柔らかな響きが熱を帯びる瞬間。
つられるようにして俺の熱も上がり、息を深く吐き出しながら、腕を伸ばす。
「シンタローはん」
いいかげん年を食った男はまるで子供のような、なにも裏のない様子で笑いかける。
そのくせ艶やかな声は直接耳に吹き込まれ、ついでと言わんばかりに耳たぶを噛んでゆくから、たちが悪いのだった。
俺と並んでも遜色ない、引き締まった身体。
いや、俺よりは大分細い、が、シャープなラインにはしなやかな筋肉が張り付いている。
その肩に、ぐ、と指を食い込ませれば、頭上から降り注ぐのは、少し余裕のない笑い声。
「あかん、・・そないなことしたら、我慢きかなくなるさかい」
「・・我慢、してんのか」
「あんさんに乱暴したくあらしまへん」
じわり。
アラシヤマの声は熱を込めて膨らんで、俺の身体の中で弾け、侵食する。
指を、背中に滑らせる。
抱きつくように、もう片方の手も。
引き寄せて、首筋に顔を埋めて。
息を吸い込むと、汗と火薬が混じったような匂いが鼻を刺した。
アラシヤマの身体はひどく熱い。
もし、こんな状況下で発火したら俺はどうなるのだろうと幾度か考え、それでも今までに発火することは結局なかった。
「アラシヤマ」
名前を呼ぶのが1番効果的だと知っていた。
だから呼ぶのだ、何度も、繰り返し。
「アラシヤマ、・・もっと」
「・・いけずやなあ・・」
苦く笑う表情も、もう溶かされてしまうような熱い声も、嫌いじゃない。
つられるようにして俺の熱も上がり、息を深く吐き出しながら、腕を伸ばす。
「シンタローはん」
いいかげん年を食った男はまるで子供のような、なにも裏のない様子で笑いかける。
そのくせ艶やかな声は直接耳に吹き込まれ、ついでと言わんばかりに耳たぶを噛んでゆくから、たちが悪いのだった。
俺と並んでも遜色ない、引き締まった身体。
いや、俺よりは大分細い、が、シャープなラインにはしなやかな筋肉が張り付いている。
その肩に、ぐ、と指を食い込ませれば、頭上から降り注ぐのは、少し余裕のない笑い声。
「あかん、・・そないなことしたら、我慢きかなくなるさかい」
「・・我慢、してんのか」
「あんさんに乱暴したくあらしまへん」
じわり。
アラシヤマの声は熱を込めて膨らんで、俺の身体の中で弾け、侵食する。
指を、背中に滑らせる。
抱きつくように、もう片方の手も。
引き寄せて、首筋に顔を埋めて。
息を吸い込むと、汗と火薬が混じったような匂いが鼻を刺した。
アラシヤマの身体はひどく熱い。
もし、こんな状況下で発火したら俺はどうなるのだろうと幾度か考え、それでも今までに発火することは結局なかった。
「アラシヤマ」
名前を呼ぶのが1番効果的だと知っていた。
だから呼ぶのだ、何度も、繰り返し。
「アラシヤマ、・・もっと」
「・・いけずやなあ・・」
苦く笑う表情も、もう溶かされてしまうような熱い声も、嫌いじゃない。
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