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「せっかくのクリスマスだし、恋人らしくどっか行こうよ!」
そうマジックが言い出した。
言ったらウザイ位聞かない奴だから、仕方なくという感じでシンタローは了承した。
シンタローの本音を言ってしまえば嬉しいのだが、表面では表現できない性格なので終始仏頂面。
「やだよ。さみーし。」
「何でそんな事言うの!クリスマスは世界で1番恋人達が愛を語り合う日なんだよッツ!」
シンタローが座っている机の上に両手を思いきり叩く。
バンッ!!と大きな音がしたので、ビク、と、シンタローはマジックを見た。
なんだかんだ言ってシンタローはマジックを一目置いている。
シンタロー自身はそうだと認めないだろうが、心の奥底ではマジックを自分より上だと思っていて。
「シンちゃん、パパの話し聞いてる?」
「きーてるヨ。だから、行きたくねぇんだって言ってんだろ!」
「……どうして。」
マジックの秘石眼が光った。
オイオイ、息子脅すんじゃねーヨ!
少したじろいて、シンタローは「解った」と頷きざる得なかった。









それからマジックの行動は早かった。
もう勝手に予約してあるホテルの地図をシンタローに渡し、時間も決めてある。
「じゃ、ここに午後8:00に待ち合わせだよ!」
そう言い残し、マジックは満面の笑みで、じゃあね、と言い残し去っていった。
「………あんだったんだ。」
あまりの迅速さに呆然とするシンタロー。
背中に日差しを浴び、マジックの去ったドアを見つめた。









仕事の合間に何度も時計を見る。
あくまでもチラチラと、人に気付かれないように。
マジックと出かける事を楽しみにしている、という事を他人に知られたくなかったから。
ここからだと、マジックが予約したホテルまでざっと一時間位か。
少し早めに着いたり、ピッタリに着いたりして、マジックに嬉しがられるのも嫌だった。
しかし。
仕事が今日に限って早く終わってしまった。
これならホテルまで充分間に合う。
「チッ!」
舌打ちをしてからシンタローは着替える為に自室へ。
お洒落してマジックに会うという事には疑問はないらしい。
お気に入りの服を着て、コートを羽織って、シンタローは部屋を出た。
地下の駐車場から車を出して目的地へと向かう。
車は混んでいたが、シンタローの予測通り一時間程で着いた。
ネオンが光り輝く豪華なホテル。
いかにもマジックが好きそうなたたずまいで。
そのホテル庭にある、噴水の縁にシンタローは座った。
そこからだと時計がよく見える。
時刻は8時5分前。
時計の文字盤も光っているので、綺麗だし見やすい。
「俺より先に来てねぇなんて何様のつもりだ、あンのクソ親父ッツ!」
小さい声で悪態をつくが、後5分もしたらやってくるであろうマジックの事を思うと、実はそんなに腹がたたない。
どっかりと座り込んで、コートをすっぽりと首まで覆った。
今日は何だかとても冷える。
ぶる、と身を震わせて父が来るのを待った。










約束の時間になって、5分が過ぎ、10分が過ぎてもマジックは現れなかった。
ホテルの中に入るには、シンタローの居る場所のすぐそばを通らないと入れないので先に中に入っている可能性はないだろう。
シンタローが来る前に来ているのだとしたらさっさと煩い位に連絡が入っているはずだ。
約束の時間から一時間を過ぎた頃、目の前にチラチラと白いものが落ちていく。
は、と、白い息を吐きながらシンタローは空を見た。
「雪……」
どうりで寒いはずだ。
ホテルのイルミネーションに反射して、七色にキラキラ輝く雪のカケラ。
寒いが綺麗だなと、シンタローは空を仰いだ。
シンタローは待つ事には慣れている。
小さい時から父はいつも多忙だったから、決められた時間いっぱい一緒に居られた事がない。
半ばシンタローも諦めのようなものが身についていて。
だからいつも期待しないように、しないように、と言い聞かせていたのだが、その場になるとどこか期待している自分がいて。
そして裏切られて寂しい気分を味わうのだ。
今回も、総帥業を自分が継いだのだから忙しくない、と。
今回だけは違うと思ってしまっていたがために、いつもより悲しい気分を多く味わってしまった。
涙が出てきそうになる。
遅れるなら連絡位しろっつーの!
ポケットから携帯を取り出すとナイスタイミングでマジックから電話がかかってきた。
かじかむ指で急いで通話ボタンを押すと、マジックと繋がる。
『モシモシ、シンちゃん。』
「おう。」
『パパちょっとお仕事入っちゃって今日行けなくなっちゃった。ごめんね。』
やっぱりな、と思った。
いつもいつもどうして俺は性懲りもなくマジックに期待してしまうんだろう。
「だからやだって言っただろーが。」
『うん。ごめんね。もう待ってた?』
「まさか。」
待ってたって言うのが嫌だった。
楽しみにしてたと思われるのも嫌だったし、自分がマジックを必要としてると知られるのも嫌だった。
『そっか。じゃあ、暖かくして寝るんだよ。』
「はーいはいはい。」
『じゃあね。』
「おう。」
ぷつ、と回線が途絶えてから、シンタローは上を見上げた。
温かいものが頬を伝う。
「勝手な奴ーー。」
涙でぼやけているせいで、七色の雪が余計幻想的に見える。
コートの裾でゴシゴシと涙を拭く。
はーー。と一息つくと、白い煙りが口から出た。
「嘘つきシンちゃん。」
聞き覚えのある声が後ろから聞こえて、シンタローは振り返る。
そこには昼間見た父が微笑んで立っていた。
「それを言ったら私も同じか。お待たせシンタロー。」
そう言って抱きしめられた。
寒空の中一時間以上も待たされていたシンタローは冷たくて。
温かいマジックに抱きしめられて、シンタローは軽く目を閉じた。
頬を両手で掴まれると、顔が温かい。
そのままマジックの顔が近づくので、シンタローは黙って目を閉じたのだが、急にばち、と目を開けた。
「アンタ!そんなんじゃ騙されねーぞ!遅くなるならなんでもっと早く連ら…むぐっ!」
怒りをマジックに当てようとしたのに、マジックに唇を手で塞がれて最後まで言えなかった。
「怨みつらみは後で聞くから。
それより私は嬉しいよ、シンタロー。私の為にずっと待っててくれたんだね。」
そう言われてしまえば黙るしかない。
「愛してるよ、シンタロー。今夜は待てそうにない。」
その言葉の意味を理解して、シンタローは顔が熱くなるのを感じた。









ホテルのVipルームに入るやいなや、シンタローはふかふかのダブルベッドに押し倒された。
スプリングの利いたベッドがギシリと大きな音を奏でる。
押し倒したシンタローの上に馬乗りになり、ジャケットを脱ぎ捨てる。
言葉だけじゃなく、本当に今日は余裕がないらしい。
「早くお前に会いたかったよ。待たせてごめんね。」
なんて優しい声で言うから。
いつもの調子がでねぇじゃねぇか。
先程お預けされたキスをかわす。
舌を入れられ歯をなぞられた。
「ふ…ぅんッ…」
口を無理矢理こじ開けられ、ぬめりとしたマジックの舌がシンタローの舌に絡み付く。

苦しいけど心地良い、そんな感覚。
うっとりとしていると、マジックの指がシンタローの素肌に触れた。
キスをしている間にさっさと脱がせていたようだ。
いつもより焦っている感じがシンタローは新鮮で。
マジックの人間らしい部分を目の当たりにした心境だった。
「シンちゃん、ごめんね。」
「ふぇ?」
いきなり謝られて、何の事だろうと気の抜けた返事をすると、いきなり襲い掛かる下半身への快感。
「あああっ!ま、待った!ちょっ!待ったッツ!!あ、あああ!!」
マジックがシンタロー自身を口に加えこんだのだ。
ぢゅぷぢゅぷと唾液を湿らせる。
その快感に、シンタロー自身は促されるようにヒクヒクと天に向くのである。
舌先を固くして、先端をくるくる回すように嘗めたり、上下にグラインドさせたり、シンタローの性感帯を熟知した動きをされる。
「や、やだ!あ、あぅ……」
マジックの髪を掴むと、意外にもサラサラな髪はするりとシンタローの指を抜ける。
口をすぼめて激しく吸い付くと、シンタローはビク、と、体を震わせた。
マジックの口の中では、唾液とは違う、シンタローの出す液体が充満してくる。
それを美味しいと感じてしまうのは相当やばい証拠だろう。
「父さんッツ!あ、あ!」
上で喘ぐシンタローの声に反応してしまう。
可愛くて仕方のない息子。
だから。
つぷり、と濡れたシンタローの蕾に指を入れた。
「あ!あん!だ、ダメだっ!!ああん!!」
唇からは溢れ出した唾液。
目には生理的な涙がうっすらと見える。
「シンちゃん、可愛いよ。」
優しく口は動くのに、指は容赦なくシンタローの蕾をかきまぜる。
シンタローはイヤイヤと頭を振る。
指の本数が段々増えてゆき、三本になった所で一気に引き抜いた。
「やああああッツ!!」
ビクビクン!と、体を震わせるシンタローを見て、既に余裕のないマジックは、シンタローの蕾へ自身を何度かヌルヌルとこすりつけたかと思うと、ずる、と、中へ混入させた。
「ひゃあああっ!」
海老剃りになり、シンタローは目を見開いた。
目の前がチカチカする。
「シンちゃん、シンタロー。」
「あ、あ、とぉさん…!」
マジックの背中に腕を絡め、腰には逃がすまいと無意識のうちに足を絡める。
パンパンと、筋肉のぶつかり合う音が聞こえた。
気持ち良くて死にそうだった。
玉の汗が跳ぶ。
ダイヤモンドみたいにキラキラして見えた。
マジックがシンタローの腰を鷲掴みにして、動かしまくる。
「し、死ぬッツ!死んじゃう!!ちょっ……」
「気絶するまで気持ち良くてしてあげるよ。」
理性は既に手放してしまっていて。
マジックにすがりつく。
マジック自身をくわえ込んだ所が熱くて堪らない。
息が上手くできなくて。
大粒の涙がシンタローの頬をいく筋もつたった。
「シンちゃんの中、きゅうきゅう締まって暖かいよ。」
「て、テメッツ!!」
そーゆー事を言うんじゃねぇ!と言いたくても声がでない。
だからマジックの背中に爪を立ててやった。
「フフ、痛いよシンちゃん。」
でも、嬉しそうに笑うから、シンタローのいやがらせはどうやら逆効果だったらしい。
シンタローの頬に触れるだけのキスをすると、ラストスパートと言わんばかりに激しく腰を打ち付けた。
「ちょ、待っ…!あああっ!!」
余りの激しさに声どころか息を吸うのもやっとで。
マジックの背中をぎゅっと抱きしめる。
そして、マジックの頬に自分の頬を擦り寄せた。
下半身だけが自分のものではないような感覚。
でも、髪を掻きむしりたいくらいの快楽はずっと下半身からふつふつと沸き上がっていて。
熱くてたまならい。
「シンタロー、中に出すよ。」
少しかすれた声でそう言われた。
余裕がないのが見て取れる。
だから。
シンタローは何も言わない代わりに頭を前へコクリと下げた。
その瞬間。
「あああああああッツ!!」
マジックの白濁の液体がシンタローの中に注ぎ込まれる。
その熱と、既に限界だったのが重なり、シンタローも保々同時に精子を吐き出した。

「と…さん……ッツ!」

ドクドクと中に注がれるそれを下半身で感じる。
「あ、あつい……」
グス、と、鼻を啜ると、マジックがシンタローの涙を指で掬ってくれた。
ずる、と、抜かれると、蕾からはマジックの出した液体がゴポと、音をたて、溢れ出した。
「ん、んん…」
「シンちゃん、メリークリスマス。」
ぼんやりとしてきた意識の中、マジックの声だけがはっきりと聞こえて、その心地良さにシンタローは意識を失った。









目が覚めたシンタローは、掠れた声でマジックに聞く。
聞く、というか問い詰める。
それも喧嘩ごしで。
「何で遅れたんだヨ!遅れるなら連絡位しろっつーんダヨッツ!」

その質問に、マジックはニコ、と笑うと、さっき脱ぎ捨てたジャケットのポケットを何やらごそごそと漁る。
取り出したのは小さな箱。
「ンだよ、コレ。」
「まあまあ、開けてみて。」
指輪か、と思い込んでいたシンタローは度肝を抜かれた。
そこに入っていたのは、ブルーサファイアの原石。
しかもでかい。
「シンちゃんの好きなブルーサファイアを買いに行ってたんだ。買っておいた原石より大きいのが入ったって連絡があったからそれを買いに行ってたら遅くなってしまったよ。」
ごめんね、と、もう一度謝るから、ムカつくけど許してやる。
大好きなブルーサファイアは、やっぱりマジックの目と同じ色をしていた。










終わり。











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