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シンタローの遠征についていくようになってから研究に費やす時間が極端に減ってしまった。
そこで、遠征中はホテルでは必ず論文や自分がまとめた理論の洗い変えを行うようになっていた。
だから、今日、この時まで気が付くことがなかったのである。
シンタローの秘密を…


…目が疲れてきたな……
ばさりと細かい字が書かれたレポートを脇において伸びをする。
細かい字ばかり読んでいるとどうにも肩がこっていけない。
軽く首を回しながらトントンと肩を叩きく。
疲弊していたのは目だけではなかったらしい。
すっかり集中力が途切れてしまった。
立ち上がってぐるぐると部屋を歩き回ってみるが一向に集中力は戻ってこない。
戻らない集中力はどうでもいい行動に分散されていった。
「…シンタローはどうしてるかな?」
思いついたらどうにも気になって仕様がない。
早速、久しぶりに従兄弟の部屋を訪ねることにした。


今思うと此れがいけなかったのだ。


「シンタロー…入るぞ」
「は?キンタロー?いや、ちょっと待…」
ノックもそこそこにドアを開けるとそこには…


真っ裸でベッドに横たわって寛いでいたところに突然の来訪者が来て、慌てて立ち上がろうとしているシンタローがいた。


「…………」
「…………」
無言で向かい合った後、慌ててパタリと後ろ手にドアを閉めた。
それに反応してシンタローがベッドのシーツを剥ぎ取って体に巻く。
「……風呂に入る途中だったのか?すまなかったな…」
一応、常識の範疇で謝っておく。
「いや…」
そういうと見る見るシンタローの顔が赤く染まっていった。
こっちが赤くなりたい…
寧ろ時間を巻き戻してこの部屋に入るところからやり直せないだろうか…
まだ、正常に動かない頭はそんなどうにもならないことを考えていた。
「俺さ…」
何とか従兄弟の醜態をなかったことにしようと躍起になっていると
当の従兄弟がぽつりぽつりと真相を語りだした。


「ホテルってさ…空調が利いてるだろ?丁度いい温度でさ…それに普段とは違う部屋だろ?
 開放感があるっていうか…ぶっちゃけ裸だと気持ちいいんだよな」
ぶっちゃけないでくれ…
最後のほうはいっそ清々しく話す従兄弟に掛ける言葉があるだろうか?いや、あるまい。
「…そうか」
だが、今回のようなこともある。
せめて下着ぐらいはつけてくれ。
そう、説得して俺は従兄弟の部屋を後にした。


常識とは誰が決めることなのだろうか?


知りたくなかった事実を知ってしまった中秋であった。





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