最近、夜間残業することが多くなっている。
昼間仕事が終わらない訳じゃない。
ただ、一刻も早く父に追い付きたかった。
父ができたものを自分も出来なければいけない。
上に立つものとはそうゆうものなのだ。
出来なければ、人は自分をやはり、出来損ないなんだ。と言うだろう。
そうすれば団全部がバラバラになる。
それだけはシンタローは避けたいのだ。
祖父から父へ受け継がれたガンマ団を自分の代で終わりにはできない。
例え自分が、青の一族でなくとも。
「もーちっと頑張るかぁ。」
ガタリと革張りの総帥椅子から降りて、眠気覚ましの為コーヒーを入れる。
豆の独特の臭いと、温かい温度に少しだけ心が休まった。
「あちち」
少し熱かったらしく、シンタローは舌を出した。
「シンちゃん大丈夫!?舐めると治るよ!!」
プシュン!と機械音が鳴り、マジックが猛然ダッシュでシンタローを抱きしめた。
「わ!馬鹿!あぶねっ!!」
コーヒーが零れる!とカップをしっかり握る。
でも、マジックはお構い無しでシンタローにスリスリ、ベタベタ。
「テメェ、アブネーじゃねーかよッッ!!」
コーヒーが零れなくてホッとして、マジックに悪態をつく。
掌のコーヒーを総帥室の自分の机の上に置いて、どうにかこの危なっかしい父親にさっきの怒りをぶつけようか、なんて考える。
がぁッッ!!と、怒りの視線をマジックに向けたその時。
ちゅ。
怒って、ガツンと言ってやる!と意気込んで唇を開いたシンタローの口からは、声が発せられなかった。
何故ならマジックの唇がシンタローの唇を塞ぎ、尚且つ、舌を絡めたから。
「―――ッッ!」
先ほど火傷をした舌を必要に絡めとる。
怪我をして、唾つけときゃなおる、なんて、そんな程度じゃない。
明らかに意思を持って、シンタローの口内をまさぐる行為はまさに、シンタローの口内を犯していた。
「――ンゥッッ…ッア!」ぴちゃぴちゃと、水音が聴覚さえも犯し始める。
ドンドンとおもいっきりマジックの胸を叩くがびくともしない。
畜生ッッ!!
目尻に少しだけ涙をうかべて、それでも抵抗する。
「シンちゃん、パパの事、そんなに嫌い?」
絡ませた舌を外して、唇同士がくっつく程度で言葉を紡ぎ出す。
当たり前だと言いかけて止めた。
いつもなら、パパの事好き?って聞くはずなのに。
大体こーゆう逆パターンの時は何かあったと思う。
長年シンタローも父親の側に居るわけではない。
「嫌いじゃねーよ…。」
まさかそうシンタローが言うとは思っていなかったらしく、マジックは目をしばたかせた。
嬉しい、と、呟いて、又、舌を絡ませる。
「調子に乗るんじゃねぇ!」
ガツンと頭をゲンコツで叩いてやると、いたぁい!と膨れた面でシンタローをじとりと見た。
可愛くねぇんだヨ!
チッ!と舌打ちをし、心の中で悪態をつく。
マジックと目を合わせないよう、横を向いた途端、マジックの骨張った指がシンタローの頬を撫でる。
「だから調子に乗んじゃ…」
ねぇ!と言いかけて止まる。
酷く欲情的な瞳は綺麗な、綺麗過ぎるほどのスカイブルーで、ああ、又だと思う。
又なし崩しに抱かれるんだろうな。と予想できる。
「ね、シンちゃん、しよう。」
何があったのだろうか。
仕事中なのに。勤務中なのに。
でも、抱かれる事は嫌いではない。
唯一、マジックの全てが解る瞬間。
固く閉ざされた彼の心が自分にだけ開く時。
実はシンタローは、マジックに抱かれるのは好きなのだ。
いつも自分より圧倒的な高い位置にいる彼が、自分の体に欲情し、自分の事しか考えず、本気の愛の睦言を囁く。
その時だけ、シンタローは、自分がマジックと同じ位地にいられると思っていた。
でも。
「ダメに決まってんだろォ?ココ総帥室。俺仕事中。」
プライドの高いシンタローは、直ぐにYesを出さない。
さっさと書類に目を向ける。
頭になんて何も入らない。
マジックに全ての興味を持って行かれてしまったのに、素直になれないシンタローは、興味ないといった感じでパラパラと文字を見る仕種を取った。
勿論そんな事はマジックにはお見通し。
彼も又、長年シンタローの側に居るわけではないのだ。
「ね、シンちゃん。意地悪言わないで。こっちを向いて。可愛い私のシンタロー。」
優しくシンタローの顎を持ち上げ、優しい笑顔で彼をこちらに振り向かせる。
シンタローが世界で一番好きだし、一番愛しているし、抱きたいし、笑顔を見たいし、笑い合いたい。
それは紛れも無い真実で。
シンタローにYesと言わせる方法一番効果的な方法もマジックは知っている。
だから。
なし崩しにシンタロー総帥のディスクの上に組み敷いた。
ガツンと骨の当たる音。
バサバサと書類の落ちる音が聞こえる。
「いってぇ!」
およそ色気のない声をシンタローは発したのだった。
涙目で己を睨むシンタローに、マジックは笑顔を振り撒く。
シンタローを落とす心得その壱。絶対に怒らない。
その弐。無理矢理する。
シンタローはムードを重んじるから、怒りは禁物。
だからマジックは怒ったりはしない。
無理矢理するのはプライドの馬鹿高いシンタローの為。自分はそうゆうつもりじゃなかったのに親父が勝手に!と言える逃げ道をつくってやる為。
「愛してるよ。」
耳元で呟けば、ゾクリと鳥肌が立つ。
自分でも解る程ほてった顔と体。
こんなの俺じゃないなんて思いたくなる程、もう、マジック使用の体と心。
「しょーがねー奴。」
ぶっきらぼうに言えば、それすらも楽しそうに、
「そう、パパ、シンちゃんが居ないと駄目なんだ。しょうがない奴なんだよ。」
なんて言うから。
今度は拒否せず、マジックの薄い唇をすんなりと受け入れた。
それが合図かのように、シンタローの総帥服をゆっくりぬがす。
地肌に直接着ているそれは、ボタンが全て取り払われると、シンタローの健康的な肌が真っ赤な総帥服に栄えて、何とも悩ましい。
「お前の肌は私の指に吸い付くんだね。」
心臓に掌を置いて、ドクン、ドクンと、波打つ音を確かめる。
温かいシンタローの体温。
ペロと、ピンクの乳首を嘗めれば、シンタローはふるりと体を震わせた。
舌先でチロチロ嘗める。
「ぁ、ん、くぅん…。」
鼻にかかった甘ったるい声で鳴くシンタローに気を良くしたのか、そこを必要に攻め立てた。
シンタローはマジックの髪をぎゅっと持つ。
「シンちゃん、乳首がプックリしてきたよ?お前のはピンクでとっても可愛い。あ、勿論、お前がお前である全てが可愛いんだけどね。」
そう言って乳首をキュウッと握る。
「あァん…ッッ!」
喘ぐ事しかできなくて、マジックの髪をより一層力を込めて握る。
「ハハ、痛いよシンちゃん。」
痛いと言っている割には楽しそうに笑う。
ゆっくりと自分に絡められた指を優しく解くと、マジックの金髪の髪が数本パラパラと落ちた。
「あ…。」
申し訳なさそうな瞳でシンタローは、指から滑り落ちる金髪を見た。
昔からシンタローが自分の髪と瞳の色にコンプレックスを持っていた事をマジックは知っている。
だから気にしないで。そう言葉を紡ごうと思ったのに。
「ゴメン。」
潤んだ瞳で謝られた。
不謹慎ながらもマジックは思う。
これは…クる!!
. その謝りの言葉がマジックの過虐心に火を点けた。
「いけない指だね、髪が何本か抜けてしまった。」
わざとシンタローの心の弱い柔らかい部分に突き刺さる言葉を吐く。
ビクリとシンタローの肩が震えるのが解った。
こんな小動物ちっくなシンタローも可愛いな、なんて思い、罪悪感ですっかり大人しくなったシンタローの体を好き放題まさぐる。
そしてたどり着いた中心部分。
「あれ?」
元気がないようだ。
まぁ、それはそうだろう。
メンタル面に男は弱い。そうゆう種類なのだ。
「さっきの気にしてるの?」
そう聞くと、珍しくコクリと頭を前に倒す。
可愛くて仕方がない。
ニッコリ笑って額にキスを落とす。
「そんなに気にすることないのに。」
シンタローが黒髪黒目を気にしていることを知っていて、それで尚且つシンタローの傷つく言葉を吐いておきながらこの言い草。
素直になったことを少しだけ後悔する瞬間だった。
「お前の髪は美しいね、シンタロー。お前の全てが美しい。」
小さい時から何度も言われた言葉。
俺の髪なんてちっとも綺麗じゃない。皆みたいに光を反射しないし、キラキラ光らない。
シンタローは自分の髪と瞳がとても嫌いだった。
自分がジャンの分身のコピーだと知って、ああ、とすんなり納得したものだ。
「俺は綺麗じゃねーよ。」
「そんなことないよ。シンタローのものは全て美しい。」
優しく又笑いかけ、行為を再開される。
感じやすい敏感な体は浅ましくマジックの愛撫に反応した。
また、頭をもたげてくるシンタロー自身に、マジックはクスリと笑い、焦らすようにそこには触れない。
「ん、ぁ、な、で…」
「ん?なぁに?シンちゃん。」
何故触れてくれないのかと、潤んだ瞳で見るシンタローに、わざとらしく聞いて。
シンタローが破廉恥な言葉は言えないのを知っていて問い掛ける。
シンタローは黒い睫毛を下に向け、マジックの絶妙な愛撫をじっと見た。
そして。
「ちゃん、と…。」
「ちゃんと、何?」
「~~~ッッ!!」
勇気を出して言ったのに。
この親父はそれ以上を望む。
恥ずかしくて言えなくて。
ぐずった子供のように泣いてしまいたかった。
シンタローが少し唸ると、マジックは苦笑いをして、シンタローの髪を優しく撫でる。
「ごめんネシンちゃん。今のはパパ、ちょっと意地悪だったね。」
よしよしと頭を撫でてシンタローの顔を覗き込むと、シンタローは、ぷいっとそっぽを向いてしまった。
そんなシンタローも大好きで。
多分どんな顔をしても、どんな事をしても、マジックはシンタローを可愛いと、可愛くて仕方がないと思うだろう。
「ああっ!!」
いきなりマジックに中心部を触られた。
あられもない声が口から出てくる。
カァーッと、恥ずかしくなって両手で口を押さえた。
「いいのに。シンちゃんの可愛い声、パパ、すっっごく好きν」
「ば、ばかじゃね…の。」
ピクンピクンと体を震わせているシンタローの暴言なんて怖くもなんともない。
ゆるゆると中心部を上下にグラインドさせてやれば、先端部分から粘ついた液体がチロチロと出てくる。
それを確認した後、激しく擦ってやる。
「や、あぁああっっ!!」
「おっと!まだ駄目だよ、シンちゃん。」
キュッと根本を掴む。
まだイかせる気はないらしい。
「パパと一緒に気持ち良くなろう。」
入口部分にクニクニとマジックの熱いモノが縁を描くように突き付けられる。
ヒクリ、シンタローの体に力が入る。
これから与えられるであろう激しい快楽に、シンタローの心は波打った。
瞬間、ズブブッと中に入って来た。
感じる痛みと異物感。
何度体を重ねても、これだけは慣れない。
「ああああぁあ!!」
マジックの服を掴み、歯を食いしばって堪える。
「ンッッ…」
マジックの眉が苦しそうに歪んだ。
「全部入ったよ、シンタロー。」
ぴっちりと自分のがマジックのをくわえ込んで。
マジックは勝手知ったというようにシンタローのイイトコロばかりをつく。
「アッ!アッ!ひゃ、あ!あンッッ!ああぅっ!」
ギリギリまで抜いて最奥まで貫く。
ガグガクとシンタローは体を震わせた。
「お前の中は凄いよ。熱くて…溶けそうだ。」
「いう…なッッ!アァッ!!」
恥ずかしくて、思わず手で顔を覆う。
顔で覆っても、マジックのをリアルに感じてしまって、どうにもならない。
だが、マジックの瞳で見られたくなかった。
恥ずかしくて仕方がないのだ。
「駄目だよ、シンタロー。」
そっ、とシンタローの手を顔から外す。
「良く見て。私を。そして、私で感じてるお前を。」
「ふ、ぁ、や、ゃだぁッッ…。」
ふるふると頭を左右に振るが、マジックに掴まれた腕はどうにもならない。
顔は覆えない。
ぎゅっと目をつぶるシンタロー。
「シンタロー、ここが何処だか解っているのかな?」いきなり何をいい始めたのだろう。この親父は。
「鍵は…かけたっけねぇ?」
はっと目を見開くと、楽しそうに笑う父の顔。
サァッと、血の気が失せたのが自分でも解った。
「テメッ!ンァっ!」
ジュブジュブと激しく腰を動かされて、悪態をつく暇もなく快感に身をよじる。「いつ、誰が来るか、何て解らないよね?ここは総帥室だもんね。」
まるで欲しかった玩具を手に入れた子供のように無邪気に笑うマジック。
「や、やだ!も、ヤメ!とぉさ…ッッ!!」
マジックの襟元を掴み必死に抗議するシンタロー。
それでも動きは止めないし、速度も変わらない。
「こんな、総帥服をはだけさせて、父親に抱かれている総帥を見たら…部下達はどう思うかな?」
ねぇ、シンちゃん。
と、耳元で囁かれる。
「ふざ、けんな!こ、のアーパーおやじぃっ!!」
マジックの下から逃れようとするが、力の入らない今ではマジックはびくともしない。
そのくせ力を入れるものだから、余計マジックのを締め付ける事になり逆効果の悪循環。
その時、
トントン
扉の向こうからノックが聞こえた。
シンタローの顔が一気に青ざめる。
ビーッというインターホンが鳴った。
『シンタロー居るか?明日の会議の件について話したい事がある。』
声の主はキンタローであった。
非常にまずい。
今、この姿を誰にも見せられない。
ディスクの上に総帥服をはだけさせ、淫らに自分の父親と情事を交わしている姿なんて。
血縁者なら尚更だ。
息を潜めて居留守を使おうと決心した矢先。
「あぅっ!!んぐっ!」
マジックが動きを再開し始めた。
咄嗟に自分の口を手で覆う。
『シンタロー。居ないのか?』
「~~~ッッンッッ!!」
あンのクソ親父ィィ!!
潤んだ瞳でマジックを見れば我関せずといった風にニコニコ笑っている。
頼むキンタロー!今日の所は帰ってくれぇぇ!
心の中でそう祈る。
多分生まれてきて神にこれほどまでに祈ったのは二回目だろう。
一回目の小さい時に金髪碧眼にしてくれと祈った時以来だ。
「あんっ!!」
いきなり体位を横に変えられシンタローは思わず自分の声にびっくりした。
「そんなにいやらしい声を大きく出したらキンタローに聞かれちゃうよ?」
いいのかな?
意地悪く言葉を吐く。
慌てて又口を塞ぐ。
くぐもった声を響かせ、快感に堪える。
キンタローは諦めたのか、ブザーはそれから鳴らなかった。
良かったと安堵のため息を漏らすと、マジックの骨張った指がシンタローの中心に触れた。
「ひゃぁぁん!」
「シンちゃん。他の事考えちゃ駄目だよ。」
誰のせいだ誰の!!
声には出せないので心の中で悪態をつく。
片足を肩に乗せて、マジックは最奥に何度も何度も自身を入れる。
「あ、あ、や、もぉダメッッ!」
しかし、マジックは今度シンタローのイイトコロから少しズレた場所にポイントをずらした。
これではイクにイケない。
「も、ヤダ、イジワルばっか!!」
「イジワルっていうのもそそるけど、今日、イク時パパって言ってくれるならイカせてあげるν」
こーの変態親父ッッ!!
「言えるかバカ!」
「まだ余裕ありそうだねぇ?シンちゃん。この後30分位我慢する??」
その前に誰かしら又来るだろうけど。キンタローもお前に用があったみたいだしね。
そう付け加えられて、シンタローは唸った。
プライドが許さないが、こんな歯痒い思いをするのは嫌だ。
ゆっくりと、だが、確実にシンタローは頭を前に倒した。
「あっ!あっ!あっ!」
途端に激しくなるピストン運動にシンタローは息をするのさえ追い付かない。
卑猥な音に耳を犯され、マジックに体を犯される。
「シンちゃん、シンタローッッ!」
「も、ダメッッ、ダメ!アアアアッ」
ギュウウッと、マジックの背中を抱きしめる。
そして、耳元に唇を這わせ
「パパぁッッ!」
酷く艶っぽい声でマジックを呼んだ。
「―――ッッ!!」
余程嬉しかったのか、興奮したのか。
マジックにしては珍しくシンタローのすぐ後にシンタローの中で吐き出したのだった。
「シンちゃ~ん…機嫌直して?ね?」
ホーラ、スマイルスマイル!
と、無理矢理笑ってシンタローのご機嫌を取ろうと必死な元最強殺し屋集団総帥マジック。
「………。」
しかし、現在最強悪い人限定お仕置き集団総帥は、完璧シカト。
シカトは、構って構って、構ってくれないと淋しくて死んじゃう~なマジックには1番精神的にくる攻撃なのだ。
「さっきまでは素直で可愛かったのに~!勿論今のぶすくれてるシンちゃんも可愛いけどね☆」
「………。」
シンちゃ~ん…と泣きそうなマジック。
「せっかくスリリングな時間を一緒に経験した仲なのに!」
「なーにがスリリングだっ!スリリングすぎるわい!ぜーったいキンタローにばれた!つーか、ばれてたらアンタとは一ッッ生口きかねーからな!」
やっと喋ってくれたと喜んだのもつかの間のこの言い方。
「ばれてないよー!だってココ、防音完璧だもん。」
「あ。」
そうだった。
ここは防音は勿論、防弾も完璧。
なんせここは総帥室。
スパイに気付かれないよう、聞かれないよう、そういった設備は整っている。
ブザーをこちらから押さない限り、こちらの声は聞こえない。
「でもっ!」
シンタローは声を荒げる。「たまたまキンタローがドア開けなかったから見つからなかっただけで、鍵かけてなかったんだから見られてたかもしれねーだろ!」
すると、マジックはキョトンとした顔でシンタローを見た。
「鍵?かけてたよ?」
「は?だってさっき…!」
「鍵かけてたっけ?と聞いた事は聞いたけど、鍵かけてないとは言ってないよ。」
やられた!
シンタローは魚みたいに口をぱくぱくさせる。
マジックはハハハと笑って
「馬鹿だなぁ、シンちゃんν私がお前のそんな欲情的な姿を他人に見せると思うかい?有り得ないよ。」
そう言ってマジックはシンタローを後ろから抱きしめる。
「愛しているよ。シンタロー。」
そう呟いて。
「それにしても、最後の“パパ”は良かったよ。」
鼻血を吹き出しながら思い返すマジックに、シンタローはありったけの怒りと精神を掌に集中させ。
「眼魔砲!!」
マジックもろとも吹き飛ばした。
その時、書類も吹き飛ばしてしまい、シンタローはマジックに怒りをぶつけたのでした。
終わり
昼間仕事が終わらない訳じゃない。
ただ、一刻も早く父に追い付きたかった。
父ができたものを自分も出来なければいけない。
上に立つものとはそうゆうものなのだ。
出来なければ、人は自分をやはり、出来損ないなんだ。と言うだろう。
そうすれば団全部がバラバラになる。
それだけはシンタローは避けたいのだ。
祖父から父へ受け継がれたガンマ団を自分の代で終わりにはできない。
例え自分が、青の一族でなくとも。
「もーちっと頑張るかぁ。」
ガタリと革張りの総帥椅子から降りて、眠気覚ましの為コーヒーを入れる。
豆の独特の臭いと、温かい温度に少しだけ心が休まった。
「あちち」
少し熱かったらしく、シンタローは舌を出した。
「シンちゃん大丈夫!?舐めると治るよ!!」
プシュン!と機械音が鳴り、マジックが猛然ダッシュでシンタローを抱きしめた。
「わ!馬鹿!あぶねっ!!」
コーヒーが零れる!とカップをしっかり握る。
でも、マジックはお構い無しでシンタローにスリスリ、ベタベタ。
「テメェ、アブネーじゃねーかよッッ!!」
コーヒーが零れなくてホッとして、マジックに悪態をつく。
掌のコーヒーを総帥室の自分の机の上に置いて、どうにかこの危なっかしい父親にさっきの怒りをぶつけようか、なんて考える。
がぁッッ!!と、怒りの視線をマジックに向けたその時。
ちゅ。
怒って、ガツンと言ってやる!と意気込んで唇を開いたシンタローの口からは、声が発せられなかった。
何故ならマジックの唇がシンタローの唇を塞ぎ、尚且つ、舌を絡めたから。
「―――ッッ!」
先ほど火傷をした舌を必要に絡めとる。
怪我をして、唾つけときゃなおる、なんて、そんな程度じゃない。
明らかに意思を持って、シンタローの口内をまさぐる行為はまさに、シンタローの口内を犯していた。
「――ンゥッッ…ッア!」ぴちゃぴちゃと、水音が聴覚さえも犯し始める。
ドンドンとおもいっきりマジックの胸を叩くがびくともしない。
畜生ッッ!!
目尻に少しだけ涙をうかべて、それでも抵抗する。
「シンちゃん、パパの事、そんなに嫌い?」
絡ませた舌を外して、唇同士がくっつく程度で言葉を紡ぎ出す。
当たり前だと言いかけて止めた。
いつもなら、パパの事好き?って聞くはずなのに。
大体こーゆう逆パターンの時は何かあったと思う。
長年シンタローも父親の側に居るわけではない。
「嫌いじゃねーよ…。」
まさかそうシンタローが言うとは思っていなかったらしく、マジックは目をしばたかせた。
嬉しい、と、呟いて、又、舌を絡ませる。
「調子に乗るんじゃねぇ!」
ガツンと頭をゲンコツで叩いてやると、いたぁい!と膨れた面でシンタローをじとりと見た。
可愛くねぇんだヨ!
チッ!と舌打ちをし、心の中で悪態をつく。
マジックと目を合わせないよう、横を向いた途端、マジックの骨張った指がシンタローの頬を撫でる。
「だから調子に乗んじゃ…」
ねぇ!と言いかけて止まる。
酷く欲情的な瞳は綺麗な、綺麗過ぎるほどのスカイブルーで、ああ、又だと思う。
又なし崩しに抱かれるんだろうな。と予想できる。
「ね、シンちゃん、しよう。」
何があったのだろうか。
仕事中なのに。勤務中なのに。
でも、抱かれる事は嫌いではない。
唯一、マジックの全てが解る瞬間。
固く閉ざされた彼の心が自分にだけ開く時。
実はシンタローは、マジックに抱かれるのは好きなのだ。
いつも自分より圧倒的な高い位置にいる彼が、自分の体に欲情し、自分の事しか考えず、本気の愛の睦言を囁く。
その時だけ、シンタローは、自分がマジックと同じ位地にいられると思っていた。
でも。
「ダメに決まってんだろォ?ココ総帥室。俺仕事中。」
プライドの高いシンタローは、直ぐにYesを出さない。
さっさと書類に目を向ける。
頭になんて何も入らない。
マジックに全ての興味を持って行かれてしまったのに、素直になれないシンタローは、興味ないといった感じでパラパラと文字を見る仕種を取った。
勿論そんな事はマジックにはお見通し。
彼も又、長年シンタローの側に居るわけではないのだ。
「ね、シンちゃん。意地悪言わないで。こっちを向いて。可愛い私のシンタロー。」
優しくシンタローの顎を持ち上げ、優しい笑顔で彼をこちらに振り向かせる。
シンタローが世界で一番好きだし、一番愛しているし、抱きたいし、笑顔を見たいし、笑い合いたい。
それは紛れも無い真実で。
シンタローにYesと言わせる方法一番効果的な方法もマジックは知っている。
だから。
なし崩しにシンタロー総帥のディスクの上に組み敷いた。
ガツンと骨の当たる音。
バサバサと書類の落ちる音が聞こえる。
「いってぇ!」
およそ色気のない声をシンタローは発したのだった。
涙目で己を睨むシンタローに、マジックは笑顔を振り撒く。
シンタローを落とす心得その壱。絶対に怒らない。
その弐。無理矢理する。
シンタローはムードを重んじるから、怒りは禁物。
だからマジックは怒ったりはしない。
無理矢理するのはプライドの馬鹿高いシンタローの為。自分はそうゆうつもりじゃなかったのに親父が勝手に!と言える逃げ道をつくってやる為。
「愛してるよ。」
耳元で呟けば、ゾクリと鳥肌が立つ。
自分でも解る程ほてった顔と体。
こんなの俺じゃないなんて思いたくなる程、もう、マジック使用の体と心。
「しょーがねー奴。」
ぶっきらぼうに言えば、それすらも楽しそうに、
「そう、パパ、シンちゃんが居ないと駄目なんだ。しょうがない奴なんだよ。」
なんて言うから。
今度は拒否せず、マジックの薄い唇をすんなりと受け入れた。
それが合図かのように、シンタローの総帥服をゆっくりぬがす。
地肌に直接着ているそれは、ボタンが全て取り払われると、シンタローの健康的な肌が真っ赤な総帥服に栄えて、何とも悩ましい。
「お前の肌は私の指に吸い付くんだね。」
心臓に掌を置いて、ドクン、ドクンと、波打つ音を確かめる。
温かいシンタローの体温。
ペロと、ピンクの乳首を嘗めれば、シンタローはふるりと体を震わせた。
舌先でチロチロ嘗める。
「ぁ、ん、くぅん…。」
鼻にかかった甘ったるい声で鳴くシンタローに気を良くしたのか、そこを必要に攻め立てた。
シンタローはマジックの髪をぎゅっと持つ。
「シンちゃん、乳首がプックリしてきたよ?お前のはピンクでとっても可愛い。あ、勿論、お前がお前である全てが可愛いんだけどね。」
そう言って乳首をキュウッと握る。
「あァん…ッッ!」
喘ぐ事しかできなくて、マジックの髪をより一層力を込めて握る。
「ハハ、痛いよシンちゃん。」
痛いと言っている割には楽しそうに笑う。
ゆっくりと自分に絡められた指を優しく解くと、マジックの金髪の髪が数本パラパラと落ちた。
「あ…。」
申し訳なさそうな瞳でシンタローは、指から滑り落ちる金髪を見た。
昔からシンタローが自分の髪と瞳の色にコンプレックスを持っていた事をマジックは知っている。
だから気にしないで。そう言葉を紡ごうと思ったのに。
「ゴメン。」
潤んだ瞳で謝られた。
不謹慎ながらもマジックは思う。
これは…クる!!
. その謝りの言葉がマジックの過虐心に火を点けた。
「いけない指だね、髪が何本か抜けてしまった。」
わざとシンタローの心の弱い柔らかい部分に突き刺さる言葉を吐く。
ビクリとシンタローの肩が震えるのが解った。
こんな小動物ちっくなシンタローも可愛いな、なんて思い、罪悪感ですっかり大人しくなったシンタローの体を好き放題まさぐる。
そしてたどり着いた中心部分。
「あれ?」
元気がないようだ。
まぁ、それはそうだろう。
メンタル面に男は弱い。そうゆう種類なのだ。
「さっきの気にしてるの?」
そう聞くと、珍しくコクリと頭を前に倒す。
可愛くて仕方がない。
ニッコリ笑って額にキスを落とす。
「そんなに気にすることないのに。」
シンタローが黒髪黒目を気にしていることを知っていて、それで尚且つシンタローの傷つく言葉を吐いておきながらこの言い草。
素直になったことを少しだけ後悔する瞬間だった。
「お前の髪は美しいね、シンタロー。お前の全てが美しい。」
小さい時から何度も言われた言葉。
俺の髪なんてちっとも綺麗じゃない。皆みたいに光を反射しないし、キラキラ光らない。
シンタローは自分の髪と瞳がとても嫌いだった。
自分がジャンの分身のコピーだと知って、ああ、とすんなり納得したものだ。
「俺は綺麗じゃねーよ。」
「そんなことないよ。シンタローのものは全て美しい。」
優しく又笑いかけ、行為を再開される。
感じやすい敏感な体は浅ましくマジックの愛撫に反応した。
また、頭をもたげてくるシンタロー自身に、マジックはクスリと笑い、焦らすようにそこには触れない。
「ん、ぁ、な、で…」
「ん?なぁに?シンちゃん。」
何故触れてくれないのかと、潤んだ瞳で見るシンタローに、わざとらしく聞いて。
シンタローが破廉恥な言葉は言えないのを知っていて問い掛ける。
シンタローは黒い睫毛を下に向け、マジックの絶妙な愛撫をじっと見た。
そして。
「ちゃん、と…。」
「ちゃんと、何?」
「~~~ッッ!!」
勇気を出して言ったのに。
この親父はそれ以上を望む。
恥ずかしくて言えなくて。
ぐずった子供のように泣いてしまいたかった。
シンタローが少し唸ると、マジックは苦笑いをして、シンタローの髪を優しく撫でる。
「ごめんネシンちゃん。今のはパパ、ちょっと意地悪だったね。」
よしよしと頭を撫でてシンタローの顔を覗き込むと、シンタローは、ぷいっとそっぽを向いてしまった。
そんなシンタローも大好きで。
多分どんな顔をしても、どんな事をしても、マジックはシンタローを可愛いと、可愛くて仕方がないと思うだろう。
「ああっ!!」
いきなりマジックに中心部を触られた。
あられもない声が口から出てくる。
カァーッと、恥ずかしくなって両手で口を押さえた。
「いいのに。シンちゃんの可愛い声、パパ、すっっごく好きν」
「ば、ばかじゃね…の。」
ピクンピクンと体を震わせているシンタローの暴言なんて怖くもなんともない。
ゆるゆると中心部を上下にグラインドさせてやれば、先端部分から粘ついた液体がチロチロと出てくる。
それを確認した後、激しく擦ってやる。
「や、あぁああっっ!!」
「おっと!まだ駄目だよ、シンちゃん。」
キュッと根本を掴む。
まだイかせる気はないらしい。
「パパと一緒に気持ち良くなろう。」
入口部分にクニクニとマジックの熱いモノが縁を描くように突き付けられる。
ヒクリ、シンタローの体に力が入る。
これから与えられるであろう激しい快楽に、シンタローの心は波打った。
瞬間、ズブブッと中に入って来た。
感じる痛みと異物感。
何度体を重ねても、これだけは慣れない。
「ああああぁあ!!」
マジックの服を掴み、歯を食いしばって堪える。
「ンッッ…」
マジックの眉が苦しそうに歪んだ。
「全部入ったよ、シンタロー。」
ぴっちりと自分のがマジックのをくわえ込んで。
マジックは勝手知ったというようにシンタローのイイトコロばかりをつく。
「アッ!アッ!ひゃ、あ!あンッッ!ああぅっ!」
ギリギリまで抜いて最奥まで貫く。
ガグガクとシンタローは体を震わせた。
「お前の中は凄いよ。熱くて…溶けそうだ。」
「いう…なッッ!アァッ!!」
恥ずかしくて、思わず手で顔を覆う。
顔で覆っても、マジックのをリアルに感じてしまって、どうにもならない。
だが、マジックの瞳で見られたくなかった。
恥ずかしくて仕方がないのだ。
「駄目だよ、シンタロー。」
そっ、とシンタローの手を顔から外す。
「良く見て。私を。そして、私で感じてるお前を。」
「ふ、ぁ、や、ゃだぁッッ…。」
ふるふると頭を左右に振るが、マジックに掴まれた腕はどうにもならない。
顔は覆えない。
ぎゅっと目をつぶるシンタロー。
「シンタロー、ここが何処だか解っているのかな?」いきなり何をいい始めたのだろう。この親父は。
「鍵は…かけたっけねぇ?」
はっと目を見開くと、楽しそうに笑う父の顔。
サァッと、血の気が失せたのが自分でも解った。
「テメッ!ンァっ!」
ジュブジュブと激しく腰を動かされて、悪態をつく暇もなく快感に身をよじる。「いつ、誰が来るか、何て解らないよね?ここは総帥室だもんね。」
まるで欲しかった玩具を手に入れた子供のように無邪気に笑うマジック。
「や、やだ!も、ヤメ!とぉさ…ッッ!!」
マジックの襟元を掴み必死に抗議するシンタロー。
それでも動きは止めないし、速度も変わらない。
「こんな、総帥服をはだけさせて、父親に抱かれている総帥を見たら…部下達はどう思うかな?」
ねぇ、シンちゃん。
と、耳元で囁かれる。
「ふざ、けんな!こ、のアーパーおやじぃっ!!」
マジックの下から逃れようとするが、力の入らない今ではマジックはびくともしない。
そのくせ力を入れるものだから、余計マジックのを締め付ける事になり逆効果の悪循環。
その時、
トントン
扉の向こうからノックが聞こえた。
シンタローの顔が一気に青ざめる。
ビーッというインターホンが鳴った。
『シンタロー居るか?明日の会議の件について話したい事がある。』
声の主はキンタローであった。
非常にまずい。
今、この姿を誰にも見せられない。
ディスクの上に総帥服をはだけさせ、淫らに自分の父親と情事を交わしている姿なんて。
血縁者なら尚更だ。
息を潜めて居留守を使おうと決心した矢先。
「あぅっ!!んぐっ!」
マジックが動きを再開し始めた。
咄嗟に自分の口を手で覆う。
『シンタロー。居ないのか?』
「~~~ッッンッッ!!」
あンのクソ親父ィィ!!
潤んだ瞳でマジックを見れば我関せずといった風にニコニコ笑っている。
頼むキンタロー!今日の所は帰ってくれぇぇ!
心の中でそう祈る。
多分生まれてきて神にこれほどまでに祈ったのは二回目だろう。
一回目の小さい時に金髪碧眼にしてくれと祈った時以来だ。
「あんっ!!」
いきなり体位を横に変えられシンタローは思わず自分の声にびっくりした。
「そんなにいやらしい声を大きく出したらキンタローに聞かれちゃうよ?」
いいのかな?
意地悪く言葉を吐く。
慌てて又口を塞ぐ。
くぐもった声を響かせ、快感に堪える。
キンタローは諦めたのか、ブザーはそれから鳴らなかった。
良かったと安堵のため息を漏らすと、マジックの骨張った指がシンタローの中心に触れた。
「ひゃぁぁん!」
「シンちゃん。他の事考えちゃ駄目だよ。」
誰のせいだ誰の!!
声には出せないので心の中で悪態をつく。
片足を肩に乗せて、マジックは最奥に何度も何度も自身を入れる。
「あ、あ、や、もぉダメッッ!」
しかし、マジックは今度シンタローのイイトコロから少しズレた場所にポイントをずらした。
これではイクにイケない。
「も、ヤダ、イジワルばっか!!」
「イジワルっていうのもそそるけど、今日、イク時パパって言ってくれるならイカせてあげるν」
こーの変態親父ッッ!!
「言えるかバカ!」
「まだ余裕ありそうだねぇ?シンちゃん。この後30分位我慢する??」
その前に誰かしら又来るだろうけど。キンタローもお前に用があったみたいだしね。
そう付け加えられて、シンタローは唸った。
プライドが許さないが、こんな歯痒い思いをするのは嫌だ。
ゆっくりと、だが、確実にシンタローは頭を前に倒した。
「あっ!あっ!あっ!」
途端に激しくなるピストン運動にシンタローは息をするのさえ追い付かない。
卑猥な音に耳を犯され、マジックに体を犯される。
「シンちゃん、シンタローッッ!」
「も、ダメッッ、ダメ!アアアアッ」
ギュウウッと、マジックの背中を抱きしめる。
そして、耳元に唇を這わせ
「パパぁッッ!」
酷く艶っぽい声でマジックを呼んだ。
「―――ッッ!!」
余程嬉しかったのか、興奮したのか。
マジックにしては珍しくシンタローのすぐ後にシンタローの中で吐き出したのだった。
「シンちゃ~ん…機嫌直して?ね?」
ホーラ、スマイルスマイル!
と、無理矢理笑ってシンタローのご機嫌を取ろうと必死な元最強殺し屋集団総帥マジック。
「………。」
しかし、現在最強悪い人限定お仕置き集団総帥は、完璧シカト。
シカトは、構って構って、構ってくれないと淋しくて死んじゃう~なマジックには1番精神的にくる攻撃なのだ。
「さっきまでは素直で可愛かったのに~!勿論今のぶすくれてるシンちゃんも可愛いけどね☆」
「………。」
シンちゃ~ん…と泣きそうなマジック。
「せっかくスリリングな時間を一緒に経験した仲なのに!」
「なーにがスリリングだっ!スリリングすぎるわい!ぜーったいキンタローにばれた!つーか、ばれてたらアンタとは一ッッ生口きかねーからな!」
やっと喋ってくれたと喜んだのもつかの間のこの言い方。
「ばれてないよー!だってココ、防音完璧だもん。」
「あ。」
そうだった。
ここは防音は勿論、防弾も完璧。
なんせここは総帥室。
スパイに気付かれないよう、聞かれないよう、そういった設備は整っている。
ブザーをこちらから押さない限り、こちらの声は聞こえない。
「でもっ!」
シンタローは声を荒げる。「たまたまキンタローがドア開けなかったから見つからなかっただけで、鍵かけてなかったんだから見られてたかもしれねーだろ!」
すると、マジックはキョトンとした顔でシンタローを見た。
「鍵?かけてたよ?」
「は?だってさっき…!」
「鍵かけてたっけ?と聞いた事は聞いたけど、鍵かけてないとは言ってないよ。」
やられた!
シンタローは魚みたいに口をぱくぱくさせる。
マジックはハハハと笑って
「馬鹿だなぁ、シンちゃんν私がお前のそんな欲情的な姿を他人に見せると思うかい?有り得ないよ。」
そう言ってマジックはシンタローを後ろから抱きしめる。
「愛しているよ。シンタロー。」
そう呟いて。
「それにしても、最後の“パパ”は良かったよ。」
鼻血を吹き出しながら思い返すマジックに、シンタローはありったけの怒りと精神を掌に集中させ。
「眼魔砲!!」
マジックもろとも吹き飛ばした。
その時、書類も吹き飛ばしてしまい、シンタローはマジックに怒りをぶつけたのでした。
終わり
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