■そろそろスーツのお年頃■
(・・・・・・やっぱりな。)
校門へと向かう足取りが、急に重くなるのがあからさまに分かる。
訓練が辛かったからなじゃい。
学校帰りの一番楽しい時間に、気分をぶち壊すような目の前の状況に、シンタローは俯くと深くため息をついた。
足を止めて、チロリと前を見やりまた、ため息をつく。
ここで踵を返し、校舎へ引き返すことができたならばどんなにいいか。
シンタローにそう思われる元凶真紅の軍服を身にまとった男が校門でシンタローの名を大声で呼び、頭上で大きく手を振っている。
「っバッカ野郎・・・・・・!!」
昔は今日という日が一番好きだった。そして、クリスマスと正月が次に好きだ。
なぜかって、子供なんてみんなそんなもんだろう。誕生日は1日自分の自由にできるし、プレゼントも山ほどもらえる。クリスマスも正月似たようなもんだ。
ようは、なんでも好きなものが手に入るからだけしかない。
いつからか、今日という日が嫌いになった。俺をそう思わせるようになった、元凶は毎年毎年歳を重ねるごとに、俺の気持ちと反比例するように実に楽しそうで。
そんな感慨に耽っていると、またもや自分を呼ぶ男の声。
周りの同級生や後輩たちが、ジロジロと自分を見ているのが痛いほど分かる。
その好奇にも羨望にも似たぶしつけな視線に、チっと短く舌を打つと、慌てて校門に向かいたい気を抑えて、殊更ゆっくりと歩を進めた。
校門から出ると、通行の邪魔という言葉を知っているとは思えないと、確信するほどにドーンと遠慮もなく、艶のあるリムジンが止まっている。
いくら、理事長様だといったって非常識にも程があるだろう。
「シンちゃんおかえり。今日はどうだった?」
呆れ顔の息子に、にこやかな笑みを浮かべて、元凶の男総帥服のマジックがシンタローの肩に片手を置くと
「別に・・・・・・」
そっけなく答えながら、シンタローが肩に置かれた手を払い、リムジンのフロントを回り込んで通り過ぎようとするのを、マジックはシンタローの肩を抱いてリムジンの後部座席に押し込んだ。
「おいっ・・・・・・!!」
シンタローの抗議の言葉を遮るようにして、マジックがシンタローの隣のシートに滑り込むと、ドアを閉めて・・・
運転手に向かって、小さく頷くと車はゆっくりと走り出した。
そして、運転席との仕切りガラスを閉まるのを見てから男は、シンタローの方へと向き直る。
「忘れちゃった?今日はシンちゃんの誕生日だよ。パパとお祝いしようと言っただろう」
「忙しいんだろ。そんなことで、帰ってくんな。だいたい・・・あんなところに乗り付けて、恥って言葉を知らないわけ」
窓の流れ行く情景を見ながら、吐き捨てるようにシンタローが言うと、それをどう勘違いしたのかシンタローの腿に手を置くとゆっくりと撫で上げる。
「パパのことを思ってくれる、シンちゃんの気持ちは有難いよ。でも、パパがシンちゃんが生まれた日に仕事なんて出来るわけないじゃないか」
うっとりと、いい息子を持ったなぁっと呟くマジックの姿に、腿を這うマジックの手を払いのけて、「違げーよ」とシンタローが力なく呟いた。
走り出すこと、数十分・・・
始終無言なシンタローと顔を緩ませたマジックが向かった先といえば、とある有名ブランドで・・・
「お前もそろそろいい年だろう、スーツの10着や20着もっていてもいい頃だと思ってね」
そういって、士官学校の制服を身に着けたシンタローの腕を掴んで、店の中へ入っていった。
「別にそんなのいらねーよ。だいたいいつもは、何かあると呼びつけてる癖に・・・」
シャンデリアに大理石の床・・・豪華な絵画がうるさくなく飾られているフィッティングルームを完備したVIPルームへと通されながら、シンタローが聞こえないほどの小さい声で呟いた。
・・・先日も家具が見たいと言って、家具屋を呼びつけた。
最近ではすっかり、親父がいる時は必ずどこかの業者が集まる始末・・・。
そんな奴がわざわざ自ら足を運ぶなんて・・・と胡散臭そうに背中を見つめるシンタローの視線に気づいたのか、はたまたシンタローの呟きが聞こえたのか、数歩前を歩いていたマジックが振り向いた。
「たまにはいいものだよ。ショッピングというのも・・・ね」
そう言って、楽しくてしょうがないといった気持ちを露に男が微笑んだ。
シンタローは、渋々と上質なゆったりとしたソファーに座ると、運ばれてきた紅茶に口をつけて、シンタローの意向などそっちのけでネクタイからジャケットの色、形を決めていくマジックを見やった。
(誰の誕生日か分かったもんじゃねぇーな)
親父があーでは、やることもない。みるとも無しに、店の装飾に見回すしかなくて・・・しばらく、そうしていると自分を呼ぶマジックの声がする。
「とりあえず、着てみてね。ワイシャツもスーツもオーダーするけど、このまま出かけたいから、感じがみたいな」
渋るシンタローの腕を掴むと立ち上がらせて、スーツ一式を胸に押し付けて、これまたフィッティングルームというには広い・・・入り口以外は全て鏡ばりの空間に無理矢理押し込んだ。
外を隔てるのがドアではなくカーテンというのが、なんだかそぐわないなぁっと無理矢理、持たされたスーツをフックにかけながらふと思う。
こういう部屋なら普通、鍵のついたドアが普通なんじゃないだろうか。
と首をかしげつつも、無理矢理連れて来られた苛立ちが勝るもので、八つ当たりとばかりに力をこめてカーテンを閉めた。
(面倒くせぇ!!)
自分の誕生日というのに、丸っきり親父のペースだ。
こんなのオカシイくないかっ!!っと一人になって、状況が把握できて来ると沸々と怒りがこみ上げる。
せめてもの仕返しにとばかりに、ワザとゆっくりとした動作で制服の襟もとのフックに手をかけた所で、早くも催促する声がする。
「シンちゃん、着れた?」
マジックの弾んだ声を無視して、制服に当たるように乱暴に上を脱ぐと床に投げ捨てた。
そうやってマジックの催促する声を無視しながら、トランクス一枚になると白いワイシャツに袖を通して、下から4段目までボタンを閉めたころで、またもやマジックの声がしたかと思うと・・・・・・・・・
「なっ・・・・・・っ!!!」
「着ごごちはどう?パパがネクタイ締めてあげる」
そう言って、シンタローの返答も待たずにカーテンが開けられマジックが中に入ってきた。
下はパンツだけの、上はワイシャツ姿で驚いて目をみはるシンタローを見ても、マジックは外には出ようとせずに、かけてあったネクタイを1本抜きとると、慌てふためくシンタローの背後に回りこむ。
「おいっ・・・まだ着替えてんだろッ」
後ろを振り向いて、肘を相手に出しながら距離をとろうとするも、シンタローの身体に腕を絡めて、自分に向かって繰り出された肘を掴むと手首にネクタイを巻きつける。
「ふっ・・・スーツ姿も魅力的だけど・・・こうした方がもっといいよ」
シンタローの首筋に顔を寄せて、鼻をすり寄せる。
「どこか、スーツ姿だって・・・!ふざけるのもいい加減にしろっ!」
シャツ一枚の情け無い姿をみて、よくもそんな言葉が出るものだ。背後とられたからといって、大人しくなんてできない。
身体を反転させて、自由のきく腕で殴りかかろうとするシンタローの片腕をなんなく掴むと、その手首もネクタイの端を先ほどと同じように巻きつけた。
そうすると、シンタローの身体の前で両腕の手首が拘束されたような形になる。
「ふざけてなんかない。私は本気だよ・・・いつでもね」
前に回した両腕のうち片方を、シンタローのシャツの中へ・・・もう片方は後ろからシンタローの顎を掴んで固定した。
「ほら、シャツ一枚の姿で乱れるシンちゃんの姿・・・素敵だろう」
前面の鏡に姿をうつして、ねっとりと耳元で囁いてはぴちゃりと音をたてる。
「や、やめろ・・・っ!!」
シンタローの視界には、下にはパンツだけの、だらしなくシャツを着た自分のシャツの胸元から、マジックの腕が忍び込んで自分の乳首を摘む指の動きが見て取れて・・・羞恥心に俯きたいのに、マジックの腕がそれを許さない。
「・・・シンちゃんは敏感だね・・・もう乳首が立ってる。分かる?ほら、パパの指を押し返そうとしてるだろう」
身体を捩り抵抗を示すシンタローの体を真後ろから固定したまま、胸元の指がシンタローの乳首を摘みあげては、捻るといった事を繰り返し・・・耳元では囁かれ続ける卑猥な言葉。
そんな、苛めにも似た愛撫に、どうにか耐えようと、けなげにも身体を震わせて我慢するシンタローが愛しい。
「こんなに敏感で、大丈夫かな。ちゃんと女の子相手にできるのか、パパ心配だよ」
いかせるよりも、先にシンちゃんが達しそうだよね・・・。そう意地悪く笑うと、胸元の手を脚の間に滑らせた。
「あっ・・・・・・」
っとシンタローが思った時には既に遅く、マジックの手が下着ごしにペニスを握りこんでいて・・・手に感じるシンタローの質量にマジックがほくそ笑んだ。
「やめろ、触るな・・・離、せっ」
「本当に、身体は正直だよ・・・私に触られてこんなに反応してる・・・」
顎を固定していた、手が外されシャツが胸元までたくし上げられる。そうすると、それまで隠れていたものが鏡に映し出されて・・・
マジックによって、下着を押し返すほと立ち上がった自分の欲望が痛いほど目に入る。
「や、やめ・・・・・・!みるな・・・みるなーっ」
「ダメだ、シンちゃんの成長の証をちゃんと見せて」
そういってシンタローの下着を下ろすと、わざと音を立てながら上下の抜き差しを繰り返し、シンタローを追い上げた。
鏡に映る、自分の姿に目を離したいのに離せない。
マジックの瞳に鏡ごしに視姦されているようで、抵抗したいのに身体が思うように動かず・・・自分の液で濡れるマジックの動きから目が離せない。
「ほら、分かるだろう・・・シンちゃんの濡れて・・・くちゅくちゅって音がしてる」
「やだ・・・っ、そんなこと いうな・・・っ」
「滴って、絨毯に幾重にも染みが出来てる。いけない子だね」
そういって、鏡ごしにシンタローの黒い瞳をとらえたまま、親指の腹を赤くむけた亀頭に押し付けながら、開放を促す。
「ひ・・・っ、あぁ・・・・・・っ」
敏感な先端に爪を立てられ、どうにか逃れようとシンタローの身体が前のめりなった。結果的には、縛られた腕を鏡について、下半身を突き出すような格好になり・・・まるで誘っているようにしか見えない。
「ヤダ・・・みるな・・・みる・・・な」
鏡にうつる自分の上気した頬に、欲望を含んだ潤んだ顔・・・見たくなくて、鏡に額を押し付けるとぎゅっと目をつぶりシンタローがかぶりを振る。
そんなシンタローを後ろから抱きしめると、マジックがシンタローの首筋に鼻をすりよせては唇を落とし、赤い跡を残す。
手は変わらずシンタローの欲望を刺激したまま、シャツをたくし上げていた手が、そろりとシンタローの奥まった部分に指を滑らせる。
「ほら、素直に出していいんだよ。腰が揺れてる・・・イキたいんだろう」
そういって、自分の唾液とシンタローから出たもので指を濡らすと、ゆっくりと指を奥に潜り混ませた。
「うぅ・・・、や・・・あっぁあ」
「ほら、いきそうだろう」
ピクピクと震えている欲望から滑りを、指ですくい取り周辺をなぞっては縁爪を立てながら、節だった手で緩急をつけてシンタローを抜きあげた。
「あ・・・っ、ひぁっ、あ・・・っああああー」
頬を涙に濡らして、鏡に欲望の証を吐き出すと縛られた手を支えてにして、ずるずると背を鏡にしてしゃがみこんだ。
ぼうっと目元を潤ませながらも、怒りと羞恥を露にマジックを睨みつけるも・・・
「なんで、って思ってる? でも・・・これで、スーツを身に着ける度、パパのことを思い出すだろう・・・今日の誕生日もね」
1年、1年・・・シンちゃんが絶対に忘れられないような、誕生日にして上げる。
そう囁いて、唖然とするシンタローを抱き上げた。
☆EnD☆
2005/05/24 ****Happy Birthday******
-------------------------------
シンちゃんの誕生日に、メルマガで配信したものです。
すこーしだけ、修正を加えさせていただきました。
なぜ、今か・・・
それは、PCへは1週間したらUPしよう。としてたのを、すっかり忘れてしまってまして。
今回、色々と整理していてUPしてないものを見つかりました。
そして、なぜか中途半端なところで終わってました。。。じゃあ、元のファイルからっと思ったらファイルがない。
パソコンが壊れて無くなったんですねぇ。
パソコンが壊れての痛手を今更感じてます。
誕生日ものは、メルマガ配信のみの限定で・・・。
メルマガのBNにもPCサイトにも無いのですが・・・。
パソコンが壊れて、自分のPCのメールに送られていたメルマガも全部ない。
そうなると、自分の作品が自分の手元に残らない。という自体に・・・。去年のシンちゃんの誕生日もパパも誕生日も記憶の中へと・・・。
今回は、文字化けが無いかテストで送っている携帯に残っていたので、携帯のを転送して編集しました。運がよかったです。
そんなわけで、今更なながらUP。どこかにUpしていないと、また壊れた時が怖い。。。
今回は、去年とは違って、士官学校時代です。これも一回やってみたかった。久々のセクハラが書けて楽しかったですー。
(んん、いつもセクハラ?)
では、かなり遅くなりましたが、楽しんでいただければ幸いです。
-2005/09/18-UP
(・・・・・・やっぱりな。)
校門へと向かう足取りが、急に重くなるのがあからさまに分かる。
訓練が辛かったからなじゃい。
学校帰りの一番楽しい時間に、気分をぶち壊すような目の前の状況に、シンタローは俯くと深くため息をついた。
足を止めて、チロリと前を見やりまた、ため息をつく。
ここで踵を返し、校舎へ引き返すことができたならばどんなにいいか。
シンタローにそう思われる元凶真紅の軍服を身にまとった男が校門でシンタローの名を大声で呼び、頭上で大きく手を振っている。
「っバッカ野郎・・・・・・!!」
昔は今日という日が一番好きだった。そして、クリスマスと正月が次に好きだ。
なぜかって、子供なんてみんなそんなもんだろう。誕生日は1日自分の自由にできるし、プレゼントも山ほどもらえる。クリスマスも正月似たようなもんだ。
ようは、なんでも好きなものが手に入るからだけしかない。
いつからか、今日という日が嫌いになった。俺をそう思わせるようになった、元凶は毎年毎年歳を重ねるごとに、俺の気持ちと反比例するように実に楽しそうで。
そんな感慨に耽っていると、またもや自分を呼ぶ男の声。
周りの同級生や後輩たちが、ジロジロと自分を見ているのが痛いほど分かる。
その好奇にも羨望にも似たぶしつけな視線に、チっと短く舌を打つと、慌てて校門に向かいたい気を抑えて、殊更ゆっくりと歩を進めた。
校門から出ると、通行の邪魔という言葉を知っているとは思えないと、確信するほどにドーンと遠慮もなく、艶のあるリムジンが止まっている。
いくら、理事長様だといったって非常識にも程があるだろう。
「シンちゃんおかえり。今日はどうだった?」
呆れ顔の息子に、にこやかな笑みを浮かべて、元凶の男総帥服のマジックがシンタローの肩に片手を置くと
「別に・・・・・・」
そっけなく答えながら、シンタローが肩に置かれた手を払い、リムジンのフロントを回り込んで通り過ぎようとするのを、マジックはシンタローの肩を抱いてリムジンの後部座席に押し込んだ。
「おいっ・・・・・・!!」
シンタローの抗議の言葉を遮るようにして、マジックがシンタローの隣のシートに滑り込むと、ドアを閉めて・・・
運転手に向かって、小さく頷くと車はゆっくりと走り出した。
そして、運転席との仕切りガラスを閉まるのを見てから男は、シンタローの方へと向き直る。
「忘れちゃった?今日はシンちゃんの誕生日だよ。パパとお祝いしようと言っただろう」
「忙しいんだろ。そんなことで、帰ってくんな。だいたい・・・あんなところに乗り付けて、恥って言葉を知らないわけ」
窓の流れ行く情景を見ながら、吐き捨てるようにシンタローが言うと、それをどう勘違いしたのかシンタローの腿に手を置くとゆっくりと撫で上げる。
「パパのことを思ってくれる、シンちゃんの気持ちは有難いよ。でも、パパがシンちゃんが生まれた日に仕事なんて出来るわけないじゃないか」
うっとりと、いい息子を持ったなぁっと呟くマジックの姿に、腿を這うマジックの手を払いのけて、「違げーよ」とシンタローが力なく呟いた。
走り出すこと、数十分・・・
始終無言なシンタローと顔を緩ませたマジックが向かった先といえば、とある有名ブランドで・・・
「お前もそろそろいい年だろう、スーツの10着や20着もっていてもいい頃だと思ってね」
そういって、士官学校の制服を身に着けたシンタローの腕を掴んで、店の中へ入っていった。
「別にそんなのいらねーよ。だいたいいつもは、何かあると呼びつけてる癖に・・・」
シャンデリアに大理石の床・・・豪華な絵画がうるさくなく飾られているフィッティングルームを完備したVIPルームへと通されながら、シンタローが聞こえないほどの小さい声で呟いた。
・・・先日も家具が見たいと言って、家具屋を呼びつけた。
最近ではすっかり、親父がいる時は必ずどこかの業者が集まる始末・・・。
そんな奴がわざわざ自ら足を運ぶなんて・・・と胡散臭そうに背中を見つめるシンタローの視線に気づいたのか、はたまたシンタローの呟きが聞こえたのか、数歩前を歩いていたマジックが振り向いた。
「たまにはいいものだよ。ショッピングというのも・・・ね」
そう言って、楽しくてしょうがないといった気持ちを露に男が微笑んだ。
シンタローは、渋々と上質なゆったりとしたソファーに座ると、運ばれてきた紅茶に口をつけて、シンタローの意向などそっちのけでネクタイからジャケットの色、形を決めていくマジックを見やった。
(誰の誕生日か分かったもんじゃねぇーな)
親父があーでは、やることもない。みるとも無しに、店の装飾に見回すしかなくて・・・しばらく、そうしていると自分を呼ぶマジックの声がする。
「とりあえず、着てみてね。ワイシャツもスーツもオーダーするけど、このまま出かけたいから、感じがみたいな」
渋るシンタローの腕を掴むと立ち上がらせて、スーツ一式を胸に押し付けて、これまたフィッティングルームというには広い・・・入り口以外は全て鏡ばりの空間に無理矢理押し込んだ。
外を隔てるのがドアではなくカーテンというのが、なんだかそぐわないなぁっと無理矢理、持たされたスーツをフックにかけながらふと思う。
こういう部屋なら普通、鍵のついたドアが普通なんじゃないだろうか。
と首をかしげつつも、無理矢理連れて来られた苛立ちが勝るもので、八つ当たりとばかりに力をこめてカーテンを閉めた。
(面倒くせぇ!!)
自分の誕生日というのに、丸っきり親父のペースだ。
こんなのオカシイくないかっ!!っと一人になって、状況が把握できて来ると沸々と怒りがこみ上げる。
せめてもの仕返しにとばかりに、ワザとゆっくりとした動作で制服の襟もとのフックに手をかけた所で、早くも催促する声がする。
「シンちゃん、着れた?」
マジックの弾んだ声を無視して、制服に当たるように乱暴に上を脱ぐと床に投げ捨てた。
そうやってマジックの催促する声を無視しながら、トランクス一枚になると白いワイシャツに袖を通して、下から4段目までボタンを閉めたころで、またもやマジックの声がしたかと思うと・・・・・・・・・
「なっ・・・・・・っ!!!」
「着ごごちはどう?パパがネクタイ締めてあげる」
そう言って、シンタローの返答も待たずにカーテンが開けられマジックが中に入ってきた。
下はパンツだけの、上はワイシャツ姿で驚いて目をみはるシンタローを見ても、マジックは外には出ようとせずに、かけてあったネクタイを1本抜きとると、慌てふためくシンタローの背後に回りこむ。
「おいっ・・・まだ着替えてんだろッ」
後ろを振り向いて、肘を相手に出しながら距離をとろうとするも、シンタローの身体に腕を絡めて、自分に向かって繰り出された肘を掴むと手首にネクタイを巻きつける。
「ふっ・・・スーツ姿も魅力的だけど・・・こうした方がもっといいよ」
シンタローの首筋に顔を寄せて、鼻をすり寄せる。
「どこか、スーツ姿だって・・・!ふざけるのもいい加減にしろっ!」
シャツ一枚の情け無い姿をみて、よくもそんな言葉が出るものだ。背後とられたからといって、大人しくなんてできない。
身体を反転させて、自由のきく腕で殴りかかろうとするシンタローの片腕をなんなく掴むと、その手首もネクタイの端を先ほどと同じように巻きつけた。
そうすると、シンタローの身体の前で両腕の手首が拘束されたような形になる。
「ふざけてなんかない。私は本気だよ・・・いつでもね」
前に回した両腕のうち片方を、シンタローのシャツの中へ・・・もう片方は後ろからシンタローの顎を掴んで固定した。
「ほら、シャツ一枚の姿で乱れるシンちゃんの姿・・・素敵だろう」
前面の鏡に姿をうつして、ねっとりと耳元で囁いてはぴちゃりと音をたてる。
「や、やめろ・・・っ!!」
シンタローの視界には、下にはパンツだけの、だらしなくシャツを着た自分のシャツの胸元から、マジックの腕が忍び込んで自分の乳首を摘む指の動きが見て取れて・・・羞恥心に俯きたいのに、マジックの腕がそれを許さない。
「・・・シンちゃんは敏感だね・・・もう乳首が立ってる。分かる?ほら、パパの指を押し返そうとしてるだろう」
身体を捩り抵抗を示すシンタローの体を真後ろから固定したまま、胸元の指がシンタローの乳首を摘みあげては、捻るといった事を繰り返し・・・耳元では囁かれ続ける卑猥な言葉。
そんな、苛めにも似た愛撫に、どうにか耐えようと、けなげにも身体を震わせて我慢するシンタローが愛しい。
「こんなに敏感で、大丈夫かな。ちゃんと女の子相手にできるのか、パパ心配だよ」
いかせるよりも、先にシンちゃんが達しそうだよね・・・。そう意地悪く笑うと、胸元の手を脚の間に滑らせた。
「あっ・・・・・・」
っとシンタローが思った時には既に遅く、マジックの手が下着ごしにペニスを握りこんでいて・・・手に感じるシンタローの質量にマジックがほくそ笑んだ。
「やめろ、触るな・・・離、せっ」
「本当に、身体は正直だよ・・・私に触られてこんなに反応してる・・・」
顎を固定していた、手が外されシャツが胸元までたくし上げられる。そうすると、それまで隠れていたものが鏡に映し出されて・・・
マジックによって、下着を押し返すほと立ち上がった自分の欲望が痛いほど目に入る。
「や、やめ・・・・・・!みるな・・・みるなーっ」
「ダメだ、シンちゃんの成長の証をちゃんと見せて」
そういってシンタローの下着を下ろすと、わざと音を立てながら上下の抜き差しを繰り返し、シンタローを追い上げた。
鏡に映る、自分の姿に目を離したいのに離せない。
マジックの瞳に鏡ごしに視姦されているようで、抵抗したいのに身体が思うように動かず・・・自分の液で濡れるマジックの動きから目が離せない。
「ほら、分かるだろう・・・シンちゃんの濡れて・・・くちゅくちゅって音がしてる」
「やだ・・・っ、そんなこと いうな・・・っ」
「滴って、絨毯に幾重にも染みが出来てる。いけない子だね」
そういって、鏡ごしにシンタローの黒い瞳をとらえたまま、親指の腹を赤くむけた亀頭に押し付けながら、開放を促す。
「ひ・・・っ、あぁ・・・・・・っ」
敏感な先端に爪を立てられ、どうにか逃れようとシンタローの身体が前のめりなった。結果的には、縛られた腕を鏡について、下半身を突き出すような格好になり・・・まるで誘っているようにしか見えない。
「ヤダ・・・みるな・・・みる・・・な」
鏡にうつる自分の上気した頬に、欲望を含んだ潤んだ顔・・・見たくなくて、鏡に額を押し付けるとぎゅっと目をつぶりシンタローがかぶりを振る。
そんなシンタローを後ろから抱きしめると、マジックがシンタローの首筋に鼻をすりよせては唇を落とし、赤い跡を残す。
手は変わらずシンタローの欲望を刺激したまま、シャツをたくし上げていた手が、そろりとシンタローの奥まった部分に指を滑らせる。
「ほら、素直に出していいんだよ。腰が揺れてる・・・イキたいんだろう」
そういって、自分の唾液とシンタローから出たもので指を濡らすと、ゆっくりと指を奥に潜り混ませた。
「うぅ・・・、や・・・あっぁあ」
「ほら、いきそうだろう」
ピクピクと震えている欲望から滑りを、指ですくい取り周辺をなぞっては縁爪を立てながら、節だった手で緩急をつけてシンタローを抜きあげた。
「あ・・・っ、ひぁっ、あ・・・っああああー」
頬を涙に濡らして、鏡に欲望の証を吐き出すと縛られた手を支えてにして、ずるずると背を鏡にしてしゃがみこんだ。
ぼうっと目元を潤ませながらも、怒りと羞恥を露にマジックを睨みつけるも・・・
「なんで、って思ってる? でも・・・これで、スーツを身に着ける度、パパのことを思い出すだろう・・・今日の誕生日もね」
1年、1年・・・シンちゃんが絶対に忘れられないような、誕生日にして上げる。
そう囁いて、唖然とするシンタローを抱き上げた。
☆EnD☆
2005/05/24 ****Happy Birthday******
-------------------------------
シンちゃんの誕生日に、メルマガで配信したものです。
すこーしだけ、修正を加えさせていただきました。
なぜ、今か・・・
それは、PCへは1週間したらUPしよう。としてたのを、すっかり忘れてしまってまして。
今回、色々と整理していてUPしてないものを見つかりました。
そして、なぜか中途半端なところで終わってました。。。じゃあ、元のファイルからっと思ったらファイルがない。
パソコンが壊れて無くなったんですねぇ。
パソコンが壊れての痛手を今更感じてます。
誕生日ものは、メルマガ配信のみの限定で・・・。
メルマガのBNにもPCサイトにも無いのですが・・・。
パソコンが壊れて、自分のPCのメールに送られていたメルマガも全部ない。
そうなると、自分の作品が自分の手元に残らない。という自体に・・・。去年のシンちゃんの誕生日もパパも誕生日も記憶の中へと・・・。
今回は、文字化けが無いかテストで送っている携帯に残っていたので、携帯のを転送して編集しました。運がよかったです。
そんなわけで、今更なながらUP。どこかにUpしていないと、また壊れた時が怖い。。。
今回は、去年とは違って、士官学校時代です。これも一回やってみたかった。久々のセクハラが書けて楽しかったですー。
(んん、いつもセクハラ?)
では、かなり遅くなりましたが、楽しんでいただければ幸いです。
-2005/09/18-UP
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