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真夏の残像


目を開けると、自分が抱いているものがまだ目を覚ましていないことに安堵した。
起こさないようにとそろりと起き上がり、朝ご飯の支度を始める。
規則正しいまな板の音に気がついたのか、う~ん、という唸り声が聞こえた。
「まだ、メシはできてねーから寝てな」
そう声をかけるが、早起き型の子供と犬がおとなしく寝ているわけがない。作り終えたときには、踊っていた。
「こらこら、家の中で踊らない」
ちゃぶ台のほうへ鍋をもって行くととめ~し、め~しといつの間にやら用意していた箸で茶碗をたたき始める。
「あ~、はいはい。すぐによそうよ」


いつからだろう
“当たり前”になってしまったのは


「シンタローさーん」
「寄るな、ナマモノ!」
猛ダッシュで飛び掛ってきたイトウを軽く蹴り飛ばす。
食材用の木の実を探してかれこれ1時間いらだっているところにいきなり現れたナマモノに容赦はしない。
いや、ストレス解消にはもってこいだが…
「つれないあなたが、す・て・き…」
「今日は、タンノと一緒じゃねーのか?」
仲のよい2匹が一緒にいないことに不審に思い、イトウに離れたところから尋ねる。と、すると
「きゃ~、シンタローさ~ん。私がいないと寂しいのね~~」
語尾にハートマークがついたようなあまったるい声が後ろから聞こえてきた。
「うるさい!ナマモノはいっぺんに出てこんかい!」
「そんなこといって照れちゃって、もう!」
「なに言ってるのタンノちゃん、シンタローさんは私が先に見つけたんだから」
なおも続く言い争いに痺れを切らしたシンタローは何も言わず手を翳す。
「――ガンマ砲!!」


久しぶり、だった
ありのままの自分をさらけ出したのは
―心の底から笑えたのは


「シンタロー、勝負だべ!」

「シンタローさん、あそぼーよ」

「しんたろーさーん」



「…すい、総帥」
気配、そしてかけられた声によって目を覚ます。
それと同時に自分のいる場所を思い出す。
あの、懐かしい南国ではなく―
「ああ、すまねえ。何のようだ?」
「先程渡した資料の中に訂正がありまして…」


開放感で溢れていたあの土地ではなく、四角く息苦しさを感じる部屋。
消して狭いわけではないのに圧迫感を感じる。
エアコンの効いた快適なここより、灼熱の太陽を恋しいと思う自分がいる。


決して後悔しているわけではない
むしろ、自分の選んだ道を歩いていけることを誇りに思う


――だけど
思い出してしまう
全てのしらがみを捨て、思いのままに生きていられたあの頃


ただ――懐かしいだけ





<後書き>
シンタローさんには笑っていてほしいけど、仕事はほっぽり出せないだろうな~と思ってしまいます。
一生パプワ島で暮らせよ~、とか言いたくなるんですけどね。それはそれで嫌(笑)
PAPUWAの始まる前、やっとこさ軌道に乗ったか動き始めたかのちょっと気が緩んだ瞬間あたりからこうやって時々思い出しては泣いてるんじゃないかと。で、ひとしきり泣いたらまた頑張ると。
そんな感じで(わけわかんないですよね…)

ほんわかパプワ×シン…(ぐふっ)

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