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■7話 by Hisui

シンタロー

 親父の声と指先が煽ることで、身体の熱が増しているのを嫌というほど自覚させられる。
 肌の上を滑る羽根の乾いた感触に腰が震え喉が撓れば、見ればわかるだろう、と言い返したくなるようなことをいちいち聞いてくる。
 その口調がまた愉しくて仕方がない様子なのが忌々しい。
「っ…く!」
 胸板の上、赤く染まった小さな突起を羽根の先でかさりとなぞられる。刺激を受けて込み上げる熱を堪え切れないと腰が揺らいだ。先端から蜜が伝い落ちる感覚にさえ息は乱れ、切ない喘ぎが自分の口から零れ落ちるのが口惜しい。
 鼓膜を擽る密やかに響く笑い声に更に背が反り返ってしまう。媚を売るように刺激を求める股間を奴の目の前に差し出すような格好となるが、与えられるのは軽やかな羽根が撫でる胸元の刺激だけ。
 今、口を開けばあまりのもどかしさに更なる刺激を強請ってしまいそうで、必死に唇を噛み締める。
「ねぇ、シンちゃん。恥ずかしくないの?」
 もう一度、マジックの耳当たりの良い声が快感と化して背中を伝い降りる。堪えた言葉が喉に込み上げてくるが、言葉にする前にごくりと飲み下した。
「お仕事をする椅子を濡らしてしまうなんてね…。ほら」
「…っ…い…!」
 胸元を嬲っていた羽根が離れると、固い感触が張り詰めた裏筋を軽く擦り上げてきた。
 その強い固い感覚に刺激をされた身体が達するまで後少し、というところで離れていってしまい、極めきれずに苦痛を覚えた身体が勝手に捩れる。
 狂おしい呻きが唇を割って溢れる。一度は飲み込んだ言葉が喉を震わせるが、それを言うまいと唇を固く噛み締めて堪えようとする。
「ごらん。こんなに濡らして…早く出してしまいたくて仕方ないんだろう」
 そう囁く声と共に羽根ほうきの柄が眼前に突き出され、思わず見詰めてしまった。
 室内の灯りを反射してぬらりと濡れて光る。それが先に股間を刺激したものだと判った。
 指先より少しだけ細身の柄が、噛み締めた唇と歯を抉じ開けて咥内へと突き込まれる。
「ぁう…っ…ぐ…!」
 咥内に広がる癖のある苦味に眉を顰め、吐き出そうと頭を動かしても、戒められた両腕が邪魔をして思うように動けない。柄を吐き出そうと舌が強張るが、その舌を押さえこむように力が加わり無様に顎を開かれてしまう。
 溢れる唾液が口端から喉へと伝い落ちた。
 楽しくて仕方がないという表情を浮かべて、低く喉を震わせて笑う声。堪えても堪えなくても、結局マジックは俺の浅ましさを嘲笑い、こうして無様に悶える俺を見下ろすのだ。
 ならば我慢なんてするだけ無駄なのかもしれない。そう思わないでもないけれど、やはり思わず出てしまった声が、俺から出たとは信じたくないほどの媚を含んで甘ったるく響くことがあれば胸糞悪くなる。あんな声を引き出されることが許せない。
 親父は「焦らしプレイの一種かい」と余計に興をそそられるようだが、俺にしてみれば他に矜持を保つ方法が思いつけない。
 だってそうだろう。こんな状態でいいように弄られて、声を殺す以外にどんな方法があるっていうんだ。これも愛だとか言ってんなら絶対間違ってるって気付けよ。
 けれど…そんなことをいくら言葉で訴えても無駄だということも解りきっている。
「まったく…可愛い子だね。シンちゃんは」
「か…はっ……」
 舌を圧迫していた柄を引き抜かれ、急に自由になった喉が引き攣って小さく噎せる。全身が強張り、股間から込み上げる脈動がよりはっきりと耳の内側を叩き、苦しい筈なのに同時に開放を求める熱による快感までが襲ってきて、どうにもならないもどかしさに身体が撓る。
「もしかしてここだけでイケちゃうんじゃない?」
 密やかな官能を孕んだ低い声が、甘い毒のように鼓膜から流し込まれる。
 目を開いて相手の姿を捉えようとしても、熱に侵されて脳裏で激しく脈打つ音に圧迫された視界は揺らぎ、はっきりと像を結ぶことができない。
 それでも、聞きなれた声と鼻腔を擽る馴染んだ濃厚な香りによって、今マジックがどんな表情をしているかまで容易に想像がついた。獲物を嬲る肉食獣の青い瞳に陶酔の色を浮かべ、魅力溢れる冷たい微笑を刻んでいるに違いない。
 先から強く弱く嬲られ続けたせいで、胸に尖る突起は熱を孕んで強く疼く。
 指よりも固く、爪よりも質量のある、ぬるりと濡れたものが押し当てられる気配に息が詰まる。
「っ…!あ、ぁっ………!!」
 固く腫れた粒だけを強くそれに転がされ、思わず声が喉から溢れた。同時に視界が真っ白に染め抜かれる。
 必死で堪えていた身体の奥から熱が迸り、頭の先から爪先まで全ての感覚が一点から放たれるような開放感。永劫に続くかと思える快感一色に塗りつぶされた世界に時間の感覚ごと意識が押し流され、どこか遠くで笑う声が聞こえたような気がした。

 全身の力が抜け、大きく喘いで息を継ぐ音に意識を引き戻される。頬を流れる熱いものが涙だと悟り、拭おうと腕に力を込めるが思うように動かせない。戒められた動かぬ関節が軋み、開かれたままの足の間から尻にかけてが体液に濡れ、温く湿って気持ちが悪い。
 正面に羽根ほうきを手にし、満足そうに笑顔を浮かべるマジックの姿があった。
 目の前で達してしまった悔しさと情けなさに唇を噛み締めて睨みつけるが、一向に動じる気配はない。
 視線が合うと一層深い笑いを唇に刻み、一歩を踏み込んでくる。差し伸べられた指から顔を背けようにも後ろで括られた両腕が邪魔をして思うようにいかず、顎を捕まえられる。
 吐息が触れるほどの距離まで迫った青い瞳に射抜かれ、反射的に息を飲む。
「乳首だけでイケちゃうなんて…後ろを弄ったらどうなっちゃうんだろうね」
 決して唇を吸うことなく囁かれる掠れた声が鼓膜を撫で、痺れにも似た快感を引きずり出される。
「なっ……!?どこまでやる気だよっ…!」
 再び身体の奥、先に放った自身よりもその奥が微かに覚えた疼きを打ち消そうと声を荒げても笑顔は揺るぐ気配はなかった。










■8話 by Yukio

マジック

「どこまで?最初に言ったと思うよ。どこが一番感じるか教えてくれって…ね。どこも感じ易いけど、どこが一番いいのかパパに教えて欲しいな」
「な………っ!」
(空いた口が塞がらないという感じだね。)
 唖然と眼を見開くシンタローを見つめながら、捕えた顎を指先でゆっくりとなぞりあげる。
「と言っても、シンちゃんに聞いても教えてくれなさそうだから、体に聴こうってわけ。今までのおさらいをしようか」
「ふざけんなっ!人をモルモットみたいに扱いやがって!!」
「じゃあ、どこかいいか教えてくれる?ちゃ~んとシンちゃんが答えられるなら、止めてあげる」
 どうする?っと肩をすくめると、机の上の紙にペンを走らせ、大雑把に表を手書きで作るとそれに今まで触った部分を書きとめ、シンタローの目の前に突き付けた。
「じゃじゃ~ん、”シンちゃんのボタンを探せ!”今までの評価表です~。さ、どこがよかった?これ以外に触って欲しいところがあったら自己申告してね」
 ちなみに5段階表だよ。と言葉を続ける私の声色とは対象的に、表に視線を走らせるとシンタローが唇を噛み締めて私を睨み上げた。
「はは、そんな色っぽい顔してもだーめ。シンちゃんが答えないなら、実験再開の前に復習といこうか」
 最初は…と言いながら、握ったボールペンで首筋から耳の裏をなぞり耳朶の中にボールぺンを浅く差し込んだ。
「んっ…っつ……」
 懸命に首を左右に振って、ボールペンが逃れようと身を捩る。
(そんなことしても無駄だよ。)
 耳朶の皮膚を触るか触らないかぐらいで、ボールペンを走らせながら顔をそこへ近づける。
「ここを舐めてあげたら、どうなったっけ?シンちゃんの坊やは立ち上がり始めたよね。5段階の2…3ぐらいかな?シンちゃんはどう思う?」
 そういって、表に書き留めると、シンタローの情の厚そうな唇から甘い吐息が漏れ、
「うるせぇ…いうなっ……」
 熱い息を吹きかえると、放ったばかりの敏感な身体がびくりと反応を返す。
「そう?次は…シンちゃんの大好きなここ」
「あぅ…ん…さわ……んなッ」
「ここは何?」
 耳から首筋、鎖骨を辿り胸元の赤い突起まで、ペンを走らせる。先ほどまで散々にいたぶられて真っ赤に色づき、ピンっと立ち上がりを見せている。
 そこをペンで捏ねくり回し、シンタローの答えを迫った。
「ふっざけんな……」
「おや?いえないの?吸って、羽ぼうきで可愛がってあげただろう?音を立ててしゃぶったら、いい声で鳴いてく……」
「やめろっ」
 顔を真っ赤に染めあげ、私をにらみ付けながら、言葉を遮ると荒く呼吸を繰り返す。
 胸が呼応するたびに、紅い突起も上下運動を繰り返して、それがねだっているようにしか見えない。
「ねぇ、ここはどこ?」
 グリグリと当てたボールペンで、胸を強く捏ねくりまわす。「身体の名称も言えないような、頭ではなかろう」と意地悪く言葉を続けると、自棄を起こしたように、シンタローが口を開いた。
「…ッ、ち、乳首だよ!」
 これで文句は無いだろう。っと頬を染めあげて、瞳の黒い色を濃くしながら私を睨みつける。
(本当、そういうトコロが大好きだよ…シンちゃん)
「惜しい!答えは、シンちゃんの感じやすい乳首でしょ。ほら、真っ赤に色づいてる」
 視線をシンタローと絡ませたまま、胸元を弄るペンを一舐めして、
 次は…っと視線を自身で濡れた奥まった場所に走らせると、その部分を察知したのかガタガタと往生際悪くシンタローが椅子をゆする。
「そんなに期待されると、パパ困っちゃうな~」
「っの!…くそ親父ッッッ」
 この状況だ。どうしようも無い。もう、諦めたら楽なのにね。
 唇が切れてしまうのでは?と思うほどにシンタローは唇を噛み締める。
「はは、視線で人が殺せたら、パパは何回ぐらい殺られてるかな」
 軽口を叩きながら、蟻の門渡りをなぞり、普段は隠された孔へと辿るとシンタローができる限り身を捩る。
「やめろ……」
 その声には幾分の怯えが生じているようで、思わず忍び笑いが漏れた。
「最近、してなかったもんね。痛いのは嫌? でも、シンちゃんので濡れてるから…」
 先ほどの射精ででた液体が、自身を伝って後孔がテラテラと怪しく光る。
 誘われるように、まだ硬いすぼまった部分をペンで撫でた。
「嫌だ…っ、は……っ」
「大丈夫、すぐにほぐれるよ…。大好きだろう」
 ボールペンの先が2センチほど、シンタローの後孔にもぐりこむ。思ったとおり、ペンが細身のため労せず滑り込むことができた。
「あ……っ、やめ、やめろ」
 一瞬、目を細めて喘いだかと思うと、すぐに目を閉じて進むペンを締め出そうと下半身に力が入るのが、指先から伝わってくる。
「そうは言っても、ほら……」
 シンタローの努力を無視して力をこめると、半分ほどねじ込むことができた。 シンタローは閉じていた目を見開くと
「…っ、抜け……っ、抜けよ!」
 散々暴れていたのに、ピタリと身体を強張らせると喚くように声を上げた。
「どうして?締めつけて離そうとしないのはシンちゃんなのに」
「ひ……ぁぅ」
 生理的に滲み出た涙を舌で舐めとると、後孔にささったペンを揺さぶる。
「ね、締め付けて抜けそうもない。それどころか、奥に引き込もうとしてる」
「あ…やっ……はっ……」
 頭を仰け反らせて、涙が頬を伝う。それを舐めとりながら、なおも中でペンを揺さぶると、前立腺を探るようにグルリと旋回させる。
「あっ、ああぁっ!」
 悲鳴じみた喘ぎ声をあげて、顎をガクガクと震わせるシンタローの姿を見つめて
「一番のボタンかな」
 彼の耳元でひっそりと囁いた。







■9話 by Hisui

シンタロー

 放ったばかりの身体の上を「確認」というマジックの言葉と共に、ボールペンの先が滑り落ちていく。そんな僅かな刺激に対してさえ、目に見える形で反応を返すのは単なる生理現象に過ぎないんだ、と必死で言い聞かせる。
 それらは全て俺の意志によるものではないのだが、目の前で楽しげにチェックリストを作って笑うこいつには、言い訳としても聞いてもらえないだろう。
 何が「ボタン」だ。人の仕事の邪魔をして散々嬲ってこんな状態にしておいて、そんなふざけた記録を取るモルモット扱いだなんてふざけるのもいい加減にしろってんだ。

 括られた身体は自由になるわけもなく、動く度にどこかしらの関節に小さな軋みが生じ、鈍い痛みが走り抜けていく。その感覚さえ、青い瞳に見詰められればどこかしら甘さを含んでしまうようだ。
 これが生理現象ではなく条件反射だなんて認めたくはない。だが、視線に細胞の一つ一つが沸き立つような熱を発し、あの瞳の上に淫らな自分の姿を映し出していくこの状況を他に何と言い訳しろというんだ。
 言い訳という言葉を使うこと自体が、あの視線からは逃れられない。そう俺が感じている証拠なのか。
 そんな屁理屈を、込み上げる熱を堪えて僅かに残った理性の内で捏ね回す。そうでもしていなければ、もっと早くに理性を手放してしまい、マジックを更に悦ばせることになりそうで。それだけはしたくなかった。

「あっ、ああぁっ!」
 ぐり、と身体の奥に僅かに埋め込まれた硬い異物が蠢く感触に身体が大きく撓る。強すぎる快感から背中に嫌な汗が流れ落ち、期せずして込み上げた涙で視界がぼやけた。俺の前に居るのが誰かを判別するのも難しい。
 あの瞳の蒼だけが目の前に居る人物が誰であるかを俺に伝えてくる。
 ただでさえ鈍る思考力を最後の最後で剥ぎ取るかのように、艶を含んだ甘い声が耳に響いた。その濡れた声を発しているのが俺の喉だなんて、信じたくもない。
「一番のボタンかな」
 甘さを含む毒のように滴る声が鼓膜を侵す。そのまま染み入って身体の内側へと浸透していく官能に押し流されまいと、唇を噛み締めた。
 ひくひくと鼓動と同じテンポで疼く身体の奥に埋め込まれた固いものが、何かを探るように更に奥へと突き入れらる。その先が何かを掠めた途端、更に高い声が喉を衝いて溢れた。
「ぁ…くっ…あぁっ!」
 固定された身体が撓っても、痛みを伴わぬ滑らかなゴムに括られた手足は動くことができず、開かれた股間では再び自身が形を変えようとしているのが感じられた。後ろに埋め込まれたペンの先を持つ手が離されたが、それを引き抜かれる気配はなく、体内で激しく荒れ狂う何かを堪えて大きく腰が揺らぐ。
 身体が熱い。もう何でもいいからどうにかしてくれ!と叫び出したくなるようなもどかしい疼きに苛まれる身体はみっともなく開かれ、全てをマジックの前に差し出したままだ。
 彼の手を離れてもなお残ったままのボールペンの先は、視線を感じて収縮をする内壁がきつく絡みつき、自ら抜け落ちる気配はない。生き残っている理性が屈辱に打ち震える。
 押し流されてしまえば楽なのに、と脳裏で囁く声が聞こえてきそうなほどに身体にかかる熱の負担は大きい。その負担が、屈辱が、余計に官能を煽っていく悪循環。
「ねぇ、シンちゃん?ここはどうなの?ちゃんと言えたらお前が好きなようにしてあげるよ」
 酷薄そうな薄い唇が、耳朶を含んで濡れた音を立てて吸い付いてくる。もっと刺激を求めて疼いている箇所は沢山あるのに、そこだけに与えられる愛撫のもどかしさに悶えて引き攣る腹筋が浮き上がった。連動して締まる体内に残る固形物の存在を痛いほどに意識してしまい、脳裏に渦巻く熱がそのまま声と化した。
「あ…っ…いい!」
「ふぅん。ここが気持ちいいの?」
 囁く息に濡れた耳朶が冷やされると、涙にぼやけた視界の中心に現れた指先が緩やかな弧を描いて流れていく。俺の足の間でみっともなく欲情した自身の下からもう一本突き出した細いプラスチックまで降りていった指は「ここ」とマジックが言うと同時に、それを軽く弾いた。
 途端に背中を走り抜ける強い快感に理性が大きく押し流されていく。支えていた糸が切れたようにこくりと頭が落ちた。
「ぅ、ん…!悦い…っから…ぁ!」
 甘ったるく舌足らずな声が勝手に言葉を紡ぎ、視界を塞ぐ涙が頬を熱く濡らしていく。
「いい子だね。ご褒美をあげようか…シンちゃんが好きなことを言ってごらん?」
 愉しげなマジックの優しい声が続きを促すように間近で響き、ペンの先を小刻みに揺らして身体の奥を擦られる。その振動のままに喉が鳴り望まぬ嬌声が迸る。濡れた視界の向こうに見えるはずの顔形はぼやけ、鮮やかな金色と青だけが俺を支配していく。
 もう、何でもいいから、早くこの甘い苦しみから開放して終わりにしてくれ。
 その言葉を紡ぐこともできず、ただ鳴き声をあげるしかできない身体がもどかしく、噛み締めることを忘れた唇が緩む。
 熱い吐息と共に溢れた唾液を掬い上げるように、伸ばされた指が顎の端を掠めていった。
「……ア…っ…」
「ほら。言えないの?」
 囁く声に促されても喘ぎしか零れない俺の喉にマジックの爪がそっと食い込む。答えに焦れた爪が皮膚を切り裂くように滑り、その刺激がまた更に熱を孕んで、なけなしの理性を悦楽の淵へ追い落とす。
 もう何度もこんなことは繰り返されていて、全てわかってるくせに…いつもこうやって言わそうとしやがって。
 俺が望んでいることを言葉にしたら、あんたが喜ぶのが判り切っていて、もっと俺は惨めになっちまう。
 こんなこと、言えるわけないだろう。
「っ…父さ…っ…ん!」
 身体の奥を抉る刺激に縋るものが欲しくて指が強張っても、腕を動かすことさえ敵わない。
 再び頬から涙が溢れ落ち、息が詰まって小さくしゃくりあげた。

 ピピピピピ…。
 遠くで軽い電子音が鳴ったような気がした。
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