キリ番140000リクエスト 『アラシヤマ×シンタロー テーマ;春の嵐』
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ザァ……っ
ひときわ強い風が吹き、桜の花が舞い散っていく。
風にひらひらと煽られて、軽やかに散っていく様は儚いけれど、
それゆえに美しいと歌った詩のとおり。
特に今は宵。
白に近い文字通りの桜色は夜の闇によく映える。
わずかに曇ってしまったが、霞がかった月も幻想的で、
シンタローはどんなにカメラの性能が上がっても、
この瞬間の美しさは記録できないだろうなどと考えていた。
しばらく魅入っていたが、やがて後ろからの気配に振り返った。
「見事な桜どすなぁ……。」
「そうだな。」
現在シンタローとアラシヤマ、パプワ島の面々に心戦組の幹部たちは、
赤い秘石を探すため次元を超えての旅をしている。
そのせいでイクラまみれになったり溶岩の真っ只中で燃えたりと
なかなか体も心も休まる時がない。
そして今回秘石が導いたのは、植物が鬱蒼と茂る星だった。
シンタローたちは早速この星の住民から秘石の情報を集めたが
結果は芳しくなく、数週間情報集めをして出た結論は「この次元に赤の秘石は存在しない」だった。
「偽物すらねェ次元にまで旅させるんじゃねぇ!」というシンタローの至極まともな意見に、
青の秘石は「こんな時もある」と涼しい顔で……もとい声色で答えた。
本当ならすぐにでも別の次元に行くべきなのだが、
最初に心戦組のウマ子嬢が
「これだけの桜を見たら花見をせんと!」と
無意味にでかい青のビニールシートを振り回して主張したため、
勢いに負けた男性陣および秘石はもうちょっとここに留まることにしたのだった。
今二人が立っている場所から、もう少し離れた広場では男共が酒盛りをしているはずだ。
「それにしても不思議やわ……」
「何がだよ」
「この桜のことどす
次元が違ても、この美しさはかわらへん。」
「……次元が違うのに桜があるっつー事は変だと思わんのか。」
「この島と秘石は何でもありでっしゃろ?」
あっさりと返ってきた台詞に、シンタローは頭をボリボリと掻いて
「違いねーけど、なんか釈然としねぇんだよな。」
何度もスカを食らっている所為か、いまいち素直になれないシンタロー。
「まぁまぁ、そんな風に気を張り詰めんでもよろしゅおす。
とりあえずは……」
そういって視線を上に移す。
音のない風が吹き、桜を揺らし、ザァッと波のような音を生み出した。
宵闇に桜の花びらが舞い上がる。雪が天に還っていくように。
「とりあえずは、コージはんの妹はんの言うとおり、
この景色を楽しんだらよろしゅおす」
目を細めその景色に見入るアラシヤマに、シンタローは釈然としない面持ちで
「そりゃ確かに俺も酒は嫌いじゃねェ…っつうか好きだけどな。
こんなことしている場合じゃねーだろって」
「その事は今まで何度も話しましたぇ?
シンタローはんウマ子はん説得できます?」
「無理。絶対。」
一瞬リキッドを餌に何とかできないかと思ったが、
なんだか『コイツ好きにして良いから早く次ぎ行かせてくれ』などと交渉しようものなら、
色々と恐ろしいことになりかねない。
『なんでシンタローさんがそんなこというんじゃ!!?
は…っまさか…ッツ!』(以下いつものパターン)
「~~~~~~……………。」
色々と想像してしまい、腕を抱えて震えるシンタローを見て、
アラシヤマは何を勘違いしたのか後ろからギュッと抱きしめる。
そのまま、むき出しのシンタローの腕をさすりながら
「ほら、風が出てきましたぇ?
いくら春言うたって、まだまだ夜は寒いんやから気ぃつけんと。
向こうではまだ宴会も続いてますぇ?」
「…そうだな。戻るか。」
同意してきびすを返す。
そろそろみんな酔いが回ってくる頃だろう。
酔った心戦組の連中に絡まれるのがわかっていたので、そうなる前に逃げてきたのだが、
ゆっくり帰れば、着く頃にはみんな絡む気力もなくなっているだろう。
そう思ってゆっくり歩いていたが、
その途中。もうすぐで宴会場に着くという時に、
シンタローの服をつまんでくいと引っ張り
「自分で戻ろう言い出しておいてなんやけど、
も少し遠回りして返りまへん?」
「……そだな。」
頷くシンタローは概して無表情。
それでも、嬉しそうにアラシヤマは本道と外れた道を先導していった。
とりあえず一番若い永遠の18歳に片付けとか色々と押し付け任せて、
ゆっくりと、花びら舞い散る風の中を歩いていこう。
おまけ
春なアラシ(ヤマ)
『春春春春春どすぇえええ───!!
花は咲きほころび葦は芽吹き雪は解け始め閑古鳥も鶯も鳴き始める春!
邪魔者キンタローやコタロー様、もちろんマジック様もおらへんし!
伏兵になるかもしれへんリキッドはウマ子はんに預けて無問題!
今年こそ決めて見せますシンタローはんとのバーニングらぶ!
そう! この春が終わる頃!
ワテとシンタローはんの関係は夏真っ盛りのお暑いカップルになっとりますぇえええ!!
待っててくださいシンタロはぁあああんッッツ!!』
なんだかイタいことを言っていたアラシヤマ。
彼が走り去って言った後にわずかに聞こえる話し声。
もとい、声は一人分だが、それは誰かに話しているような口調だった。
「───ということで、現場のソージでした。
要求どおりのガンマ団ナンバー2の近況報告です。
続いて今夜は23:30から
『実録! 家事に疲れた家政夫に手を出すご法度野郎~スパイは見た!~』をお送りします。」
遠く離れたこちらは壬生国。
「……………………三南さん。
確かパプワ島に残っているガンマ団員の報告しろって指示したの山南さんですよね」
「……ごめん山崎君。
まさかこんな展開になっているとは思わなかったよ」
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没原稿
名残惜しそうに腕を解き、ゆっくりと家路に着く。
途中。ふと、シンタローは空を見上げた。
視線の先には満開の桜の木、その奥に霞がかった朧月。
「…こんな月の日に。」
ポツリと言葉をこぼす。
きょとんしてとアラシヤマはシンタローを見た。
「親父に背負われて外に出たことがあるんだ。」
「…ほぉ。」
背負われてというくらいだからまだ幼稚園かそこいらの子供の時だろう。
もっとも、あの父親ならこの年になってのおんぶ位しそうだが。
「で、俺が言った言葉がな。」
「へぇ。」
「『あーこれがおんぼろ月夜か』って。」
「…………そ、それは…。」
「すっげー笑われた」
「…でっしゃろな。」
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テーマがテーマなだけに早く完成させなきゃと思っていたのですが……
おくれまくりましたごめんなさい申し訳有りませんつけないでー!
イヤイヤなんかどスランプにぶち当たりまして……。
その所為で短いしー!!!
何だか中途半端な出来になってしまいました。
そして最後はギャグに逃げるし。
あーでもトシさんとリキッドのエロも書きたいなー。
主要カップリング制覇を目指している身としては。(いつめざし始めた)
と言うことでいした様。
大変遅れてしまいましたが、お納め下さいませ。
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ザァ……っ
ひときわ強い風が吹き、桜の花が舞い散っていく。
風にひらひらと煽られて、軽やかに散っていく様は儚いけれど、
それゆえに美しいと歌った詩のとおり。
特に今は宵。
白に近い文字通りの桜色は夜の闇によく映える。
わずかに曇ってしまったが、霞がかった月も幻想的で、
シンタローはどんなにカメラの性能が上がっても、
この瞬間の美しさは記録できないだろうなどと考えていた。
しばらく魅入っていたが、やがて後ろからの気配に振り返った。
「見事な桜どすなぁ……。」
「そうだな。」
現在シンタローとアラシヤマ、パプワ島の面々に心戦組の幹部たちは、
赤い秘石を探すため次元を超えての旅をしている。
そのせいでイクラまみれになったり溶岩の真っ只中で燃えたりと
なかなか体も心も休まる時がない。
そして今回秘石が導いたのは、植物が鬱蒼と茂る星だった。
シンタローたちは早速この星の住民から秘石の情報を集めたが
結果は芳しくなく、数週間情報集めをして出た結論は「この次元に赤の秘石は存在しない」だった。
「偽物すらねェ次元にまで旅させるんじゃねぇ!」というシンタローの至極まともな意見に、
青の秘石は「こんな時もある」と涼しい顔で……もとい声色で答えた。
本当ならすぐにでも別の次元に行くべきなのだが、
最初に心戦組のウマ子嬢が
「これだけの桜を見たら花見をせんと!」と
無意味にでかい青のビニールシートを振り回して主張したため、
勢いに負けた男性陣および秘石はもうちょっとここに留まることにしたのだった。
今二人が立っている場所から、もう少し離れた広場では男共が酒盛りをしているはずだ。
「それにしても不思議やわ……」
「何がだよ」
「この桜のことどす
次元が違ても、この美しさはかわらへん。」
「……次元が違うのに桜があるっつー事は変だと思わんのか。」
「この島と秘石は何でもありでっしゃろ?」
あっさりと返ってきた台詞に、シンタローは頭をボリボリと掻いて
「違いねーけど、なんか釈然としねぇんだよな。」
何度もスカを食らっている所為か、いまいち素直になれないシンタロー。
「まぁまぁ、そんな風に気を張り詰めんでもよろしゅおす。
とりあえずは……」
そういって視線を上に移す。
音のない風が吹き、桜を揺らし、ザァッと波のような音を生み出した。
宵闇に桜の花びらが舞い上がる。雪が天に還っていくように。
「とりあえずは、コージはんの妹はんの言うとおり、
この景色を楽しんだらよろしゅおす」
目を細めその景色に見入るアラシヤマに、シンタローは釈然としない面持ちで
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シンタローはんウマ子はん説得できます?」
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アラシヤマは何を勘違いしたのか後ろからギュッと抱きしめる。
そのまま、むき出しのシンタローの腕をさすりながら
「ほら、風が出てきましたぇ?
いくら春言うたって、まだまだ夜は寒いんやから気ぃつけんと。
向こうではまだ宴会も続いてますぇ?」
「…そうだな。戻るか。」
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そろそろみんな酔いが回ってくる頃だろう。
酔った心戦組の連中に絡まれるのがわかっていたので、そうなる前に逃げてきたのだが、
ゆっくり帰れば、着く頃にはみんな絡む気力もなくなっているだろう。
そう思ってゆっくり歩いていたが、
その途中。もうすぐで宴会場に着くという時に、
シンタローの服をつまんでくいと引っ張り
「自分で戻ろう言い出しておいてなんやけど、
も少し遠回りして返りまへん?」
「……そだな。」
頷くシンタローは概して無表情。
それでも、嬉しそうにアラシヤマは本道と外れた道を先導していった。
とりあえず一番若い永遠の18歳に片付けとか色々と押し付け任せて、
ゆっくりと、花びら舞い散る風の中を歩いていこう。
おまけ
春なアラシ(ヤマ)
『春春春春春どすぇえええ───!!
花は咲きほころび葦は芽吹き雪は解け始め閑古鳥も鶯も鳴き始める春!
邪魔者キンタローやコタロー様、もちろんマジック様もおらへんし!
伏兵になるかもしれへんリキッドはウマ子はんに預けて無問題!
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そう! この春が終わる頃!
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彼が走り去って言った後にわずかに聞こえる話し声。
もとい、声は一人分だが、それは誰かに話しているような口調だった。
「───ということで、現場のソージでした。
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続いて今夜は23:30から
『実録! 家事に疲れた家政夫に手を出すご法度野郎~スパイは見た!~』をお送りします。」
遠く離れたこちらは壬生国。
「……………………三南さん。
確かパプワ島に残っているガンマ団員の報告しろって指示したの山南さんですよね」
「……ごめん山崎君。
まさかこんな展開になっているとは思わなかったよ」
************************************************
没原稿
名残惜しそうに腕を解き、ゆっくりと家路に着く。
途中。ふと、シンタローは空を見上げた。
視線の先には満開の桜の木、その奥に霞がかった朧月。
「…こんな月の日に。」
ポツリと言葉をこぼす。
きょとんしてとアラシヤマはシンタローを見た。
「親父に背負われて外に出たことがあるんだ。」
「…ほぉ。」
背負われてというくらいだからまだ幼稚園かそこいらの子供の時だろう。
もっとも、あの父親ならこの年になってのおんぶ位しそうだが。
「で、俺が言った言葉がな。」
「へぇ。」
「『あーこれがおんぼろ月夜か』って。」
「…………そ、それは…。」
「すっげー笑われた」
「…でっしゃろな。」
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テーマがテーマなだけに早く完成させなきゃと思っていたのですが……
おくれまくりましたごめんなさい申し訳有りませんつけないでー!
イヤイヤなんかどスランプにぶち当たりまして……。
その所為で短いしー!!!
何だか中途半端な出来になってしまいました。
そして最後はギャグに逃げるし。
あーでもトシさんとリキッドのエロも書きたいなー。
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