【欲望】
シンタローが遠征から帰ると、激しい高揚が胸を満たす。
彼が挨拶に来る度に離したくなくなる。
以前、堪えきれず彼を壁に押さえつけたまま行為に至った事があった。
久しぶりだと言うのに相変わらずの仏頂面で、それがたまらなく懐かしく愛しかった。
初めはキスをするだけで止めようと決めていたのにキスをしてしまったら止まらなくなって
愛したくてしょうがなかった。
シンタローの匂いと、肌の感触全てが、心を溶かしていくようだ。
嫌だ、と怒声を上げるが瞳はもう濡れていた。
この子はいつも拒絶する言葉しか吐かない。
・・・そんなに物欲しそうな顔をしているくせに。
それが余計に苛立たせる。
私にばかり言わせて、自分は愛されて当然なような態度がおもしろくない。
時々酷く傷つけてやりたくなる事がある。
ねぇ、シンタロー。頼むから言ってよ。
パパの事を好きだって、愛してるって。本当はずっとこうしたかったんだって。言って。
耳元で囁くと顔を紅くして私を突き放す。
自惚れるのも、大概にしろ!オレは、
その先の言葉を言わせないために強引に唇を奪った。
喉の奥の方まで舌を差し入れて口腔を蹂躙する。このまま脳まで犯せたら良いのに。
自惚れる?じゃあ、オマエは好きでも何でもない相手に、こんな風にキスをされて
胸を弄られて、それでそんな顔をしちゃうの?ヤラしい子だね、シンタロー。
わざと冷たく言い放ってやると、シンタローは眉を顰めて苦痛の表情をつくる。
シンちゃん、オマエが強情をはるから
だから今日はパパも、オマエに‘愛してる’なんて言ってやらない。
いつもキスをする度、オマエの中に入る度に告白する言葉。
その言葉を伝えるだけで オマエは、
頬を愉悦に染まらせて蕩けそうな顔をしているのを知っているかい?
それが可愛いから、何度でも言ってあげたくなる。でも今日は言わない。
酷い事をしているかな?でも、コレは、オマエがいつも私にしている事だよ。シンちゃん。
入口に指を添えて軽く押し当てる。
異物感に、シンタローの身体が疎んじた。
首にしがみ付きながら声を上げるのを必死に堪えている様子にますます嗜虐心が煽られる。
根元まで埋まる指を確認してから、もう一本の指を追加した。
狭いそこを広げて、襞を抉るように詮索する。身体が震えていた。
は、は・と短く息を吐いては唾液を垂らしている。
いいの?と問いかけても返事など返ってくるはずもなく、
返ってくるのは与えられる快感で跳ね上がる体の動きだけだ。
わざと音を立てて指を抜き差しする。
シンタローの腰が揺らめき出したのに気付いて、動かすのを止めると
彼はえ、と顔を上げた。
どうして欲しい?と聞いてもやはり、俯くばかりで返答はない。
それでも腰は、がくがくと震えていた。意地っ張りめ。
・・・そういう所が、可愛いんだけどね。
仕方なく返事を聞かずに自身を挿入する。
シンタローは押さえつけられていた壁に身体をずり上がらせて嬌声を上げた。
頭を抱かれて、丁度目の前に痛いほど突き立った乳首が映りそれに歯を立てる。
掠れた声で「父さん」と呼ばれた。
シンタローの腰の動きに合わせて、激しく中を掻き乱す。
深く突き入れて絡みついてくる内壁を強く擦り上げると、切ない吐息がひっきりなしに
シンタローの口から零れていた。
あぁ、シンタロー。
好きだよ。オマエの事が。
オマエが可愛くてたまらない。
好きだって、愛してるって、何度だってオマエに言いたい。
だから、お願いだから・・・オマエも、パパに言って。
悶えの止まらないシンタローの身体を押さえ付けて、自身を解放する。
狭い内部から熱い液が溢れたのがわかった。
彼も一際高い悲鳴を上げて、白濁した液体で私の服を汚した。
荒く息をつく身体を優しく抱き締める。
汗で額にへばり付いた前髪を掻き揚げてやるとそんな仕草にさえも感じるのか
敏感に身体が震えていて
言わないと、決めていたのに
・・・言って、キスをした。
シンタローが遠征から帰ると、激しい高揚が胸を満たす。
彼が挨拶に来る度に離したくなくなる。
以前、堪えきれず彼を壁に押さえつけたまま行為に至った事があった。
久しぶりだと言うのに相変わらずの仏頂面で、それがたまらなく懐かしく愛しかった。
初めはキスをするだけで止めようと決めていたのにキスをしてしまったら止まらなくなって
愛したくてしょうがなかった。
シンタローの匂いと、肌の感触全てが、心を溶かしていくようだ。
嫌だ、と怒声を上げるが瞳はもう濡れていた。
この子はいつも拒絶する言葉しか吐かない。
・・・そんなに物欲しそうな顔をしているくせに。
それが余計に苛立たせる。
私にばかり言わせて、自分は愛されて当然なような態度がおもしろくない。
時々酷く傷つけてやりたくなる事がある。
ねぇ、シンタロー。頼むから言ってよ。
パパの事を好きだって、愛してるって。本当はずっとこうしたかったんだって。言って。
耳元で囁くと顔を紅くして私を突き放す。
自惚れるのも、大概にしろ!オレは、
その先の言葉を言わせないために強引に唇を奪った。
喉の奥の方まで舌を差し入れて口腔を蹂躙する。このまま脳まで犯せたら良いのに。
自惚れる?じゃあ、オマエは好きでも何でもない相手に、こんな風にキスをされて
胸を弄られて、それでそんな顔をしちゃうの?ヤラしい子だね、シンタロー。
わざと冷たく言い放ってやると、シンタローは眉を顰めて苦痛の表情をつくる。
シンちゃん、オマエが強情をはるから
だから今日はパパも、オマエに‘愛してる’なんて言ってやらない。
いつもキスをする度、オマエの中に入る度に告白する言葉。
その言葉を伝えるだけで オマエは、
頬を愉悦に染まらせて蕩けそうな顔をしているのを知っているかい?
それが可愛いから、何度でも言ってあげたくなる。でも今日は言わない。
酷い事をしているかな?でも、コレは、オマエがいつも私にしている事だよ。シンちゃん。
入口に指を添えて軽く押し当てる。
異物感に、シンタローの身体が疎んじた。
首にしがみ付きながら声を上げるのを必死に堪えている様子にますます嗜虐心が煽られる。
根元まで埋まる指を確認してから、もう一本の指を追加した。
狭いそこを広げて、襞を抉るように詮索する。身体が震えていた。
は、は・と短く息を吐いては唾液を垂らしている。
いいの?と問いかけても返事など返ってくるはずもなく、
返ってくるのは与えられる快感で跳ね上がる体の動きだけだ。
わざと音を立てて指を抜き差しする。
シンタローの腰が揺らめき出したのに気付いて、動かすのを止めると
彼はえ、と顔を上げた。
どうして欲しい?と聞いてもやはり、俯くばかりで返答はない。
それでも腰は、がくがくと震えていた。意地っ張りめ。
・・・そういう所が、可愛いんだけどね。
仕方なく返事を聞かずに自身を挿入する。
シンタローは押さえつけられていた壁に身体をずり上がらせて嬌声を上げた。
頭を抱かれて、丁度目の前に痛いほど突き立った乳首が映りそれに歯を立てる。
掠れた声で「父さん」と呼ばれた。
シンタローの腰の動きに合わせて、激しく中を掻き乱す。
深く突き入れて絡みついてくる内壁を強く擦り上げると、切ない吐息がひっきりなしに
シンタローの口から零れていた。
あぁ、シンタロー。
好きだよ。オマエの事が。
オマエが可愛くてたまらない。
好きだって、愛してるって、何度だってオマエに言いたい。
だから、お願いだから・・・オマエも、パパに言って。
悶えの止まらないシンタローの身体を押さえ付けて、自身を解放する。
狭い内部から熱い液が溢れたのがわかった。
彼も一際高い悲鳴を上げて、白濁した液体で私の服を汚した。
荒く息をつく身体を優しく抱き締める。
汗で額にへばり付いた前髪を掻き揚げてやるとそんな仕草にさえも感じるのか
敏感に身体が震えていて
言わないと、決めていたのに
・・・言って、キスをした。
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【したい】
深夜にドンドン、と自室のドアを喧しく叩く音がするので
シンタローは何事かと起き上がり扉を開けた。
部屋のすぐ外にはグンマが疲れきった顔で立っていて
その後ろの方ではすっかり酒に酔っ払っているらしい父親が
壁を背にだらしなく凭れ掛かっていた。
お願い、後、よろしく!と事情説明もせずグンマはその場を走り去る。
シンタローはグンマに向かって声をかけようとしたが、
今が夜中だと言う事に気付き、自制した。
顔を赤くして瞼を閉じている父親に目を向ける。
どうやら眠っているらしい。
このまま廊下に置き去りにしてもう一度暖かい布団に戻ろうとも思ったが
やはり良心が痛み、仕方なくシンタローはマジックを自室に運ぶ事にした。
どんな言葉をかけてもうん、としか返事をしない。
やれやれ、とため息をうつとマジックの腕を自分の肩に回させ
それをしっかりと掴むと腰を抱き、部屋へ運んだ。
重い身体を何とかソファに座らせるとサイドテーブルに置いておいた
水の入ったペットボトルをとり手近にあったコップに中身を注ぐ。
飲めよと、渡そうとしても身動き一つとろとしない父に痺れを切らして
シンタローは自分の口に水を含ませ、マジックに口移しで飲ませた。
マジックが薄く目を開けてこちらを見る。
あぁ、シンちゃんだ。とシンタローの姿を確認すると再び目を閉じた。
こんなになるまで、一体どれくらい飲んだのだろう。
暫く眺めていると、マジックはまたシンタローの名前を呼んだ。
何だよ、と聞き返すと‘愛してる’と言われてしまった。
同じ台詞を、譫言のように何度も呟いてる。
前後不覚の状態で、自分を口説いてるその姿に
シンタローは不覚にもこの、二十以上年の離れたオヤジ相手に
・・・可愛い、と思ってしまった。
金色の前髪を少し掻き揚げて、口付けを交わす。
酒に酔っているせいか、いつもより拙い動きで
それでも
懸命にキスに応える様子が愛しくてたまらない。
スペシャルサービスだぜ、と
シンタローは上着を床に脱ぎ捨てた。
相手のズボンを下着ごとずり下ろして、出てきたものを大胆に口に含んだ。
普段されているように舌で先を擽り時折手を使って扱いたり。
生暖かい口内に包まれて、せわしなくマジックは吐息を吐き出した。
熱い舌が根元から先まで丁寧に愛撫し、腰が悶える。
シンタローが少しだけ口を離して気持良いかと尋ねても
マジックはうん、としか言わない。本当に意識がないのだろう。
まぁ、その方が良いのだが。
自分の下半身に手を伸ばすと、既にカウパー腺液で下着が濡れていて
それが可笑しくてシンタローは笑った。
穿いていたものを全て脱いでしまうとマジックの足元に跪き、
いつも自分の中を深く抉るそれをもう一度口に咥える。
己の双丘の間を探り、そこに指を差し入れてやるとン、と漏れる声に
自分の頬が熱くなったのを感じた。
指の本数を次第に増やして、中を、ぐちゃぐちゃに弄ってやる。
抜き差しする度に分泌液が指を伝って床を汚した。
内部を掻き回すと、たまらず、奉仕するのを中断する。
マジックの肩に手を置き、その腰へ自身の身体を乗り上げた。
「―――ッあ・・・、」
先を埋め込むと進入を喜ぶかのように自分の意志とは関係なく
中がそれを締め付ける。
完全に腰を落としきると指では届かなかった奥まで熱が届いて
目まぐるしい快感にシンタローの身体が悦がった。
身を反らして上下にがくがくと腰を揺さぶる。
繋がりあった部分が糸を引いて蜜がソファに滴り落ちる。
脳が麻痺するほど最高に気持ち良くて堪えきれずマジックの首に縋り付くと
腰を掴まれ角度を変えて突き上げられた。
「親父・・・ッ」
シンタローの喉が仰ぎ反る。
切ない嬌声を上げながら、それでも腰の動きは止まらない。
強く抱きしめて激しく、強引に中を擦り上げる。
「っぁ、ん・・・、ん・・・!」
生理的な涙で目が滲んで前がよく見えない。
こんなに近くにいるのに。
シンタローは相手を確かめるように激しいキスをした。
荒く息をつぎながらお互いの唾液を絡ませあう。
息継ぎが上手くできなくて苦しいのか、マジックが口を離そうとするので
シンタローはいやいやをするように首を振りしつこく接合を求めた。
マジックのものが奥まで当たり、切ない悲鳴が部屋中に木霊する。
熟れた先端から精液が弾けてはぁ、と息を零す。
少し遅れて熱い液体が自分の中に注ぎ込まれた。
「――――あ・・・」
流れるものに、ビクビクと敏感に身体が震える。
引き抜くと同時にマジックの出したものがシンタローの太腿の内側を伝った。
出しすぎなんだよ、と文句をつけると彼はバスルームへと向かったのだった。
翌日、
マジックは凄まじい二日酔いにより昨晩の事が全く思い出せず
あの夜の事はシンタローただ一人だけが覚えている。
深夜にドンドン、と自室のドアを喧しく叩く音がするので
シンタローは何事かと起き上がり扉を開けた。
部屋のすぐ外にはグンマが疲れきった顔で立っていて
その後ろの方ではすっかり酒に酔っ払っているらしい父親が
壁を背にだらしなく凭れ掛かっていた。
お願い、後、よろしく!と事情説明もせずグンマはその場を走り去る。
シンタローはグンマに向かって声をかけようとしたが、
今が夜中だと言う事に気付き、自制した。
顔を赤くして瞼を閉じている父親に目を向ける。
どうやら眠っているらしい。
このまま廊下に置き去りにしてもう一度暖かい布団に戻ろうとも思ったが
やはり良心が痛み、仕方なくシンタローはマジックを自室に運ぶ事にした。
どんな言葉をかけてもうん、としか返事をしない。
やれやれ、とため息をうつとマジックの腕を自分の肩に回させ
それをしっかりと掴むと腰を抱き、部屋へ運んだ。
重い身体を何とかソファに座らせるとサイドテーブルに置いておいた
水の入ったペットボトルをとり手近にあったコップに中身を注ぐ。
飲めよと、渡そうとしても身動き一つとろとしない父に痺れを切らして
シンタローは自分の口に水を含ませ、マジックに口移しで飲ませた。
マジックが薄く目を開けてこちらを見る。
あぁ、シンちゃんだ。とシンタローの姿を確認すると再び目を閉じた。
こんなになるまで、一体どれくらい飲んだのだろう。
暫く眺めていると、マジックはまたシンタローの名前を呼んだ。
何だよ、と聞き返すと‘愛してる’と言われてしまった。
同じ台詞を、譫言のように何度も呟いてる。
前後不覚の状態で、自分を口説いてるその姿に
シンタローは不覚にもこの、二十以上年の離れたオヤジ相手に
・・・可愛い、と思ってしまった。
金色の前髪を少し掻き揚げて、口付けを交わす。
酒に酔っているせいか、いつもより拙い動きで
それでも
懸命にキスに応える様子が愛しくてたまらない。
スペシャルサービスだぜ、と
シンタローは上着を床に脱ぎ捨てた。
相手のズボンを下着ごとずり下ろして、出てきたものを大胆に口に含んだ。
普段されているように舌で先を擽り時折手を使って扱いたり。
生暖かい口内に包まれて、せわしなくマジックは吐息を吐き出した。
熱い舌が根元から先まで丁寧に愛撫し、腰が悶える。
シンタローが少しだけ口を離して気持良いかと尋ねても
マジックはうん、としか言わない。本当に意識がないのだろう。
まぁ、その方が良いのだが。
自分の下半身に手を伸ばすと、既にカウパー腺液で下着が濡れていて
それが可笑しくてシンタローは笑った。
穿いていたものを全て脱いでしまうとマジックの足元に跪き、
いつも自分の中を深く抉るそれをもう一度口に咥える。
己の双丘の間を探り、そこに指を差し入れてやるとン、と漏れる声に
自分の頬が熱くなったのを感じた。
指の本数を次第に増やして、中を、ぐちゃぐちゃに弄ってやる。
抜き差しする度に分泌液が指を伝って床を汚した。
内部を掻き回すと、たまらず、奉仕するのを中断する。
マジックの肩に手を置き、その腰へ自身の身体を乗り上げた。
「―――ッあ・・・、」
先を埋め込むと進入を喜ぶかのように自分の意志とは関係なく
中がそれを締め付ける。
完全に腰を落としきると指では届かなかった奥まで熱が届いて
目まぐるしい快感にシンタローの身体が悦がった。
身を反らして上下にがくがくと腰を揺さぶる。
繋がりあった部分が糸を引いて蜜がソファに滴り落ちる。
脳が麻痺するほど最高に気持ち良くて堪えきれずマジックの首に縋り付くと
腰を掴まれ角度を変えて突き上げられた。
「親父・・・ッ」
シンタローの喉が仰ぎ反る。
切ない嬌声を上げながら、それでも腰の動きは止まらない。
強く抱きしめて激しく、強引に中を擦り上げる。
「っぁ、ん・・・、ん・・・!」
生理的な涙で目が滲んで前がよく見えない。
こんなに近くにいるのに。
シンタローは相手を確かめるように激しいキスをした。
荒く息をつぎながらお互いの唾液を絡ませあう。
息継ぎが上手くできなくて苦しいのか、マジックが口を離そうとするので
シンタローはいやいやをするように首を振りしつこく接合を求めた。
マジックのものが奥まで当たり、切ない悲鳴が部屋中に木霊する。
熟れた先端から精液が弾けてはぁ、と息を零す。
少し遅れて熱い液体が自分の中に注ぎ込まれた。
「――――あ・・・」
流れるものに、ビクビクと敏感に身体が震える。
引き抜くと同時にマジックの出したものがシンタローの太腿の内側を伝った。
出しすぎなんだよ、と文句をつけると彼はバスルームへと向かったのだった。
翌日、
マジックは凄まじい二日酔いにより昨晩の事が全く思い出せず
あの夜の事はシンタローただ一人だけが覚えている。
【期待】
今日はグンマもキンタローも朝から研究の材料の買出しに出ていて今この家にいるのは、
マジックとシンタローの二人だけだ。
昼食後、シンタローがダイニングテーブルで新聞を広げているところに
マジックが擦り寄って来た。
鬱陶しい、と言うのも最早面倒くさい。
暫く好きなようにさせているとマジックの手が太ももの上に置かれる。
睨み付けると‘キスがしたい’と言われた。
当然拒否する。
しかし何度も強請られ続けて、いい加減怒りも限界に達しそうだった。
キスしてやれば、満足か。
シンタローの言葉に、マジックはにっこり微笑んで頷いた。
『キスだけ』
なんて言われて、本当にそれだけですんだ事はほとんど無い。
解かっているのに結局許してしまう自分がシンタローは嫌だった。
息をするのも忘れそうになるくらいの優しいキスに胸が詰まる。
抱き締められると、マジックのつけている香りがそのまま自分に染み込んでいく気がした。
ぎゅう、と心が痛くなる。
音を漏らしながら、合わせた唇と唇の隙間から赤い舌がちらりと覗く。
男からの甘ったるいキスからやっと解放されても、
大きな掌で、揉むように脇腹を辿られるとそれだけで腹の奥が疼いてしまって
‘やめろよ’と言ってもしつこく首元に接吻を繰り返され、
近い息づかいにぞくぞくと全身に痺れが走る。
一度快感に触れてしまうと、身体はその先にある目まぐるしい悦びを覚えているから
もっともっとと、欲張りになってしまう。
シンタローは今にも暴れだしそうな熱を必死に押し殺していた。
マジックは青い双眼でその様子を見つめながら、唾液で濡れた唇を笑みで歪ませる。
クチは素直じゃないくせに、身体は素直だね。
・・・ご褒美を、あげよう。
穿いている物の上から既に勃起してしまっている処へ手を当てられる。
今まで幾度も与えられた羞恥と興奮が電流のように身体中を駆け巡った。
「机に手をついてうつ伏せになって」
マジックは高く上げた形になっているシンタローの腰を辿ると、
ベルトを緩ませ勢い良く下穿きを残したままズボンを引きずり下ろす。
シンタローのものはもう、苦しい位に張り詰めていた。
こんな、恥ずかしい真似をさせられているのに。
シンタローの下半身は未だ下着を身に着けたままだ。
その状態で、マジックは己の身体をしゃがみ込ませ彼の尻に顔を埋めた。
薄い布地の上から、自分を受け入れてくれる場所へと舌を這わせる。
前に与える刺激も忘れずに、そこを強く吸っては舌でねぶり
下着の隙間から指を入れて中を掻き回した。
シンタローがシャツだけを纏いながら机に顔を押し付けて喘いでいる様子は
実に扇情的だ。
唾液と体液で濡れてしまったものを丁寧に脱がして、充分な程慣らした内部へ
マジックは己の怒張を押し挿れる。
あぁ――――・・・ッ!と、シンタローの悲鳴が部屋中に響いた。
「あ、っは・・・ぃや・・・ぁ・・・、・・・ッん、ん・・・!」
甘い声が上がると、彼の腰を掴んでいるマジックの手に力がこもる。
襞を抉るそれは、中よりも更に熱くて、深く深く奥へ入っていく。
繋がった部分が、重なった部分が、全てが熱くてたまらない。
狭い中を、肉の塊でいっぱいに広げさせられて、先端が内壁に擦れる度に喉が啼く。
いっそこのまま融けてしまえたら良いのに。
「はぁ・・ん・・・・あ、はぅ・・・ッ」
身体を大きく揺さぶられて、そうされながら自身を強く扱かれて
強すぎる快楽に狂いそうになる。
シンタローは夢中で机にかかっているテーブルクロスを握り締めた。
流麗な眉に皺を立てて額に汗を滲ませている。
口をついて出るのは喘ぎばかりで文句の一つを吐こうにも上手く台詞を綴る事ができない。
シンタローの項には、昨夜つけられたばかりの紅い跡がまだ残っていた。
過敏になっているその肌にマジックは自分がつけた跡をねっとりと舌で舐め上げる。
そして、また濃淡の差をつけた所有の印を幾つも残していく。
刺すような焦れた痛み。
だが、それさえも気持ち良くて。・・・感じてしまう。
後で一緒にお風呂に入ろうよ、とマジックは言う。
返事をする余裕など、シンタローにはなかった。
「あ、あッ・・・はぁ・・・あ・・・ッ!」
前立腺を突かれて精液が机に勢い良く飛び、一歩遅れてマジックも、
シンタローの中へ激しく出しきった。
「だから・・・こういう事になるから・・・・所構わず盛るんじゃねぇよ・・・ッ」
行為の末の部屋の成れの果てを眺めつつ、怒りを含ませた声でシンタローはそう告げた。
床や、机を綺麗に洗浄しなくてはならない。
しかし、その前にこの身体をどうにかしなければ。
マジックはシンタローを抱き寄せた。
「じゃあ、お風呂に入ろうか!二人で!」
男の腹に肘を食らわせると、シンタローは己の脱いだものを抱えて脱衣所へ向かった。
後ろにマジックを残したまま。
今日はグンマもキンタローも朝から研究の材料の買出しに出ていて今この家にいるのは、
マジックとシンタローの二人だけだ。
昼食後、シンタローがダイニングテーブルで新聞を広げているところに
マジックが擦り寄って来た。
鬱陶しい、と言うのも最早面倒くさい。
暫く好きなようにさせているとマジックの手が太ももの上に置かれる。
睨み付けると‘キスがしたい’と言われた。
当然拒否する。
しかし何度も強請られ続けて、いい加減怒りも限界に達しそうだった。
キスしてやれば、満足か。
シンタローの言葉に、マジックはにっこり微笑んで頷いた。
『キスだけ』
なんて言われて、本当にそれだけですんだ事はほとんど無い。
解かっているのに結局許してしまう自分がシンタローは嫌だった。
息をするのも忘れそうになるくらいの優しいキスに胸が詰まる。
抱き締められると、マジックのつけている香りがそのまま自分に染み込んでいく気がした。
ぎゅう、と心が痛くなる。
音を漏らしながら、合わせた唇と唇の隙間から赤い舌がちらりと覗く。
男からの甘ったるいキスからやっと解放されても、
大きな掌で、揉むように脇腹を辿られるとそれだけで腹の奥が疼いてしまって
‘やめろよ’と言ってもしつこく首元に接吻を繰り返され、
近い息づかいにぞくぞくと全身に痺れが走る。
一度快感に触れてしまうと、身体はその先にある目まぐるしい悦びを覚えているから
もっともっとと、欲張りになってしまう。
シンタローは今にも暴れだしそうな熱を必死に押し殺していた。
マジックは青い双眼でその様子を見つめながら、唾液で濡れた唇を笑みで歪ませる。
クチは素直じゃないくせに、身体は素直だね。
・・・ご褒美を、あげよう。
穿いている物の上から既に勃起してしまっている処へ手を当てられる。
今まで幾度も与えられた羞恥と興奮が電流のように身体中を駆け巡った。
「机に手をついてうつ伏せになって」
マジックは高く上げた形になっているシンタローの腰を辿ると、
ベルトを緩ませ勢い良く下穿きを残したままズボンを引きずり下ろす。
シンタローのものはもう、苦しい位に張り詰めていた。
こんな、恥ずかしい真似をさせられているのに。
シンタローの下半身は未だ下着を身に着けたままだ。
その状態で、マジックは己の身体をしゃがみ込ませ彼の尻に顔を埋めた。
薄い布地の上から、自分を受け入れてくれる場所へと舌を這わせる。
前に与える刺激も忘れずに、そこを強く吸っては舌でねぶり
下着の隙間から指を入れて中を掻き回した。
シンタローがシャツだけを纏いながら机に顔を押し付けて喘いでいる様子は
実に扇情的だ。
唾液と体液で濡れてしまったものを丁寧に脱がして、充分な程慣らした内部へ
マジックは己の怒張を押し挿れる。
あぁ――――・・・ッ!と、シンタローの悲鳴が部屋中に響いた。
「あ、っは・・・ぃや・・・ぁ・・・、・・・ッん、ん・・・!」
甘い声が上がると、彼の腰を掴んでいるマジックの手に力がこもる。
襞を抉るそれは、中よりも更に熱くて、深く深く奥へ入っていく。
繋がった部分が、重なった部分が、全てが熱くてたまらない。
狭い中を、肉の塊でいっぱいに広げさせられて、先端が内壁に擦れる度に喉が啼く。
いっそこのまま融けてしまえたら良いのに。
「はぁ・・ん・・・・あ、はぅ・・・ッ」
身体を大きく揺さぶられて、そうされながら自身を強く扱かれて
強すぎる快楽に狂いそうになる。
シンタローは夢中で机にかかっているテーブルクロスを握り締めた。
流麗な眉に皺を立てて額に汗を滲ませている。
口をついて出るのは喘ぎばかりで文句の一つを吐こうにも上手く台詞を綴る事ができない。
シンタローの項には、昨夜つけられたばかりの紅い跡がまだ残っていた。
過敏になっているその肌にマジックは自分がつけた跡をねっとりと舌で舐め上げる。
そして、また濃淡の差をつけた所有の印を幾つも残していく。
刺すような焦れた痛み。
だが、それさえも気持ち良くて。・・・感じてしまう。
後で一緒にお風呂に入ろうよ、とマジックは言う。
返事をする余裕など、シンタローにはなかった。
「あ、あッ・・・はぁ・・・あ・・・ッ!」
前立腺を突かれて精液が机に勢い良く飛び、一歩遅れてマジックも、
シンタローの中へ激しく出しきった。
「だから・・・こういう事になるから・・・・所構わず盛るんじゃねぇよ・・・ッ」
行為の末の部屋の成れの果てを眺めつつ、怒りを含ませた声でシンタローはそう告げた。
床や、机を綺麗に洗浄しなくてはならない。
しかし、その前にこの身体をどうにかしなければ。
マジックはシンタローを抱き寄せた。
「じゃあ、お風呂に入ろうか!二人で!」
男の腹に肘を食らわせると、シンタローは己の脱いだものを抱えて脱衣所へ向かった。
後ろにマジックを残したまま。
シンタローと話していると、実に疑問に思う事がある。
キンタローは、隣で勢い良く酒を注ぐ従兄弟にちらりと視線を向けた。
今日はマジックが、あの例のファンクラブの活動とやらで自宅で何か催し物があるらしく
夜まで家に帰れない。
二人はそれまでの暇つぶしで電車に乗り、色々と外を出歩いて大分空が暗くなってから
その辺の居酒屋に足を運んだのだがシンタローはカウンターについてからと言うもの、
‘オヤジが’‘あの馬鹿は’‘アイツって’と、マジックの事ばかり話している。
眉間にしわを寄せたかと思えば、ふと、照れくさいような、何だか言い表しがたい表情をつくる。
キンタローは、暫らく何も言わずシンタローの話に耳を傾けていたのだが、ふと、一言つい口に出してしまった。
お前はそんなに伯父貴が気になるのか、と。
ぶっ、と。
シンタローが口から酒を噴出した。
汚いぞ、とキンタローが冷静に注意するとシンタローは咳き込みながら‘誰が!’と答えた。
顔がほのかに紅いのは明らかに、酒のせいではなかった。
‘そんなに好きなのか’‘好きだろう’‘どうなんだ’
そんな質問を何回繰り返しただろうか、シンタローは‘だぁー!もう!’と力強く机を叩いた後
‘うるせェよ・・・’と目を伏せてしまった。
キンタローは、何となくそれ以上は聞けなくなり、黙って酒を注いだ。
難しい男だな、とキンタローは思った。
すっかり酔いつぶれてしまったシンタローを何とか電車に乗せる。車で来なくて正解だった。
幸い席はすいていて、電車に揺られて、シンタローの頭がキンタローの肩に乗る。
‘父さん’
と、掠れた声をキンタローは聞き逃さなかった。
・・・シンタロー
オレの事をよく、子供だな、とお前は言うが
シンタロー。お前だって子供だ。
そんなに、いつも、考えているくせに。お前は。
肝心な時にははぐらかしてばかりで、
本人の前では自分の気持ちさえ言えない。
大人って、そうじゃないだろ?
だから、お前も子供だ。
シンタローを支えながら、何とか家に辿り着く。
ドアを開けると、音に気付いたのか廊下からマジックが出迎えに来てくれた。
「おかえり」
風呂に入った後のようで、マジックは既に寝巻きを着ていた。
・・・良い香りがする。
「ただいま」
キンタローが微笑むと、マジックも微笑んだ。
シンタローをマジックに預けると、キンタローは‘今日はいつもにも増して、よく伯父貴を呼んでいた’
と言った。
「いつも?」
「いつも言ってる?この子」
マジックの問いに
あぁ、とキンタローが素直に頷く。
「そう」
「嬉しいよ」とマジックは返事をした。
預けられたシンタローを抱き上げて、寝室へと向かう。
部屋についても、電気はつけなかった。
着ていたジャケットを脱がして、ベッドの上にシンタローを静かに降ろす。
少しの間、マジックはシンタローの寝顔を眺めていた。
長い指で、僅かに開いた唇に触れる。
嫌なのか顔を背けるので、ちょっとだけ強引に顎を向かせる。
下唇を舐めると、熱いため息が、肌に触れた。
舌をゆっくりと差し入れると、‘んー・・・・ん・・・’と声を漏らして、シンタローはマジックのキスに答えた。
舌と舌が押し合って、離れると糸を引いて、近い吐息に融けてしまいそうになる。
あんまりしつこくするものだから、
シンタローは口を離してしまった。
もう一度、マジックがキスを求める。
シンタローは目を閉じたまま、小さく、嫌、と言った。
それが余計、止められなくなってしまって、マジックはシンタローの唇を無理やり奪った。
激しいキスの合間につく息が、たまらなく熱い。
シンタローの着ていたシャツを下から胸までたくし上げて、性急に、マジックは彼の胸にあるものに吸いつくと
シンタローの身体は敏感に反応を示した。
咄嗟に嫌だと拒絶するが、酔いが回っているせいか抵抗らしい抵抗もできない。
マジックが、舌で、乳首を嬲る度に、
指でもう片方のものを抓る度に、
シンタローは拒否を示した。すると、
「ヤなの・・・?ホントに・・・?」
じゃあ、やめちゃうよ・・・とマジックはシンタローの耳元で低く囁いた。
シンタローの顔がカァーっと赤くなる。
恥ずかしさで死んでしまいたい。
思わず顔を隠そうと腕を上げて、それを、マジックに防がれた。
離せよ、と言っても離してくれない。
相変わらずムカついてしょうがなくなる。
シンタローが黙ってしまったので、マジックは掴んでいた手を離して、再び、
彼の胸に顔を埋めた。
「はぁ、あ・・・ッ」
胸にある突起の先を強く噛まれる。痛い。
一糸纏わぬ姿にされてから、どれ位経っただろうか。
身体中を触られてシンタローの中心は既に熱を持っていた。
それに躊躇いもなく、マジックは舌を這わせた。
「はぁ―――・・・ッん、はぁ、あ・・・」
「イイ・・・?」
そう尋ねても、シンタローの口から出るのは嫌だばかりで、
マジックはさも、おもしろくなさそうに
「シンちゃんは嫌しか言えないのかな・・・?」
と、シンタローのものに、少しだけ歯を立てた。
父さん、と甘い悲鳴が上がる。
呼ばれた事が嬉しかったのか、マジックは握っているそれを扱いたり、
吸ったり、舐めたりを繰り返した。
シンタローは何度も、父さん、と彼を呼んだ。
「もう出る・・・ 出る・・・!」
「まだだよ。我慢しなさい。」
冷たく言われて、シンタローの目元が怒りで熱くなった。
こんな、誰のせいで出そうになってると思ってるんだ、とか
そんな文句で頭がいっぱいになる。
ちゅ、とそれにキスを落とされて少しだけ出してしまい、
‘ダメだね’とため息を打たれた。
後ろに指を挿れられて‘痛い’と訴えると‘今はね’と付け加えられてしまう。
一本から、二本へ。二本から、三本へと指を徐々に増やされる。
前立腺のあたりを激しく擦られ、シンタローは堪えきれず吐精してしまった。
出した後も、ぐちゃぐちゃと音を立てる程中を掻き乱される。
内壁に爪を立てられて、指で擦られて、頭の中が真っ白になっていく。
「はぁ、ん・・・は・・・ぁ・・・」
バカになってしまいそうだ。
次第に自分からも腰を揺らしてしまって、恥ずかしいのに止められなかった。
「父さぁ・・・ん・・・っは・・・」
指が抜かれて、待ち望んでいたものが中に埋め込まれていく。
シンタローは夢中で腰をふった。
「可愛いね」
首元を噛みつかれながら、そんな風に口説かれる。
キスがしたくて、たまらなかった。
中で出されて、ビクビクとシンタローの身体が仰け反る。
シンタローもまたお互いの重なった腹に、白濁した液体を飛ばした。
マジックのものが身体から引き抜かれると、狭い内部で放たれたものが太腿を伝って、
それさえも感じてしまって、喘いでしまう。
離れるのが嫌で引き止めるように相手の唇に自分の唇を合わせると、
‘酔ってるんだね’と頭を撫でられた。
シンタローは、無言のままでいた。
「チェックメイト。」
コン、と軽く音を立ててシンタローはキングをとった。
勝負事は嫌いな方ではないから、マジックがチェス盤を持ってゲームを挑んで来た時は
文句を垂れながらも潔く申し込みを受けとったのだが言いだしっぺの割りに、先ほどから
全く手ごたえの無いプレイを見せる父親にシンタローはさも、不愉快だと言うように
元々愛想の無い顔をさらに無愛想にしてマジックを睨んだ。
ゲームを始めてからもう5回も敗北を決めているにも関わらず、
彼はそれが楽しくてしょうがないような笑顔で『また負けちゃったー!』だの
『シンちゃんってば強すぎ~』だのとノリノリではしゃいでいた。
「アンタ、本気出せよ。」
「ヤだなぁ、シンちゃん。その言い方だとパパがわざと負けてるみたいじゃない。」
「みたい、じゃなくて実際そうだろ。
自分からふっかけといて、舐めた真似すンじゃねーよ。」
「パパは勝負の結果よりも、こうしてシンちゃんと向かい合ってゲームをする時間を大切にしたいんだもの。」
何を、馬鹿な事を。シンタローは鼻で笑い飛ばした。
「あぁ、そうか。アンタ、本気を出してオレに負けるのが怖いんだろ?」
「そんな事はないよ。それにパパが本気を出したらもっと早く勝負がついちゃって詰まらないじゃないか。」
これは暗に、‘私が本気を出せばシンタローなんか直ぐに負かしちゃうよ’と言う意味で
勿論シンタローはそれを素早く読み取り、やはり頭に血が昇ったらしく
マジックに本気で自分に挑んでくるように命じた。
マジックは涼しい顔をしてにっこり微笑む。
「シンタロー。勝負って言うのはね、勝っても自分に何もメリットがない場合は
さっさと降参する方が賢いやり方なんだよ。」
「じゃあ、アンタが本気を出してオレが負けたら、
今日1日アンタの言うこと聞いてやろうじゃねぇか。」
自分ばかりが熱くなっているのがおもしろくないシンタローは、マジックの言葉に
つい我を忘れてとんでもない事を口走った。
しまった!と思うのも後の祭り。マジックの唇の端がそれはもういやらしくつり上がる。
良いよ、シンタロー。
本当のチェスを教えてあげる。
そう言って、彼はさっきまでのチェスがまるで児戯にも思えるような華麗なプレイを決めて
あっさりと勝敗をつけてしまった。
あまりに呆気ない敗北にシンタローが絶句していると、マジックは彼の唇に
すっと人差し指を当て、静かに微笑んだ。
「約束、守ってくれるよね?」
「~~~~~~~~・・・・ッ」
もう絶対、二度と、こいつとはチェスはしない。
シンタローは心の中で固く誓った。
「似合うよシンちゃん。」
ピンク色のフリフリエプロンをつけたシンタローにマジックは満足げにため息を漏らした。
シンタローの顔は真っ赤だ。
無理もない。何故なら逞しい身体に直にそれを纏っているのだから。
「何が似合うよ、だ!こンの・・・変態!」
「今さらだなぁ。それよりほら、何でも言うこと聞くんでしょう?
それともシンタローは自分から言い出した約束を
自分に都合が悪いからって簡単に破っちゃうような、そんなイケない子だったのかな。
大人しく約束を守るなら手荒な事はしないよ。・・・それとも」
お仕置きされたい?
耳元で熱っぽく囁かれて、シンタローの身体がぞくぞくと震えた。
フリルの裾をめくるように太腿を触られて、その刺激だけで
自分が興奮しているのが解かり、恥ずかしくなって赤く染まってしまった顔を
マジックの肩に押し付けて隠した。
「素肌にって言ったのになぁ・・・どうして下着穿いてるのかな?シンちゃん。」
顔を肩に押し付けたまま何も言わないシンタローに苦笑いしながら、
マジックは掌で、下着の上から熱くなり始めたそこを嬲った。
反抗的に、身体を捻って拒絶するがそれでも集中的に攻められれば
腰が勝手に泳ぎだすのは仕方の無い事だった。
直接指が触れているわけでもないのに、下着の上から擦り上げられる刺激に
身体は物足りなさを感じてしまってシンタローはしがみ付く手にさらに力を込めた。
震える項に欲情して、マジックは彼の耳朶を甘噛みする。
きつく歯を立てると、それさえも快感を感じてシンタローはさらに身体を震わせた。
「・・・・ぅ、ん・・・・ッあ・・・・」
前を弄っていた指は、もう、下着を引き摺り下ろして直接的なものに変わっていた。
マジックが長い指で扱いてやる度に、シンタローは甘い声を漏らした。
いつまで経っても前を触るばかりで、ちっとも後ろに指をやらない彼に痺れを切らしたのか
シンタローは顔を上げて、艶っぽい視線でマジックを見た。
キスをして催促しても、彼が指を挿れる気配はない。
これ以上されたら、もう、先に達してしまいそうだとシンタローは懇願した。
「先にイって良いよ。パパはシンちゃんがエプロン汚すところが見たいんだ。」
「何言って・・・・ッ・・・」
「ほら、見せてよ。エプロン、シンちゃんので汚してよ。」
後でパパも汚してあげるから。
最後に小さく付け加えられて、シンタローは顔がまた一層熱くなったのが解かった。
震える身体が悶える腰と相まって揺れている。
もう早く中を探って欲しいのに、こんな意地悪をされるなんて。
「ん、ん、んぅ・・・・――――――・・・・ッ!」
白濁した液体がピンクのエプロンにじわりと卑猥な染みを作る。
吐精した快楽に身をまかせているのも束の間、直ぐに指が中を侵入した。
弱いところを何度も引っかかれて、たまらなくて
指の抜き差しに合わせてシンタローも腰を振った。
「ンはぁ・・・・、ぁ・・・・ん・・・!」
「可愛いよ」
指を抜いて、自身で彼の奥を突いてやると
あまりの快感に耐え切れずシンタローはマジックの肩に縋り付いた。
両手をしっかりと彼の首に手を回して、駄々をこねる子供のようにキスを強請る。
父さん、父さん。
頭の中はそれだけだった。
断続的に突き上げられればそれに合わせて切ない嬌声がシンタローの口から零れる。
床に押し倒されて、さらに中を犯されて無我夢中でマジックの腰に足を絡ませた。
「は、あ、あぁッ、父さん・・・・ッ父さん!」
密着した身体と、エプロンの間でびゅく、と精液が弾ける。
マジックはシンタローの内部から自分のそれを引き抜き、ピンク色のエプロンを熱で汚した。
お互いの汗やら液やらでぐちゃぐちゃになったそれをシンタローから脱がすと
マジックは大事そうに抱えて立ち上がった。
開放の余韻で心身共にまだ回復していないのか、シンタローは床に寝そべったままマジックに
それをどうするつもりだ、と尋ねた。
「大切なパパとシンちゃんのメモリーとして、このままで大事に保管しておこうと思って」
引き止めたい気持ちでいっぱいなのに腰がだるくて立ち上がれないシンタローは
そそくさと部屋を出るマジックを半ば涙目で見送る事しかできなかった。
畜生――――――――――――――――――――ッツ!!!!
シンタローの声が部屋中に木霊したのだった。