>>マジシン覚え書き
読んでみたいマジシンというか…、書いてみたいマジシンってことで。
『南国~』でマジックとシンタローが本当の親子でなかったという事実と、
シンタローが青の秘石の番人の影であったという現実に直面した二人。
これ以降、確実に二人の関係は形を変えた訳ですよ。
マジックにしてみれば、息子と思っていた男は息子ではなく、ましてや人間でもなく。
シンタローにしてみれば、唯一血の繋がりだけに縋っていた男は父親ではなく…。
“親子”であるという鎖が無くなった現在、二人を繋ぐものは24年間共有した時間だけ。
少なくともマジックはシンタローを息子として慈しみ、
また、シンタローも思春期以来、父親であるマジックを遠ざけていたけれども、
心の隅では父親として甘えていた過去もある訳で。
◇ ◇ ◇
きっとね、マジックは変わらずシンタローを愛し慈しみ、大切にしてくれると思います。
しかし、ここでマジックの心に陰を落とすものが。
今までシンタローに対して、限りない愛情を注いできたけれども、それはあくまでも息子に対する愛情。
まあ、多少過激なスキンシップを計ろうとはしたけど、それはあくまでおふざけの範囲で。
―――…だけど、時折、シンタローに触れるのを躊躇ってしまうのはどうしてだろう?
何時もの様に振舞えば良いのに、何故だかその手を伸ばす事は出来ない。
はい、マジックかなり乙女入ってます。
いや、私が病んでます。
“親子であること”
これがストッパーになって、一人悶々と悩むマジック。
しかし、事件以降ストッパーは外されてしまった、と。
誰憚る事無くシンタローに愛を伝えても構わん状態に。
…だけど、ともう一回悩むマジック。
―――シンタローは私を“父親”として慕ってくれている。
それを裏切ってしまっても良いのか?
葛藤に葛藤を重ね、眠れぬ夜を過ごすマジック。
一方シンタローはと言うと、薄々マジックの自分に対する気持ちというか、苦悩みたいなのは感じていたと。
◆ ◆ ◆
最近、親父の様子が変だ。
相変わらず『遊べ』『構え』と煩いが、ふとした瞬間に違和感を感じてしまう。
例えば俺に触れる時。
指先が触れる間際、指先に緊張が走るのか、僅かに動きが止まるのを見逃さなかった。
いや、見逃せなかった。
あの島で俺たちが本当の親子ではなく、ましてや俺は人間ではなかったという事実を知って以来、
親父は俺に触れるのを躊躇うようになった。
例え俺が青の秘石の番人の影だとは言え、赤の番人の身体に触れるのが厭わしいのか。
今まで通りの笑顔の下、全く本心を見せてくれなくなった。
俺は何を考えているんだ。
いいことじゃないか、あれだけ親父を鬱陶しく思っていたんだ。
それなのに、俺は寂しいなんて考えてる。
一瞬躊躇った親父の指に、傷付くなんて。
そして俺は唐突に一つのことに思い至る。
俺の親父に対するモヤモヤの正体ってやつに。
俺は夢想する。
…もし、親父が俺と同じ理由で触れるのを躊躇っているのだとしたら。
いや、考えられない事は無い。
親父は変な処で臆病だった。
◆ ◆ ◆
ストレートに
『シンちゃ~~~ん!!愛してるよ~~~vVvV』
『だぁ~~~っ!!何恥ずかしい事叫んでやがるっ!!!』
なマジシンも勿論好きなんですよ。
いや、むしろ読み手に回るならラヴラヴなマジシン大好物です。
しかし、いざ自分が書こうとするとね…(遠い目)
でも、障害を乗り越えただけ、より深い処で繋がりあえるのではないかな~~と思ったり。
以上、そんなことをつらつらと考えてみました。
2004/04/01
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