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ms
ONE

アオザワシンたろー




 もしも、マジックが本当に俺の嫌がることをしたら、俺はそれを許せるのだろうか?

 シンタローが自問したのは、人よりかなり遅い自立への第一歩だったのかもしれない。今までマジックは、そういった小さな芽をこまかく摘みあげてきた。
 シンタローが『マジック』項目に関しては何も考えずにすむように……何も、考えさせないように。
「パパはシンちゃんがだぁいすきだよv」
 マジックがいつものようにシンタローの首にするりと両腕を掛けた。こんなふうにされると、たとえその腕に力がこもっていなくとも、逃げ出すことは容易ではない。
 マジックの存在とは、そのくらい強いものだった。
「どうしたの?難しい顔をして」
 シンタローの心中を知ってか知らずか、この父親は頬に唇を寄せた。
「別に、…ちょっと、ヤバイって思っただけだよ」
「ヤバイ?何か失敗しちゃったのかい?」
 親子の間の親子以上の関係は、マジックにとっては失敗のうちに入らない。少なくともシンタローの前では、そんな関係を悔いた言葉は出てこなかった。
「親父は平気なの?」
「何が?」
「……」
 この父が、常識を知らないはずはないのだ。ただ、それを己のモラルと同一視しないだけなのだ。
「だからさ、……こういう……コト」
 シンタローが口ごもるとマジックはおかしそうにその唇を指で押さえた。
「なんにもいわなくていいヨ。全部パパに任せておきなさい。私を信じていればいいんだよ」
「…でも…」
「でも、何?」
 反論することを、認めているにもかかわらず、そうはできない雰囲気が、言葉にはあった。
「……だって、俺…」
「言ってごらんシンタロー。『でも』…それから?。このパパに言いたいことがあるんだろう?」
「……」
「さあ」
 促されると、言えなくなる。
「なんでもない」
 そうとしか、言えなくなる。
 まだシンタローは幼かったから。体だけは大人になったのに、マジックが籠の中で育てたから、シンタローは幼かったから。
「シンちゃんはいいコだね」
 ご褒美のように、マジックがシンタローを抱き締める。小さかったころから何一つ変わらぬように。
 ……否、変えぬように。
 やがてシンタローに弟ができ、二人の間に大きな溝が出来る。その溝が、変わらなかった関係を変えてゆくのだ。


END




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ありがちな1コマです~。いやほんと、当時はコレで頭の中、妄想グルグルでした!なんて非生産的な!(笑)


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