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「これ、わてからあんさんに。誕生日プレゼントどす」
 突然、アラシヤマから小さな小箱を渡された。
 バニラの香りがするので、
 「食いもんだったらもらわねぇぞ」と言うと、
 「食べ物やったらいらんってどないなことでっか?わて、そこまで信用ありませんのん?(涙)・・・残念ながら食べ物やおまへん。香水なんどす」
「信用はこれっぽっちもねぇナ(断言)。香水?」
 「原料となる花はヘリオトロープって言うんどす。紫色の小さな花が咲いて可愛ええんどすえ。花言葉もわてからあんさんにピッタリや思うてv現在は本物の花から作られた香水は、なかなかあらしまへんので高うおます。(わて、これっぽっちも信用がないやなんて…(泣))」
 「ふーん。ま、なんだかわからねェが、高いもんだったらもらっといてやるか。ただし、使うかどうかわかんねぇからナ」
 「充分どす。ただし、わては三四郎にはなりませんので、覚悟しといておくんなはれvv」
 そう言って、ヤツはあっさりと去っていった。
 「あ、オイ、ちょっと待てよ!三四郎ってなんなんだよ?」
 もう聞こえない所まで行ってしまったらしく、ヤツは戻ってこない。
 「アラシヤマのくせに・・・」
どうも、気になるので、たまたま執務室に提出書類を出しにきたトットリに聞いてみたところ、
 「アラシヤマの奴、そんなこと言ったんだらぁか。気障でムカつくっちゃ」
 「で、結局なんなんだよ。ヘリオトロープと三四郎って」
 「まず、ヘリオトロープの花言葉は、『献身的な愛』とか『愛よ永遠なれ』だっちゃ。ヘリオトロープは明治に流行った香水の名前で、有名な文豪が書いた小説の主人公の三四郎が片思いの美禰子のために選んだんだわや。三四郎がグズグズしてる間に結局三四郎の片思いに終わるんやけど、三四郎にならんってそういうことだらぁか」
 「・・・・」
 「ちなみに、ヘリオトロープは5月24日の誕生花らしいっちゃ」
 「~~~~っ!!もういい…。ありがとナ」
 「シンタロー、僕もアラシヤマに負けないっちゃ」
 そう言って、トットリは部屋から出て行った。
 1人、部屋に残された俺は、これからのことを思うと頭が痛くなった。


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