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部屋に入ると、あのバカ親父が何やら紙を見てヘラヘラ笑っていた。
何を見ているのだろうと目をやると。
それは数日前に仕官学校で行われた身体検査の結果を表にしたものだった。
 
「てめーー!!!ナニ見てやがる!!!!!」
怒鳴り声を上げても、親父は平然と微笑んでいる。
「いや~、シンちゃんがどの位成長したのかな~ってパパ、知りたくてさ~vvv」
「見るな!!」
紙をひったくろうとしたが、ヒョイと避けられてしまった。
「う~ん、さすがシンちゃん。抜群のプロポーションだね!スリーサイズが見事に理想的。」
「気持ち悪い事言うなッッ」
再び紙を奪い取ろうとしたが、それもあっさり避けられる。
頭に血がのぼったところで、親父は紙から目を離した。
「シンちゃん、身長もかなり伸びてるね~!もっと伸びるかな?」
などと言い出したのでオレは、当たり前だッと意味も無くふんぞり返る。
「もっとデカくなってテメェなんかあっという間に追い越してやる!!!」
「・・・」
オレの言葉に親父は無言になり、マジマジと見つめて来た。
「シンちゃん、パパより大きくって・・・バスケットの選手にでもなる気かい?」
「・・・」
確かに親父は2m近く身長があり、それを追い抜くなら相当な背の高さになるだろう。
というかそれでは・・・巨人、かもしれない。
「う・・うるせぇなッッどうでもいいだろ!!」
そう言って誤魔化すと、親父は突然オレの腕を掴み引っ張った。
そのまま思いきり抱き締められて、オレはいつも通り暴れるが。
いつも通り、親父はそれでも構わず抱き締めてくる。
 
「どうでもよくないよ。シンちゃんにはパパの跡を継いで貰いたいんだから。そんなモノになってもらっちゃ困るよ。」
「・・・」
また勝手な事を言う、バカなヤツ。
 
オレはお前のモノなんかじゃない。
オレの将来はオレだけのモノなんだ。
 
そう言ってやろうとして。
だけどそれより先に。
「ま~、取り敢えずシンちゃんが健康でいてくれればパパは一安心だよ。」
オレを片手で抱きつつ、もう一度紙に目を落してる親父がそんな事を言う。
健康状態優良マークの付いたソレを微笑みながら見る親父の横顔を見つめていると
何も言葉が出て来なくなってしまった。
 
 
まだ、親父との差は沢山あって。
その差は腹立たしい事になかなか縮まらない。
それでも、いつか。
 
 
「でもさ、シンちゃん。大きくなってもいいけど、あまり大きくならないでね。」
「・・・言ってる事が」
矛盾だらけだろ。
このアホ、と言いかけたが抱きすくめられ口付けられる。
 
身動き一つ許さない、このバカ力を振り切る事も出来ずにいるオレと。
どんなにオレが抗っても絶対逃がすつもりのない親父と。
 
その差は
多分
縮まらない。
 
でも。
案外そこには
差など存在しないのかもしれない。
 
 
 

相変わらず‥‥ウチのマジシンはバカップル‥‥だナー(遠い目)
結局、シンちゃんはお父様が大好きなのです。←ソレばっかり。
 
 
 
ちなみにスタイルシートで絵が見えない方は コチラ


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