ニュ-イヤ-★ランデブ-
『新妻』生まれた時から・・・途中家出を経験したものの一緒にいるので新妻といえるかは別として、無事(?)結婚して一応新妻という位置に落ち着いた。
現在のガンマ団総帥であり、前総帥の『奥さん』という肩書きをも得たシンタロー。
本人は、はなはだ納得いかないという感じだが、シンタローのハートを射止めた『旦那様』のマジックは積年の思いを叶えたとばかりに笑顔が耐えない。
全く対照的な夫婦。
どうやって結婚までこじつけたかは、別の話として今日はそんな二入が結婚して初めての新年というわけで・・・。
さぞや甘い空気が漂っているかと思いきや・・・
「おい!起きろよ、起きろってば・・・ッ」
前日は夜遅くまで新年を祝い・・・少し羽目を外して、もちろん年越しの夫婦の営みもしちゃったりしてと、シンっと静まる朝の空気にはそんなけだるさが残っている。
そんな朝と言うにはやや遅く、針が9時半をさそうかというころ・・・新年のおめでたさとは少々かけ離れた。
ましてや結婚してから数ヶ月・・・初めての新年を迎える夫婦のというには、おせじにも蜜月とは言いがたい新妻の声が寝室に響いていた。
「起きろよ!!おいっ!!起きろ~~~っ」
パジャマから、黒のパンツとベージュのインナーに着替えたシンタローがキングサイズのベットで眠るマジックの上に跨って、身体を上下左右に揺さぶっても全く起きる気配ない。耳を引っ張って耳元で大声を張り上げてもピクリとも動かない。
そんなマジックの姿に焦れると、おもむろにベットから降りて黒のハーフコートに手をかけながら、最後通達だというように口を開いた。
「今日、福袋買いに行くって、行きたいって前から俺が言ってただろ!!その後、映画と初詣に行くって言ったのは、テメェじゃねぇか。もう知らねぇからな、俺一人で行ってくるから!!映画だって一人でみてやる!!」
それでも、全く起きるない。動いたかと思えば、のんきに寝返りをしたりして・・・
「だから、昨日言ったじゃねぇか!!」
クソっと床に落ちていたクッションを拾い上げると、ベットに横になっているマジックに向かって投げつけた。
柔らかいそれは、目標物にぶつかっても“ぼすっ”とした音しかしなくて、大したダメージにはなっていない。
ドアに手をかけて、起き上がらない男に一瞥するとドアをあけたまま、シンタローは出て行ってしまった。
シンタローがドアを閉め、機嫌を表しているような騒々しい足音がしたかと思うと、これまた派手な音を立てて玄関のドアがしまった。
そのドアが閉まると同時に、寝室ではムクリと起き上がる人影が・・・先ほどどんなにシンタローが起こしても動かなかったマジックがベットの上で身を起こしていた。
チラリとドアに向けると不適な笑みを浮かべて、床に足をおろした。
「チっ、クソ!!バカ野郎っ」
怒り心頭、激昂とはまさにこのこと、街を行きかう人々が思わず振り向いてしまう程に、シンタローは怒りを露にしている。
今、血相かいて後から追いかけてきたら、眼魔砲1発に(もちろん至近距離)、初詣で最前列につくまで一人で並ばせるだけで許してやろうかな。っと思ってたのに・・・来やしねぇ!!
立ち止まって振り返るも、派手な赤いマジックの車も、マジックが走って現れる気配も全くない。
「映画観たいって言ったクセに・・・」
チッっと短く舌を打って、足元の小石を蹴り飛ばすと前に向き直って歩を進めた。
『シンちゃん』
大掃除も終わって、さぁ~これからおせちに取り掛かろうかと、シンタローが重箱を出していると、ダイニングテーブルで昆布巻きに勤しんでいたマジックが話かけた。
『なんだよ』
一端、手を休めてマジックを見れば、終了っ言うように巻き上がった混布の鍋をもってキッチンに移動しながら、唐突に
『映画、観にいこっか』
と笑みを浮かべてシンタローを見た。
『はッ!!?』
今の現状分かってんのか?おせちはどうすんだよっといわんばかりにジロリと睨みつけると、相変わらずの笑みを浮かべて言葉を続ける。
『ほら、仕事ばかりで昔みたいに、特別にどこかに出かけたってこと無いだろう?たまには普通のカップルみたいにデートもいいじゃない』
除夜の鐘を聞いて、近くの神社でお参りして・・・。次の日に、シンちゃんが行きたがってた福袋買ったら、映画でも観にいこう。
ほら、映画雑誌も買ったんだよ。っと見せびらかしていた記憶は新しい。
大体、不本意ながらも夫婦は、カップルって言わねぇんじゃねぇっと冷ややかな眼でマジックのことを見たが・・・。
「それが、コレだよ!!」
あんだけ、はしゃいで映画一つ決めるのに、どれだけかかったっと思ってんだよ。
年甲斐もなく、夜もはしゃぐから起きれねぇんだよ!!
腹が立つ!!っとコートのポケットに勢いよく両手を突っ込むと、右手にくしゃりと紙がつぶれるような感覚がする。
レシートとも違う感覚に、首を傾げながらその紙と思しきものを引っ張り出すと
「あ、前売り・・・」
To be continued
『新妻』生まれた時から・・・途中家出を経験したものの一緒にいるので新妻といえるかは別として、無事(?)結婚して一応新妻という位置に落ち着いた。
現在のガンマ団総帥であり、前総帥の『奥さん』という肩書きをも得たシンタロー。
本人は、はなはだ納得いかないという感じだが、シンタローのハートを射止めた『旦那様』のマジックは積年の思いを叶えたとばかりに笑顔が耐えない。
全く対照的な夫婦。
どうやって結婚までこじつけたかは、別の話として今日はそんな二入が結婚して初めての新年というわけで・・・。
さぞや甘い空気が漂っているかと思いきや・・・
「おい!起きろよ、起きろってば・・・ッ」
前日は夜遅くまで新年を祝い・・・少し羽目を外して、もちろん年越しの夫婦の営みもしちゃったりしてと、シンっと静まる朝の空気にはそんなけだるさが残っている。
そんな朝と言うにはやや遅く、針が9時半をさそうかというころ・・・新年のおめでたさとは少々かけ離れた。
ましてや結婚してから数ヶ月・・・初めての新年を迎える夫婦のというには、おせじにも蜜月とは言いがたい新妻の声が寝室に響いていた。
「起きろよ!!おいっ!!起きろ~~~っ」
パジャマから、黒のパンツとベージュのインナーに着替えたシンタローがキングサイズのベットで眠るマジックの上に跨って、身体を上下左右に揺さぶっても全く起きる気配ない。耳を引っ張って耳元で大声を張り上げてもピクリとも動かない。
そんなマジックの姿に焦れると、おもむろにベットから降りて黒のハーフコートに手をかけながら、最後通達だというように口を開いた。
「今日、福袋買いに行くって、行きたいって前から俺が言ってただろ!!その後、映画と初詣に行くって言ったのは、テメェじゃねぇか。もう知らねぇからな、俺一人で行ってくるから!!映画だって一人でみてやる!!」
それでも、全く起きるない。動いたかと思えば、のんきに寝返りをしたりして・・・
「だから、昨日言ったじゃねぇか!!」
クソっと床に落ちていたクッションを拾い上げると、ベットに横になっているマジックに向かって投げつけた。
柔らかいそれは、目標物にぶつかっても“ぼすっ”とした音しかしなくて、大したダメージにはなっていない。
ドアに手をかけて、起き上がらない男に一瞥するとドアをあけたまま、シンタローは出て行ってしまった。
シンタローがドアを閉め、機嫌を表しているような騒々しい足音がしたかと思うと、これまた派手な音を立てて玄関のドアがしまった。
そのドアが閉まると同時に、寝室ではムクリと起き上がる人影が・・・先ほどどんなにシンタローが起こしても動かなかったマジックがベットの上で身を起こしていた。
チラリとドアに向けると不適な笑みを浮かべて、床に足をおろした。
「チっ、クソ!!バカ野郎っ」
怒り心頭、激昂とはまさにこのこと、街を行きかう人々が思わず振り向いてしまう程に、シンタローは怒りを露にしている。
今、血相かいて後から追いかけてきたら、眼魔砲1発に(もちろん至近距離)、初詣で最前列につくまで一人で並ばせるだけで許してやろうかな。っと思ってたのに・・・来やしねぇ!!
立ち止まって振り返るも、派手な赤いマジックの車も、マジックが走って現れる気配も全くない。
「映画観たいって言ったクセに・・・」
チッっと短く舌を打って、足元の小石を蹴り飛ばすと前に向き直って歩を進めた。
『シンちゃん』
大掃除も終わって、さぁ~これからおせちに取り掛かろうかと、シンタローが重箱を出していると、ダイニングテーブルで昆布巻きに勤しんでいたマジックが話かけた。
『なんだよ』
一端、手を休めてマジックを見れば、終了っ言うように巻き上がった混布の鍋をもってキッチンに移動しながら、唐突に
『映画、観にいこっか』
と笑みを浮かべてシンタローを見た。
『はッ!!?』
今の現状分かってんのか?おせちはどうすんだよっといわんばかりにジロリと睨みつけると、相変わらずの笑みを浮かべて言葉を続ける。
『ほら、仕事ばかりで昔みたいに、特別にどこかに出かけたってこと無いだろう?たまには普通のカップルみたいにデートもいいじゃない』
除夜の鐘を聞いて、近くの神社でお参りして・・・。次の日に、シンちゃんが行きたがってた福袋買ったら、映画でも観にいこう。
ほら、映画雑誌も買ったんだよ。っと見せびらかしていた記憶は新しい。
大体、不本意ながらも夫婦は、カップルって言わねぇんじゃねぇっと冷ややかな眼でマジックのことを見たが・・・。
「それが、コレだよ!!」
あんだけ、はしゃいで映画一つ決めるのに、どれだけかかったっと思ってんだよ。
年甲斐もなく、夜もはしゃぐから起きれねぇんだよ!!
腹が立つ!!っとコートのポケットに勢いよく両手を突っ込むと、右手にくしゃりと紙がつぶれるような感覚がする。
レシートとも違う感覚に、首を傾げながらその紙と思しきものを引っ張り出すと
「あ、前売り・・・」
To be continued
PR