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mn
いつも通りの朝。
窓から注ぎ込む太陽の光りと、窓辺に置いてある観葉植物。
そして、スクランブルエッグが白い皿に鮮やかに映え、カリカリのトーストにお好みでバターかマーマレード。
コポコポと、コーヒーメーカーで落とされる香高いコーヒー。
イギリス製の椅子に腰かける家族達。
皆の父親役であるマジックは、新聞紙片手にコーヒーを飲み、一番年上のグンマは、コーヒーに砂糖とミルクを混ぜ合わせ、トーストにマーマレードを塗りたくる。
同い年の二人のうちの金髪の方、キンタローは、バターをトーストに塗り、隣に座るシンタローに渡し、黒髪の方、シンタローはそれを受け取りトーストにかじりつく。
それを見てからキンタローは自分のトーストにバターを塗るのだった。
この、かいがいしい世話はもう、4年前位に遡るか。
怨まれても可笑しくない自分にキンタローはとても世話を焼いてくれて。
嬉しく思う半面、申し訳なくも思う。
「どうだシンタロー、俺の、いいか、俺の作ったバタートーストの味は!」
「あ?ああ、うめーよ。」そう答えると、フフンと、自慢げに笑い、キンタローはコーヒーを一口飲む。
「ね、ね、シンちゃん!パパの作ったスクランブルエッグは!?」
「あ!?うっせーな!新聞見てろ。しゃべりかけんな!」
新聞紙を閉じていきなり話し掛けてきたので、シンタローはおもいっきり不愉快な顔をする。
そして、マジックが、ひどいよ、シンちゃんッ!等と百面相をしている間にバクバク食べていく。
ぶっちゃけ、解りやすく言えば完全無視。
「シンタロー。コーヒーのお変わりは?」
「ン、頼むわ。」
自分のコップをキンタローに差し出し、シンタローはまたも朝食を食べ始める。
シンタローは多忙な為、一分、一秒と無駄にはできないのだ。
本来なら、一人で食べて直ぐさま仕事に打ち込みたいのだが、やはり一日に一度は家族と顔を合わせたいというシンタローの思いもある。
「あ、シンちゃ~ん。」
口の回りに食べカスを付けたグンマが口を開く。
「あんだよ。」
「あのね、今日は大事な開発の実験日だから、キンちゃんこっちに来るんだぁ~。」
「げ、マジかよ?ま、今日は会議もねーから大丈夫だとは思うけど…。」
「すまんな。」
「いーよ。気にすんな。」
白い歯を見せ笑うシンタローに、キンタローは顔を伏せた。
それは赤い顔を見せたくなかったから。

はっはーん!
さてはキンタロー、シンちゃんの事好きっぽいねぇ。
でもね、シンちゃんはもう、私のものなんだな~。
マジックは新聞を見ている振りをしながら二人のやりとりをバッチリ見ていた。
でも、大人の余裕というのだろうか。
ライバルとは思っていないようだ。
「だがシンタロー!それが終わったら必ずお前の元へ行くからな!」
力説するキンタローに、シンタローはちょっとだけ眉を下げて笑い、おう。と呟いたのだった。











さて、ここは総帥室。
シンタローは黙々とデスクワークをこなしていた。
山のようにある報告書を一々目を通すのは疲れるものがあるが、総帥という立場上あれは嫌だ、これは嫌だとは言っていられない。
時折キンタローが目にはブルーベリーがいいと言って置いていった飴を口に含んで転がす。
それでも駄目な時は、秘書に言って疲れ目用の目薬を持ってきてもらっていた。
こうゆう時こそキンタローがいてくれたらなぁ~。
あいつデスクワーク得意だし、仕事早いし。
無い物ねだりなんだろうが、シンタローはついつい思ってしまう。
勿論一番仕事ができるのはマジックなのだが、マジックの力は借りたくないというコンプレックスとプライドが入り交じる思いを抱えているのでマジックにだけは手伝って欲しくない。
「ちきしょー、かったりぃナ!」
ぶつぶつ文句をいいながらも、手と目はバリバリに動かす。
終わった書類はさっさと秘書に持っていかせ、出来るだけディスクの上は汚くしておきたくない。
こんな所でシンタローのプチ潔癖症、お姑根性を垣間見る事ができる。
キンタローがこちらに来る予定は午後7時だそうだ。
それまで、出来る範囲は終わらせとかねぇと。
シンタローは、頬を手の平で二、三度叩き気合いを入れて書類を書き始める。

ビーー!

インターホンの音が鳴る。
一体誰だ!何の用だ!
このクソ忙しいのに!
秘書がインターホンで応答し、慌てたように扉を開ける。
プシュン!と空気の抜ける音と共に、やけに聞き覚えのある足音。
顔を上げたくないッッ!!
シンタローは、本気で思った。
「シーンちゃん!頑張ってるぅー?ほーら、お弁当!持ってきたよー!!」
ガリガリガリ。
シンタローは、ナイスシカトをし、必死にサインを書いて現実逃避。
「あれ?あれ?シンちゃん、パパだよ?お前のだぁーいすきなパ・パν」
「誰が誰を好きだってぇ!?勝手に決めんな!アーパー親父ィ!!」
ガバッと顔を上げ、睨むと、マジックは、真剣な面持ちから一転、超笑顔になる。
「やーっとこっち向いてくれたνパパ、無視されてるのかと思っちゃったν」
「無視してたんだよ!!」
ケッ!
「で?何の用だ。」
すると、マジックは手に持っていたバスケットをシンタローの目の前に差し出す。
「シンちゃんと一緒にランチ!食べようと思ってきちゃったν」
ニコニコ笑いながら、アポ無しで来る父親に、シンタローの怒りはマックス寸前。
ただでさえキンタローが居なくて仕事が溜まっていて苛々しているのだ。
「親父…」
「なぁに?シンちゃんν」
「5秒以内に出ていけ…」
ドスの利いた声と、右手に光る眼魔砲。
溜めている。
かなり溜めている。
マジックは、ハハハと渇いた笑いをして、バスケットをシンタローのディスクに置き、食べてね、と一言言ってからそそくさと総帥室を後にした。









つまらない。かなりつまらない。シンちゃんが私を構ってくれない。
そりゃあね、仕事が忙しいのは解るよ。
でも、ランチ位、一緒に食べてもいいじゃない。
いつもカリカリして!
カルシウムの多い物を明日から出そう。
マジックは、そう心に決めて部屋に戻る為歩いていた。
途中途中で団員に敬礼され、マジックは、軽く手を上げたりし、エレベーターに乗ろうとしたその時。
「おとーさまー!」
パオーン!ガッチャンガッチャン!!
後ろから声をかけられた。
振り替えらなくても誰だか一発でわかるが、マジックは、とりあえず振り向く。
すると、予想通り、自分の実子グンマがアフリカ1号というゾウロボに跨がりこちらに向かってきていた。
「どうしたの?グンちゃん。今日は開発の実験だったんじゃないの?」

「うん!今は休憩時間なんだぁ~。」
そう言って一緒のエレベーターに乗り込む。
グンマは、キンタローと自分の飲み物を下の自販機で買って来るのだという。
「ねぇ、グンちゃん。グンちゃん達は、シンちゃんとランチ、食べたりするの?」
すると、グンマは、人差し指を唇に宛て、顔を上に向け、うーんと唸り考える。 「う~ん。最近はシンちゃん忙しそうだから食べてないよぉ~。僕、元々開発課だから、休憩時間も合わない事が多いし。キンちゃんは補佐管だから一緒に食べたりしてるのかもしれないけど。」
え。それ本当?
じゃあ、何でパパとはランチ一緒に食べてくれないの?
おかしいじゃないか。
お前の父親兼恋人は私だろう??
ぴた、と行動を止めたマジックを特に気にする風でもなく、グンマはニコニコ笑っていた。
シンちゃんは、キンちゃんの事どう思っているのだろうか。
朝は感じなかった不安が一気にマジックを襲う。
マジックがグンマにそのことを聞こうとした時、無情にもエレベーターが止まり、グンマは元気よく自分に手を振り行ってしまった。
残されたマジックは、自分の部屋のフロアのボタンを押し、何かを考えるかのように、すぅっ、と、真顔になる。
彼は考え事をする再、いつもこうやって真顔になる。
ゴウンと動く浮遊感の感じるエレベーターの中、マジックは一人、シンタローの事を思うのだった。










随分時間が立ち、日も大分傾いてきた頃、実験はようやく成功し、一同は安堵の溜息を吐いた。
「これで一安心だな。」
「そぉだね、キンちゃん!」
予定より早く終わって良かった。
この分なら6時迄にシンタローの手伝いができる。
キンタローは来ていた白衣を脱ぎ捨て、シンタローの元へ急ぐ。
そんなキンタローを見て、グンマはクスッと笑う。
よっぽどシンちゃんの事が好きなんだなぁ~。
キンタローの脱ぎ捨てた白衣をたたみながら、そう、思うのだ。
キンタローは、ツカツカとエレベーター迄やや早足で歩き、総帥室迄のボタンを押す。
考えているのはシンタローの事ばかり。
でも、キンタローは知っていた。
彼がマジックと出来ている事を。
二人の仲を裂いてまでシンタローとどうこうなりたいとはキンタローは思ってはいなかった。
いや、そうではない。
思ってはいけない事だと認識をしていた。と、言った方が正解だろう。
だからシンタローを思うだけに留めておこうとキンタローは思っている。
チーンと、間の抜けた音と共にエレベーターが開く。
キンタローは早足で総帥室に向かった。
ブサーを鳴らすと、すぐシンタローが自ら出てきた。
「早かったナ。さっきグンマから内線があって、お前がこっちに向かってるって言われた。」

歩き、ディスクの上の書類をばさばさと滑らせる。
後ちょっとなんだよな、そう言って、少し温くなっているコーヒーを啜った。
「手伝おう。」
キンタローは一言そう言うと、書類をまとめ始める。
書類のサインは基本的にシンタローがしなければならない。
キンタローの仕事は、秘書達が既にやった分類別に別けてある書類の小分け。
シンタローが読む時間を削減すべく、先に読み、自分の中でYesかNoを決め、それを更に別けるのだ。
シンタローがどうするか、どうゆう判断を下すか。
24年間同じ体に入っていたキンタローならではの仕事方法だといえる。
「シンタロー様、お休みになられていないので、キンタロー様からもお休みになるよう申し上げて下さい。」
近くにいた秘書が、コソッと話し掛ける。
すると、ムッとしたようにシンタローがくるりと振り向いた。
「いーんだヨ!それに!後ちょっとで終わるんだから!」
少し顔が赤いのは、仕事ができないと思われていると思ったから。
そんな事はないのに。
マジックより仕事ができない劣等感を抱えているのだ。
「そうか。では、早く終わりにして休ませよう。お前達も頼む。」
「ハ、ハイ!!」
ペコリと頭を下げ、秘書達も応戦しはじめたのだった。










キンタローが来たせいで、随分早めに書類が片付いた。
久しぶりの時間内終了に、シンタローと秘書達は喜びの笑みを浮かべる。
「お疲れ様でしたー!」
「おう、お疲れ。」
秘書達は出来上がった書類をそれぞれの役場に持って行く。
プシュン!とドアが開いて閉じた。
「シンタロー、さ、休め。」
「ああ。」
キンタローに促され、シンタローは椅子に深く座り溜息を漏らす。
その間、既に冷え切ってしまったコーヒーを捨て、熱いコーヒーをキンタローは入れ直しシンタローに渡す。
そして、自分の分も入れてコクリと喉を鳴らす。
「サーンキュ!」
シンタローはそう言うと、下に閉まっておいたバスケットを取り出した。
中にはサンドイッチ、唐揚げ、甘い卵焼きが入っていて。
明らかにマジックが来たのだと解った。
それを美味しそうに頬張るシンタローを見て、何かキンタローの中で切れた。
そんな事、露知らずのシンタローは、マジックの作った弁当をキンタローの前に置く。
「お前も食うか?」
そして、自分の大好きな顔で笑うから。
その笑顔は俺の為に向けられているのか?

解らない。解らなくなる。
アイツの笑顔は誰のもの?
「俺はいい。」
「なんで。作った奴はともかく味は上手いゾ。」
又、笑う。
心臓が痛い。
夕日に照らされ笑うシンタローはとても綺麗なのに、それを憎らしいと思うのは何故だろう?
きっと、そんなシンタローにしたのは紛れも無くあの人だから。
自分は、シンタローを一番知っているが、一番知らない人間なのだろう。
「お前は、俺に、お前の為だけに作ったマジック叔父貴の手料理を食えと、そう言うのか?」
下を向いているせいか、キンタローの顔は見えない。
「は、?いきなりな…」
「俺の気持ちに気付いているくせに。知らない振りをするんだな。」
持ち上げられた顔は至って普通のアイツの顔。
でも、瞳が、父に似ている顔が、俺を攻める。
解ってたか、なんて。解ってたさ。ああ、解ってたよ。
お前の熱い瞳も、求める指先も、葛藤してた心も。
全部、全部俺は解ってた。
それでも知らない振りをしていた俺はチキン野郎なんだろう。
仕方ねぇじゃねぇか。
俺は、現状のままで居たかった。変えたくなかった。知りたくなんて…なかったんだ!
攻めるような瞳で見つめるキンタローに、シンタローは少し身を引いた。
「意味、が、わからね…」
息苦しい圧迫感の中、シンタローは一言そう言った。
どうして知らない振りをする?シンタロー。
何故、ハッキリとしない?
曖昧にされることが何より辛い事なんだと、お前は知らないのだな。
優しさは時として鋭い刃物のように心に刺さるんだ。
答は、俺はとうに知っている。
だから、お前の口で、声で、早く俺を止めてくれ。
お前を止められるのは俺だけだが、俺を止められるのはお前だけなんだ。
「シンタロー。」
ガタ、と、立ち上がると、シンタローがビク、と、震えた。
気にせずシンタローの肩を、強く掴む。
「――ッッ」
少し顔をしかめたのが解る。
夕日が沈む中、シンタローの唇に己の唇を押し当てようと、近づく。
す、と、唇までの距離を計る為、薄く目を開いたキンタローはぎょっとした。
「――ッッ、――ふぅっ…!」
指先に垂れる熱い液体。
その液体は、シンタローの睫毛から染み出し、シンタローの頬から流れ落ちている。
それが涙なのだと知って、キンタローは罪悪感に駆られたのだ。
俺は何て事をしてしまったのだろう。
守るべき人を悲しませて。俺のやっている事はただの傲慢だ。
自分の愛をシンタローに押し付けた。
シンタローがマジック叔父貴と恋中である事を知っていて。
中を裂きたくない、とか、割り込みたくない、とか、思う事ばかり一人前で。
結局俺は最後まで黙っていられなかった。
「すまない。…すまないシンタロー。」
歯を食いしばって、涙を止めようとするシンタローが余りにも幼く見えて。
赤い総帥服に身を包んで、ガンマ団のトップであるシンタローが泣く、なんて。キンタローはシンタローを力強く抱きしめた。
「う、ふぅ…ふぇ…」
シンタローの体温が、キンタローの心臓の鼓動が。
お互いに伝わりあって。
泣くシンタローの髪を撫で、もうしない、と何度も、何度も、キンタローは呟くのだった。


どれほど時間がたったのだろうか。
夕日は沈んだようで、蛍光灯の明かりが二人と部屋を照らす。
泣き止んだシンタローは、自然とキンタローを見る。
お、おおお俺ってば!俺ってば!!
なんつー醜態を晒しちまったんだあああ!!
キンタローは、凄く辛そうで、シンタローの心はツキンと痛んだ。
「泣かせて…すまなかった。」
「いや…。」
何だか恥ずかしくてシンタローは目線を反らす。
こんな時にとても不謹慎だが、キンタローはシンタローと秘密を共有出来て少し嬉しかった。
勿論、全然甘いものでもなく、寧ろ辛いものなのだがそれでも嬉しいと思うのはきっと、恋の末期なんだろう。
「キンタロー…。」
「なんだ。」
「俺は、こんな事言うと気持ち悪いかもしれないが、俺、マジックと…その…だから、お前の気持ちはスゲー嬉しいンだけど、答えられそうにねぇ。だけど、俺が背中を預けられんのはお前だけだ。これだけは本心。嘘じゃねえ。」
赤くなった瞳でキンタローを真っ直ぐ見つめる。
ややあって、キンタローが口を開いた。
「知っている。」
「はぁ?」
間の抜けた声をシンタローは発した。
「それでもお前が好きなんだ。でも…」
一つ呼吸を置いて、キンタローは優しい瞳でシンタローを見つめる。
「もう、お前達の邪魔はしない。だが、俺はお前が好きだ。叔父貴に飽きたら俺の所へ来い。」
そう言って悪戯っぽく笑うので、シンタローも釣られて笑う。
総帥室は先程とは打って変わって明るい空気に包まれたのだった。










. 「シンちゃんとキンちゃん遅いねぇ~おとーさま。総帥業務は終わったって連絡入ったのに。」
「え?!あ、そ、そうだね…。」
すっごく気になっているマジックは部屋をうろうろ。
その傍らでグンマはのほほんと紅茶を飲んでいた。
「何かあったのかな~?」
「何か!?あの二人に!?まさか、まさか…」
「今日のおとーさま、何時も以上におかし~。」
アハハと笑ってマイペースグンマ。
そんな時。
「ただいまー!」
「ただ今戻りました!」
二人してご帰宅。
マジックの心拍数が高鳴る。
部屋に入ってきた二人は、朝見た時以上に仲睦まじくて、マジックの心境は些か平穏ではない。
二人で食事の前の手洗いうがいを済ませ、席につく。
えーーー!?ま、まさかお前、キンタローとそうゆう関係になったんじゃあるまいね?
ああ、パパすっごく気になるよ!
でも、面と向かっては聞けないのである。
「シ、シンちゃん、随分キンタローと仲良しだねぇ~」
だから遠回し作成に出るマジックなのだった。
シンタローはいぶかしげにマジックを見たが、少し頬が赤い。
ま、まままままさか!!
ドキドキ心臓の音が馬鹿みたいに煩い。
助けを求めるように、嘘だと誰かに言って欲しくてキンタローを見る。
「仲はいいです。俺とシンタローは一心同体ですから。」
「ッッ!!」
決定的とも取れる言葉にマジックはハンケチーフをかじり泣いた。
はーぁ、と重いため息をついたかと思うと、肩を落としキッチンに入る。
貴方のせいで振られたのだからこのくらいの意地悪、許してくれるだろう?
キンタローはそんなマジックの背を見てそう思う。
ガタリ、シンタローが立ち上がる。
手にはあの、バスケットを持って、マジックの行ったキッチンへ。
シンタローがキッチンへ入ると、マジックが号泣していたので、空になったバスケットを昼、マジックがしたように目の前に突き出す。
「うまかったよ、ごちそーさん!」
「シンちゃん…」
良かった。私の取り越し苦労だったみたいだ。
「え~ん!!シンちゃんだぁああい好き~!!」
ガバッとシンタローに抱き着く。
「だあああ!うぜぇんだよッッ!!」
抱き着かれても、泣かれても、キス…されても、嫌だって思わねぇのはアンタだけなんだぜ?
感謝しろよ、クソ親父!










終わり。








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