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ss
石と花





それは小さな小さな石ころ。だが悪意を持って投げられたソレはなによりも痛みを与えるものだろう。
それも、小さな幼子から投げられれば。その幼子が、憎悪と嫌悪と悲しみの入り混じる瞳で見ていれば。

「よしなさい!」

母親が止めるがその母親の目も同じだ。母親もまだ十にも満たないほどの少女もシンタローを憎んでいる。
総帥を紅い服を纏った者をガンマ団を軍を軍人を戦争を力を。人殺しを。
キンタローにしてみれば幼子よりも何よりもシンタローが大事だった。
あわててその石から彼を守ろうとしたがそれを共にいたコージによって阻まれた。

「よせ」
「邪魔をするな」
「よせゆっとるじゃろう?アイツの望みを間違えるな」

キンタローはまっすぐ立ったままのシンタローを見た。
傷ついているだろう。辛くてその場で崩れ落ちそうだろう。
けれども彼は感情を見せないままただ黙って歩き出した。




シンタローはそれに対して何も言わなかった。だが一言コージに礼を告げた。
キンタローは不満だった。何故、と。その話を聞いたアラシヤマも不服そうだった。
アラシヤマはコージを捕まえキンタローはたまたま顔を合わせたトットリに文句を言った。

「いったいどういうつもりどすか?コージはん」
「どがぁもこがぁもないじゃろう?シンタローの望みをかなえただけじゃ」
「望み?」
「ありゃぁ、憎しみを受け止めることを望んどる」
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