「シンちゃん!!」
バァーンと扉を開けて(バァーンとかいう音を立てる扉じゃないはずだが)、マジックはシンタローの部屋に飛び込んで来た。
「大丈夫?何か欲しいモノある!?あっ、リンゴ食べる!?」
ソファーでぐったりしているシンタローに近づいて来て、毛布をかけたり水を持って来たりドタバタしている。
うるせーなぁ。アンタが静かにしてくれるのが一番助かるんだヨ、などと思ったが、頭が痛くて口を開くのも億劫なので黙っている。傍らでどこから取り出したのかリンゴとナイフを取りだしせっせとウサギリンゴを製造している。
「はい、あーん」
ガキじゃあるまいしと思いつつ、ありがたく頂戴しておく。
マジックはシンタローの顔を覗きこんで額に手をあてた。
いつまでも子ども扱いしてんじゃねーぞ、と思うシンタローだったが、彼の手の冷たさが心地良く大人しくしている。
マジックは自分が触っても大人しくしている息子を見て、本当に病気が辛いのだと感じた。
部下から連絡があったときは驚いた。会議中にシンタローが倒れたと聞いたときには。
「強がり屋さんなんだから。倒れたなんて聞いてパパビックリしちゃったよ」
言いながらマジックは長い黒髪を撫でる。
アイツらがやれ顔色が悪いだの、無理するなだの大袈裟すぎるんだよ。オレはガンマ団総帥なんだぞ。てかオレ倒れてねーし。
アンタも。泣きそうな顔してんなよ。世界最強みたいな男がよ、とシンタローは心の中で悪態をつく。
大方この子のことだから、迷惑をかけまいと無理をして会議にも出ていたのだろう。いじらしい子だ。
できることならかわってやりたい。
マジックは、そっとシンタローに口づけた。いつもより優しく、優しく。唇が熱い。
「ん…」
ぼうっとした頭で夢中で唇を貪る。いつもより短めのキス。
ふと我に返り、力無くマジックを押し返す。
「ばっ……何、してんだ…ッ!」
「キスだよ」
「そうじゃなくて……うつったら…どーすんだ…」
「いいよ、シンタローになら。
うつしたら早く治るかも」
「バカ……」
笑顔の男に何だか余計に頭痛がひどくなった気がするシンタローである。
「バカは風邪ひかないんだって」
ちげーよ。そりゃバカは風邪ひいたことにも気づかねーってイミなんだよ、とツッコむ元気もなく目を閉じる。
あー、ヤバいかも。こんなときにこいつに襲われたら。マジックならやりかねん……と思っていたので、頬に触れられビクッとする。
「パパちょっと氷とってくるね」
だがマジックはこう言うと部屋を出ていった。
雪でも降るんじゃないか、と思いながらシンタローは眠りに落ちていった。
部屋を出たマジックは鼻血を流しながら廊下を歩いていた。
シンちゃん可愛くて色っぽかったなぁ。肩で息つきながら涙目だし。頬赤いし。乱れ髪だし。素直(文句を言う元気がない、ともいう)だし。思わず襲いたくなっちゃったヨ。
でもね、今日は勘弁してあげる。病気ひどくなったら困るもんね。それに……
素直じゃないシンちゃんを押し倒して素直にさせるのが醍醐味なんだよね!興奮しちゃうよね!!
早く戻って世話してやろうと思ったがしかしその前に息子(下半身の方)の世話をするのが先だなと思うマジックであった。
―後日談―
廊下で鼻血を流して氷枕に頬ずりしながら新総帥に対する欲望を叫んでいる元総帥を多数の団員が目撃したという。
バァーンと扉を開けて(バァーンとかいう音を立てる扉じゃないはずだが)、マジックはシンタローの部屋に飛び込んで来た。
「大丈夫?何か欲しいモノある!?あっ、リンゴ食べる!?」
ソファーでぐったりしているシンタローに近づいて来て、毛布をかけたり水を持って来たりドタバタしている。
うるせーなぁ。アンタが静かにしてくれるのが一番助かるんだヨ、などと思ったが、頭が痛くて口を開くのも億劫なので黙っている。傍らでどこから取り出したのかリンゴとナイフを取りだしせっせとウサギリンゴを製造している。
「はい、あーん」
ガキじゃあるまいしと思いつつ、ありがたく頂戴しておく。
マジックはシンタローの顔を覗きこんで額に手をあてた。
いつまでも子ども扱いしてんじゃねーぞ、と思うシンタローだったが、彼の手の冷たさが心地良く大人しくしている。
マジックは自分が触っても大人しくしている息子を見て、本当に病気が辛いのだと感じた。
部下から連絡があったときは驚いた。会議中にシンタローが倒れたと聞いたときには。
「強がり屋さんなんだから。倒れたなんて聞いてパパビックリしちゃったよ」
言いながらマジックは長い黒髪を撫でる。
アイツらがやれ顔色が悪いだの、無理するなだの大袈裟すぎるんだよ。オレはガンマ団総帥なんだぞ。てかオレ倒れてねーし。
アンタも。泣きそうな顔してんなよ。世界最強みたいな男がよ、とシンタローは心の中で悪態をつく。
大方この子のことだから、迷惑をかけまいと無理をして会議にも出ていたのだろう。いじらしい子だ。
できることならかわってやりたい。
マジックは、そっとシンタローに口づけた。いつもより優しく、優しく。唇が熱い。
「ん…」
ぼうっとした頭で夢中で唇を貪る。いつもより短めのキス。
ふと我に返り、力無くマジックを押し返す。
「ばっ……何、してんだ…ッ!」
「キスだよ」
「そうじゃなくて……うつったら…どーすんだ…」
「いいよ、シンタローになら。
うつしたら早く治るかも」
「バカ……」
笑顔の男に何だか余計に頭痛がひどくなった気がするシンタローである。
「バカは風邪ひかないんだって」
ちげーよ。そりゃバカは風邪ひいたことにも気づかねーってイミなんだよ、とツッコむ元気もなく目を閉じる。
あー、ヤバいかも。こんなときにこいつに襲われたら。マジックならやりかねん……と思っていたので、頬に触れられビクッとする。
「パパちょっと氷とってくるね」
だがマジックはこう言うと部屋を出ていった。
雪でも降るんじゃないか、と思いながらシンタローは眠りに落ちていった。
部屋を出たマジックは鼻血を流しながら廊下を歩いていた。
シンちゃん可愛くて色っぽかったなぁ。肩で息つきながら涙目だし。頬赤いし。乱れ髪だし。素直(文句を言う元気がない、ともいう)だし。思わず襲いたくなっちゃったヨ。
でもね、今日は勘弁してあげる。病気ひどくなったら困るもんね。それに……
素直じゃないシンちゃんを押し倒して素直にさせるのが醍醐味なんだよね!興奮しちゃうよね!!
早く戻って世話してやろうと思ったがしかしその前に息子(下半身の方)の世話をするのが先だなと思うマジックであった。
―後日談―
廊下で鼻血を流して氷枕に頬ずりしながら新総帥に対する欲望を叫んでいる元総帥を多数の団員が目撃したという。
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