35555HITs 御礼小説 『マジック×シンタロー』マジック少し鬼畜風味。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
「――――でだ。」
俺らの部隊長は地図を広げながらある一点を指さした。
「私たちがいるのはこの地点。目標から約1㎞離れた位置だ」
鬱蒼と茂る森の中。日は少し沈みかけ、明かりがないと少し広げられた地図やオレと隊長の他に3人いる仲間の顔が見にくくなりかけている。
一応斜めに立てかけた懐中電灯が地図を照らし出しているが、それは日がもう少し沈んだら消すだろう。
「地図を見れば分かるように、私たちがいる森は、小高い丘の上に存在し、目標はその下だ。
――――ここをまっすぐ行けば崖があって、そこから例の施設が見渡せるのだが、
本部で目標の見取り図を引き出したところ、目標とする施設には普通では考えられない大規模な地下水路があって……
まぁ……この理由は諸君にも想像がつくだろうが。
さて、我々はこの水路から中に侵入する。これが先程本部から渡された地下水路の構造だ。全員受け取ってくれ。
出来る限り頭の中にたたき込んで欲しい。」
親父が次に狙った小さな国は、小さいながらも栄えている国だった。
見たところ、農産物や工業製品、その他特産品は見受けられないのだが……
だが裏に通じる物なら、その国が栄えている原因を知らない者はいない。
汚れた黄金。
大麻を裏で生産し、他の国に送り込んでいるのだ。
そして――――それこそがガンマ団が攻めあぐねている原因の一つでもある。
つまり、戦場に出る兵士に、それ用に改良された薬品を投与する。
もちろん、薬の主成分はここで生産された麻薬だ。
これは、投与された兵士から恐怖という感情を消し、
また、同様に目に映る者は皆敵に見える……という麻薬常習者の特長を生かした薬だった。
もちろんガンマ団の兵士とはいえ、命は惜しい。イヤ、ガンマ団の兵士だからこそと言うべきか。
団内でそれなりの手柄を立てればそれなりの報酬は期待できるからな。
しかし、相手は死にものぐるい所か、痛みを気にせず、死の恐怖を乗り越えた兵士達だ。
当然、ガンマ団でも手が掛かる。
そこで急遽考えられた作戦が、その薬の基となる大麻を全て勝手に処分してしまうことだった。
もちろん、大麻を全て処分したからとはいえ、すぐにその薬が尽きるというわけではない。
だが、この国では前述したとおり大麻が特産品となっている。
それが無くなれば一気に財政が圧迫され……
結構おおざっぱな計画だとは思うが、まぁ管理人が思いつかないのだからしょうがない。(ごめんなさい)
ああ、言い忘れたが、もちろん大麻を生産している施設はここだけじゃない。
他にも何カ所か有るのだが、同時に攻めるらしい。
本部の調べによると、大麻畑は全て地下にあると言うことだ。
先程、大がかりな地下水路があると部隊長が言っていたが、これは単に地下にある大麻畑に水を送り込む施設だろう。
わざわざ地下に大麻畑を作る原因は、フタでもしていないと他国にあっさりと攻め入られる原因を作られてしまう。
たとえ大麻を生産しているのが暗黙の了解だとしても、黙っているうちは存在していないことになるのだから。
上が考えた作戦はこうだ。
上と下からの時間差襲撃。
まず、大人数で……空から対地用ミサイルを搭載した戦闘機を数台投入させる。
敵が混乱し、上に向かったところで、精鋭部隊が地下水路から大麻畑に侵入。
オレがさっきから目の前で指示している人物を『隊長』ではなく『部隊長』(コマンダー)と読んでいる原因はそこにある。
さて、地下に侵入した後は大麻を何らかの方法を使って処分する。
つまり、今回は施設を陥落させることではなく、大麻を全て消却してしまうのが目標なのだ。
さっき『精鋭部隊』と言ったが、これは自分を自慢しているわけじゃない。
むしろオレはまだガンマ団の戦闘員候補生で戦場に立つ資格はない。
そんな中、公式に俺がこの隊にいる理由は、この体に流れる血故だった。
「――――で、シンタロー」
「はい」
部隊長の声に渡された見取り図から顔を上げる。
「上からの報告によると、畑は円状で半径が約100m程度らしい」
半径約100m……
ぱっと来ないな……
「東京ドームとだいたい同じくらいの大きさだ」
「あ、ども」
別の隊員が説明してくれる。
「そのくらいなら……だいたい……」
相手が人間ではなく、植物だというのなら、そして地面を削るだけで良いのだから広範囲で、そのかわり威力はあんまり考えなくても大丈夫だろう。ケド……いくら何でも東京ドーム一個分をカバーするほどのは撃てないな……
とりあえずそれを説明した後付け加える。
「単純にその大きさをカバーする回数だけを考えれば5分もかかりませんが……
移動時間にもよります。」
「成る程……」
言って再び全員で見取り図を見る。
見取り図には赤い線が引いてあった。たぶんここを通りながら行くのだろう。
その辺の火炎放射よりも熱量が高く、威力ある対地用ミサイルよりも使い勝手の良い……
青の一族に伝わる奥義。
それこそがオレがここにいる理由だった。
「まぁ……その辺は実際に入ってみないと分からないな。
――――そろそろ時間だ。みんな、気を引き締めて頑張って欲しい」
そう言えば……他の施設にあたっている精鋭部隊には、火を扱うという戦闘員候補生がいるという話だが……
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
「合図……有りませんね…………」
隊員の一人がぼそりとつぶやいたのは作戦開始予定時刻から5分ほど過ぎた時だった。
「……そうだな」
部隊長がそれに呼応する。
彼は無線機を取り出しながら
「まさかとは思うが……念のためだ。別隊に連絡をしてみよう」
別隊、つまり空からの部隊だ。
部隊長がボタンを押そうとしたその時
がさがさっ
オレ達の耳が植物の枝葉をかき分ける音を捕らえた。
即座に全員武器を取る。
ゲリラ兵がいたのか?
それとも味方に何かあって伝令が来たのか?
だが……それにしては足跡を消してるような様子はない。
まさか――――……
ざっ
「やぁ」
緊張の汗を流す部隊長達の緊張の糸をぶっつりと切るような登場の仕方でその男は現れた。
「……………………マジック総帥」
かろうじて部隊長が声を絞り出す。
オレは、あっさりと背を向け、腰を地面に下ろし、視線を地図に落とした。
「成る程ねぇ……」
親父はあの後オレ達の輪の中に入り、作戦会議に割り込んできた。
輪の中に入り……というのは適当じゃないかもしれない。
詳しく言うならオレの後ろから、のしかかるようにオレの地図をのぞき込んでいた。
「この先に施設が見おろせる丘があるんだね……」
ぼそりと呟いたつもりなのだろうが、部隊長が即座にそのセリフを受ける。
「はっ昨日偵察の者がそこから、場所を確認いたしました」
「ふむ…………」
親父はしばらくじっと地図を見ていたが、
「じゃぁちょっと行って来る」
まるで散歩にでも言うような調子でそう言って立ち上がった。
「は!?」
全員が――――オレを含む――――声を出した時には、既に親父の赤いブレザーは木の葉にだいぶ隠れていた。
どのくらいじっとしていたか……
親父が消えた後、オレ達はその場にじっと立ちつくしていた。
その時だった
突然地を揺らすような轟音が響いたのは。
衝撃が走り、木が揺れ、葉が落ち、鳥たちがギャァギャァと鳴きながら一斉に羽ばたく
オレは肘を地につき、手で耳をふさぎ、ほこりから目を守るように硬くまぶたを閉じた。
鼓膜からビリビリとしびれるような感覚が去り、辺りを見回すと、他の隊員もオレと同じ様な格好だった。
「今のは……?」
呆然としながら部隊長がぽつりと呟く。
オレはその声を合図に、その丘を目指して駆けていった。
「おッ……おいシンタローッ!!?」
部隊長の声を後に聞きながら。
オレが去ったすぐ後、その部隊長のもとに一人の男が来たということも知らずに。
目的地に着く前に、良く見知った赤が木の陰に見えた。
「おいっ」
それに声をかける。
「ああシンちゃん。パパのもとに来てくれたんだねっ!」
駆け寄り、いきなり抱きついてこようとする手を何とか払いのける。
「それはともかく、アンタ一体何したんだっ」
ある程度の距離をとり、問いつめる。
「いや何。アレが今度の目標かと思ったらつい手を出したくなってね」
「まさかさっきの――――!」
言うと同時にオレは丘を目指して再び走った。
「――――んだこりゃ……」
成る程確かに施設を見渡せる丘だったのだろう。
オレが立っている遙か下には未だ朦々と立ちこめる塵に……巨大なクレーターが出来ていた。
東京ドーム……って……言っていたよな。
いや、地下の大麻畑がそのくらいの大きさなんだ。
地上(うえ)はもっと大きい上に、仮にも機密事項を扱う場所だ。多少所ではナシに頑丈に作られていただろう。
何人もの研究員や、警備員、ひょっとしたら無理矢理働かされている人達だっていたかもしれない。
裏でやっている事業に、まっとうな人間が手をつけたがるハズはないのだから……
地図でしか見たことのない地下水路も、汚れた黄金を生み出す大麻畑も、その上にあった研究施設も、そこで働いていたはずの人間も。
すべて大きな赤茶の穴に吸い込まれていて、影も形も消えてしまった。
『赤いブレザーがトレードマークの男に蒸発させられた』……と言われるよりも、
『隕石が落ちてきて全て灰燼に帰してしまった』と言われた方が納得できたかもしれない。
マジックの眼魔砲の威力……話には聞いていたが…………
「やれやれ、やっと追いついた。シンちゃん速いねぇ」
……この鬱蒼と茂った森の中、服を全く汚さずに来れたアンタも凄いよ。
軽口を叩こうとしたが、口の中が乾いて言葉にならない。
「でも、一人で走っちゃ危ないよ? ゲリラ兵とかがいる可能性だってあるんだからね。」
「その……そのゲリラ兵がいるかもしれない緑の森の中を赤いブレザーで歩き回るアンタ程じゃねーよ」
かろうじてそう言うと、親父は「確かに」と笑いながらこっちに近づいてきた。
反射的に後ずさる。
「前を見て歩かないと危ないよ」
親父の腕がオレの腕をつかみ、ぐいっと引き寄せられる。
「離せッ」
振り解こうとするが、あっさりと抵抗を封じられぎゅっと抱きしめられた。
「そんなに脅えなくても良いだろう? パパ傷ついちゃうよ」
「誰がッ」
こちらを拘束する腕から離れようとするが、こっちが力を込めても、むこうがそれ以上の力で抱きしめてくる。
どうしようかと思っていると森の奥から がさっと音がした。
「――――!?」
そちらを見ようと首を曲げ、親父の手がオレの後頭部を押さえて胸に押しつける。
一瞬だけ見えたのは、ガンマ団で支給される戦闘服を着た男だった。
「総帥。そろそろお戻り下さい」
「わかった。シンちゃんは一緒に帰ろうねv」
「……オレはさっきの部隊に混ざって帰らなきゃいけねーんじゃねーのか?」
親父をにらみ付けながら言う。
が、
「シンタロー様、そちらは既に帰しました。マジック様のご命令で」
冷静な声が届く。
オレは小さく舌打ちし、親父の胸をぐいと押した。
今度はあっさりと放す。
「ヘリはこちらに持ってこさせましょうか?」
「イヤ……大した距離じゃないし。歩くよ。シンちゃんも大丈夫かい?」
「たりめーだ」
「なら。」
親父はオレの腰に手を回してエスコートするように歩き出す。
イヤ、実際にその通りなのだろう。
出来ればもうちょっとここに……と言うよりも、親父と一緒にいたくなかった。
『あんな事』を平気でした後の人間と、一緒にいられるわけがない。
しかも身内だし。
ヘリがある場所に着くまで、そしてヘリに乗ってからもオレは終始無言だった。
親父も何にも話しかけてこない。
ただ、いつものように肩に手を回し、腰をさすり、髪をなでてくる。
やめろと言う気力もなく、じっと座る。
いつもはやかましいと感じるヘリのプロペラ音がありがたい。
本部に到着し、オレはすぐに部屋に戻ってシャワーを浴びたかったが、親父に引き留められ、部屋に連れ込まれた
「で、初めての戦場はどうだった? 緊張したかい?他の人達にいじめられなかった?」
「……いじめるってどうやってだよ」
「そりゃシンちゃん可愛いからみんなに●●●れたり、あの部隊長の■●●■■させられたり、
みんなでシャワー浴びてるときに■●●たり、寝ようと部屋に入った瞬間うし」
「ストップ」
慌ててセリフを遮る。こっちは表だったんだ。
「まぁそれは冗談だとしても、怪我とかしてないかい?」
「ねえよ。そうなる前に誰かさんが来てくださったんでね。
それにそう言う報告はあの部隊長の役目だろ?
一介の戦闘員候補生がやる事じゃねーよ」
何とか部屋を出ようと必死で言葉を探すが、親父は何食わぬ顔で
「うん。出来ればその方が良いんだろうけどね。
残念ながら君のトコの部隊長は、まだ護送車の中だ。
早いうちに話を聞きたいんだよ」
「ふん……」
よくもまぁ次から次へと出るもんだ。
オレも諦めて、親父が入れた紅茶に手を伸ばし、少しずつ話していった。
目的地に遅れたが、その理由は思ったよりも木が茂っていたから。
まだ野外での行動になれていない俺にみんながあわせていたからだ。とか……まぁ普通のガンマ団員なら怖くて報告書に書けないようなことを言う。
親父の溺愛ッぷりは有名だからな。下手にオレを悪くは書けんだろう。何かそれはそれでムカつくが。
「――――で、つまり……
どっかの誰かさんのせいで、部隊長が一晩かけて考えついた地下水路の侵入ルートは全てパァ。
誰かさんのせいでな。」
考えてみれば、あの人が一番不幸かもしれない。
はっきり言って戦闘員としては未だ未熟なオレが『精鋭』部隊の中にいることや、
そのオレを無下に扱えないことや。扱えなかったら扱えなかったで他の隊員から白い目で見られるだろうし。
オレの皮肉に、親父は苦笑しながら。
「いやいや面目ない。シンちゃんが前戦に立ってると思ったらいても立ってもいられなくてね」
「……オレの腕を信用していないと?」
そりゃ確かに未熟だが、そうはっきり言われると腹が立つ。
「そうじゃないよ。可愛い子供を心配するのは親として当然だろう?」
「可愛い子には旅させろって言うだろうが。」
「別にシンちゃんには強くなって欲しい訳じゃないし。」
「おいっ」
親として、総帥としてあんまりなセリフに、ついつい声を荒げると、親父はじっと俺の目を見ながら呟くように言った。
「大丈夫。シンちゃんはパパが……ずっと……ずーっと守ってあげるからね。」
頬をなでてくる手の甲を一瞥して、口を開く
「オレは――――っ」
言いかけた言葉は親父の唇にふさがれた。
ついばむようなキスで、すぐに唇は離れたけれど。
「だから……パパのそばを離れちゃダメだよ?分かってるね?」
じっと俺の目を見つめながら言ってくるが、オレはただ目を逸らすことしかできなかった。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
ごめんなさいオチが浮かびませんでした。
「そりゃシンちゃん可愛いからみんなに●●●れたり、あの部隊長の■●●■■させられたり、
みんなでシャワー浴びてるときに■●●たり、寝ようと部屋に入った瞬間うし」
●;平仮名 ■;漢字
「そりゃシンちゃん可愛いからみんなにまわされたり、あの部隊長の夜のお相手させられたり、
みんなでシャワー浴びてるときに覗かれたり、寝ようと部屋に入った瞬間うし」
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
SEO 本業を超える副収入 派遣 花 無料レンタルサーバー ブログ blog
PR