ずっと訊いてみたかった事がある。
鏡
「なあ、シンタロー」
同じ顔をした彼と向き合うと、鏡を見ているような錯覚に陥る事が多々ある。
初めて会った時から、ずっと、ずっと。
正しくはもう少し前からだけど。
「ンだ、ジャン?アンタにしては珍しくしょぼくれてんな」
だけど違う。
「・・・・また、サービス伯父さんの事思い出してたのか?」
俺はこんな、自分も辛い時に他人を労る笑顔を浮かべる事なんて出来ない。
「違う」
「なら如何したんだ?」
俺はこんな優しい目をする事なんて出来ない。
「訊、きたい事があるんだ」
「ん?言ってみろよ」
俺にはこんな泣きたくなるくらいの慈しみなんてない。
「お前、・・・俺の事、恨んでるか?」
髪の長さ以外は、同じ筈なのに。
こんなに違う。
きっと本当は、俺なんかよりシンタローの中にいた金色の彼奴の方がずっと同じで近い。
近くに居るのに遠い、シンタロー。
「・・・どれの事だ?腹刺されたのか?それとも最近また妙な薬飲まされたのか?」
「違う。その・・・・」
「なら俺がお前の体に入ってから、歳取らなくなった事か」
「・・・・・・ああ」
出した声は擦れて、思ったよりも小さく響いた。
誰が虚像で、誰が実像なんだろう。
俺達のどちらが。
影だった彼は此処に居て。
本体だった青の番人は居ない。
影でなくなった彼は何になったんだろうか。
「皆、死んだ。殺しても死ななそうなアイツ等も死んだ。
もうあの頃の面影は何処にもない。寂しいし、正直辛くないって事はない」
「だけどな。それはお前の所為じゃねぇ」
肩を強い力で掴まれ、地面を見ていた視線を上げる。
強い光が其所には在った。
「アイツ等は普通の人間だ。命は限られてる」
「ああ・・・」
青でも赤でもない暖かい色。
サービスも、その兄弟も、皆が好きだった色だ。
「それにな、別にその事に関しちゃ恨んでなんかいねーよ」
意識がほんの一瞬途絶えた。
そうであれば良い、とは思っていたけどそれは愚者の望みだから。
「シ、ンタロー?なんで・・・」
「なんだ恨んでほしいのか?」
「違う!そうじゃなくて・・・・・!」
同じだったら、言葉なんて要らなくて、全てが伝わったんだろうか。
「あの時確かに俺とお前は一緒だったんだ」
「パプワを護りたくて、島を護りたくて、同じだったんだよ。
なあジャン、俺がお前を恨まなきゃならねえ理由が一体何処にある?」
「・・・・・・・・っ」
お前、俺と同じでいいのか?
言いたかった。
幸せになれないぞ。
言い切れない。
だって今、俺は
「泣くなよ・・・ジャン・・・・」
泣くほど嬉しくて幸せなんだ。
『でもな、ジャン・・・。俺は多分、そんなに永くは生きられない。
無いって解ってたって、どうしても面影を探しちまうんだ。
そんな俺は何時か必ず潰れる』
あの後、夜と朝の狭間で彼奴はそう言った。
今。
此処にはいない。
世界の何処にもいない。
鏡は破れた。
ジャンシン・・・・?
ジャン+シン?
どっちにしろジャン→シンです。
C5前の話だったり・・・。
マトモに読んだ事無いですけどね!ははっ!
高松は何処行った。
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