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 ある日の夕方、ガンマ団の敷地内の公園を、赤ん坊のコタローを連れたシンタローが散歩していた。
 アラシヤマは、
 「ライバルの動向を把握しておくことも、訓練のうちの1つどすえ!!」
とかいうよく分からない理由で、本日もシンタローをストーキング(・・・)していた。
 シンタローはアラシヤマに見られている事には全く気付かず、コタローを肩に乗せるように前から抱っこして歩いていたが、しばらくすると公園のベンチに座った。
 アラシヤマが木の陰からコッソリと見ていると、シンタローはジタバタと動くコタローを両手で持ち、自分の体から少し離してコタローと視線を合わせた。
 シンタローは溜め息をつき、
 「コタローはこんなに可愛いのに、なんで親父は全然可愛がんねぇのかな。この可愛さが分かんねェなんて、目が腐ってんじゃねぇの?なァ、コタロー?」
 そう言われても、まだ乳児であるコタローに言葉の意味が理解できるはずはなく、コタローは、「アー」とか「ウー」とか言いながら、シンタローの少し伸びかけた髪の毛や耳を触ろうとして小さな手をシンタローの方に伸ばした。
 その仕草に、シンタローは、
 「かっ、可愛い!!」
 と言ってギュッとコタローを抱きしめた。すると、驚いたのかコタローは突然大声で泣き出した。
 ものすごい大音量で泣く赤ん坊に、シンタローはオロオロし、“高い高い”をしたり、“いないいないばぁ”をして苦労してあやしているとコタローは泣き止み、泣き疲れたせいか眠ってしまった。
 シンタローは非常にグッタリした様子で、
 「子育てって大変だゼ・・・」
 と、溜め息をついたが、それでも腕の中で眠っている小さな赤ん坊を見て、
 「・・・母さんは死んじゃったけど、でも、俺が母さんの分までお前のことが大好きだからな。父さんも、忙しいからなかなかお前に会いにこれねぇけど、絶対お前のことが大好きなはずだ。だから、安心して大きくなれヨ」
 と言い、とても優しい笑みを浮かべた。そして、小さい声で子守歌を歌った。
 今までにシンタローのそんな笑顔を見た事がなかったアラシヤマは、非常に衝撃を受け、そのままヨロヨロと寮に戻ってベッドに寝転んだ。
 手を組んだ上に頭をのせ、寝そべって天井をぼーっと見上げながら、アラシヤマは自分が何に対してそんなに衝撃を受けたのか考えてみたが、結局何も分からなかった。
 しばらく考えていると、ふと、
 (そういえば、この前の暗殺任務で入った家の壁に掛かっていた、聖母子像みたいどすな。シンタローは男やし、別に女っぽいわけでもないけど)
 と、なんとなく思った。
 その時何かが分かりかけたような気もしたが、すぐにその感じは拡散し、アラシヤマはいつの間にか眠ってしまった。







仕官学校時代ですがアラがストーカーです。
しかも、“アラシン”と言ってもいいものかどうか・・・。すいません。 
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