月に明かす(マジック→シンタロー)
「殺したいほど愛しているよ」
眠った我が子を腕に抱き、月に明かした心の底に巣食う激情。
不老不死(シンタローとマジック)
赤の番人の体を得た息子は何も知らずにテレビを見ている最中だ。
遠い昔から生きており、年を取ることなく若い姿を保ったままで生き続けるジャン。
彼の体を使用しているシンタローも同じ道を辿ることになるのだろうか。
もしもそうなら―――
「何だよ、なんか用か」
「何でもないよ」
「だったら見てくんなよな。落ちつかねぇだろ」
もしも永遠を孤独に生きなければならないのなら、私の手でお前を。
人間だもの(マジック)
私だって傷つくこともあるし、誰かに傍にいて欲しいと思うことだってあるんだよ。
強いままではいられない。私もやはり人間だ。
ゴキゲンナナメ(ルーザーとハーレム)
ルーザーの研究室に長兄からことづかったものを届けたら、
研究員たちのいる前で頭を撫でられた。
子ども扱いされているようで(実際されたのだと思うが)腹が立った。
「何を不貞腐れてるの?」
お前が原因だよと言う度胸もなく、黙り込んでいたら
「泣き顔も好いけれど、不貞腐れてる顔も可愛いね」とまた頭を撫でられた。
怒りを通り越して複雑な気持ちになった。
そんなに驚くことないのに(キンハレ?)
髪を切ったら三人の叔父(伯父)たちに物凄く驚かれた。
マジックは眼に見えて驚くということはなかったものの、
ハーレムは面白いほどにうろたえていた。
声こそ聞こえなかったが、彼の口は「ルーザー」という名前をなぞっていた。
あれ以来ハーレムは俺をあまり構ってくれなくなった。ちょっと寂しい。
もらい泣き(シンタロー、グンマ、ハーレム、サービス)
「うわあああん!!!」
「ふえぇぇ…」
「ああ、グンマまで泣き出したぞ」
「もらい泣きだな」
「いや。この場合はつられ泣きというほうが正しいだろう。この泣き声を聞いてみろ。
『シンちゃんが泣いてるし、僕も一応泣いておこうかな』みたいな遠慮がある」
「なるほどな。この中途半端な泣き声はそういうことだったのか」
「…観察してる暇もないんだけど」
「…またミルクの用意か?」
双子はお腹をすかせて泣いている甥をあやしながら、兄と友人の帰りを待ちわびていた。
月に明かす(マジック→シンタロー)
「殺したいほど愛しているよ」
眠った我が子を腕に抱き、月に明かした心の底に巣食う激情。
不老不死(シンタローとマジック)
赤の番人の体を得た息子は何も知らずにテレビを見ている最中だ。
遠い昔から生きており、年を取ることなく若い姿を保ったままで生き続けるジャン。
彼の体を使用しているシンタローも同じ道を辿ることになるのだろうか。
もしもそうなら―――
「何だよ、なんか用か」
「何でもないよ」
「だったら見てくんなよな。落ちつかねぇだろ」
もしも永遠を孤独に生きなければならないのなら、私の手でお前を。
人間だもの(マジック)
私だって傷つくこともあるし、誰かに傍にいて欲しいと思うことだってあるんだよ。
強いままではいられない。私もやはり人間だ。
未払い金(リキッド→ハーレム)
「給料よこせー!」
詐欺だー!(ハーレムとマジック)
人を殺めることしかしてこなかった両腕に、生まれて間もない命を抱いた。
黒髪の赤子はへにゃへにゃとやわらかくて、どこまでも頼りない物体。
「…ちゃんとでかくなるのかよ」
「お前だって生まれた時はこんなものだったよ。
双子だったからこの子よりもっと小さかったんだ」
そう言われるとそうだなあ、と思った。サービスも自分も未熟児で生まれてきたと聞いていた。
目が覚めたのかぐずりはじめた子供を見よう見まねであやしてみる。
「こんなに小さい奴がちゃんと大人になるんだもんなあ……詐欺だ」
獅子に抱かれ、子供は再び眠りの都に落ちていった。
始末書の達人(ハーレムとマジック)
「いつもと同じこと書きゃいいんだろ?」
「いつも同じ内容を書いていることを反省しなさい」
目を閉じて(マジシン)
唇に触れる柔らかい感触に意識が覚醒する。
記憶にある香りが鼻先をくすぐり、次の瞬間には離れていった。
ゆっくりと目を開ければ青い瞳と視線がかち合う。
「おはよう、シンちゃん」
もっと普通の起こし方にしろよ。
寝込みを襲われたことに腹が立って、もう一度目を閉じる。
「起きないの? もう一回しちゃうよ?」
それを待ってることを知ってるくせに。
雪明かり(マジック→ジャン)
月の明かりを反射して淡く輝く白雪の中。
その光すら飲み込んでしまいそうな闇色の髪に心を惹かれた。
無意味な会話(マジシン)
「お前を一番愛してる」
「この黒髪も」
「黒い瞳も」
「全部愛してる」
嘘つき。俺を通して違う人を見ているくせに。
幸せを運ぶ黒猫(マジック→シンタロー)
シンちゃんて猫みたい。気まぐれですぐ怒って、でも寂しくなると傍によってくる。
お前だけが私を幸せにしてくれる、何物にも代えがたい宝物。
「殺したいほど愛しているよ」
眠った我が子を腕に抱き、月に明かした心の底に巣食う激情。
不老不死(シンタローとマジック)
赤の番人の体を得た息子は何も知らずにテレビを見ている最中だ。
遠い昔から生きており、年を取ることなく若い姿を保ったままで生き続けるジャン。
彼の体を使用しているシンタローも同じ道を辿ることになるのだろうか。
もしもそうなら―――
「何だよ、なんか用か」
「何でもないよ」
「だったら見てくんなよな。落ちつかねぇだろ」
もしも永遠を孤独に生きなければならないのなら、私の手でお前を。
人間だもの(マジック)
私だって傷つくこともあるし、誰かに傍にいて欲しいと思うことだってあるんだよ。
強いままではいられない。私もやはり人間だ。
ゴキゲンナナメ(ルーザーとハーレム)
ルーザーの研究室に長兄からことづかったものを届けたら、
研究員たちのいる前で頭を撫でられた。
子ども扱いされているようで(実際されたのだと思うが)腹が立った。
「何を不貞腐れてるの?」
お前が原因だよと言う度胸もなく、黙り込んでいたら
「泣き顔も好いけれど、不貞腐れてる顔も可愛いね」とまた頭を撫でられた。
怒りを通り越して複雑な気持ちになった。
そんなに驚くことないのに(キンハレ?)
髪を切ったら三人の叔父(伯父)たちに物凄く驚かれた。
マジックは眼に見えて驚くということはなかったものの、
ハーレムは面白いほどにうろたえていた。
声こそ聞こえなかったが、彼の口は「ルーザー」という名前をなぞっていた。
あれ以来ハーレムは俺をあまり構ってくれなくなった。ちょっと寂しい。
もらい泣き(シンタロー、グンマ、ハーレム、サービス)
「うわあああん!!!」
「ふえぇぇ…」
「ああ、グンマまで泣き出したぞ」
「もらい泣きだな」
「いや。この場合はつられ泣きというほうが正しいだろう。この泣き声を聞いてみろ。
『シンちゃんが泣いてるし、僕も一応泣いておこうかな』みたいな遠慮がある」
「なるほどな。この中途半端な泣き声はそういうことだったのか」
「…観察してる暇もないんだけど」
「…またミルクの用意か?」
双子はお腹をすかせて泣いている甥をあやしながら、兄と友人の帰りを待ちわびていた。
月に明かす(マジック→シンタロー)
「殺したいほど愛しているよ」
眠った我が子を腕に抱き、月に明かした心の底に巣食う激情。
不老不死(シンタローとマジック)
赤の番人の体を得た息子は何も知らずにテレビを見ている最中だ。
遠い昔から生きており、年を取ることなく若い姿を保ったままで生き続けるジャン。
彼の体を使用しているシンタローも同じ道を辿ることになるのだろうか。
もしもそうなら―――
「何だよ、なんか用か」
「何でもないよ」
「だったら見てくんなよな。落ちつかねぇだろ」
もしも永遠を孤独に生きなければならないのなら、私の手でお前を。
人間だもの(マジック)
私だって傷つくこともあるし、誰かに傍にいて欲しいと思うことだってあるんだよ。
強いままではいられない。私もやはり人間だ。
未払い金(リキッド→ハーレム)
「給料よこせー!」
詐欺だー!(ハーレムとマジック)
人を殺めることしかしてこなかった両腕に、生まれて間もない命を抱いた。
黒髪の赤子はへにゃへにゃとやわらかくて、どこまでも頼りない物体。
「…ちゃんとでかくなるのかよ」
「お前だって生まれた時はこんなものだったよ。
双子だったからこの子よりもっと小さかったんだ」
そう言われるとそうだなあ、と思った。サービスも自分も未熟児で生まれてきたと聞いていた。
目が覚めたのかぐずりはじめた子供を見よう見まねであやしてみる。
「こんなに小さい奴がちゃんと大人になるんだもんなあ……詐欺だ」
獅子に抱かれ、子供は再び眠りの都に落ちていった。
始末書の達人(ハーレムとマジック)
「いつもと同じこと書きゃいいんだろ?」
「いつも同じ内容を書いていることを反省しなさい」
目を閉じて(マジシン)
唇に触れる柔らかい感触に意識が覚醒する。
記憶にある香りが鼻先をくすぐり、次の瞬間には離れていった。
ゆっくりと目を開ければ青い瞳と視線がかち合う。
「おはよう、シンちゃん」
もっと普通の起こし方にしろよ。
寝込みを襲われたことに腹が立って、もう一度目を閉じる。
「起きないの? もう一回しちゃうよ?」
それを待ってることを知ってるくせに。
雪明かり(マジック→ジャン)
月の明かりを反射して淡く輝く白雪の中。
その光すら飲み込んでしまいそうな闇色の髪に心を惹かれた。
無意味な会話(マジシン)
「お前を一番愛してる」
「この黒髪も」
「黒い瞳も」
「全部愛してる」
嘘つき。俺を通して違う人を見ているくせに。
幸せを運ぶ黒猫(マジック→シンタロー)
シンちゃんて猫みたい。気まぐれですぐ怒って、でも寂しくなると傍によってくる。
お前だけが私を幸せにしてくれる、何物にも代えがたい宝物。
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