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◆祝宴◆



賑わう声を微かに耳にしながら、シンタローはパーティー会場から別に用意された自室へ、人知れず姿を消した。
形ばかりの誕生パーティーなんて如何でも良かった。

「ハァ…ったり~……」

出るのは溜息だけだ。
シンタローは着慣れないタキシードを邪魔だとばかりに脱ぎ捨てると、ドカッと腰を下ろしたソファで、天井を仰いだ。
息苦しい胸元を大きく広げると、見上げていた高い天井を遮られた。

「…おい、何のつもりだよ」

シンタローが不機嫌な声で眉を顰めた視線の先には、キンタローが不敵に笑みを浮かべ、シンタローの顎をしっかりと捕らえていた。

「祝いに来ただけだ。主賓の抜けた宴などにいても意味がない。そうだろう?シンタロー総帥…」

「バァ~カ、そんなこと言ったらお前だって主賓だろう?…キンタロー博士」

「俺は違う。いいか、今日のパーティーはお前の為に俺が最高の場所と、料理と、客人とをだな…」

始まった薀蓄(うんちく)にシンタローは痺れを切らし、キンタローの首へ腕を回した。

「もういいっ、お前や、他の連中が色々やってくれてるのは知ってるし、これでも感謝してるよ」

「だったら最後まで付き合え」

「充分付き合ってやっただろ?だから…」

今度はお前を祝わせろ…と、シンタローは絡めた腕を引き寄せ、近づくキンタローの口唇を重ねた。
ソファの後ろにいたキンタローは、口付けをそのままにソファの背凭れを難無く乗り越え、シンタローの隣へと場所を移した。
そんなところまで器用なキンタローに、厭味の一つも言う間もないほど、シンタローは深い口付けに酔っていた。
段々とエスカレートしていく舌の動きや、知らず知らずの内に半裸状態に乱された服に気付くと、シンタローは口唇の離れた隙に不満げに口唇を尖らせた。

「俺が祝ってやるっつったのに、何か違くねぇか?」

「何故だ?」

「だってよ…こんなんいつもと変わんねぇじゃん…」

ネクタイを軽く緩めただけのキンタローから、それをするりと取り去り、シンタローは今度は脱がしてやるとばかりにキンタローのシャツのボタンに手を掛けた。
が、それは途端に制され、ドサッという鈍い音と共にソファに押し倒されてしまった。

「シンタロー…今日は何もしなくていい」

「ケッ、人の好意を無駄にしやがって…次があるなんて思うなよ?」

「俺を祝う気があるなら好きにさせろ。…時間はある。俺もお前も楽しまない手はないだろう?」

「まぁな…違いねぇ」

向かい合った二人はふふっと微笑い合い、額を近づけると、再びキスを繰り返しに戻った。



今日のこの日を共に祝おう…─────



一つから二人へなれた喜びも、二人が一つになる悦びも全てに感謝を…



HAPPY BIRTHDAY★



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