静寂(マジシン)
アンタがいない、それだけで。
イラついて、仕事にも手がつかなくて、そのへんにある物に当り散らしたくなる。
普段なら騒がしくて、とうに眼魔砲のふたつみっつはぶっぱなしてる頃なのに。
もっと腹が立つのが、そんなことでムカついてる俺自身。
もう末期症状だろ、コレ…
出会い(マジックとシンタロー)
「病院の新生児室。」
「俺は覚えてねぇけどな。」
椅子(グンマ、シンタロー、キンタロー)
「わぁー、これ、シンちゃんと僕の椅子だよ!」
「懐かしいなあ。ガキの頃、親父が二人おそろいで、って買ったんだっけ。」
「座ると”ぷきゅっ♪”って音が鳴るんだよー。でも古いからもう鳴らないね。」
「おそろい…子供の頃か…俺には無縁のものだな(欝)」
「き、キンタロー!」
「話題が悪かったねぇ…そうだ!!
キンちゃんもこれから何かをおそろいにすればいいよ!」
「…何をおそろいにするんだ? 服は無理だぞ。
シンタローは血しぶきを浴びてもわからないように、
いつも真っ赤なブレザーを着用しているのだからな。」
「誰の血しぶきを浴びるっつーんだよ。マジックの鼻血かァ?」
「それも含めてだが、お前は伯父貴をめこめこにノシてしまうだろう?
その時の返り血だ。」
「あんだとコラ。事実なだけに反論が思いつかねぇぞチクショー。」
「ケンカは人様の迷惑にならないところでやってよね。
ともかく、おそろいにするものを考えようよ!」
「おいおいグンマ、ガキじゃあるまいし…」
「…俺の子供時代を奪ったのは誰だったか…」
「悪かった。俺が悪かった。もう何も言ってくれるな、キンタロー。」
「ねぇねぇシンちゃんキンちゃん! おそろいのパジャマなんてどう!?」
「いたたたたたたたたたたたた。三十路近い男どもが何を。」
「なんて素敵なんだ。ぜひそうしよう。」
「もう好きにしろよお前ら!」
―――後日、おとーさまお手製のアヒルパジャマ(色違い)が僕達三人の元に届いた。
三色限定(マジック)
マジック前総帥は頭を悩ませていた。
真剣な表情とは裏腹に、悩んでいる内容は実にくだらないものだった。
「3色…」
考えるときに顎を手にやるのはマジックのくせだ。
眉間にしわを寄せ、覇王と恐れられた彼は頭を抱える。
「無難に三原色、赤・黄・青でいくか…
それとも意表をついてライラック、オフホワイト、エメラルドグリーンにしようか…
いやいや、それぞれに似合う色にしなくては。
シンちゃんは黒髪が映える白、グンちゃんならピンク、キンちゃんは…」
ミシンを目の前に置き、裁縫箱を片手にため息をつくナイスミドル。
その横では布を注文するために、
辞書並みの厚さのカタログをめくっている秘書達の姿があった。
ヒナタ(マジックとシンタロー)
「シンちゃん! 今日は天気がいいから、パパとひなたぼっこしようよ!」
「嫌だ。」
「今ならパパの膝枕つきだよ~。」
「いらねぇよ。邪魔だからどっか行け。」
「眼魔砲☆」
づどむ。
「て、テメェ……」
「さあ行こうかシンちゃん! 愛してるよー。」
「愛してるなら手加減しろよ…」
絵本(マジックとシンタロー)
「シンちゃ~ん! 寝る前にご本読んでぇ!」
「とうとう頭まで腐ったかテメェは。いやもともとか。」
「エヘへ。パパ、シンちゃんに甘えたくなる病にかかったんだよー!」
「俺の視界から消えろ。もう二度とその姿をさらすな。」
「シンちゃんひどいよぉぉ! ハンカチかみしめパパ泣いちゃうッ!」
「泣け泣けわめけ。そして死ねッ。」
ガラクタ(マジック)
「役に立たない人間はガラクタ以下だよ。存在そのものが罪だ」
カオス(マジック→シンタロー。マジシン)
自分でもおかしくなるくらい心の中はぐちゃぐちゃで、
何が詰め込まれているのかわからないくらい、混沌とした私の感情。
誰かを求めて、求めるくせに内に踏み込まれることを拒絶して。
私自身どうしたらいいのかわからない。
だけど君が死ぬほど好きなのはわかってる。
私にはそれだけなんだよ、それが私の生きている意味そのものなんだ。
わがままなパパでごめんね、ダーリン。
崩壊(マジック→シンタロー)
「強がってばかりじゃ、いつかは壊れてしまうよ」
コラッ!(マジック→ハーレム)
「タマネギを残すんじゃありません!!」
生意気(マジシン風味)
「生意気なお前の泣き顔が好きだよ。
私だけにしか見せないその表情が好き。」
キライ(マジック→シンタロー)
ねえ、シンタローは知ってるかな。
お前が私に投げつける言葉の痛みを。
「このクソ親父!!」とか「テメェは引っ込んでろ!」ってよく言うよね。
どんなこと言われても笑顔で返すか、わざとらしくハンカチ噛んでみせるけど。
本音を言うと、すごく辛いんだよ。
やっぱりシンちゃんはパパのこと嫌いなのかなって。
どんなに償いをしても赦してはもえらえないのかなって。
すっごくすっごく悲しくなって、時々なんだけど、泣いちゃう。
シンタロー、お願いだよ。パパは被害妄想激しいんだからさ。
もう少しでいいから、ほんのちょっとでいいから、やさしくしてよ。
痛くて(シンタロー→マジック)
「あの言葉が俺の心臓を引き裂く」
『私はおまえの父ではない』
「誰のどんな言葉や態度よりも、アンタのそのひとことが痛かった」
生きろ(マジック→シンタロー)
「傷つかない生はないよ
私たちは生きている限り、どこかで誰かを傷つけ
同時に傷つけられているのだから
何も犠牲にせずに生き続けることなどできはしないんだ
どんなに辛くても苦しくても、それでもお前は生きなさい」
止まらない(マジック→シンタロー)
「私を止められるのは、シンタロー。お前だけだよ。
早くパパの元に帰っておいで。」
裏切り(マジック。マジシン)
「パパが他の人を好きになったら、シンちゃんきっと死んじゃうね。」
静寂(マジシン)
アンタがいない、それだけで。
イラついて、仕事にも手がつかなくて、そのへんにある物に当り散らしたくなる。
普段なら騒がしくて、とうに眼魔砲のふたつみっつはぶっぱなしてる頃なのに。
もっと腹が立つのが、そんなことでムカついてる俺自身。
もう末期症状だろ、コレ…
深(マジック→ジャン)
どこまでも、深く、深く。ゆっくりと君に溺れてゆく。
出会い(マジックとシンタロー)
「病院の新生児室。」
「俺は覚えてねぇけどな。」
椅子(グンマ、シンタロー、キンタロー)
「わぁー、これ、シンちゃんと僕の椅子だよ!」
「懐かしいなあ。ガキの頃、親父が二人おそろいで、って買ったんだっけ。」
「座ると”ぷきゅっ♪”って音が鳴るんだよー。でも古いからもう鳴らないね。」
「おそろい…子供の頃か…俺には無縁のものだな(欝)」
「き、キンタロー!」
「話題が悪かったねぇ…そうだ!!
キンちゃんもこれから何かをおそろいにすればいいよ!」
「…何をおそろいにするんだ? 服は無理だぞ。
シンタローは血しぶきを浴びてもわからないように、
いつも真っ赤なブレザーを着用しているのだからな。」
「誰の血しぶきを浴びるっつーんだよ。マジックの鼻血かァ?」
「それも含めてだが、お前は伯父貴をめこめこにノシてしまうだろう?
その時の返り血だ。」
「あんだとコラ。事実なだけに反論が思いつかねぇぞチクショー。」
「ケンカは人様の迷惑にならないところでやってよね。
ともかく、おそろいにするものを考えようよ!」
「おいおいグンマ、ガキじゃあるまいし…」
「…俺の子供時代を奪ったのは誰だったか…」
「悪かった。俺が悪かった。もう何も言ってくれるな、キンタロー。」
「ねぇねぇシンちゃんキンちゃん! おそろいのパジャマなんてどう!?」
「いたたたたたたたたたたたた。三十路近い男どもが何を。」
「なんて素敵なんだ。ぜひそうしよう。」
「もう好きにしろよお前ら!」
―――後日、おとーさまお手製のアヒルパジャマ(色違い)が僕達三人の元に届いた。
三色限定(マジック)
マジック前総帥は頭を悩ませていた。
真剣な表情とは裏腹に、悩んでいる内容は実にくだらないものだった。
「3色…」
考えるときに顎を手にやるのはマジックのくせだ。
眉間にしわを寄せ、覇王と恐れられた彼は頭を抱える。
「無難に三原色、赤・黄・青でいくか…
それとも意表をついてライラック、オフホワイト、エメラルドグリーンにしようか…
いやいや、それぞれに似合う色にしなくては。
シンちゃんは黒髪が映える白、グンちゃんならピンク、キンちゃんは…」
ミシンを目の前に置き、裁縫箱を片手にため息をつくナイスミドル。
その横では布を注文するために、
辞書並みの厚さのカタログをめくっている秘書達の姿があった。
なくしたもの(サービス→キンタロー)
君を見ると なくしてしまったあの人を思い出す 想い出す
君は何も悪くはないのに その存在が
私を さらなる悲哀の深みへと 唯 導く
影(シンタロー)
「それ、俺のことか?」
ヒナタ(マジックとシンタロー)
「シンちゃん! 今日は天気がいいから、パパとひなたぼっこしようよ!」
「嫌だ。」
「今ならパパの膝枕つきだよ~。」
「いらねぇよ。邪魔だからどっか行け。」
「眼魔砲☆」
づどむ。
「て、テメェ……」
「さあ行こうかシンちゃん! 愛してるよー。」
「愛してるなら手加減しろよ…」
絵本(マジックとシンタロー)
「シンちゃ~ん! 寝る前にご本読んでぇ!」
「とうとう頭まで腐ったかテメェは。いやもともとか。」
「エヘへ。パパ、シンちゃんに甘えたくなる病にかかったんだよー!」
「俺の視界から消えろ。もう二度とその姿をさらすな。」
「シンちゃんひどいよぉぉ! ハンカチかみしめパパ泣いちゃうッ!」
「泣け泣けわめけ。そして死ねッ。」
ガラクタ(マジック)
「役に立たない人間はガラクタ以下だよ。存在そのものが罪だ」
カオス(マジック→シンタロー。マジシン)
自分でもおかしくなるくらい心の中はぐちゃぐちゃで、
何が詰め込まれているのかわからないくらい、混沌とした私の感情。
誰かを求めて、求めるくせに内に踏み込まれることを拒絶して。
私自身どうしたらいいのかわからない。
だけど君が死ぬほど好きなのはわかってる。
私にはそれだけなんだよ、それが私の生きている意味そのものなんだ。
わがままなパパでごめんね、ダーリン。
崩壊(マジック→シンタロー)
「強がってばかりじゃ、いつかは壊れてしまうよ」
コラッ!(マジック→ハーレム)
「タマネギを残すんじゃありません!!」
生意気(マジシン風味)
「生意気なお前の泣き顔が好きだよ。
私だけにしか見せないその表情が好き。」
キライ(マジック→シンタロー)
ねえ、シンタローは知ってるかな。
お前が私に投げつける言葉の痛みを。
「このクソ親父!!」とか「テメェは引っ込んでろ!」ってよく言うよね。
どんなこと言われても笑顔で返すか、わざとらしくハンカチ噛んでみせるけど。
本音を言うと、すごく辛いんだよ。
やっぱりシンちゃんはパパのこと嫌いなのかなって。
どんなに償いをしても赦してはもえらえないのかなって。
すっごくすっごく悲しくなって、時々なんだけど、泣いちゃう。
シンタロー、お願いだよ。パパは被害妄想激しいんだからさ。
もう少しでいいから、ほんのちょっとでいいから、やさしくしてよ。
痛くて(シンタロー→マジック)
「あの言葉が俺の心臓を引き裂く」
『私はおまえの父ではない』
「誰のどんな言葉や態度よりも、アンタのそのひとことが痛かった」
生きろ(マジック→シンタロー)
「傷つかない生はないよ
私たちは生きている限り、どこかで誰かを傷つけ
同時に傷つけられているのだから
何も犠牲にせずに生き続けることなどできはしないんだ
どんなに辛くても苦しくても、それでもお前は生きなさい」
虹(グンマ)
「お日様と雨からのプレゼントだよ。」
ステーション(マジックと秘書ズ)
「一度でいいから電車に乗ってみたいなァ…」
『だめです。』
「なら、電車がホームに入ってくるのを待つだけでいいから! ね? ね?」
『だめなものはだめです。私たちの身にもなってください。』
「ちぇ。」
ホクロ(ハレ高)
「そこ、舐めてみてもいいか?」
「それだけで終わらないから嫌です。アンタ全ッ然TPOを考えませんし。」
止まらない(マジック→シンタロー)
「私を止められるのは、シンタロー。お前だけだよ。
早くパパの元に帰っておいで。」
裏切り(マジック。マジシン)
「パパが他の人を好きになったら、シンちゃんきっと死んじゃうね。」
散歩(グンマとコタロー)
「コタローちゃんっ♪ 一緒にお散歩に行かない?」
「行くー……ちょっと待った。背中に背負ったその網かごは何?」
「散歩ついでに、山菜取りに行こうかと思って。
わらびやぜんまいがおいしい時期だからね!」
「変なところで庶民くさい家だよ…」
アンテナ(キンタローとシンタロー)
「ハーレムが戻ってきそうな予感がする。」
「不吉なこと言うんじゃねぇ。」
「何を言う。喜ばしいことこの上ないじゃないか。
……通信が入ったな。―――ハーレムが帰ってくるそうだぞ。」
「お前時々人間じゃねぇような気がするよ。」
四重奏(四兄弟)
『みなが互いをそれぞれの形で愛していた
そのことを互いに理解できなかっただけ』
夏休み(グンマ、シンタロー、マジック、キンタロー)
「シンちゃーん、夏休みはどこ行くー?」
「総帥にそんなものはない。」
「パパの時にはあったけど。」
「お前は黙ってろよ。」
「長野に行こうよぉ。軽井沢の別荘で避暑!」
「それから群馬でだるまでも買って帰ろうか。ね?」
「わーい、おとーさま名案!」
「マジック伯父貴、俺は群馬名物焼きまんじゅうを食べたい。」
「うんうん、いいよ~。私も食べてみたかったんだよねぇ。
あ、ついでに前橋の知り合いにもちょっと挨拶しておきたいな。」
「ならばそれも含めて、俺が予定を立てておこう。叔父貴達にも一応連絡しておく。」
「俺の言ったこと一切無視かよ。」
「無視などしていない。キビキビ働け、シンタロー。夏休みは日本で過ごすぞ。」
「だぁ~からそんな暇ねぇって…」
「ないなら作ればいい。今から身を粉にして働けば一週間くらいは休める。」
「シンちゃんがんばって~!」
「パパも影ながら応援するよ!
これから講演会あるから、お仕事手伝ってあげられないからね。」
「おめェらみんな鬼だアァ――――――――――――――――ッッッ!!!」
ある朝目が覚めると(キンハレ)
隣でハーレムが寝ていた。
勝手に入ってくるのは構わないが(むしろ歓迎すべきことだ)
彼の気配に気づけなかった自分が憎い。
きっとハーレムへの愛情が足りないせいだ。俺はまだまだ未熟だな。
シンタローなんて、寝ていても半径20メートル以内に
マジック伯父貴がいるのに気づくほどだというのに。
あれが世間で言うところの、『愛のなせる業』なんだろう。
今度シンタローに極意を聞いてみようと思う。
手と手(マジックとコタロー)
つないだ手をゆるく前後に振りながら、二人で歩く。
時々くっついたり離れたりしながら。
沈黙が苦しくなくなったのはいつだったかな。
「今日のお夕飯はすき焼きだよー」
頭上から降ってくるパパの声。
何の気なしに僕は左手に持った袋をちらりと見た。
中に入っているのはネギとしいたけと卵。ひとつだけだよ、と買ってもらったお菓子。
ちなみにお菓子はみんなで仲良く分けなくちゃいけないらしい。
「パパぁ、お腹空いたー」
「帰ったらすぐに支度するから、もうちょっと我慢してなさいね。
それから夕飯前に甘いものを食べちゃだめだよ」
僕らどこから見ても立派な親子だよね?
それから後も、やっぱり僕らは手を前後に振りながら帰った。
恋心(マジック→シンタロー)
甘えてきたかと思えば、いきなり冷たい態度をとったり、
笑っていたかと思えば、突然怒り出したり。
私の日常は全部君の気まぐれに支配されているといっても過言じゃない。
猫よりもタチが悪い君を相手にできるのはパパだけだよ。
おかえり(マジックとシンタロー)
「おかえり。」
「…ただいま。」
何処にいてもお前の帰る場所は私しかないのだから。
アンタがいない、それだけで。
イラついて、仕事にも手がつかなくて、そのへんにある物に当り散らしたくなる。
普段なら騒がしくて、とうに眼魔砲のふたつみっつはぶっぱなしてる頃なのに。
もっと腹が立つのが、そんなことでムカついてる俺自身。
もう末期症状だろ、コレ…
出会い(マジックとシンタロー)
「病院の新生児室。」
「俺は覚えてねぇけどな。」
椅子(グンマ、シンタロー、キンタロー)
「わぁー、これ、シンちゃんと僕の椅子だよ!」
「懐かしいなあ。ガキの頃、親父が二人おそろいで、って買ったんだっけ。」
「座ると”ぷきゅっ♪”って音が鳴るんだよー。でも古いからもう鳴らないね。」
「おそろい…子供の頃か…俺には無縁のものだな(欝)」
「き、キンタロー!」
「話題が悪かったねぇ…そうだ!!
キンちゃんもこれから何かをおそろいにすればいいよ!」
「…何をおそろいにするんだ? 服は無理だぞ。
シンタローは血しぶきを浴びてもわからないように、
いつも真っ赤なブレザーを着用しているのだからな。」
「誰の血しぶきを浴びるっつーんだよ。マジックの鼻血かァ?」
「それも含めてだが、お前は伯父貴をめこめこにノシてしまうだろう?
その時の返り血だ。」
「あんだとコラ。事実なだけに反論が思いつかねぇぞチクショー。」
「ケンカは人様の迷惑にならないところでやってよね。
ともかく、おそろいにするものを考えようよ!」
「おいおいグンマ、ガキじゃあるまいし…」
「…俺の子供時代を奪ったのは誰だったか…」
「悪かった。俺が悪かった。もう何も言ってくれるな、キンタロー。」
「ねぇねぇシンちゃんキンちゃん! おそろいのパジャマなんてどう!?」
「いたたたたたたたたたたたた。三十路近い男どもが何を。」
「なんて素敵なんだ。ぜひそうしよう。」
「もう好きにしろよお前ら!」
―――後日、おとーさまお手製のアヒルパジャマ(色違い)が僕達三人の元に届いた。
三色限定(マジック)
マジック前総帥は頭を悩ませていた。
真剣な表情とは裏腹に、悩んでいる内容は実にくだらないものだった。
「3色…」
考えるときに顎を手にやるのはマジックのくせだ。
眉間にしわを寄せ、覇王と恐れられた彼は頭を抱える。
「無難に三原色、赤・黄・青でいくか…
それとも意表をついてライラック、オフホワイト、エメラルドグリーンにしようか…
いやいや、それぞれに似合う色にしなくては。
シンちゃんは黒髪が映える白、グンちゃんならピンク、キンちゃんは…」
ミシンを目の前に置き、裁縫箱を片手にため息をつくナイスミドル。
その横では布を注文するために、
辞書並みの厚さのカタログをめくっている秘書達の姿があった。
ヒナタ(マジックとシンタロー)
「シンちゃん! 今日は天気がいいから、パパとひなたぼっこしようよ!」
「嫌だ。」
「今ならパパの膝枕つきだよ~。」
「いらねぇよ。邪魔だからどっか行け。」
「眼魔砲☆」
づどむ。
「て、テメェ……」
「さあ行こうかシンちゃん! 愛してるよー。」
「愛してるなら手加減しろよ…」
絵本(マジックとシンタロー)
「シンちゃ~ん! 寝る前にご本読んでぇ!」
「とうとう頭まで腐ったかテメェは。いやもともとか。」
「エヘへ。パパ、シンちゃんに甘えたくなる病にかかったんだよー!」
「俺の視界から消えろ。もう二度とその姿をさらすな。」
「シンちゃんひどいよぉぉ! ハンカチかみしめパパ泣いちゃうッ!」
「泣け泣けわめけ。そして死ねッ。」
ガラクタ(マジック)
「役に立たない人間はガラクタ以下だよ。存在そのものが罪だ」
カオス(マジック→シンタロー。マジシン)
自分でもおかしくなるくらい心の中はぐちゃぐちゃで、
何が詰め込まれているのかわからないくらい、混沌とした私の感情。
誰かを求めて、求めるくせに内に踏み込まれることを拒絶して。
私自身どうしたらいいのかわからない。
だけど君が死ぬほど好きなのはわかってる。
私にはそれだけなんだよ、それが私の生きている意味そのものなんだ。
わがままなパパでごめんね、ダーリン。
崩壊(マジック→シンタロー)
「強がってばかりじゃ、いつかは壊れてしまうよ」
コラッ!(マジック→ハーレム)
「タマネギを残すんじゃありません!!」
生意気(マジシン風味)
「生意気なお前の泣き顔が好きだよ。
私だけにしか見せないその表情が好き。」
キライ(マジック→シンタロー)
ねえ、シンタローは知ってるかな。
お前が私に投げつける言葉の痛みを。
「このクソ親父!!」とか「テメェは引っ込んでろ!」ってよく言うよね。
どんなこと言われても笑顔で返すか、わざとらしくハンカチ噛んでみせるけど。
本音を言うと、すごく辛いんだよ。
やっぱりシンちゃんはパパのこと嫌いなのかなって。
どんなに償いをしても赦してはもえらえないのかなって。
すっごくすっごく悲しくなって、時々なんだけど、泣いちゃう。
シンタロー、お願いだよ。パパは被害妄想激しいんだからさ。
もう少しでいいから、ほんのちょっとでいいから、やさしくしてよ。
痛くて(シンタロー→マジック)
「あの言葉が俺の心臓を引き裂く」
『私はおまえの父ではない』
「誰のどんな言葉や態度よりも、アンタのそのひとことが痛かった」
生きろ(マジック→シンタロー)
「傷つかない生はないよ
私たちは生きている限り、どこかで誰かを傷つけ
同時に傷つけられているのだから
何も犠牲にせずに生き続けることなどできはしないんだ
どんなに辛くても苦しくても、それでもお前は生きなさい」
止まらない(マジック→シンタロー)
「私を止められるのは、シンタロー。お前だけだよ。
早くパパの元に帰っておいで。」
裏切り(マジック。マジシン)
「パパが他の人を好きになったら、シンちゃんきっと死んじゃうね。」
静寂(マジシン)
アンタがいない、それだけで。
イラついて、仕事にも手がつかなくて、そのへんにある物に当り散らしたくなる。
普段なら騒がしくて、とうに眼魔砲のふたつみっつはぶっぱなしてる頃なのに。
もっと腹が立つのが、そんなことでムカついてる俺自身。
もう末期症状だろ、コレ…
深(マジック→ジャン)
どこまでも、深く、深く。ゆっくりと君に溺れてゆく。
出会い(マジックとシンタロー)
「病院の新生児室。」
「俺は覚えてねぇけどな。」
椅子(グンマ、シンタロー、キンタロー)
「わぁー、これ、シンちゃんと僕の椅子だよ!」
「懐かしいなあ。ガキの頃、親父が二人おそろいで、って買ったんだっけ。」
「座ると”ぷきゅっ♪”って音が鳴るんだよー。でも古いからもう鳴らないね。」
「おそろい…子供の頃か…俺には無縁のものだな(欝)」
「き、キンタロー!」
「話題が悪かったねぇ…そうだ!!
キンちゃんもこれから何かをおそろいにすればいいよ!」
「…何をおそろいにするんだ? 服は無理だぞ。
シンタローは血しぶきを浴びてもわからないように、
いつも真っ赤なブレザーを着用しているのだからな。」
「誰の血しぶきを浴びるっつーんだよ。マジックの鼻血かァ?」
「それも含めてだが、お前は伯父貴をめこめこにノシてしまうだろう?
その時の返り血だ。」
「あんだとコラ。事実なだけに反論が思いつかねぇぞチクショー。」
「ケンカは人様の迷惑にならないところでやってよね。
ともかく、おそろいにするものを考えようよ!」
「おいおいグンマ、ガキじゃあるまいし…」
「…俺の子供時代を奪ったのは誰だったか…」
「悪かった。俺が悪かった。もう何も言ってくれるな、キンタロー。」
「ねぇねぇシンちゃんキンちゃん! おそろいのパジャマなんてどう!?」
「いたたたたたたたたたたたた。三十路近い男どもが何を。」
「なんて素敵なんだ。ぜひそうしよう。」
「もう好きにしろよお前ら!」
―――後日、おとーさまお手製のアヒルパジャマ(色違い)が僕達三人の元に届いた。
三色限定(マジック)
マジック前総帥は頭を悩ませていた。
真剣な表情とは裏腹に、悩んでいる内容は実にくだらないものだった。
「3色…」
考えるときに顎を手にやるのはマジックのくせだ。
眉間にしわを寄せ、覇王と恐れられた彼は頭を抱える。
「無難に三原色、赤・黄・青でいくか…
それとも意表をついてライラック、オフホワイト、エメラルドグリーンにしようか…
いやいや、それぞれに似合う色にしなくては。
シンちゃんは黒髪が映える白、グンちゃんならピンク、キンちゃんは…」
ミシンを目の前に置き、裁縫箱を片手にため息をつくナイスミドル。
その横では布を注文するために、
辞書並みの厚さのカタログをめくっている秘書達の姿があった。
なくしたもの(サービス→キンタロー)
君を見ると なくしてしまったあの人を思い出す 想い出す
君は何も悪くはないのに その存在が
私を さらなる悲哀の深みへと 唯 導く
影(シンタロー)
「それ、俺のことか?」
ヒナタ(マジックとシンタロー)
「シンちゃん! 今日は天気がいいから、パパとひなたぼっこしようよ!」
「嫌だ。」
「今ならパパの膝枕つきだよ~。」
「いらねぇよ。邪魔だからどっか行け。」
「眼魔砲☆」
づどむ。
「て、テメェ……」
「さあ行こうかシンちゃん! 愛してるよー。」
「愛してるなら手加減しろよ…」
絵本(マジックとシンタロー)
「シンちゃ~ん! 寝る前にご本読んでぇ!」
「とうとう頭まで腐ったかテメェは。いやもともとか。」
「エヘへ。パパ、シンちゃんに甘えたくなる病にかかったんだよー!」
「俺の視界から消えろ。もう二度とその姿をさらすな。」
「シンちゃんひどいよぉぉ! ハンカチかみしめパパ泣いちゃうッ!」
「泣け泣けわめけ。そして死ねッ。」
ガラクタ(マジック)
「役に立たない人間はガラクタ以下だよ。存在そのものが罪だ」
カオス(マジック→シンタロー。マジシン)
自分でもおかしくなるくらい心の中はぐちゃぐちゃで、
何が詰め込まれているのかわからないくらい、混沌とした私の感情。
誰かを求めて、求めるくせに内に踏み込まれることを拒絶して。
私自身どうしたらいいのかわからない。
だけど君が死ぬほど好きなのはわかってる。
私にはそれだけなんだよ、それが私の生きている意味そのものなんだ。
わがままなパパでごめんね、ダーリン。
崩壊(マジック→シンタロー)
「強がってばかりじゃ、いつかは壊れてしまうよ」
コラッ!(マジック→ハーレム)
「タマネギを残すんじゃありません!!」
生意気(マジシン風味)
「生意気なお前の泣き顔が好きだよ。
私だけにしか見せないその表情が好き。」
キライ(マジック→シンタロー)
ねえ、シンタローは知ってるかな。
お前が私に投げつける言葉の痛みを。
「このクソ親父!!」とか「テメェは引っ込んでろ!」ってよく言うよね。
どんなこと言われても笑顔で返すか、わざとらしくハンカチ噛んでみせるけど。
本音を言うと、すごく辛いんだよ。
やっぱりシンちゃんはパパのこと嫌いなのかなって。
どんなに償いをしても赦してはもえらえないのかなって。
すっごくすっごく悲しくなって、時々なんだけど、泣いちゃう。
シンタロー、お願いだよ。パパは被害妄想激しいんだからさ。
もう少しでいいから、ほんのちょっとでいいから、やさしくしてよ。
痛くて(シンタロー→マジック)
「あの言葉が俺の心臓を引き裂く」
『私はおまえの父ではない』
「誰のどんな言葉や態度よりも、アンタのそのひとことが痛かった」
生きろ(マジック→シンタロー)
「傷つかない生はないよ
私たちは生きている限り、どこかで誰かを傷つけ
同時に傷つけられているのだから
何も犠牲にせずに生き続けることなどできはしないんだ
どんなに辛くても苦しくても、それでもお前は生きなさい」
虹(グンマ)
「お日様と雨からのプレゼントだよ。」
ステーション(マジックと秘書ズ)
「一度でいいから電車に乗ってみたいなァ…」
『だめです。』
「なら、電車がホームに入ってくるのを待つだけでいいから! ね? ね?」
『だめなものはだめです。私たちの身にもなってください。』
「ちぇ。」
ホクロ(ハレ高)
「そこ、舐めてみてもいいか?」
「それだけで終わらないから嫌です。アンタ全ッ然TPOを考えませんし。」
止まらない(マジック→シンタロー)
「私を止められるのは、シンタロー。お前だけだよ。
早くパパの元に帰っておいで。」
裏切り(マジック。マジシン)
「パパが他の人を好きになったら、シンちゃんきっと死んじゃうね。」
散歩(グンマとコタロー)
「コタローちゃんっ♪ 一緒にお散歩に行かない?」
「行くー……ちょっと待った。背中に背負ったその網かごは何?」
「散歩ついでに、山菜取りに行こうかと思って。
わらびやぜんまいがおいしい時期だからね!」
「変なところで庶民くさい家だよ…」
アンテナ(キンタローとシンタロー)
「ハーレムが戻ってきそうな予感がする。」
「不吉なこと言うんじゃねぇ。」
「何を言う。喜ばしいことこの上ないじゃないか。
……通信が入ったな。―――ハーレムが帰ってくるそうだぞ。」
「お前時々人間じゃねぇような気がするよ。」
四重奏(四兄弟)
『みなが互いをそれぞれの形で愛していた
そのことを互いに理解できなかっただけ』
夏休み(グンマ、シンタロー、マジック、キンタロー)
「シンちゃーん、夏休みはどこ行くー?」
「総帥にそんなものはない。」
「パパの時にはあったけど。」
「お前は黙ってろよ。」
「長野に行こうよぉ。軽井沢の別荘で避暑!」
「それから群馬でだるまでも買って帰ろうか。ね?」
「わーい、おとーさま名案!」
「マジック伯父貴、俺は群馬名物焼きまんじゅうを食べたい。」
「うんうん、いいよ~。私も食べてみたかったんだよねぇ。
あ、ついでに前橋の知り合いにもちょっと挨拶しておきたいな。」
「ならばそれも含めて、俺が予定を立てておこう。叔父貴達にも一応連絡しておく。」
「俺の言ったこと一切無視かよ。」
「無視などしていない。キビキビ働け、シンタロー。夏休みは日本で過ごすぞ。」
「だぁ~からそんな暇ねぇって…」
「ないなら作ればいい。今から身を粉にして働けば一週間くらいは休める。」
「シンちゃんがんばって~!」
「パパも影ながら応援するよ!
これから講演会あるから、お仕事手伝ってあげられないからね。」
「おめェらみんな鬼だアァ――――――――――――――――ッッッ!!!」
ある朝目が覚めると(キンハレ)
隣でハーレムが寝ていた。
勝手に入ってくるのは構わないが(むしろ歓迎すべきことだ)
彼の気配に気づけなかった自分が憎い。
きっとハーレムへの愛情が足りないせいだ。俺はまだまだ未熟だな。
シンタローなんて、寝ていても半径20メートル以内に
マジック伯父貴がいるのに気づくほどだというのに。
あれが世間で言うところの、『愛のなせる業』なんだろう。
今度シンタローに極意を聞いてみようと思う。
手と手(マジックとコタロー)
つないだ手をゆるく前後に振りながら、二人で歩く。
時々くっついたり離れたりしながら。
沈黙が苦しくなくなったのはいつだったかな。
「今日のお夕飯はすき焼きだよー」
頭上から降ってくるパパの声。
何の気なしに僕は左手に持った袋をちらりと見た。
中に入っているのはネギとしいたけと卵。ひとつだけだよ、と買ってもらったお菓子。
ちなみにお菓子はみんなで仲良く分けなくちゃいけないらしい。
「パパぁ、お腹空いたー」
「帰ったらすぐに支度するから、もうちょっと我慢してなさいね。
それから夕飯前に甘いものを食べちゃだめだよ」
僕らどこから見ても立派な親子だよね?
それから後も、やっぱり僕らは手を前後に振りながら帰った。
恋心(マジック→シンタロー)
甘えてきたかと思えば、いきなり冷たい態度をとったり、
笑っていたかと思えば、突然怒り出したり。
私の日常は全部君の気まぐれに支配されているといっても過言じゃない。
猫よりもタチが悪い君を相手にできるのはパパだけだよ。
おかえり(マジックとシンタロー)
「おかえり。」
「…ただいま。」
何処にいてもお前の帰る場所は私しかないのだから。
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