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mas




ぼくのものになれば良いのに







「こうやって、家族みんなで夕食っていうのも久しぶりだね。高松もいるけど」
「そうだな。高松もいるがな」
「これでおじ様方がいないのは残念だねー! 高松はいるけど」
「キンタローもグンマもここん所いっそがしそうだったもんな。ドクターはいてもなァ」
「どんな家族の絆ですかそれは」

 なにはともあれ晩餐会。
 こうして5人で進めてました。

「まったく…グンマ様のおっしゃる事しか嬉しくありませんよ」
「まーまー。   それで、最近の目玉はナニよ? おまえら共同でなんかやってたんだろ?」
「んとねェ、固形のモノから抽出してー、液状化してるのをいっぺん粉末ゲル化してみたりしたんだけど、」
「それで思うようにいかなかったので霧状にしてみたり凝固させてみたり、また戻したり。色々だ。素地は出来ても加工に手間取っていた」
「……随分主語の見えない話だね。通じてるの?」
「さーあ? 一応毎回訊くことは訊くんだけどよ。研究組の遣り取りなんか分かった試しがねェ」
「それは好都合」
「あ?」
「いいえ。…今夜は随分と皆様、ご機嫌宜しいようですね。弁舌が冗長なのに諍いもなく。私を貶す程度で済んでいる」
「根に持つなー」
「いいえ? 喜ばしい事だと言ってるんです。マジック様も御誕生日を迎えて更にご健勝でいらっしゃる。御酒も最高。良い事づくめじゃありませんか」
「ああ、コレ美味いよな。なんて銘柄   …丸に…六芒星、中に…G印??」
「良い事づくめで  そろそろ思わぬ方向に向かった方が、均衡とれるでしょう?」


「……これは油断したね。3人これのグラスにだけ手をつけてないのに気づかないとは」
「何、」
「これが獅子身中の虫というやつだシンタロー。覚えておけ」
「それが陥れた奴の言うセリフかッ!」
「ふぅ……さて、どうなる? 訊いておきたいんだが、これは研究の成果かい? それとも……途上のモルモットかな!?」
「そんなぁ。おとーさままで怒らないでくださいよー。これでも間に合わせようと精一杯頑張ったんですから」
「何をかな」
「だから、言ってたじゃない? 誕生日にはパパ、シンちゃんとラヴラヴな夜が過ごしたいナ。って」
「あ゛?」
「え? そっちの話だったの? なァんだ早く言ってよグンちゃん♪」
「僕ら頑張って誕生日までに完成させようって思ってたんだけど、」
「さっきも言ったように加工に時間がかかってな」
「そー。せめてクリスマスには間に合うようにーってもう皆でずうっと研究してたんだから!」
「うわーグンちゃんキンちゃんありがとうっ! パパ喜びの涙で前が見えないヨ!」
「見事に私は抜け落ちてますねぇ」
「……うるせェ…俺のこの身の不幸をどうしてくれる………」
「おやおや影響が出る前から落ち込んじゃ駄目ですよ。万が一良いように作用したらどうします」
「万分の一より低いだろが…。キンタローが参画している時点で既に」
「シンタロー。どう作用しようとも、気は持ちようという言葉もあるぞ」
「正論ばっかが通る世の中だと思うなよキンタロー」
「んー。でもけっこう時間が必要なんだね。出るの」
「出?」
「ヒトはラットより大きいからな。時間がかかるのは当然だ」
「何が!? つか俺一人にリアクション任せて何のうのうとしてんだヨ親父ッ」
「大丈夫! パパはパパの強運とキンちゃんグンちゃんを信じてるからネー♪」
「そーかテメエが元凶だったナ…!」
「おや。やっと出ましたね」
「だから何がだッ!?」
「耳だ」
「み」
「シンちゃんちょっと後ろ向いてみてー? しっぽも出るハズなんだけど」
「…!!!! ………なん…なん…」
「わーいvvv シンちゃんとおそろーv 色違ーいvv」
「ふたりとも可愛いーv」
「馬鹿やろ! 治せよ! 戻せ!」
「ではシンタロー。伯父貴と向き合え」
「こうか?」
「じゃ、おとーさまはシンちゃんをぎゅっv ってして?」
「はぁいv シンちゃん、パパとハグしようv」
「……戻るんだろうナ!?」
「そして2人とも思い切り深呼吸」
「「…すー…っはー…」」
「…。ハイ、お互いのニオイを覚えましたね。ではこれで、つがいの猫の完成です」
「っな!? ちょ、高……キンタローてめッ、嘘ついたな!」
「いや? 嘘をつくのと無言の否定は違うと思うが?」
「なんだかキンちゃんとシンちゃんが話してると、どうしても目の前の問題が言葉の上での擦れ違いに変わっちゃうよね」
「ああでも、ご覧なさい、口はどうあれシンタロー様の方からマジック様に擦り寄ってます。特性が雌雄それぞれに巧く分かれたようで」
「いや~こんなに熱烈にハグv されたらパパのスーツが皺になっちゃうナv」
「~~~? 違、これッ…何だ……?」
「ニオイに発情する」
「うわ~キスだけで瞳うるうるしてる…vv さあシンちゃん…ベッドに行こうか…? 愛してるよ…v 2人で幸せになろうね?」
「と言いますか、我々の興味の先はこれからなんですよね。ラットじゃ心への影響までは分かりませんから」
「え~? 家族のベッドにまで研究を持ち込む気かい?」
「できれば。そうさせて貰えるととても助かる」
「僕は止めとくよっ♪」
「…よし。グンマ…その調子で、2人も止め…」
「だって、おとーさまにめろめろでうるうるでラヴラヴなシンちゃんのネコ耳プレイなんて見ちゃったらもう、全部日記に書いちゃうもーん」
「…………グンマ、おま、今、…今、誰よりも非道な事、…言って…」
「では改めて。誕生日、おめでとう。伯父貴」
「遅れちゃったけどおめでとーございます!」
「おめでとうございます」


 そんなこんなの晩餐会。
 こうして3人と2匹になりました。
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