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この感情を愛とか恋とか呼ばないならば、なにを呼ぼう。



「シンタローはん」

大きく上下する背中に、じわりと汗が浮かぶ。

舌を突き出して舐め取れば、かすかに、皮膚が震えて。

「痛いどすか」

「・・っるせ・・ぇ」

深く、息を吐き出しながら紡いだ声は、ひどく色っぽい。

「痛い、言うてみなはれ。そしたら加減してあげますえ」

小さく呟いた途端に、増える眉間の皺。

瞬きすると、赤くなった目尻から涙がこぼれた。

苦痛を感じないはずはないのに、この人は絶対にそれを口にしない。

意地なのか、気遣い、なのか、判断するのは難しいけれど。

「言うて」

そのことが、苦しいと思う。

「シンタローはん・・・」

痛い、と。

もう嫌だ、と言ってくれれば、自分は素直に従うだろう。

愛しいのは本心で、大事にしたいのも気持ちよくさせたいのも本心。

そして、愛されたいのも縛りつけておきたいのも、無茶苦茶に壊してしまいたいのも、紛れもない本心。

身勝手な願いなのは承知の上で、この暴走する心を止めてほしい。

止められるのは、唯1人だけだから。

拒絶してほしいと強く願って、同時に、どうしようもなく怯えている。

傷付くのはやはり怖くて、想像しただけで指が震え、ひたすらの恐怖から逃れるように、暖かな身体を掻き抱いた。

ああ、頭が痛む。
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