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 もう、そろそろ夜も明けようかという時刻、薄暗がりの中でアラシヤマは隣で眠っているシンタローの髪を撫でていた。シンタローも気持ちよかったのかその行為を止めさせようとはせずに、そのまま眠っていた。
 アラシヤマは、
 「 シンタローはん。あんさん、どうして髪伸ばしてますのや?切りまへんの?」
と、寝ているシンタローに戯れに話しかけた。
 シンタローは、
 「ん――」
と、生返事をしながら、アラシヤマに話しかけられたのが煩わしかったのか、タオルケットを全部自分の方へ引き寄せ、そのままタオルケットにくるまってアラシヤマに背を向け、丸まってしまった。その様子は非常に子どもっぽく、可愛かった。
 アラシヤマが面白がって、
 「シンタローはーん!どうして髪切らへんのどすかぁ?」
と、しつこく聞くと、シンタローは、
 「・・・さっきから、うるせェ。パプワが切るなって言ったからナ」
と眠そうに言うと、頭からタオルケットを被って、もう何も質問を受け付けない状態に入ってしまった。
 その答えを聞いたアラシヤマは、自分がしつこく訊いたせいであるにもかかわらず、結構なショックを受けた。
 (シ、シンタローはん?それって、「彼氏が、“髪の長い子が好みだから、切るな”って言うから伸ばしてるのvv」とか何とかいう女の子みたいどすえ??・・・シンタローはんの中では、わてより、あの秘石眼の子供の方が男として地位が上ということですやろか??そ、そんなアホな!!そやかて、前にわてがシンタローはんの髪を切ろうとしたとき、えらい怒らはったしなぁ・・・。それに、わての頼みを一度も素直にきいてくれたことはありまへんしな。まァ、意地っ張りなとこも可愛ゆうおますけどvv今日の夜も最初は素直やありまへんどしたけど、最後の方になると、悔しそうにしつつもわてに縋り付いてきましたしな!(何かを妄想中)・・・やっぱり、可愛ゆうてたまりまへんわ~vvv―――って、うっかり本題から逸れるとこどしたわ。うーん、まぁ、このまま悩んどってもしょうがないどすし、シンタローはんが起きたら聞いてみまひょか)
 アラシヤマはそう結論づけると、
 「シンタローはーん。毛布の1人占めはズルイどすえ~。わても入れておくれやす~~」
 と言いながら、タオルケットに1人くるまり向こうを向いて寝ているシンタローにくっついて、眠りについた。

 朝、シンタローが目覚めると、すでに起きていたアラシヤマが何やら深刻そうな顔をしていた。
 アラシヤマが、
 「シンタローはん、朝方のわてとの会話覚えてはります?」
 と聞いてきたが、シンタローにはアラシヤマが眠いときに何やら話しかけてきて非常にウザかった記憶しか残っていなかったので、
 「あんだよ?」
 と聞き返した。
 「あんさん、わてよりも、パプワはんの方が男として好きって言ってましたえ?」
とアラシヤマは言ったが、シンタローには全くそんなことを言った記憶はなかった。
 「そんなこと言った覚えは全くねぇゾ。本当にそう言ったのかよ?」
とシンタローが不審に思いながら聞くと、アラシヤマは、
 「正確には、パプワはんが切るなと言ったから髪を伸ばしてるって言ったんどす。わての頼みは絶対きいてくれまへんのに、どうしてあの子どもの頼みやと、素直にききはるんどすか?」
 と言った。
 シンタローは、その答えを聞いて非常に呆れた反面、悪戯心が湧いたので、こう言って浴室のほうに向かった。
 「そりゃ、お前よりもパプワの方が、ず―――っと、好きだからナ」
 (まぁ、友達としての好きだけど。それに、お前の頼みって、「シンタローはーん!新しい体位試してみまへんか?」とか「シンタローはんに似合うと思うてエプロン買うてきましたさかい、裸エプロンしてくれまへん?恋人の裸エプロンは男のロマンどすえ~!!」とかそんなのばかりじゃねぇかヨ。・・・今思い出してもムカつくゼ。マァ、即、眼魔砲してやったけどナ。)

 シンタローが浴室から部屋に戻ってくると、アラシヤマは壁際で体育座りをして落ち込んでいた。
 その様子は、茸が生えそうなほどジメジメしており、非常に鬱陶しかった。
 アラシヤマは、地の底を這うような声で、
「――――シンタローはーん。わてより、パプワはんの方が好きって本当どすかぁ?」
 と言ったが、シンタローは、落ち込んでいるアラシヤマが鬱陶しくなったので、タオルで髪を拭きながら、
 「あぁ。本当だ」
 と答え、ソファに座ってTVをつけた。
 アラシヤマはショックを受けたようでさらに落ち込んでいたが、しばらくすると立ち直ったようであり、急に立ち上がると、
 「シンタローはん!!」
 と叫んだので、アラシヤマを放っておき、TVに集中していたシンタローはビクッとした。
 「なッ、何だヨ?驚かせんじゃねーよ!」
 アラシヤマはソファに座っているシンタローの方に近づき、
 「わて、やっとわかりましたえ?いくらわてよりあの秘石眼の子どもの方が好きどしても、わては子どもには出来ん方法であんさんを夢中にさせてみせますさかい、覚悟しといておくれやす!ほな、善は急げと言いますし、さっそくvvv」
 と言って、シンタローをソファから抱え上げ、ベッドの方に運んだ。
 「ギャ――――ッツ!!降ろせ―――!!眼魔・・・」
 「おっと、今眼魔砲されたら困りますさかい」
 そう言って、アラシヤマはシンタローを抱き寄せ口付けた。
 「んっ・・・」と言って、力が抜けボンヤリしているシンタローをベッドの上に横たえ、
 「明るいどすけど、別にかまへんですやろ?あぁー、わて、一遍明るいとこでやってみたかったんどす~vvvその方が、シンタローはんの可愛えぇ顔がはっきり見えますしな!ほな、いただきますえ~」

 その後、アラシヤマはシンタローに1ヶ月間無視されていたらしいが、周囲の人々は「またか・・・」と思い、誰もその理由を知りたいとは思わなかったそうな。


 ☆おまけ☆

 アラ:「シンタローはーん。ちなみに、髪を伸ばし始めたのはどうしてどすか?」
 シン:「あぁ。いろいろあるけど、サービス叔父さんに憧れてっつーか。叔父さんも“シンタロー     は髪を伸ばしても似合うね”って言ってくれたし」
 アラ:「(そういや、シンタローはんはサービスはんにえろう弱いどすしな)わてと、サービスはん     では、どっちが好・・・」
 シン:「美貌のおじ様!!」
 アラ:「ま、まだ最後まで言ってないですやん!!それに、そないにキッパリ断言しはらんでも・     ・・(泣)」
 シン:「美貌のおじ様ったら、美貌のおじ様ッツ!!あッ、この前みたいなことしやがったら許さ     ねェからナ!!そういや、依頼の中に1年ぐらいかかる遠征の任務があったしちょうどい     いかも・・・」
 アラ:「そ、そないに殺生な――!!そんなに長い間あんさんのそばを離れるやなんて、それだけ     は勘弁しておくれやす・・・(泣)」








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