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総帥服の色は伝統的に赤い色だ。
何故か、一族の象徴である青い色ではなく、対極にあるはずの――。

鮮やかな、明るい色味のそれは、一族の金髪碧眼には余り似合っているとは言い難い。
けれど、彼の黒髪には誂えたように良く映えた。

 

赤。

その色に、青の一族は否応なく惹かれる。
苛立ちと憧憬、不安と安堵、憎悪と渇望、怖れと愛おしさ。
まるでちぐはぐな感情が渦を巻いて、その全てが混然と入り交じりながら、ひたすらにその色へと全てが流れ込む。
それは自分もまた、例外ではなく。
まるで組み込まれたように、引き摺られるかのように、その色に目を奪われずにはいられない。

だからこそ、あの赤い服は余り好きではない。
ただでさえ、そんな風に心をかき乱して、落ち着かなくさせる色なのに。

彼が纏うなら尚更。

あの色を纏う彼の姿を見るたびに、苛々する。
頭の奥を引っ掛かれるような、ノイズ混じりの不快感。
ひたひたと押し寄せる波のような焦燥に駆られて、落ち着かない。

だって、赤が似合うその姿はまるで。
赤と黒しか纏わない、彼の姿は。
その色がよく似合う、彼の姿は。
青の一族の中心にあって、まるで赤そのもの。

いつか、やはり青は自分の居場所ではないといって、
いつか、あっさり居なくなってしまいそうな。

……そんな怖れが胸から消えない。

 

けれど現実には、皮肉にもその赤が彼を此処に、青のただ中に留める象徴だから。

破り捨ててやりたくなる衝動に見ない振りをしながら、ソファに放り出されたそれを今日も丁寧にハンガーにかけ直す。


 

 

 

 




後書き。

表面何食わぬ顔して、内心でエンドレスにぐるぐる苛々してるキンちゃんとかも良いと思う……。

どーも、赤←青とゆー図式が基本として私の頭の中にあります……。ラブと言うより執着の強さが。赤玉と青玉の関係しかり。元赤の番人と元青の番人しかり。元赤の番人と美貌の叔父しかり、現赤の番人と獅子舞隊長しかり……。
いや、シンちゃんは赤でも青でもないですけどね。むしろ青の一族だけどね。
要素的に赤も持ってるので、その辺が不安で不満で、でも気になってしょーがない青一色なキンタさんだったりするんです、きっと。

 

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