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 「今回、室内の制圧には6秒かかってます。お手元の資料にありますように、これは団員Cの状況把握が遅れたからどす。以上述べてきた結果から、次回の作戦では配置の再考が求められるのではないかと・・・」
 シンタローは黙ってアラシヤマの説明を聞いていたが、資料から顔を上げ、時計の方を一瞬見ると、非常に不機嫌そうな表情となった。
 (どないしはったんや?もしかして、わての説明が冗長やったんやろか?いや、でもそんなはずおまへん!簡潔に要領よく話したつもりどす)
 アラシヤマは、自分の説明能力不足のせいではないと判断し、すぐにもうひとつの可能性を思いついた。
 「シンタローはん、これはそんなに急ぐものでもおまへんし、今日はこの辺で終わりにして、残りは明日にしてもよろしおますか?」
 そう言うと、シンタローの不機嫌さの度合いが先程よりも薄れた気がしたので、アラシヤマは自分の考えが正しかったことを確信した。
 「お疲れのところ、気ぃつかんでえろうすみまへん。わてはもう帰りますさかい、よろしゅう休んでおくれやす」
 「ああ」
 と、返事はあったものの、心なしかシンタローの顔が曇ったように彼は感じた。
 (あれ?何でそないに喜びはらへんのやろか??まぁ、わての気のせいでっしゃろ)
 「ほな、失礼します。シンタローはん、おやすみなさい」
 一礼し、部屋を退室しようとすると、ドアの前に立った所で
 「アラシヤマ」
 呼び止められた。
 「な、何かご用どすか?シンタローはんっvvv」
 アラシヤマは振り向いたが、それっきりシンタローは何も言わない。アラシヤマが近づいていくと、いつもなら、即、眼魔砲のはずではあるが、何事もおこらなかった。
 椅子の傍にアラシヤマが立つと、シンタローはアラシヤマの顔を真意を探るように睨みつけ、
 「―――やっぱ、いい」
 と、珍しく目を伏せた。
 (なっ、なんか、いつもの俺様シンタローはんらしゅうおまへんが、これはこれでめちゃくちゃおぼこすぎどすッツ!もももももしかしてっ、コレって、シンタローはんからの初めての夜のお誘いー!?!?)
 アラシヤマは思わず出そうになる鼻血をこらえ、
 「シンタローはん・・・」
 意を決してキスをすると、拒まれなかったので、夢中でシンタローの頭を引き寄せ、薄く開いた唇を割って舌を絡めた。
 少し、シンタローが身じろぎしたが、抵抗といったほどのものではなく、アラシヤマもシンタローを逃がすつもりはまったくといっていいほどなかった。
 (わて、幸せどす・・・)
 アラシヤマは、少しクッタリと自分にもたれかかってきたシンタローからいったん身を離し、
 「あの、わての部屋に行きまへん?」
 と上擦ったような声で言った。
 その時、時計の時報が12回鳴った。
 「―――眼魔砲ッツ!!」
 ドウッツ、と、辺りに爆音が響いた。


 「・・・・・・シンタローはん。いきなり非道うおます~・・・」
 総帥室の片隅、油断しきっていたところに眼魔砲を至近距離でくらったおかげで、いつも以上にぼろぼろになったアラシヤマが、先ほどから体育座りをしつつ涙を流していた。
 「―――さっきから超うざってぇ。さっさと自分の部屋に帰れヨ」
 「あ、あんさんは!?もちろん、一緒に来てくれはりますやろッツ??」
 「何言ってんの、オマエ?行くワケねーダロ!!」
 「じ、じゃあっ、さっきのアレは一体何どしたのんッツ!?わて、初めてあんさんから誘うてくれはってえらい嬉しゅうおましたのに・・・!!」
 「誘ってねーし!!大体、もう誕生日は終わっ」
 シンタローは、しまった、といった表情になり言葉を打ち切った。
 「はぁ、誕生日。って、誰のどすか??」
 アラシヤマは間抜けな顔で、そう問い返した。そして数秒程考え、
 「―――ええっ?昨日って、わての誕生日どしたっけ??」
 驚いたように叫んだ。
 「・・・忘れるか?フツー」
 「いや、分析作業が忙しゅうおましたし、誰も何も言わへんかったんで・・・」
 そう言うと、アラシヤマは黙り込んでしまった。
 「―――どーでもいいけど、とっとと帰れヨ!!俺はもう帰るゾ」
 パチリ、とシンタローの指が電気を消すと、部屋は暗くなった。
 スイッチから手を離そうとしたシンタローの手の上に、後ろから手が重ねられた。
 「あんさんが覚えてくれてはって嬉しおす。それにプレゼントに“シンタローはん”を頂きましたし、わてにとっては最高の誕生日どしたえvvv」
 そう言うと、アラシヤマはシンタローを抱きしめた。
 「・・・・・・マァ一応、誕生日おめでとう、アラシヤマ」
 「・・・ありがとうございます。シンタローはん」





 「何だヨ?この手は??」
 「いや、その、あのー、一寸お願いがあるんどすが・・・。今から“さっきの続き”をわての部屋で」
 「死ね」







どうしたことか、当サイトでアラシヤマの誕生日を祝うのが3回目となりました・・・。
大人の男な誕生日(って何なのか分かりませんが)を一応めざしてはみたのですが、
色んな意味で玉砕です・・・。ちょっとだけ、『シンデレラアラシヤマ』でしょうか?(違)

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