ホシウミ湖の近くで、コタロー様をどうやったらガンマ団に連れ戻せるか、アラシヤマと仕方なく一緒に行動をしていた時のことだべ。アラシヤマは、
「お星様――ッツ!届けわてのバーニング野望vv」
と叫んでいたので、オラは、
「アラシヤマぁ、大体は想像つくけど、お前の野望ってなんだっぺ?ほら、空見てみっぺ。お星様は願いを聞き終わんねーよーに流れまくっとるべ。それって、絶対叶わないんでねぇべか?」
とアラシヤマに言った。するとアラシヤマは、
「何を言ってはるんどすか。これやから、顔だけのお人は・・・。わての野望が叶わないわけおまへんやろ。まぁ、昇進は別にお星様に願わんかて、わての実力でどうとでもなりそうどすけど、問題は、シンタローはんどすな。ガンマ団にいた時かて、毎日欠かさずバーニングラブvって言ってましたのに、全然手ごたえがおまへん。一体いつになったら心友になれるんやろか」
と言ったので、オラは呆れた。
(こいつ、根暗やけど頭だけはいいと思ってたのに、考え直した方がいいべか?)
どうして、オラがアラシヤマなんかにこんな親切に教えてやらなきゃなんねぇんだべと思ったが、まぁ、オラはトットリほどアラシヤマが嫌いでもないので教えてやることにした。
オラは可愛い女の子以外の野郎はアウトオブ眼中だから、好き嫌い以前にアラシヤマの事なんかどうでもいいけど、一応こいつも数少ない同期の“仲間”のうちに入るし、しょうがないべ。
「おめ、シンタローにそがいなこと言っとるんだべか?そりゃ、野望も叶わないはずだっぺ。そもそも、おめさ、友情というところでまちがっとるべ。オラぁ、トットリのことはベストフレンドやと思ってるけど、トットリにラブなんて言ったことないっぺ。“ラブ”は、親友やなく恋愛の意味で好きな人に言うもんだべ」
アラシヤマは、しばらく悩んでいたが、
「でも、わてはホモやおまへんえ?男をみても、全然可愛いとか思いまへんしな!あっ、シンタローはんは別やけど!!」
「・・・その、別という所がヤバイんでねぇべか?ガンマ団の外には可愛い女の子がたくさんいるっぺ。おめ、一生友達できなさそうだから、親友よりも恋人を探した方がいいと思うべ。オラほどでなぐても、おめさはそんなに顔が悪いわけでねぇから、そのうち好きになってくれる女の子もいるはずだっぺ?」
と、オラは親切にもアドバイスしてやったが、アラシヤマは煮え切らない態度だった。
「わては、髪が長くて、料理が上手で、笑顔が可愛くて、少々俺様体質でも根っこの所で優しい子がええんどす・・・」
(こいつ、明らかに特定の人物を思い浮かべて言っとるべ。なんだか、惚気られてるようで嫌になってきたべ)
「アラシヤマ、オメさ、結局ホモだべ。そういや、木にもシンタローとの相合傘彫ってたっぺ。オラには全く分からねぇが、シンタローを好きなら好きで仕方ねぇんでねえべか?」
と正直に思ったことを言ってやると、アラシヤマは何やら
「うーん・・・。まぁ、恋人と親友が一緒でもええですやろ。むしろ、一生一緒にいるということを考えた場合、一石二鳥どすしな・・・」
とかブツブツ言っており、その後、
「じゃぁ、今から野望は少し変更どすな!お星様――!!やっぱり、シンタローはんをわての恋人にということも願い事に追加しといておくんなはれ~!」
と、叫んでいた。
「――――アラシヤマ。もう朝だから、お星様はいなくなってるべ。結局、野望は叶わないんじゃ・・・」
とオラが言うと、アラシヤマは
「あんさん、ほんまに顔だけで頭が軽いでんな!お星様は見えなくても、ちゃんと空の向こうにいるんどすえ?だから、わての野望は叶うんどす――!!」
そう言った。
オラを馬鹿にするアラシヤマの性格の悪さにかなりムカついたが、まぁ、こいつの野望が万が一叶ったりしたら、オラもお星様に何か願ってみてもいいかと思った。
何故か、ミヤギさん視点です。でもアラシン!(と言ってもいいのかなぁ・・・)
ミヤギさんの言葉がよく分からなくて、偽者ですみません・・・。
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