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パパお見合いする!?

「シンちゃんただいま~」
遠征から戻ると、仕事もそこそこに、マシ゛ックはシンタローのいる家へと向かう。

母親がいなくとも、すくすくと育つ一人息子のシンタローの成長のみが、マシ゛ックの生きがいだ。目に入れても痛くないくらい、むしろもうちょっと育ったら食べちゃおうかなぁっと計画しているぐらいに、可愛くて仕方がない。

予定よりも、早く遠征先から戻ってきた。仕事は多忙を極めるが、あの子が待っていると思うと、頑張れる。
もう、親子の感情からはとうに離れていると、自身も自覚している。
「シンちゃん?ハ゜ハ゜だよ」
部屋に入るといつも、抱きついて迎えてくれるはずのシンタローが今回は反応がない。
あれ?…あ!今回は1週間と長かったから拗ねちゃったのかな?

もう本当に可愛いんだからっvとテ゛レテ゛レと顔を緩ませながら、シンタローを探すとソファーに膝をかかえてうずくまる息子の姿あった。
「シンちゃん??どうしたの?どこか痛いの?」
オロオロと息子に近づくと、下から覗きこむように床に膝をつく。よく見ると、かすり傷らしきものが、シンタローの顔や手足に見える。
もしや悪いお兄さんにいたずらされちゃったとか!!誰にいじめられたとか?
何かされちゃったんじゃ!?なんて想像するだけで怒りがこみあげ八つ裂きにしてくれるっと、殺気をだつ。が…、冷静に考えると服は破けてるわけでもないので、それは違う。
そうすると…考えられるのは…。
「ケンカしたの?」
そっと、頭に手を置くとヒ゛クッと体が反応を返した。その反応にやはり、誰かに…!?
と悪い思いもかすめるが…。

「…だって…だって…」
叱られると思ったのだろう、涙ぐみながらようやく顔をあげた。久しぶりに見る我が子の姿に愛おしさがこみ上げてくる。
おもっきりスリスリしたいが、が!!ここは我慢、我慢。
エク゛エク゛とえづくシンタローの身体を抱えると自分の膝に座らせる。頭を撫でながらなだめると、たどたどしくだが、ケンカの理由を話しだした。

事のいきさつはこうだ。


「シンタローのハ゜ハ゜ってかっこいいよなぁ。」
学校の帰り道、友達数人と歩いていると、そんな事を言われた。
(だって、ぼくのハ゜ハ゜だもん。かっこいいに決まってるよ。)
えっへん。とはにかみながらも、アタリ前じゃんと答えるシンタロー。

もう小学2年生にもなる男の子が、父親を自慢しすぎるのも、ちょっと可笑しな話しがあるかもと思うかもしれないが、早くに母親を亡くして、父と子の2人で暮らしていればそうなるのは自然なことかもしれない。

「うちのママがシンタローのハ゜ハ゜なら再婚したいっていってたよ」
「…再婚?」
きょっとんっとした顔で、シンタローが首を傾げると、友達はシンタローが再婚という言葉を知らないと思ったのだろう。事細かに、親とテレヒ゛で知った情報を話し出す。
(ハ゜ハ゜がもう一度結婚する??)
「絶対!!無い!ありえないよ」
シンタローはムーっと頬を膨らませた。
「なんで??」
「なんでって、ハ゜ハ゜いつも、シンタローがいればいいって言ってるもん」
自信満々に答えるシンタローに友達の一人が、
「でも、おまえ子供じゃん。シンタローのハ゜ハ゜まだ若いし恋人ぐらいいるんじゃない」
一人がそういうと、口々にそうだ、そうだ。と同意の声やあまつさえ、遊んでそう!などの言葉も飛び交った。
その言葉に我慢できなかったシンタローが、キレて手を出した結果、ケンカになったということだ。

「なるほどねぇ~」
事情を聞き終えたマシ゛ックが、膝の上のシンタローをぎゅっと抱きしめる。
「起こらないの??」
漆黒の瞳を涙で濡らしながら、小首を傾けるとマシ゛ックの方へ顔だけ向ける。

「ケンカはよくないことだよ。でも、ハ゜ハ゜の為に怒ってくれたんでしょ」
「…だって、ハ゜ハ゜が再婚するなんて言うから…」
思い出したのか、ぐすぐすと鼻をすすり、マシ゛ックに抱き着いた。
「シンちゃんは、新しいママが来るのは反対?」
「…わかんない」
確かに、ママがいたらいいな。って思うことはある。一人の夜は寂しくて、寂しくて…。ママがいたらいいのにって思うけど…。
でも、ハ゜ハ゜がぼくだけのハ゜ハ゜じゃなくなるのは…。考えると涙が止まらない…。
それを見られなくて、顔をきつくマシ゛ックに摺り寄せた。

そんなしぐさをマシ゛ックはどう受け取ったのか、複雑そうに顔を歪めるとシンタローをきつく抱きしめる。
…シンちゃん…ママ欲しいのかな。

背中を撫でてやると、しばらくして泣き付かれたのか、クークーと寝息をたてシンタローは眠りについてしまった。
「……ママ…か…」
やっぱり必要かな? 寂しいか…当たり前だな。まだシンタローは幼いんだから。最近のシンタローは母親のいる親子連れを見るとどこか、寂しそうなまぶしそうな顔をする。父親だけじゃ無理なのか…。仕事も忙しさを増している、だんだんと昔ほど一
緒にいられる時間が減ってきた。
それを察してか最近はあまりわがままを言わなくなった。
シンタローの為に再婚を考える時期が来たのかもしれないな…シンタローを強く抱きしめながら、しみじみと母親の存在を考えた。

********************

「ん、なんだこれ?」
遠征の報告の為にマシ゛ックの元を訪れていたハーレムは、机の上に書類とは違う、厚い封筒のようなものが大量に積み重ねられているのに気付いた。
「ああ、それか…」
ハーレムの視線に気付いたのか、大きなため息をつくと、一つをハーレムに投げ渡す。
「なんだ~ぁ!兄貴見合いでもすんのか」
他のを手にとってみても、全部いかにもな、お見合い写真ばかり…。
シンタローへの溺愛ぶりを見ていると、どうにも信じられず何かの冗談だと言わんばかりにニヤニヤと笑みをこぼす。
何も返さないマシ゛ックの様子に驚き手元の写真と兄貴を交互に見比べた。
「マシ゛かよ…。シンタローは知ってんのかよ?」
ハーレムの言葉にぴたっと仕事の手を止めると、顔はあげずに苦々しくため息をついた。
「まだ…言ってない」
「言ってないって…いつ会うんだよ」
どうみても手がつかずの見合い写真を睨みながら、ハーレムが問いかけた。
「今週らしいな…子供好きらしいぞ」
「らしいって…いいのかよ、シンタローはどうすんだよ」
見合いなどありえないと、のんきに構えていたが、シンタローが知っていないとすると、傷つくのは目に見えている。
普段泣かせたりしているが、可愛い甥っ子だ。悲しむ顔は見たくない。
兄貴にべったりのシンタローが知れば、傷つくのは目に見えている。
兄貴だって分かってるハス゛じゃないのかよ…。
どこか人事の様に振舞う態度に我慢ができず声を荒げた。
「兄貴っっ!!」
マシ゛ックに詰め寄ると、手に持っていた書類を奪い、肩を荒々しく掴んだ。

「シンタローの為だよ…」
そうされても、顔色を変えずに淡々と声をだした。やんわりとハーレムの腕を外すと立ち上がった。
「私はシンタローの為なら…シンタローが寂しい思いをしないですむなら…したくない再婚だってするよ」

真意なマシ゛ックの言葉に、ハーレムは言葉をなくすが、声を震わせながら絞り出した。
「シンタローが言ったのか…」悲痛な面持ちで首よ左右にふるマシ゛ックをみると、ハーレムはそれ以上言葉を続けることができなかった。
ハーレムが出て行くとマシ゛ックはイスに深く座りなおし、卓上に置いてあるシンタローの写真を手に取った。
今ならまだ戻れるかもしれない…。自分のシンタローへの思いは父親の持つ感情なんかじゃない。
いつかその思いがシンタローを傷つけることになる。
それなら、早いうちに手を打ったほういい。
再婚相手に愛情なんか沸くわけが無い。
相手には可哀想だが、シンタローの為ならそれぐらいなんともない。
これは、シンタローの為でもあるが自分の為でもある。
シンタローを自分の欲望で彼を傷つけて拒絶されたら…生きていけない。
それこそシンタローに何をしてしまうか分からないし、凶暴な感情を押さえられるとは思ってない。
今ならまだ家族ごっこだって演じられる。深く息を吸い込むとゆっくりと目を閉じた。

********************

「ハ゜ハ゜…出かけるの?」
シンタローはもそもそと起き上がると、顔を洗いマシ゛ックのいる部屋へ向かった。
日曜だというのに、スーツを着込む父親に話しかけた。いつもの赤いスーツじゃないから、仕事ではない気がする。
それに自分の顔を見て一瞬なんとも気まずいような顔をした。
それは一瞬だったから、気のせいだと思ったけど…どこか普段のハ゜ハ゜とは違うような気がする。
「シンちゃんおはよー。今日は早いね~。ハ゜ハ゜ちょっと…出かけてくるから、待っててね」
「…何時に帰ってくるの?」
日曜だけがハ゜ハ゜を独り占めできる日だ、どんなに忙しくても日曜だけは一日中一緒にいてくれたのに…。
たまに無理な日があっても前の日に言ってくれたし、戻りの時間を伝えてくれたのに、今日のことは何も聞かせれていない。
「午後には戻るから、そしたら一緒にでかけよう」
どこかいつものハ゜ハ゜とは違う気がする…どこかとは言えないが違和感を感じた。
なんだかむしょうに寂しくて、マシ゛ックに抱きついた。
「シンちゃん?」
抱き上げえるとよしよし、背中を撫でる。
「僕も行っちゃだめなの?」
「…今日は…」
シンタローには結局言えずに今日がきた。行ってから言うべきか迷っていたが、何かを感じたのだろうか…。
いつまでも逃げれるものだとは思わない。

「シンタローいいかい?」
「なに?」
不思議そうに首を傾げるしぐさに、どうにも言い出すことができない。
それでも…大きく息を吸うとシンタローの目をまっすぐに見つめる。
「シンちゃんのママになるかもしれない人と会うんだよ」
「え……」
何を言われたから理解できないのだろう、大きな漆黒の瞳を見開いた。
「今日、連れてくるから一緒にご飯食べよ、。午後には帰って来るから、それまでに準備しておくんだよ」
着ておくものは出しておくからを付け加えると、シンタローを下ろし、部屋から出て行った。
シンタローは、なんと言っていいか分からずに、ただそ佇んでいた。
じゃあね、と強く自分を抱きしめると、そのままハ゜ハ゜は行ってしまった。
どうにもうまく考えれなくて、それでも落ち着こうと水飲みにいくと、台所には朝食の支度が整っていた。
テーフ゛ルにつくとマシ゛ックの作ってくれたハ゜ンケーキとオレンシ゛シ゛ュース、果物…ぼんやりと見つめていた。
「おいしい…」
一口食べるとぽつりと呟いた。
それはいつもの味なのに、おいしいとは思うのに進まない。やっとの思いで飲み込むとフォークをおいた。
なんで?なんで?僕のママになる人?それって、急に何日か前に友達言われた”再婚”という言葉を思い出した。
そんな、僕だけがいればいいって言ったのに…。
なんで、なんで?
…疑問しか浮かばない。
僕が我侭ばっかりいうから?もう嫌になっちゃのかなぁ。
ママが欲しいって思ったから。ママがいれば寂しくないって思ったから。
「ハ゜ハ゜…戻ってきてよ」
どうすることもできずにただ、冷め切ってしまったハ゜ンケーキを見つめるしかなかった。
「お~くそカ゛キなにしてんだ」
どこから入ったのか、ハーレムがシンタローの横にたっていた。
「おじさん…」
このハーレムには泣き顔を見られたくなくて、ぐいっと袖で涙を拭くと、気丈に睨みつけた。
「いつ入ってきたんよっ」
勝手にはいってくんなとばかりに、イスから降りるとハーレムの身体をク゛イク゛イと押し返す。
そんなシンタローの姿に苦笑する。甘ったれの根性なしのくせに、無理しやがって。
兄貴は今日話したのか、殆ど手がついていない食事と泣きはらしたようなシンタローの様子でそう思った。
「マシ゛ック兄貴は?」
どこに言ったか知っていながら、とぼけて問いかけた。ヒ゛クっとシンタローの身体が強張り、震えているのがのが分かる。
ハ゛カ兄貴…。
こんな思いさせて、何がシンタローの為だよ。
マシ゛ックのシンタローへの溺愛ぶりは、親子のものを通り越していた。
どんな感情を抱いているかもウスウスは感じていた。
この見合いはシンタローの為でもあるかもしれないが、自分の感情を止めるためにした事なのだと感じることができた。
奥歯を噛み締めると、シンタローと同じ目線になるように腰を下ろした。

「場所しってるから、連れて行ってやろうか?」
潤んだ瞳が動揺に揺れる。追いかけたいが、迷惑をかけるのではと訴えている。
シンタローがここで追いかければ、兄貴は二度とシンタローを手放すような真似はしないだろう。
シンタローのことを思えば自分の発言が誤りなのかもしれない。
が…こんなシンタローの姿をみるならそうしたほうがいい。
「お前納得いかねぇんだろ?」
こくりとシンタローが頷いた。
「だから、オレ様が兄貴のとこまで連れていってやろうって言ってるだよ」
「でも…」
おどおどと視線を泳がせた。そんなことをして嫌われたら…自分を邪魔にしたらと思うと、素直に行きたいとは言えなかった。

「ったく。相変わらず、情けねえな。いいか、お前のハ゜ハ゜に会いたいか、会いたくないかのどちらかだ」
ここで、自分がシンタローに兄貴の思いを言うことが簡単だ。だがそれでは、今後兄貴の思いにシンタローが潰されるのは見えている。
シンタローに選択させなければ、兄貴のしたことは水の泡だ。
「いいのか、このまま再婚しても?兄貴のことだ今日連れてくるぜ」
「いやだ!!」
とっさに言葉がでた。そういえば、さっきハ゜ハ゜はなんと言った?
『今日、連れてくるから一緒にご飯食べよ、。午後には帰って来るから、それまでに準備しておくんだよ』って言ってなかっただろうか…。
嫌だ、誰にも渡したくない。ハ゜ハ゜が自分よりその人を選んだとしても、このまま待っているのは嫌だ。
「行く、僕ハ゜ハ゜のところに行きたい」
「いいのか?帰れって言われるかもしれないぜ」
しっかりとハーレムの目を見ながら、覚悟を決めたように強く頷いた。

********************

まいったな…。マシ゛ックはにこやかに笑いながら相手をみた。悪くはない、美人そうだし性格もよさそうだ。だか…まったくなんの感情も沸かない。ぼんやりと霧がかったように、相手の顔が入らない。
だから写真を思い出した。たしか美人そうだったな…と。
今浮かぶのはシンタローの姿だ。今朝はびっくりしたように目を見開いて、必死に訴えかけていた。
抱きしめて冗談だよ。っと安心させてやればよかった、今頃泣いてるに違いない。
シンタローを思い出すたびに胸が締め付けられたように痛くなる。
テーフ゛ルの向こうの女性は必死に会話をつなげようと話しかけてくるが、ただなんとなく相槌をうつばかりで、右から左へと声が素通りする。
思うのは愛しいシンちゃんの事だけだ。シンタローと自分のためにと思ったが、ここへきて自分の思い違いにようやく気付いた。
再婚なんかしても、自分のシンタローへの思いを止めることはできない。いつかシンタローを泣かせて傷つけてしまうかもしれない。
それでもいい。私がシンタローを愛している。手放すことなんかできない。手放すものか。
そう思えば後はそうそうに切り上げて、シンちゃんの元に帰るだけ。
心配させちゃったから、思いっきり抱きしめて、すりすりして。今日はシンちゃんの好きなカレーを作って、いや…どこか好きなところに連れて行ってあげよう。
決まれば長いは無用とばかりに、マシ゛ックは断るために口を開いたが、
………!?
今、シンちゃんの声が…まさかね。場所は伝えていない。それにシンタローが追いかけてくるとは、思えない。
とうとう脳までシンちゃんに侵されたかな?クスっと苦笑いした。
「ハ゜ハ゜!!」
シンタローは連れてきてもらったホテルで、最上階へのお店へと急いだ。
店員が不思議そうに自分を見るが、そんなの気になんかならない。逸る気持ちを抑えながら、見回すとカ゛ラス張りのような個室の中にいるマシ゛ックの姿がみえた。
向かいの相手の人は、すごくキレイで清楚な感じの人だった。
ハ゜ハ゜とお似合いだと思った。そう認識した途端、なんともいえない苦い気持ちがして、苦しくて…気付いたら叫んでいた。
叫んでも自分に気付かないのか、シンタローは走りながらまた叫んだ。
「………シンタロー……」
個室の扉を開ける音に、視線を向けるとそこにいる、わが子に驚きを隠せなかった。
イスから立ち上がると、シンタローの元に急いだ。
「シンちゃんどうしたの?」
佇むシンタローの両肩を掴むと目線を同じ高さ下ろした。
「………」
ぐっと唇を噛み締めると決意したように口を開いた。
「もう、ママが欲しいって思わない。我侭も言わない。ハ゜ハ゜が仕事で忙しいのも我慢
するから、…最後に一個だけ我侭きいて」
目を潤ませながら、マシ゛ックの顔を見られずに下を向いた。
「お願い。お見合いしないで!!」
マシ゛ックの袖を掴むと抱きついた。
「ハ゜ハ゜の言うことなんでも聞く。ヒ゜ーマンも食べるし好き嫌いしないから、僕だけの
ハ゜ハ゜でいて。僕がママの代わりになるから」
お願い再婚しないでと、泣きながらマシ゛ックにしがみついた。
「シンちゃん………」
顔をのぞきこもうと、シンタローの腕に手を外そうとすると、離れることを嫌がるよ
うにイヤイヤと首を振る。
振るたびに涙の粒がこぼれて…その姿があまりにも健気で、愛しさに胸が締め付けられる。
「シンちゃんごめんね。ハ゜ハ゜が悪かったよ」
ぎゅうっとシンタローの身体を抱き寄せた。
「…っ…さ…再婚しない?」
上目遣いに見つめてくるシンタローの姿に頭がクラクラとした。
場所がどこかも忘れてスリスリしてしまいそうな、可愛さだ。
…シンちゃんそれは、反則だよ。

もっと育ってからと思っていたが、これでは押さえられそうもない。
自分はこんなにも愛しいシンちゃんを手放そうとしていたかと思うと、恐ろしさと愚かさに身震いする。
「しないよ。ハ゜ハ゜のママは一人だけ。もう二度としないよ。ハ゜ハ゜だけのシンちゃんだよ」
もう一度強くシンタローをマシ゛ックは抱きしめた。


「シンちゃん何食べたい?今日はなんでも我侭きいてあげるよ」
手をつなぎながら、ホテルを後にした帰り道
「なんでもいいの?」
くるくると表情を変えながら、う~んっと考え込む姿が可愛くてしょうがない。
「じゃあ……」
何か思い付いたのか立ち止まると、ちょいちょいと手で招く。どうやら、顔を近づけ
ろということらしい。
体を曲げるとシンタローの口元に耳を寄せた。
「ぼくね、ハ゜ハ゜だーいすきvだからハ゜ハ゜がいれば何にもいらないよ」
エヘなんて、首を傾げてはにかむなんて可愛くて、可愛くて…
「シンちゃん……」
感激に涙が滲むが、鼻血も垂れる…。
カ゛ハ゛ッっと抱きつこうとすると、体をかわされするりと抱きそこねた。
「あとね、今日は甘口のカレーがいいな。テ゛サ゛ートはフ゜リンねvV」
体を半回転させると、ね。っとタ゛メ押しのように満面の笑顔をみせた。

●おしまい●
穂積ホズミさまからのキリリクです。
子供時代のシンちゃんとハ゜ハ゜の甘甘っということでした。なんだか、爪が甘いという感じですが…。
初のショタ??なので、すごく新鮮でした。素直なシンちゃんは扱いやすいな~なんて思ったりして。
ハ゜ハ゜のシンちゃんに対する思いっぷりが伝わればいいなと思います。ハーレムは今回いい男ですね~。
実は人情に熱いいい男だと思ってます。
というか…まだコタローちゃん生まれてませんから、実はママ生きているんです。
ま、まあ…そこは目をつぶって下さい。

うっかりしてました…。

↓おまけ

epilogue。・。現在.・。

********************

「な~んて事があったよねぇ~」
「覚えてねぇ」
乱れたヘ゛ットの上に一糸纏わぬ姿で隣にいる男をシンタローは睨みつけた。
「離れろっ暑い」
「や~だ。離れないもん」
無理矢理まわした腕枕の空いてる腕で、シンタローに覆い被さるような形に巻きつく。
「おいっ!!……」
やめた。ここは大人しく納得するまで、ほっとくに限る。
「シンちゃん…ハ゜ハ゜話があるんだけど」

それが、人に話す時の態度か…。無視だ、無視。
「ハ゜ハ゜ね…再婚するんだ」

「はっ∑!???」
……このオヤシ゛、今なんといったιさ、再婚だと。
驚愕に開かれた目が、徐々に下がり凶悪な目に変わった。
「いいんじゃね~の。関係ない」
肘で押し返そうと、多いっきり押す、難なく腕ごと捕まえられた。
「妬いちゃったんだ~vかわゆいね~相変わらずv」
ふいと顔を背けると、離れろと言わんばかりに、殺気だったオーラーがでている。
「自分に焼餅やいちゃうなんて、まだまだ子供だね~」
……あ”!!!!
鈍器で叩かれたような衝撃とはこの事だ。
言った言葉が理解できずに、目をしばたかせた。
「今なんて言った?」
「まだまだ子供だね~かい?」
「その前だよっ」
「自分に焼餅?」
そうだよっと言わんばかりに、、マシ゛ックを押しのけると上半身のみ起き上がり、真意が分かりかねると、マシ゛ックの顔を凝視する。
「分からない?ハ゜ハ゜昔も言ったじゃないか。ハ゜ハ゜とシンちゃんのママは一人だけって」
「それが、なんで…!??」
ま、まさか…∑∑!?
いやぁ~な予感がする。汗が背中を伝うのがわかる。
「シンちゃん、ママの変わりになるって言ってくれたでしょうvそろそろいい頃かとおもって。再婚しようね、ね。シンちゃん」
「……死ね」
目の前の男を蹴っ飛ばすと、タオルケットを引っつかみ、くるまった。
ハ゛カ…エロシ゛シ゛イ…!!
びっくりさせやがって…。なんだよ…。一瞬本気にしちまったじゃねぇか。
なんだよ…。
口元が自然と緩むのが分かる。
正直ほっとした。でも、図に載せるのは癪なのでこの気持ちは絶対言わない。
「シンちゃん~。ハネムーンはどこにするぅ」
「離せ、うっとしぃ~!!」
ヘ゛タヘ゛タとタオルケットごと抱きしめてくるのを、肘でつっぱねると。と駄々をこねるように、唇を尖らせた親父の顔がちらりと見えた。

ざまーみろ。っとシンタローはタオルケットの中で舌をだした。

●おわり●

唐突に書きたくなって、書きなぐる様に書いてしまいました。


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