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ここはガンマ団士官学校。
外部とは一切接触を持たせず、隔離され、国を奪う知識、人を殺す技術、そして、服従をさせる為の冷徹な心を養う場所。
それゆえセキュリティも厳しく、鼠一匹たりとも入れないし、勿論入ったら最後、出てくる事もできない。
又、士官学生達の規律も厳しく、朝は5:00に起床。夜は20:00に就寝。
テレビやラジオといった外部からの情報も一切与えられず、学生達は規律の中卒業するまでそこで生きていく。
ガンマ団士官学校を含め、ガンマ団を仕切る立場にあるマジック総帥の一人息子シンタローも皆と同じく、この学び屋でそのような生活を送っていた。
そんな中。
「授業参観だぁ~!?」
プリントを配られ目を丸くするシンタロー。
勿論シンタローだけではなく、他の生徒も驚いている。
普段は静かな教室が、ガヤガヤと珍しく騒がしい。
「静かに!」
ピシャリ!と教官が声を荒げる。
途端に騒がしかった教室内がシーンと静まりかえった。
「この行事は一年に一度恒例で行われる。又、強制ではないので来る来ないはお前達の親の自由だ。」
来たくない親や、任務で来れない親もいるからな。と教官は付け足した。
配ったプリントと同じ物を生徒の親にも送ったらしい。
勿論複雑な顔をしている生徒も多い。
親がガンマ団に所属している人間ばかりではないのだ。
家族の為、己を犠牲にして入った人間もいれば、金の為、親に売られるように入れられた人間もいる。
そう考えればシンタローはまだマシかもしれないと思う。
ん?
待てよ。
と、ゆーことは…。

親父も来るって事か?!

シンタローの脳内では、金ピカのゴージャスな椅子に腰かけ、総帥服を身につけ、何故かお弁当箱を持ち、満面の笑顔で手を振っているマジックが想像できてしまった。
『シ~ンちゃ~ん!パパだよ~!ホラホラ、シンちゃんの為にお弁当。持ってきたよ~!』
ああああッッ!!不吉な想像ヤメーッッ!!
頭を抱えるシンタローだが、もしかしたら遠征とか長引いて来ないかもしれないと、思い直す。
プリントを見ると、どうやら1ヶ月後位先の話しではあるが、マジックは今月の頭から内乱を収める為に基地には居ない。
そういった情報だけはシンタローを含め学生達も知っている。
より軍に詳しくなる為、より軍に忠実になる為、ガンマ団の主だったニュースは伝えられるのだ。
半月ばかり過ぎた頃、やはりまだまだ内乱は終わらないらしい。
勿論シンタローとしてはマジックに無事で居てくれとは思うが、授業参観過ぎるまで帰ってきてほしくないと思う。
「シンタローさん。マジック様も来んだべか?」
黙っていれば男前のミヤギが休み時間に話し掛けて来たのだが、シンタローは曖昧な返事をした。
「ミヤギ君、まだ内乱が終わってないっちゃから、シンタローさんだって解らないっちゃよ。」
「それもそーだべな。」
ベストフレンドのトットリにそう言われ、ミヤギも苦笑いをして頭をかいた。
三人でしばし談笑をした。
とは言っても話題は授業参観の事だったが。
士官学校に入り寮での生活を余儀なくされている学生にとって、外部からの人間は新鮮なもので。
それを互いに解っているからこそ、久しぶりの軍以外の話題だからこそ、会話も弾む。
誰々の親はこの間階級が上がっただとか、あの人も来るのだろうか、とか久しぶりに人間らしい話をしたのかもしれない。










結局今日が授業参観日なのだが、内乱が終わったという報告はなかった。
シンタローは内心ホッとする。
学校じゃ勉強も運動も何でも出来るカッコイイ二枚目なシンタローさんで通っているのに、マジックが来たら全て台なしもいい所である。
第一、マジックが自分を目の前にして言う一人称は“パパ”なのだ。
まるで俺がマジックをそう呼んでいるよーじゃねーか、とシンタローは思う。
とにかくマジックが来なくて良かった。
来なければ、全軍の指揮を取る冷徹な総帥マジックが、実は息子にベタ甘で、すっっごく格好悪いということを知られずに済むのだ。
「授業を始める。」
授業参観の科目は体術だった。
武器を取られた時や、手元に武器が無い時、己の肉体こそを武器にしなければならない。
教官の掛け声がかかり、皆気を引き締めた。
チラ、と見渡すと、結構親達は来ているようで。
だが、全てガンマ団の軍人である。
何故なら、軍服は“G”とロゴの入った隊服で、胸には階級バッチと、所属部隊別のバッチがしてある。
一般人はまず居ないと言って確かだ。
そして、シンタローを見ている。
自分の息子より総帥の息子がどの程度なのか。
マジックと似ていない外見というのは既に周知に知れ渡っていて。
期待の視線より、卑下する視線であると知ってシンタローは舌打ちを一つした。

「シンちゃん!パパだよ~!!あ~間に合った~!!」
!!?
今、聞いてはいけないものを聞いた気がする。
そこに居ないはずの人物。寧ろ、居てはいけない人物。
ギギギ…。
硬直してしまった首を無理矢理、だが、のろのろと声のする方へ向けた。
そこには、金ピカのゴージャス椅子に腰かけ、バスケットを持ち、まんまシンタローの想像していたマジックが。
クラスメートもかなりガチガチだが、父兄さん達も緊張の面持ちで、しかも教官までもビシッ!とマジックに向かって敬礼をしている。
「な、ななななんで…」
口をぱくぱく鯉みたいに動かし、それを言うだけでシンタローは精一杯だった。
まるで幽霊を見たかのように驚愕の表情を浮かべる。
「ふふふ♪シンちゃん、驚いたでしょ?パパ、シンちゃんのお勉強ぶりが見たくって急いで片付けてきたんだよ~νあ、ちゃ~んとシンちゃんの分のお弁当。作って来たからねーν」
“急いで片付けて”
それが殺しの事だとは解る。
側にいた父兄の方々の数名は、ビクリと体を震わせていた。
ただ、教官や、上層部と思われる父兄達は、流石というべきか、表情を崩さず平然な態度をしていた。
「か、帰れ帰れ!オメー来ると邪魔なんだよッッ!」
「んもう!シンちゃんったら嘘ばーっか!パパの事だーい好きな癖に!」
「そーゆー嘘付くなよな!早く家に帰れ!来るナ!」
「ひどッッ!嘘じゃないでしょ!?」
そう言うと、椅子から立ち上がり、シンタローの側まで後ろに手を組み歩いてくる。
ザ、ザ、と、足音がして、シンタローの目の前まで来るとシンタローを見下ろした。
「な、なんだよ…」
少ししか引けないのはこれから授業だから。
隊列を乱していけない。これは軍人の基本中の基本。
マジックはニコッと笑うと両腕を広げ、ガバリとシンタローに抱き着いた。
「ヒッ!!」
シンタローは声にならない声をあげる。
「すごーい!シンちゃん!今の顔、すっごい可愛い!!素晴らしく可愛いヨ!!今からビデオ取るからもう一回その顔パパの為にしてよー!!」
ぐりんぐりんとシンタローの頬をスリスリする。
シンタローは鳥肌が立ったがマジックは止めようとはしない。
そして、頬にキスをしようとした瞬間。

バキッ!!

シンタローの拳がマジックの左頬に当たった。
ああ、俺の今まで培ってきたイメージが台なし!!あのアーパー親父のせいで!全部台なし!!

シンタローは泣きたくなった。
怒りとか悲しみではなく、マジックに対する苛立ちで。
なんで普通にできないのか。
アンタはいい。アンタは。でも、俺が…俺がファザコンだと思われるじゃねーかぁぁあ!
「ど、どうしたのシンちゃん!!何時もパパとお家でチュッチュしてるでしょ!?」
「勝手に思い出捏造すんじゃねーヨ!!」
かなり驚いたように演技するマジックに、シンタローは涙とヨダレを垂らしながら訴える。
「授業時間終わっちまうじゃねーか!親父のせいだぞ!」
「おお、そうだった!」
マジックは、掌をポン、と叩くと素直に又椅子に座る。
シンタローがムッと頬を膨らませてから教官の方へ向き直った途端、片肘をひじ掛けにかけ、頬を載せ、冷徹な笑顔で士官学生達を見遣るのだった。
まったく、と、シンタローは思う。
鼻でふん、と息を出してからシンタローは教官を見遣った。
体術の授業という事で、皆動きやすい恰好、つまりジャージを着ている。
二つの班に別れ勝ち抜き戦となり、負けた班は腹筋500回の罰ゲームが待っているので、皆何としても勝ちたい所。
武器を使用しない限り何をしても良いが、このグラウンド内で行うものとする。
勿論人体の急所と呼べる場所の攻撃も可能だ。
今から行う体術の実地訓練はスポーツなんかじゃない。
確実に敵を殺す為の訓練の一貫なのだから。
シンタローの順番は大体真ん中位。
「先頭、両者前へ!!」
教官が腕を上げると、ニ列に別れたうちの先頭者が前へ出る。
「始め!!」
掛け声と共に肉弾戦が始まったのだった。
同じ訓練をしていても、攻撃パターンは人によって違う。
しかも負ける訳にはいかない理由がもう一つあった。
それはマジックが来ているという事。
味方だろうと容赦なく、弱い人間は捨てゆく彼の精神を知っているゆえ、ヘマをしたらどうなるか解らない。
そんな緊張感の中、それでも勝負は決まる。
いよいよシンタローの番になった。
シンタローはパチン!と気合いを入れる為、両手で己の頬を叩き気を引き締める。
「シーンちゃーん!!頑張れー!!」
シンタローはコケた。
せっかく気合いを入れたのに、マジックの間の抜けた声援のせいで掻き乱されてしまった。
マジックは相変わらず笑顔でブンブン手をシンタローに向けて振る。
パパはここだよ!と、主張せんばかりに。
あンの野郎~…!
怒りと恥ずかしさでマジックをチラと見ると、気付いてくれた!と言わんばかりに手を振る勢いが激しくなる。
どーして普通にできねーの!?
隣に居る、といっても少し間が離れているが、誰かの父兄さんも、やはり少しマジックが気になるらしい。
そして、父兄さん達に話し掛けているので、父兄達は自分の息子そっちのけで話を聞いている。
シンタローの方からは何を言っているのか解らない。
読唇術はまだ習っていないから。
シンタローはどーせくだらねー話しでもしてんダロ、と思い、敵チームの方を向いた。
「シンタローはカワイイだろう?」
ふふふ、と、鼻血を垂らしながら息子のぬいぐるみに頬を擦り寄せる総帥に、流石の父兄達も引いた。
「昔からパパ、パパって私の後を着いてくるパパっ子でねぇー。」
昔からって、今じゃアンタがシンちゃんシンちゃんってシンタローの後をついていってんじゃないか。
と、父兄さん達は心の中でツッコミをした。
そんな事を知ってか知らずか、マジックは話を止めて士官生達の方を向く。
寧ろ、シンタローを見ている。
シンタローは勝ってきた奴には「スゲーじゃん!次も勝てよ!!」と、エールを送り、負けた奴には「ドンマイ!惜しかったぜ!」と、慰めたりしていた。
学生の間ではシンタローはマジックの息子という肩書を抜きにしても人気があった。
彼の体から滲み出る何かが、他の人間を引き付けるのだろう。
本来親ならば、自分の息子が人気者で嬉しいはずなのだが、マジックは何処か苛立ちを感じていた。
私が一番最初にシンタローの素質を見抜いたのに。
それが嫉妬だという事も知っている。が、どうにもならない。
好きなのに思い通りにいかない。
親だから、血縁者だから、男だから、シンタローを傷つけたくないから。
だからこうやってふざけた形でしか愛を表現できない。
私が構うとシンタローは何かしらアクションを取ってくれる。
それだけでも良しとしなければならないのに。
「両者前へ!」
教官の声でマジックは今まで考えていた思考を停止させる。
とりあえず今私のするべき事は、この最新型のハンディカムでシンタローの可愛らしい顔と勇士を納める事なんだ!
気持ちを切り替えて、ハンディカムを構え、ズームインする。
どうやら戦闘訓練の様子ではなくシンタローだけを録りたいようだ。
シンちゃんは可愛いなァ~…。
おっと、いけない。鼻血が。
マジックは胸ポケットから、ピンクのレースのハンカチを取り出すと、鼻をそれで拭いた。
「始め!」
ドウン!!
教官の声と共にシンタローの手刀が相手の喉仏にクリーンヒットし、相手は膝をガクリ、とついた。
「勝者、シンタロー!」
教官がシンタローの名前をコールし、味方チームがワァ!と歓声を上げるその前に
「シンちゃんやったー!カッコイイ~!パパ痺れちゃったよ!!流石シンちゃん!!」
ハンディカムから顔を離して手放しで喜ぶマジックが。
そのせいで味方チーム達は、完全に出遅れた形となってしまった。
そして、ツカツカと又シンタローの元へ歩いてゆき、抱きしめる。
「さっすがシンちゃん!パパ、鼻が高いぞォ!!」
「やめんか!次が始まるんだよ!次がッッ!!」
ググ、と顔を離そうとするが、マジックも負けじとシンタローを抱きしめる。
まさか一勝ごとにこの調子で来るのかよ、このバカ親父は!
教官に助けを求めるが、どうにもならないらしい。
「パパとチュッチュッしよう!シンちゃん!!」
「ぎゃーーっ!や、やめろーっっ!!」
何とか振りほどくと、マジックは淋しいのかショボンとしてうなだれる。
チ、と、シンタローは舌打ちをした。
その顔には弱い。解ってやってる確信犯だとは解るが、ついつい甘やかしてしまう。
ゴホン、と、咳ばらいをしてから、シンタローはうなだれるマジックに話し掛けてやる。
「アンタはあの椅子に座ってろヨ!」
帰れ、と言わないのはシンタローの優しさから。
その言葉を聞いてマジックは満面の笑みで笑うと、ルンタッタ♪と元の位置に戻る。
そんなマジックの後ろ姿を見て、シンタローは溜息をつくのだった。











何度かの勝利を納めたシンタロー。
その度に仲間達からの声援に覆い被さるようにマジックの賛辞の言葉が聞こえる。
だが、先程シンタローに言われた通り椅子に座ってハンディカムで撮っている。
「次、前へ!」
教官の声が聞こえ、シンタローはすぐに向き直る。
次の相手は―…。
「ま、よろしゅう頼んます。」
クラスで1、2を争うアラシヤマだった。
炎の技を出されたら厄介だな、とシンタローは舌打ちをした。
だが、当たらなければ。まだ勝機は有ると踏んでいる。
「始め!」

教官の開始の合図と共に二人共素早く前に出て、ガキン!共に攻撃から始まった。
流石アラシヤマと言った所か。
他の学生とは一味違う。
だが。
「脇が甘いぜ!!」
シンタローの右足がアラシヤマの脇腹に入った。
「ぐっ!!」
苦しそうな声を出したが、蹴られた方向へ飛んだので、直撃は避けている。
ザザ、とアラシヤマの足元から砂埃が舞う。
アラシヤマが体制を整えるより先に、シンタローが攻撃を加えた。
パンチをアラシヤマの顔面に入れようとしたのだが、直線的な攻撃だった為、掠るだけで避けられる。
「甘もぅおすな!」
今度はアラシヤマがシンタローの腹部へアッパーを入れようとした。
「シンちゃん危ないッッ!!」
マジックがいきなり叫んだが、シンタローはアラシヤマの肩を借りて、そのまま空中で一回転し、無事着地した。
猫のようなしなやかな動きである。
しかし、アラシヤマもすぐにシンタローの足元にスライディングをする。
体制を崩したものの、片手で又回って、アラシヤマと少し距離を保つ。
「やるじゃねーか!」
「あんさんもな。」
その時、アラシヤマの腕から炎が燃え上がる。
特異体質だ。
シンタローも構える。
アレがクリーンヒットなんてしたら大火傷もいい所だ。
シンタローに緊張が走る。
マジックも手に汗とハンディカムを握り、シンタローの勇姿を撮り続ける。

シンちゃんガンバ!

マジックにしては珍しく心の中で応援をした。
「受けてみなはれ!平等院鳳凰堂極楽鳥の舞!!」
アラシヤマの全身から溢れる炎。
その炎が鳥の姿となり、シンタロー目掛けて飛んでくる。
掠るだけでも火傷は避けられない。
「チッ!」
シンタローは舌打ちをするとアラシヤマの方へ走りだす。
「アアッ!シンちゃん危ないよ!!」
既にマジックはのめり込んでしまっているようだ。
「潔いどすなシンタロー!!そのまま燃え尽きるとええどす!!」
炎が己の直前迄来た時、シンタローは空高く飛んだ。
アラシヤマも炎をシンタローに当てる為上を見上げる。
しかし、そこには
「クッ!眩し…!!」
そう。シンタローの後ろには太陽。
太陽の影に隠れてシンタローの姿が見えない処か、普段ヒキコモリな分だけ光に弱いアラシヤマは目が眩む。
アラシヤマが目が眩んでいる隙に
ガッ!!
アラシヤマの喉にシンタローの蹴りが入った。
気を失ったらしく、炎は消える。
「勝者シンタロー!」
教官の声にシンタローはフッ、と笑う。
「シンちゃん超カッコイイ!!流石シンちゃんサイコーだよ!」
マジックははしゃぎまくり、ズームインでシンタローの顔を取る。
この後もシンタローが次々と勝利を納めてゆき、シンタローのチームが勝ったのだった。
授業が終わり父兄さん達も帰ろうとした時、いきなりマジックが立ち上がり、本来教官が立つべき場所に立った。
生徒達はどよどよとざわめき、教官や父兄はマジックに向かって敬礼をする。
「今日は素晴らしかったと先に言っておこう。」
そうマジックに言われ生徒と教官はほ、と胸を撫で下ろす。
シンタローだけはこの男が何を言い出すのやらとドキドキしていた。
「特に~、シンちゃんがすーっごくカッコかわいかったので、今日はご褒美って事で、一週間外出許可を出します!親子水入らずで過ごすように!以上!」
「ふざけ…」
シンタローが反論しようとした時
「これは総帥命令だ。家に帰る宛のない者は仕方がない。少しの間羽を延ばしに外に出ても構わん。以上だ。」
そう言い放ち、シンタローをガッチリ捕まえ、暴れるシンタローを持ち上げる。「さー、シンちゃん。今日から一週間、ラブラブで過ごそうねー!」
にーっこり幸せそうに笑い、マジックはその場を後にした。
残された人々は、緊張の糸が抜け、ほ、と溜息をつく。
異常なまでに溺愛されているシンタローに多少なりとも憐れみも覚えて。
マジックの後ろ姿が段々小さくなっていく。
「いやだー!俺は寮に残るんだー!離せーッッ!!」
シンタローの叫び声だけが哀愁漂うグラウンドに兒玉した。











終わり。


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