を言われたから理解できないのだろう、大きな漆黒の瞳を見開いた。
「今日、連れてくるから一緒にご飯食べよ、。午後には帰って来るから、それまでに準備しておくんだよ」
着ておくものは出しておくからを付け加えると、シンタローを下ろし、部屋から出て行った。
シンタローは、なんと言っていいか分からずに、ただそ佇んでいた。
じゃあね、と強く自分を抱きしめると、そのままハ゜ハ゜は行ってしまった。
どうにもうまく考えれなくて、それでも落ち着こうと水飲みにいくと、台所には朝食の支度が整っていた。
テーフ゛ルにつくとマシ゛ックの作ってくれたハ゜ンケーキとオレンシ゛シ゛ュース、果物…ぼんやりと見つめていた。
「おいしい…」
一口食べるとぽつりと呟いた。
それはいつもの味なのに、おいしいとは思うのに進まない。やっとの思いで飲み込むとフォークをおいた。
なんで?なんで?僕のママになる人?それって、急に何日か前に友達言われた”再婚”という言葉を思い出した。
そんな、僕だけがいればいいって言ったのに…。
なんで、なんで?
…疑問しか浮かばない。
僕が我侭ばっかりいうから?もう嫌になっちゃのかなぁ。
ママが欲しいって思ったから。ママがいれば寂しくないって思ったから。
「ハ゜ハ゜…戻ってきてよ」
どうすることもできずにただ、冷め切ってしまったハ゜ンケーキを見つめるしかなかった。
「お~くそカ゛キなにしてんだ」
どこから入ったのか、ハーレムがシンタローの横にたっていた。
「おじさん…」
このハーレムには泣き顔を見られたくなくて、ぐいっと袖で涙を拭くと、気丈に睨みつけた。
「いつ入ってきたんよっ」
勝手にはいってくんなとばかりに、イスから降りるとハーレムの身体をク゛イク゛イと押し返す。
そんなシンタローの姿に苦笑する。甘ったれの根性なしのくせに、無理しやがって。
兄貴は今日話したのか、殆ど手がついていない食事と泣きはらしたようなシンタローの様子でそう思った。
「マシ゛ック兄貴は?」
どこに言ったか知っていながら、とぼけて問いかけた。ヒ゛クっとシンタローの身体が強張り、震えているのがのが分かる。
ハ゛カ兄貴…。
こんな思いさせて、何がシンタローの為だよ。
マシ゛ックのシンタローへの溺愛ぶりは、親子のものを通り越していた。
どんな感情を抱いているかもウスウスは感じていた。
この見合いはシンタローの為でもあるかもしれないが、自分の感情を止めるためにした事なのだと感じることができた。
奥歯を噛み締めると、シンタローと同じ目線になるように腰を下ろした。

「場所しってるから、連れて行ってやろうか?」
潤んだ瞳が動揺に揺れる。追いかけたいが、迷惑をかけるのではと訴えている。
シンタローがここで追いかければ、兄貴は二度とシンタローを手放すような真似はしないだろう。
シンタローのことを思えば自分の発言が誤りなのかもしれない。
が…こんなシンタローの姿をみるならそうしたほうがいい。
「お前納得いかねぇんだろ?」
こくりとシンタローが頷いた。
「だから、オレ様が兄貴のとこまで連れていってやろうって言ってるだよ」
「でも…」
おどおどと視線を泳がせた。そんなことをして嫌われたら…自分を邪魔にしたらと思うと、素直に行きたいとは言えなかった。

「ったく。相変わらず、情けねえな。いいか、お前のハ゜ハ゜に会いたいか、会いたくないかのどちらかだ」
ここで、自分がシンタローに兄貴の思いを言うことが簡単だ。だがそれでは、今後兄貴の思いにシンタローが潰されるのは見えている。
シンタローに選択させなければ、兄貴のしたことは水の泡だ。
「いいのか、このまま再婚しても?兄貴のことだ今日連れてくるぜ」
「いやだ!!」
とっさに言葉がでた。そういえば、さっきハ゜ハ゜はなんと言った?
『今日、連れてくるから一緒にご飯食べよ、。午後には帰って来るから、それまでに準備しておくんだよ』って言ってなかっただろうか…。
嫌だ、誰にも渡したくない。ハ゜ハ゜が自分よりその人を選んだとしても、このまま待っているのは嫌だ。
「行く、僕ハ゜ハ゜のところに行きたい」
「いいのか?帰れって言われるかもしれないぜ」
しっかりとハーレムの目を見ながら、覚悟を決めたように強く頷いた。

********************

まいったな…。マシ゛ックはにこやかに笑いながら相手をみた。悪くはない、美人そうだし性格もよさそうだ。だか…まったくなんの感情も沸かない。ぼんやりと霧がかったように、相手の顔が入らない。
だから写真を思い出した。たしか美人そうだったな…と。
今浮かぶのはシンタローの姿だ。今朝はびっくりしたように目を見開いて、必死に訴えかけていた。
抱きしめて冗談だよ。っと安心させてやればよかった、今頃泣いてるに違いない。
シンタローを思い出すたびに胸が締め付けられたように痛くなる。
テーフ゛ルの向こうの女性は必死に会話をつなげようと話しかけてくるが、ただなんとなく相槌をうつばかりで、右から左へと声が素通りする。
思うのは愛しいシンちゃんの事だけだ。シンタローと自分のためにと思ったが、ここへきて自分の思い違いにようやく気付いた。
再婚なんかしても、自分のシンタローへの思いを止めることはできない。いつかシンタローを泣かせて傷つけてしまうかもしれない。
それでもいい。私がシンタローを愛している。手放すことなんかできない。手放すものか。
そう思えば後はそうそうに切り上げて、シンちゃんの元に帰るだけ。
心配させちゃったから、思いっきり抱きしめて、すりすりして。今日はシンちゃんの好きなカレーを作って、いや…どこか好きなところに連れて行ってあげよう。
決まれば長いは無用とばかりに、マシ゛ックは断るために口を開いたが、
………!?
今、シンちゃんの声が…まさかね。場所は伝えていない。それにシンタローが追いかけてくるとは、思えない。
とうとう脳までシンちゃんに侵されたかな?クスっと苦笑いした。
「ハ゜ハ゜!!」
シンタローは連れてきてもらったホテルで、最上階へのお店へと急いだ。
店員が不思議そうに自分を見るが、そんなの気になんかならない。逸る気持ちを抑えながら、見回すとカ゛ラス張りのような個室の中にいるマシ゛ックの姿がみえた。
向かいの相手の人は、すごくキレイで清楚な感じの人だった。
ハ゜ハ゜とお似合いだと思った。そう認識した途端、なんともいえない苦い気持ちがして、苦しくて…気付いたら叫んでいた。
叫んでも自分に気付かないのか、シンタローは走りながらまた叫んだ。
「………シンタロー……」
個室の扉を開ける音に、視線を向けるとそこにいる、わが子に驚きを隠せなかった。
イスから立ち上がると、シンタローの元に急いだ。
「シンちゃんどうしたの?」
佇むシンタローの両肩を掴むと目線を同じ高さ下ろした。
「………」
ぐっと唇を噛み締めると決意したように口を開いた。
「もう、ママが欲しいって思わない。我侭も言わない。ハ゜ハ゜が仕事で忙しいのも我慢
するから、…最後に一個だけ我侭きいて」
目を潤ませながら、マシ゛ックの顔を見られずに下を向いた。
「お願い。お見合いしないで!!」
マシ゛ックの袖を掴むと抱きついた。
「ハ゜ハ゜の言うことなんでも聞く。ヒ゜ーマンも食べるし好き嫌いしないから、僕だけの
ハ゜ハ゜でいて。僕がママの代わりになるから」
お願い再婚しないでと、泣きながらマシ゛ックにしがみついた。
「シンちゃん………」
顔をのぞきこもうと、シンタローの腕に手を外そうとすると、離れることを嫌がるよ
うにイヤイヤと首を振る。
振るたびに涙の粒がこぼれて…その姿があまりにも健気で、愛しさに胸が締め付けられる。
「シンちゃんごめんね。ハ゜ハ゜が悪かったよ」
ぎゅうっとシンタローの身体を抱き寄せた。
「…っ…さ…再婚しない?」
上目遣いに見つめてくるシンタローの姿に頭がクラクラとした。
場所がどこかも忘れてスリスリしてしまいそうな、可愛さだ。
…シンちゃんそれは、反則だよ。

もっと育ってからと思っていたが、これでは押さえられそうもない。
自分はこんなにも愛しいシンちゃんを手放そうとしていたかと思うと、恐ろしさと愚かさに身震いする。
「しないよ。ハ゜ハ゜のママは一人だけ。もう二度としないよ。ハ゜ハ゜だけのシンちゃんだよ」
もう一度強くシンタローをマシ゛ックは抱きしめた。


「シンちゃん何食べたい?今日はなんでも我侭きいてあげるよ」
手をつなぎながら、ホテルを後にした帰り道
「なんでもいいの?」
くるくると表情を変えながら、う~んっと考え込む姿が可愛くてしょうがない。
「じゃあ……」
何か思い付いたのか立ち止まると、ちょいちょいと手で招く。どうやら、顔を近づけ
ろということらしい。
体を曲げるとシンタローの口元に耳を寄せた。
「ぼくね、ハ゜ハ゜だーいすきvだからハ゜ハ゜がいれば何にもいらないよ」
エヘなんて、首を傾げてはにかむなんて可愛くて、可愛くて…
「シンちゃん……」
感激に涙が滲むが、鼻血も垂れる…。
カ゛ハ゛ッっと抱きつこうとすると、体をかわされするりと抱きそこねた。
「あとね、今日は甘口のカレーがいいな。テ゛サ゛ートはフ゜リンねvV」
体を半回転させると、ね。っとタ゛メ押しのように満面の笑顔をみせた。

●おしまい●
穂積ホズミさまからのキリリクです。
子供時代のシンちゃんとハ゜ハ゜の甘甘っということでした。なんだか、爪が甘いという感じですが…。
初のショタ??なので、すごく新鮮でした。素直なシンちゃんは扱いやすいな~なんて思ったりして。
ハ゜ハ゜のシンちゃんに対する思いっぷりが伝わればいいなと思います。ハーレムは今回いい男ですね~。
実は人情に熱いいい男だと思ってます。
というか…まだコタローちゃん生まれてませんから、実はママ生きているんです。
ま、まあ…そこは目をつぶって下さい。

うっかりしてました…。

↓おまけ

epilogue。・。現在.・。

********************

「な~んて事があったよねぇ~」
「覚えてねぇ」
乱れたヘ゛ットの上に一糸纏わぬ姿で隣にいる男をシンタローは睨みつけた。
「離れろっ暑い」
「や~だ。離れないもん」
無理矢理まわした腕枕の空いてる腕で、シンタローに覆い被さるような形に巻きつく。
「おいっ!!……」
やめた。ここは大人しく納得するまで、ほっとくに限る。
「シンちゃん…ハ゜ハ゜話があるんだけど」

それが、人に話す時の態度か…。無視だ、無視。
「ハ゜ハ゜ね…再婚するんだ」

「はっ∑!???」
……このオヤシ゛、今なんといったιさ、再婚だと。
驚愕に開かれた目が、徐々に下がり凶悪な目に変わった。
「いいんじゃね~の。関係ない」
肘で押し返そうと、多いっきり押す、難なく腕ごと捕まえられた。
「妬いちゃったんだ~vかわゆいね~相変わらずv」
ふいと顔を背けると、離れろと言わんばかりに、殺気だったオーラーがでている。
「自分に焼餅やいちゃうなんて、まだまだ子供だね~」
……あ”!!!!
鈍器で叩かれたような衝撃とはこの事だ。
言った言葉が理解できずに、目をしばたかせた。
「今なんて言った?」
「まだまだ子供だね~かい?」
「その前だよっ」
「自分に焼餅?」
そうだよっと言わんばかりに、、マシ゛ックを押しのけると上半身のみ起き上がり、真意が分かりかねると、マシ゛ックの顔を凝視する。
「分からない?ハ゜ハ゜昔も言ったじゃないか。ハ゜ハ゜とシンちゃんのママは一人だけって」
「それが、なんで…!??」
ま、まさか…∑∑!?
いやぁ~な予感がする。汗が背中を伝うのがわかる。
「シンちゃん、ママの変わりになるって言ってくれたでしょうvそろそろいい頃かとおもって。再婚しようね、ね。シンちゃん」
「……死ね」
目の前の男を蹴っ飛ばすと、タオルケットを引っつかみ、くるまった。
ハ゛カ…エロシ゛シ゛イ…!!
びっくりさせやがって…。なんだよ…。一瞬本気にしちまったじゃねぇか。
なんだよ…。
口元が自然と緩むのが分かる。
正直ほっとした。でも、図に載せるのは癪なのでこの気持ちは絶対言わない。
「シンちゃん~。ハネムーンはどこにするぅ」
「離せ、うっとしぃ~!!」
ヘ゛タヘ゛タとタオルケットごと抱きしめてくるのを、肘でつっぱねると。と駄々をこねるように、唇を尖らせた親父の顔がちらりと見えた。

ざまーみろ。っとシンタローはタオルケットの中で舌をだした。

●おわり●

唐突に書きたくなって、書きなぐる様に書いてしまいました。


-酔って・酔わされ・乱されて-
-----------------------------------------------------

 日中の蒸すような暑さから解放されはじめ、青々とした木々が紅く色づき始めた頃、一台のリムジンが赴きある門の前に止まる。
「・・・たまには、休息も必要。ってな」
一人誰ともなく呟くと、リムジンからは赤い軍服に身を包んだシンタローが、門の前で悪戯に笑み浮かべた。

(たまには、ズル休みもありだろう)
面倒だった仕事もひと段落。さして急ぎの用などない、優秀な秘書たちなら大丈夫だろう。
とはいえ、今頃血相かいてるに違いはないか・・・。
眉をひそめて苦言を呈する従兄弟の顔がふと浮び、それを頭の隅に追いやるように手元のパンフレットをクルリと丸めると、黒いコートのポケットに押し込んだ。
「・・・せっかくの、紅葉を満喫しない手はないってね」

門の敷居を跨くと、目の前に見える純和風の木造二階建ての建物をに向かって歩を進める。
紅葉を見ながらの温泉を思うだけで心が浮き立ち、定着しつつある眉間のシワもなりを潜めた。

上機嫌に石畳を歩くと、旅館の戸に手をかけた。
「いらっしゃいませ」
従業員の声に、ペコリと軽く頭を下げて顔を上げると、広々とした玄関の向こにある囲炉裏端で旅館に似つかわしくない金髪が目に入った。
「・・・ん?・・・んん?」
何度か目を瞬かせると、シンタローに背を向けて囲炉裏端に座る、ピンクスーツ姿の男性の姿を凝視する。
ピンクスーツで、金髪・・・。
思い当たる奴が一人いる。が、認めたくない!
何より、奴が知っている筈が無い。ズル休みの計画は前々から立ててはいたが、この旅行を決めたのは昨日で、旅館を決めたのは今日の今日。
奴がわかるはずがない・・・。奴な筈がない。
「まさか、・・・まさか、な」
自分を納得させるように、一人腕を組んで頷くと頭を軽くふって、男のすかした顔を追い払った。
玄関を上がり、帳場で名前を確認してもらいながらも、その男が気になって仕方がない。
男の後ろを食い入るように見つめていると、帳場の従業員が口を開いた。
「お連れ様は先にいらっしゃってますよ」
その言葉にぎょっと目を見開いて従業員へと顔を向けると、同じタイミングで囲炉裏端から声がする。
(ま、まさか・・・・・・・・)
微かな望みを胸に、声のするほうに顔を向けると、
「シーンちゃん!遅かったね」
(・・・・・・っ!?)
予感が的中しつつも、予想だにしない人物の登場に、シンタローはこれ以上無いというほど目を見開いた。
「お、親父ぃっっっ!!!」
シンタローの声が帳場に響き渡った。

「なんで、親父がここに・・・」
「もう、水臭いなー旅行にいくならパパも誘ってくれればよかったのに。さては、後で私を呼び出してビックリさせる気だったんだね。いくつになっても可愛いんだから」
囲炉裏端から、帳場にいるシンタローの隣へと移動すると、唖然とするシンタローの顔を覗きこむ。
「なんで、あんたがここいるんだよっ!あ、盗聴器か!盗聴器だなっ」
そういうとバタバタとコートやらジャケットを調べる息子の姿に笑みを浮かべると、緩慢に首を左右に振る。
「違うよ・・・。シンちゃん口には出さないけど、今週に入ってカレンダーを見ては瞳を楽しそうに輝かせてたじゃない。自覚ない?」
あんな、あからさまにカレンダーみてれば何かある。って思うのが普通でしょ。
「じゃ、あいつらも・・・・・・」
その言葉に顔を一瞬にして紅くすると、口元に手をやった。
「ん、ああ・・・ティラミスたちかい?どうだろうね、ここにいるのは知らないだろうね」
マジックの説明を聞き終えると、シンタローは真っ赤に顔を染めていた顔を戻すとジャケットを羽織り、コートを脇に抱えてマジックに背を向けた。
「どこいくの?お部屋はあっちだよ」
玄関で靴を履こうをするシンタローの背中に向かって声をかけると、
「場所変える・・・」
不機嫌な声でシンタローがボソリと呟いた。
「ふーん、じゃあチョコレートロマンスに電話しちゃおうかな」
「卑怯だぞっ!!」
胸元から携帯電話を取り出すと、シンタローに見せ付けるように発信ボタンに手をやる。
それを言われると、出るに出て行くことの出来ないシンタローは無言でマジックを睨みつけた。
それを了承と得たのかシンタローとは対照的に、マジックは青い瞳を楽しそうに濡らすと余裕の笑みを浮かべて
「秘密なんだろう?いいじゃない、一人よりも二人の方が楽しみも二倍。料理も美味しいよ」
そういってシンタローの腕から、コートと鞄を抜き取ると、脇に抱えて離れへと向かう廊下を鼻歌まじりで歩きだした。

(お、俺のせっかくの計画が・・・。休日が・・・。)
秘書や従兄弟たちの目を掻い潜っての、一人旅が台無しとはあんまりだ。
「く、くそ親父ぃぃぃ~~~~ッ!!!!」
無一文の赤い軍服姿のシンタローの怒鳴り声が、山間の旅館に響き渡った。



*2005/10/01-UP * 日本酒の日 *
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 -酔って・酔わされ・乱されて-後半
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 「それでは、どうぞごゆっくり」
 次の間付きの離れには、旅館の温泉とは別に、専用の露天風呂と食事用の囲炉裏端の間があった。
 その囲炉裏端に料理を並べ終わると、仲居はゆっくりと一礼し部屋を出ていく。
「いいか、俺の邪魔はするなよ。仕方なく、いいか仕方なく、一緒にいるだけだからな・・・」
 部屋を別々にすることもできず、せっかくだからとマジックに唆されて温泉に湯あたりしかけるほどにつかっても、怒りはいっこう に収まらない。
 仲居が居なくなった事を確認すると、きっちり浴衣を着込みマジックとはL字になるようにして、板の間に胡坐をかいたシンタロ ーが口を開いた。
「邪魔って?」
 可笑しなぐらいに警戒するシンタローの姿を楽しそうに眺めて、マジックは口元を緩めながらお猪口に注いだ日本酒を口に運ぶ 。
「お前は空気みたいなもんだ。見るな・触るな・近寄るなだ!いいか、俺に変な真似すんなよ」
 ビシっと人差し指をマジックの鼻先に近づけると、自分も手元の酒を呷る。
「はは、私はバイ菌か何かかい?まぁいい・・・それより、シンちゃん」
「あんだよ」
(バイ菌のがマシだっ!そんな可愛いもんか!?核爆弾みたいな男がよく言うぜ)
マジックの傍らにある日本酒の一升瓶を奪うと、手酌で注ぎながらマジックを睨みつける。
「『美味しい日本酒の飲み方』に興味ない?」
「美味しい日本酒の飲み方だぁ?」
「そ、すごい美味しく飲めるんだって」
 ひどく嬉しそうな笑顔をシンタローに向けた。
 ファンクラブが見たら発狂しそうな笑顔も、シンタローからは『胡散臭い』の一言で・・・。マジックとは対照的に興味なさそうに酒 を呷る。
「やろうよ、シンちゃん。ね、ね?」
「どんな飲み方だよ?」
 小首を傾げて「お願い、お願い」と言い募るあたり・・・あのバカとそっくり・・・。と頭に浮かんだ従兄弟を思い浮かべて溜息をつ いた。
「それはシンちゃんが承諾しない限り厳しいね。なんせ日本古来から伝わる、文化的な飲み方だからね」
 いくらシンちゃんとはいえ、それはね~。っと、日本の侘び寂びだよ。っと言葉を続けシンタローをチラリと見やると、興味を示し たらしい息子の表情にほくそ笑んだ。
「ふん、くっだらねぇー」
 短く唸ると、酒を煽る。
と言いながらも、「それってどんな飲み方だよ」と眼に訴えてくるようなシンタローの動作に、
「一人ではちょっと試すのが難しいから、シンちゃんに助けてもらえると有難いんだがね・・・」
 急に真面目に顔を引き締めると、マジックはそっと呟き、シンタローの顔は見ずに彼の膝あたりに視線を置く。
 控えめな言い回しに、シンタローは多少ではあるがうろたえた。
 親父は------両目秘石眼で、世界は自分を中心に回っていると思っていて・・・。強引でエゴイストで、他人の話なんて耳を傾 けない変態野郎。おまけに世界征服なんて馬鹿なことを本気に成そうとして。昔の狂気は引退した今でも変わらない。
 そんな親父が、たかだか酒の飲み方で俺に頼みごと。
 
(悪い気はしねぇーよな・・・。)
「そ、そんなに言うなら、その日本酒の飲み方・・・付き合ってやってもいいぜ・・・」
シンタローの頬が微かにピンク色に染まる。
「どうしてもっって、いうからな」
ふんっと鼻を鳴らすも、どこか気恥ずかしくて誤魔化すように、酒を呷る。
「よかった!一人では試せないから、助かるよ」
到底一人では試せないから・・・ね。シンちゃんもまだまだ甘い・・・。
「じゃあ、さっそくはじめよっか。さ、さ、シンちゃん正座して」
「正座?」
 酒を飲むのに正座が必要?
 もっと何かあるのかと思いきや、「正座」ということに幾分拍子抜けをしつつ、マジックのいう通り正座にして浴衣の襟元に手を かけた。
「んで、正座の次は?手でも合わせんの?」
 軽く鼻で笑いながらシンタローがマジックを見やると、それからのマジックは早かった。
「な・・・にっ!」シンタローがマジックを突き飛ばすよりも早く、両手に持っていた帯で彼の背中に帯を回すと両二の腕の上を通り 胸元で帯を結ぶ
 シンタローが気づいた時には両腕は帯によって身動きが取れなくなっていた。が、それでも終わらない。
 彼が激昂してマジックの名を呼び終える時には、背中から床に押し倒されていて。
「ありがとう。こんな親孝行の子をもってパパは幸せ者だよ」そういうと、新たに帯を手にとって正座した状態のシンタローの腿か ら脛へと帯をくぐらせると左腿のあたりで固い結び目をつくった。
「どういうつもりだ・・・っ!騙しやがったな」
 まさに電光石火の早業で、体の自由を失われたシンタローが、ハメられた!?っと顔を真っ赤にして怒るも。
 そんなシンタローに優しく笑いかけると彼の艶やかな黒髪を弄ぶ。
「騙してなんかいないよ。手伝ってくれるといったのはシンタロー、お前だろう?」
 そう言いながら、強く睨み付けるシンタローの体を引き起こし元の正座に戻した。
「ふざけるな!」
 シンタローが吠えると、マジックは心外とばかりに、軽く肩を竦めた。
「ふざけてなんかないさ・・・。日本の伝統的な飲み方だよ。あぁ、とはいえ暴れられると面倒だから、ちょっと小細工はしたがね」
「シンちゃんがパンツはいて無くて助かったよ。替えのパンツ用意しなかったんだ。」と青い目を色濃くして、喉を震わせて笑うい ながらシンタローの下腹部の浴衣に手をかけると、肌を露にした。
「・・・・・・・・・っ!!」
 ずる休みを考えていたとはいえ、パンツのことまでは考えが回らなかった。なんとかなるだろう。っと思っていたし、まさかこんな 事態になるとは・・・。自分が恨めしい。
  眉間に皺を寄せて唸るシンタローをよそに、マジックは浴衣で拘束され下半身を露した息子の姿に鑑賞するように視線をゆっく りと動かすと、感嘆の息を漏らした。
「これが、日本の侘び寂びってものだね。心に響くものがある」
「馬鹿っ!心じゃなくて、股間だろうがっ!」
お門違いな突っ込みだな。っと言い終わって気づくも、目の前の男はそんなことお構いなしに、傍らの瓶に手をかけた。
嫌な予感に、冷たい汗がシンタローの背中を伝う。
「やめっ・・・ばか、その瓶って・・・栓をぬくなって」
不自由ながら、どうにか体を動かそうとして、腿をつかまれた。
「じっとしてなさい、手伝ってくれるんだろう」
そういって、シンタローの罵声を心地よく感じながら、閉じたシンタローの腿と腿の間と股間・・・三角形になった部分に日本酒を 注ぐ。



よっし!!次からいきますよー。あぁーすごい変態だよ凹
*2005/10/01-UP * 日本酒の日 *
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 終わりませんでし た。意外に終わらないぃー。でも楽しい!!
 そろそろ次のUPで終わると思います。
 珍しく、うちのシンちゃんが疑り 深い・・・学習能力がついてきたようです(笑)
 さぁーこれからが、楽しいところなのではりきって頑張りますー。
 仕事 の具合でどうなるか分かりませんが、がんばりまっす!!

  【この小説について】
 この小説は、「GATE」の蒼 野さんのチャットに参加させて頂いた時決まった企画。
 10月1日の『日本酒の日』にちなんだ、酔っぱらいマジシン企画で す。
 日本酒とマジシンは関係ないので、無理やりではありますが、マジシンがやりたかったんです(笑)
 今回は、バ ラではなくて10月にちなんで、一日限定TOPは紅葉です!!
 




* 縛っておいで。 *
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「なんだこれ?」
午後、会議を終えて執務室に戻ると、赤い糸が視界に入った。
執務机の横から、ドアに向かって毛の短い絨毯に、赤い糸がひかれている。
ドアに挟まっている状態から、それが分厚いドアの反対側までつながっていることが予想できた。

(・・・・・・午前中もあったか?)
執務机についた肩肘の手に額をのせると、その不自然なほど長い・・・故意にしたとしか思えない糸を眺めていると、そのシンタローの様子を、訝しく思ったのかティラミスから声がかかる。
シンタローは傍らに落ちている、糸の端をつかみあげると
「なあ、この赤い糸・・・朝からあったか?」
自分よりも早く出勤してる彼らがこれを、見逃すとも思えなくて、秘書に呼びかけた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
無言で秘書たちが顔を見合わせたかと思うと、ティラミスが控えめに口を開く。
「申し訳ありません・・・・・・どの糸のことでしょうか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・はぁ?これだよ、この糸だよ・・・お前等の横にも通ってるだろ」
手に摘まんだ糸を少し掲げて、強調しても困惑した瞳がかえってくるだけで、同意は得られない。
「・・・・・・見えないのか・・・・・・・・・?」
(マジかよ・・・。)
手元の赤い・・・なんの変哲もない綿の糸と秘書の顔に何度も視線を走らせると、今度はチョコレートロマンスが
「申し訳ありません」と深々と頭を下げる。
そして、体の不良の兆しとでも思ったのか、医者に診てもらってはどうかと促してきた。
そんな様子の彼らが嘘をついているとは、到底思えなくて・・・眉間によせた皺を濃くして糸を見つめる。
(俺にしか見えないってことか・・・・・・)
肘をついて、手に持った糸を掲げたり、透かしたりと四方八方から眺めても、それはなんの変哲もない綿の糸にしか見えない。
 仕事のし過ぎで、とうとう頭がイカレタか・・・。否、普通におかしいだろう・・・俺にしか見えないなんて、あんなに長く赤い糸があるとい うのに・・・。
絶対何かがあるはずだ。
自分にしか見えないのも、不思議だが・・・。この糸がどこまで続いているのか気になる・・・・・・・・・。
(よしっ!!)
すくりと立ち上がり、この元をさがすべく扉のむこうに向かって歩を進めると、予想した通り廊下までそれはつながっていた。


手元の糸を弄びながら、ゆっくとした足取りで長い廊下を歩いていっても、一向に糸の切れ目が見えない。
「・・・・・・・・・、まさか・・・・・・な」
方向的に「ある」部屋が思い浮かんで、一人頭を左右に振るとその考えてを打ち消した。
それでも、どんなに考えを否定しても、浮かぶのは核心・・・直感としかいいようがない。
・・・それが一番確実な考えのように思えるからだ・・・。
もし、その部屋に糸が入っているようだったら、扉はあけずに踵を返そう。
そうだ、それだけの話しだ。
もしもの時の対処を考えながら、ややうんざりとした気持ちで糸を追っていると、部屋の扉に挟まっているのが見えた。

「・・・・・・・・・!?」
その場所が、思っていた部屋でないことにほっ。と肩を撫で下ろす。
てっきり、マジックの執務室につながっているとばかり、思っていたシンタローは考えが外れた事に、ふっと唇を緩ませた。
確かにもう少しいった所にあるが、ここはマジックのそれとは違う。確か、使われてない部屋だったはずだ。
(こういう六感は外したこと無かったんだが・・・。)
それでも、自分の考えが外れたことが、嬉しいのかシンタローの表情はやや明るいものへと変わっていた。
「そうだよな・・・いくら、親父だからってこんな、暇なことするわけねぇか」
一人こぼすしても、まだ一抹の不安が拭えないでもないが、『この扉をあければ何かが、分かるかもしれない。』という思いがその思いを 押しやった。
ざわざわと心の浮き立ちにつのを感じながら、一つ深呼吸をすると、シンタローは部屋の扉を押し開けた。

「なんだぁー・・・・・これ」
何があるのだろうと、期待に扉を開けたシンタローを待っていたのは・・・・・・
人形だった。
部屋の中央に、椅子に乗せられたぬいぐるみが一つ。そのぬいぐるみの左手には赤い糸が巻きつけられていて、その左手からの糸をたどる と、自分の手の中にある赤い糸に行き着いた。
誰がこんな馬鹿げたことを・・・っと思ったが、その人形の容姿から、誰が作ったかなど考えなくても頭に浮かぶ。
「・・・・・・暇人」
ガクリとシンタローは頭を垂れた。

「暇人って・・・誰のことかな?」
耳元で囁かれる、背筋がゾクリと痺れるような低音に、シンタローはビクリと体を硬直させる。
それでも、呼吸を繰り返して、なんとか肺に空気をおくりこむと、ボソリと呟いた。
「本っっ当、暇な奴・・・何してんだよ」
「何って?」
わざと耳元に顔を寄せて囁くマジックに顔を背けて、肩を撫で不穏な動きをする男の手を払いのけた。
(本当、油断もすきもねぇ・・・・・・)
「このバカ気た糸と、あの間抜け面なテメェの人形だよ」
「赤い糸だろう」
「はぁ?・・・・・・だから?」
振り向くもの億劫で、日本語分かってんのかテメェ?っと苛々とした口調で問いただすも、相手はいたってマイペースで気にも留めないよ うだ。
「だから?赤い糸だろう。運命の赤い糸って言うじゃないか。シンちゃんの運命の相手は私ってことだよ。宿命ともいうがね・・・。面白い だろう?」
「・・・・・・・・・・・・」
呆れて言葉も出ない。バカだ、こいつは本物のバカ野郎だ。
こんなバカの茶番にまんまと引っかかる俺もバカだ・・・。とはいえ、気にかかる点が何点かある・・・
「これ、特殊な糸か?」
「そう見えるかい?普通の綿の糸だよ。・・・あ~、自分しか見えないって信じたんだ! シンちゃんかっわいーvv」
「・・・・・・・・・!?」
『こいつ、殺す!!!ぶっ殺す』っと心に決めたかは定かでないが、マジックの言葉にシンタローから発せられる温度が急激に冷えたのは 言うまでもなく、体が怒りで微かに震えている。
「くそっ、わざわざあいつ等まで丸めこみやがって・・・・・・」
親父への怒りも去ることながら、秘書たちにまんまとくわされたことも、腹だたしい。
「ふふ、元は誰の秘書だったのかな?とはいえ、見える糸を見えないようにと頼むのには、少々骨が折れたかな。あれで、かなり忠誠心が 高いのだよ。ゆとりのない総帥生活に潤いを・・・午後休ませてくれっと提案したら、渋々承諾してくれよ。お前が日々忙しいのは事実だか らね」
「・・・・・・・・・どけよ」
怒りでどうにかなりそうだ、視線は床に置いたまま、マジックを押しのけようと体を反転させてようとして、逆にマジックに密着すること となった。
「誤解してないかい?これは、遊びだよ、ミニイベントみたいなものだ。 休めといくら言っても、休まないお前に私と彼らからのプレゼ ントみたいなものだよ」
体を離そうとするのに、いつのまにか抜きとったのか、最初から準備していたのか、マジックの皮のベルトが背中を通り、中へ引き込まれ ている。
両端を掴み、強く引かれると否応にでも、背中に回ったベルトに押されて、男と密着せざるおえない。
「怒ってる?でも、楽しかっただろう。扉をあける時なんて、楽しそうに頬を高揚させて・・・とても可愛かったよ」
「うるせぇ・・・その手を離せ」
確かに、楽しくなかったというには、嘘がある。この先に何があるのだろう。っと思うと想像が広がった。
秘書のことも、思い返せばチョコレートロマンスが、「申し訳ありません」っと何度も頭を深々と下げていた気もする。
腹が立つのは、まんまと引っかかる自分のまぬけさにだ。
薄々感じて頂けに、余計に腹立たしい。
「あーでもしないと、私の元には来てくれないだろう。私の部屋からだと分かったら、お前は背を向けて部屋に戻っただろうね」
「・・・・・・背を向けられる原因は、てめぇだろうがっ」
声を荒げるも、近すぎる距離にマジックのコロンが鼻腔をかすめる。その香りと背中に回ったベルトが下におりていく動きに、肌が粟だっ た。
耳元で、囁かれる甘いバリトンに、怒声さえも上擦ってしまいそうで、シンタローはぐっと唇を噛み締めた。
「怒ってる?騙すようなことして、ごめんね」
紳士な言葉なはずなのに、この男が発すると淫靡な響きを持つとしか感じられない。熱い息を吹き込まれるだけで、体の震えが止まらなく なる。
「怒ってねぇから・・・離してくれ」
どうにか、離れたくて・・・怒ってないと顔を左右に振ると、やんわりとマジックの肩口に手を置くと力をこめた。
「だめ、離さないよ。糸なんて生ぬるい・・・とりあえずと、この赤いベルトを使ってみたが・・・お前を繋げておくには、何がいいんだろうね 」
そういって、尾てい骨あたりで留まっていたベルトを、尻のあたりまでまわると締め付けるように、力をこめた。
「ん・・・くるし・・・よせっ」
不自然な姿勢に、呼吸するのも精一杯だ。そして、気のせいだと思いたい、下半身にあたる男の昂ぶり。
それが何か分かって、シンタローは顔を赤く染めるとマジックを睨みつけた。
「変態っ・・・・・・」
「今更だろう?せっかく、午後が自由になったんだ、今日はこれで愉しもうじゃないか。・・・それとも、シンちゃんがパパを縛ってみる? 」
絶句する息子が何か言おうとする前に、マジックは素早く口唇を塞いだ。


                                        - EnD -

*2005/09/04 * 赤い糸(シンちゃんとパパンの真ん中で) *

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 ↑すみません!!
  実はちゃんと、9月4日の日付が変わるとともに、UPする予定だったんです。
  が、その・・・3日に朝からちょっと打ち合わせがありまして・・・
  午後は、ちょっとした打ち上げがあったものですから。
  予定がずれてしまいまして、4日にあわてて作業にとりかかりました。
  ネタは決まってたはずなのに、書いてみるとなかなか思うようにいかないんですねぇ。
  改めて痛感しました。。。前はもっとサラサラ書けたハズなのになぁ。
  とはいえ、1日で作った突貫作業です(笑)
  これって、赤い糸?っと突っ込みを頂きそうですが、パパなら赤い糸といより、鎖とか鞭が似合うと思うんです。
  絶対逃がさない!といいますか・・・(笑)
  実は、続きもあったりするので、落ち着いたら書きたいです。
  少しでも、楽しんで頂けたらならば、幸いです。
  ご来読ありがとうございました。                   幸央
  
【この小説について】
 この小説は、「GATE」の蒼野さんのチャットで発案された企画です。
 シンちゃんとパパンの誕生日の間をとっての、9月4日に「赤い糸」をテーマに何かしましょうー。
 前回は紫だったので、今回はピンクのバラを限定TOPに。ということです。
 (ですよね・・・。あってます?)
 実は、私はその場にいなかったのですが、前回の企画楽しかったねー。っと呟いたおかげ様で、お誘い頂きました。
 そして、図々しくもやらせて頂いたというわけです。図々しくて申し訳ない
 お誘いの言葉を下さって、どうもありがとうございます!!感謝、感謝ですー。
 こんな、前の企画も終わってない私に・・・うっう・・・。目から鼻水が・・・。
 本当に、ありがとうございます。
 いつも助けられてばっかりです。

 今回は、ちゃんとできた。・・・ほっ。
 
 



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