24日クリスマスイブ。
関係ねーけど。
久しぶりの性欲処理のため、すっきりした体としこりの残った心をつれて、キッチンに。
今日の朝食担当は俺だ。
さて何がいいか。
半年間ずっとイギリスに住んでいた所為か、どうもマジックがよく作ってくれたものが思い浮かぶ
つまり、コーヒーか紅茶、ジュース、シリアル、ヨーグルト、トースト、ベーコン、卵料理、
ベイクドビーンズ、マッシュルーム、焼いたトマト等々。
ずいぶんな量だが、マジックが言うには
『これはFull English Breakfastっていって、昔1日2食だった時の物なんだよ。
今はみんな昼に軽いサンドイッチを取ったりするから、
普通の家庭では朝食はコーヒーか紅茶、ソレに薄いトーストかシリアルだね。
ただ、私は朝食はしっかりとったほうがいいと思うから、こうしてるんだよ。
朝じっくり時間を食べて食事をするというのはなんとなく優雅だろう?
To eat well in England you should have breakfast three times a day.ってね』
イングランドでおいしい食事をとろうと思ったら、朝食を三度食べるべきだ。だそうだ。
話がそれた。
紅茶にしよう紅茶。
ほかに飲み物は、冷気貯蔵庫(常に冷気で満たされている箱。グンマ発明のマジック.ボックス)に
牛乳とバナナがあったからソレでジュースでも作ろう。
ヨーグルトもあったよな。
パンは...いいや。そのまま出そう。ジャムとマーガリンは各自にお任せ。
卵はコカトリスの卵でスクランブルエッグを出そう。
グンマがいるから砂糖で味付け。俺は嫌だけど。
トマトはめんどくさいから熱湯に浸けた後水にさらして皮をむき、くし切りにして出す。
味は塩かマヨネーズ。これもテーブルの上に出しておけばいいだろう。
グンマのは細かく刻んでコーヒーカップに入れて砂糖少々。
これをスプーンで食うとうまいらしい...(汗)
しかしジューサーといい冷気貯蔵庫...いわゆる冷蔵庫と言い、
他の悪魔の家には冷蔵庫はともかく、ジューサーはない。
グンマが人間界でメジャーになった家電製品を
こっちで、電気の代わりに魔力で色々作れないかと試した結果なのだ。
この辺アイツの技術には舌を巻く。
ということで、今日の朝食は、
バナナジュースと食パンヨーグルトにスクランブルエッグ。
それと小皿にトマト。
...緑のものがほしいな。ブロッコリーを昨日ゆでて取っておいたはず。
「おっはよー!」
「おはよう」
「おはようさん」
寝起きからハイテンションなグンマとすでに普段着に着替えているキンタロー。
「今日は勝手にパンに何かつけろよー。」
「はーい!...イチゴジャムある?」
「ほらよ」
「どーも!」
残り少なくなったイチゴジャムを手渡す。不必要なほどにでっかい元気なお返事が返ってきた。
「キンタローは?」
「...そうだな。グンマと同じでいい。」
こっちは妙に歯切れが悪い。
これはひょっとして...
俺はパンにりんごジャムを塗る手を止め、二人を交互に見つめて言った。
「なぁグンマ、キンタロー」
「え? なぁに??」
「...どうした」
満面の笑みで返してくるグンマとピクリと肩を震わせてこちらを見つめるキンタロー。
対照的な二人だが、これは多分...
「昨日聞こえてた...むしろ聞いていたな?」
あぁこめかみがピクピク動くのがわかるよ。
「何のコトだ?」
「大丈夫だよ。聞こえてなかったって。」
...二人とも平然としてる...フリをしているがな、
「キンタローはともかく、グンマの大丈夫って何がだ?」
「...あ。」
しまった! とグンマの瞳が物を言う。
「まぁそういうことだ」
おまえは立ち直りが早いなキンタロー。
「おまえらはよぉおお~~~!」
畜生やっぱり聞いていやがったのか!
「だ...だってシンちゃんのあんな声聞いたことなかったし...」
「普通は聞いたことないままで終わるんだよ!」
「仕方ないだろう。部屋が隣なんだから。」
ぐぅうう~~!
「で、でもシンちゃんも僕らの声聞いていたんでしょう?
だったらおあいこだよ。ね?」
「俺は強制的に聞かされたんだよ!」
「まぁまぁ。そんなことよりこのトマトおいしーねー」
さっきも言ったが、グンマのトマトは荒いみじん切りに砂糖を加えたものだ。
イメージするとして、
噛んでいる感じはシャーベットで、味はトマトに砂糖...トマトジャム? みたいなものだろうか。
トマトに塩なら分るが、トマトに砂糖。
これも俺がいない間に、グンマが考えたものらしい。
どんな状況下で生み出したのやら。
「くっそー...まぁ...色々釈然としねーが、
過ぎたことだし忘れよう。
もうすぐ年末だ。そろそろ家の掃除を始めるぞ」
「はーい!」
「了解」
自室の大掃除は今日1日で終わった。
少しキッチンもキンタローと2人で掃除したが(グンマは研究室の掃除)『腕が落ちた』と評された。
確かに去年はもうちょっと手際よくできた気がする。
今まで掃除なんてしなかったからな。
それに半年いないうちに細かいものの場所が変わっていて、いちいちキンタローに確認をとっていたからな。
にしても疲れた...
風呂にゆっくり浸かって、ぐっすり寝よう。
どうせ明日も早いんだ。
人間界では今日明日とイルミネーションが町を彩るだろう。
アイツのご自慢のイルミネーションはどうなっただろう?
むしろ、アイツはどうしているだろうか。
...年が明けたら、挨拶に行ってもいいかもな。
しばらくあいつと離れていた所為か、だいぶ自分の気持ちに整理ができた。
年があけたら挨拶くらいに行ってみよう。
また捕獲されないように今度は3人で。
いきなり行ったらどんな顔をするだろう。
行くなと引き止めるのだろうか。それとも封印をといた日のように笑って送り出すのだろうか。
ま、とりあえず、今は年末で掃除とかもろもろの整理で忙しいから、年が明けたらだな。
************************************************
コイツら何語で話してるんだという突っ込みはナシの方向で。
関係ねーけど。
久しぶりの性欲処理のため、すっきりした体としこりの残った心をつれて、キッチンに。
今日の朝食担当は俺だ。
さて何がいいか。
半年間ずっとイギリスに住んでいた所為か、どうもマジックがよく作ってくれたものが思い浮かぶ
つまり、コーヒーか紅茶、ジュース、シリアル、ヨーグルト、トースト、ベーコン、卵料理、
ベイクドビーンズ、マッシュルーム、焼いたトマト等々。
ずいぶんな量だが、マジックが言うには
『これはFull English Breakfastっていって、昔1日2食だった時の物なんだよ。
今はみんな昼に軽いサンドイッチを取ったりするから、
普通の家庭では朝食はコーヒーか紅茶、ソレに薄いトーストかシリアルだね。
ただ、私は朝食はしっかりとったほうがいいと思うから、こうしてるんだよ。
朝じっくり時間を食べて食事をするというのはなんとなく優雅だろう?
To eat well in England you should have breakfast three times a day.ってね』
イングランドでおいしい食事をとろうと思ったら、朝食を三度食べるべきだ。だそうだ。
話がそれた。
紅茶にしよう紅茶。
ほかに飲み物は、冷気貯蔵庫(常に冷気で満たされている箱。グンマ発明のマジック.ボックス)に
牛乳とバナナがあったからソレでジュースでも作ろう。
ヨーグルトもあったよな。
パンは...いいや。そのまま出そう。ジャムとマーガリンは各自にお任せ。
卵はコカトリスの卵でスクランブルエッグを出そう。
グンマがいるから砂糖で味付け。俺は嫌だけど。
トマトはめんどくさいから熱湯に浸けた後水にさらして皮をむき、くし切りにして出す。
味は塩かマヨネーズ。これもテーブルの上に出しておけばいいだろう。
グンマのは細かく刻んでコーヒーカップに入れて砂糖少々。
これをスプーンで食うとうまいらしい...(汗)
しかしジューサーといい冷気貯蔵庫...いわゆる冷蔵庫と言い、
他の悪魔の家には冷蔵庫はともかく、ジューサーはない。
グンマが人間界でメジャーになった家電製品を
こっちで、電気の代わりに魔力で色々作れないかと試した結果なのだ。
この辺アイツの技術には舌を巻く。
ということで、今日の朝食は、
バナナジュースと食パンヨーグルトにスクランブルエッグ。
それと小皿にトマト。
...緑のものがほしいな。ブロッコリーを昨日ゆでて取っておいたはず。
「おっはよー!」
「おはよう」
「おはようさん」
寝起きからハイテンションなグンマとすでに普段着に着替えているキンタロー。
「今日は勝手にパンに何かつけろよー。」
「はーい!...イチゴジャムある?」
「ほらよ」
「どーも!」
残り少なくなったイチゴジャムを手渡す。不必要なほどにでっかい元気なお返事が返ってきた。
「キンタローは?」
「...そうだな。グンマと同じでいい。」
こっちは妙に歯切れが悪い。
これはひょっとして...
俺はパンにりんごジャムを塗る手を止め、二人を交互に見つめて言った。
「なぁグンマ、キンタロー」
「え? なぁに??」
「...どうした」
満面の笑みで返してくるグンマとピクリと肩を震わせてこちらを見つめるキンタロー。
対照的な二人だが、これは多分...
「昨日聞こえてた...むしろ聞いていたな?」
あぁこめかみがピクピク動くのがわかるよ。
「何のコトだ?」
「大丈夫だよ。聞こえてなかったって。」
...二人とも平然としてる...フリをしているがな、
「キンタローはともかく、グンマの大丈夫って何がだ?」
「...あ。」
しまった! とグンマの瞳が物を言う。
「まぁそういうことだ」
おまえは立ち直りが早いなキンタロー。
「おまえらはよぉおお~~~!」
畜生やっぱり聞いていやがったのか!
「だ...だってシンちゃんのあんな声聞いたことなかったし...」
「普通は聞いたことないままで終わるんだよ!」
「仕方ないだろう。部屋が隣なんだから。」
ぐぅうう~~!
「で、でもシンちゃんも僕らの声聞いていたんでしょう?
だったらおあいこだよ。ね?」
「俺は強制的に聞かされたんだよ!」
「まぁまぁ。そんなことよりこのトマトおいしーねー」
さっきも言ったが、グンマのトマトは荒いみじん切りに砂糖を加えたものだ。
イメージするとして、
噛んでいる感じはシャーベットで、味はトマトに砂糖...トマトジャム? みたいなものだろうか。
トマトに塩なら分るが、トマトに砂糖。
これも俺がいない間に、グンマが考えたものらしい。
どんな状況下で生み出したのやら。
「くっそー...まぁ...色々釈然としねーが、
過ぎたことだし忘れよう。
もうすぐ年末だ。そろそろ家の掃除を始めるぞ」
「はーい!」
「了解」
自室の大掃除は今日1日で終わった。
少しキッチンもキンタローと2人で掃除したが(グンマは研究室の掃除)『腕が落ちた』と評された。
確かに去年はもうちょっと手際よくできた気がする。
今まで掃除なんてしなかったからな。
それに半年いないうちに細かいものの場所が変わっていて、いちいちキンタローに確認をとっていたからな。
にしても疲れた...
風呂にゆっくり浸かって、ぐっすり寝よう。
どうせ明日も早いんだ。
人間界では今日明日とイルミネーションが町を彩るだろう。
アイツのご自慢のイルミネーションはどうなっただろう?
むしろ、アイツはどうしているだろうか。
...年が明けたら、挨拶に行ってもいいかもな。
しばらくあいつと離れていた所為か、だいぶ自分の気持ちに整理ができた。
年があけたら挨拶くらいに行ってみよう。
また捕獲されないように今度は3人で。
いきなり行ったらどんな顔をするだろう。
行くなと引き止めるのだろうか。それとも封印をといた日のように笑って送り出すのだろうか。
ま、とりあえず、今は年末で掃除とかもろもろの整理で忙しいから、年が明けたらだな。
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コイツら何語で話してるんだという突っ込みはナシの方向で。
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