猫を拾った。
綺麗な艶のある黒猫だ。
最初はなかなか懐かなくて、近づくだけで威嚇していた黒猫。
今ではこの腕に抱くことさえできる。
雨のなか猫を拾った。
いや、猫のような人間を拾った。
綺麗な黒髪がシーツに散っている。
体は猫のように丸まっている。
そんな寝方で苦しくないのか不思議だ。
主人の帰りを待たずして眠っている黒猫。
それでもテーブルの上に飯が作ってあったので良とする。
顔に掛かってしまっている髪を退かす。
あどけない寝顔。
幼さの十二分に残る寝顔。
そっと頬に唇を寄せれば軽く身じろぎをし、ゆっくりと目が開いた。
髪と同じ黒の瞳。
眠そうに一度目をこすり、俺をみる。
ゆっくりと体を起こし、
「ハーレム…おかえり」
ふわりと笑う。
まだ寝呆けているのか舌があまり回っていない。
表情も子供が見せるそれだ。
「ただいま、シンタロー」
伸ばされた腕をつかんで抱き寄せる。
しっかりと腕に抱いて布団のなかへ。
シンタローは俺の腕の中で自分の寝やすい場所を探すように動く。
良い場所を見つければ満足そうな顔で眠る。
「お休み、シンタロー」
そっと額にキスをして呟く。
シンタローはすでに夢のなか、返事は帰ってこない。
腕のなかの暖かさをしばらく堪能し、俺も眠った。
ザァザァ
雨、雨、雨。
毎日毎日雨が降る。
あぁ、うぜぇ。
仕事帰りにイライラしながら自分のマンションに向かう。
何気なく見た路地に、シンタローがいた。
いつもならそんなもんは見ても見なかったことにするのだが、なぜか俺は足を止めてしまった。
足を止めて、その濡れてしまっている猫に目をひかれてしまった。
気が付くと俺は、自分が濡れることも気にせず、シンタローを拾っていた。
拾ってきた猫は自分の名前と年齢以外何も答えなかった。
俺も別にどうしても聞きたいことが無かったので聞かなかった。
名前さえあれば呼ぶには困らないから。
最初は触れる事さえ許さなかった猫は、今は俺の腕の中でも眠るようになった。
いつでも出ていっていいといったのに、シンタローが俺の所にきてから、二ヵ月が経った。
朝日が眩しくて目が覚めた。
腕の中にいる黒髪がキラキラと眩しい。
ゆっくりと回していた腕を外し起き上がる。
シンタローを起こさないようにベッドを出る。
音を立てないように扉を開け、部屋を出た。
誰かを起こさないように気を遣うなんて、初めてかもしれない。
自分の変化に苦笑しながらコーヒーをいれる。
「…はーれむ」
目を擦りながらシンタローが起きてきた。
まだ寝呆けているのか、背中に抱きついてくる。
熱いコーヒーをシンタローにかけないように置く。
「シンタロー、おはよ」
首をひねってシンタローを見る。
シンタローは顔をあげ幼く見える顔に笑みを浮かべ、
「おはよう、ハーレム」
あぁ、この猫に、はまってしまった俺は。
いつこの猫が消えてしまうのか怯えている。
END
何が書きたかったんだろう。
たぶんハレシンが書きたかっただけです。
06.4/15
綺麗な艶のある黒猫だ。
最初はなかなか懐かなくて、近づくだけで威嚇していた黒猫。
今ではこの腕に抱くことさえできる。
雨のなか猫を拾った。
いや、猫のような人間を拾った。
綺麗な黒髪がシーツに散っている。
体は猫のように丸まっている。
そんな寝方で苦しくないのか不思議だ。
主人の帰りを待たずして眠っている黒猫。
それでもテーブルの上に飯が作ってあったので良とする。
顔に掛かってしまっている髪を退かす。
あどけない寝顔。
幼さの十二分に残る寝顔。
そっと頬に唇を寄せれば軽く身じろぎをし、ゆっくりと目が開いた。
髪と同じ黒の瞳。
眠そうに一度目をこすり、俺をみる。
ゆっくりと体を起こし、
「ハーレム…おかえり」
ふわりと笑う。
まだ寝呆けているのか舌があまり回っていない。
表情も子供が見せるそれだ。
「ただいま、シンタロー」
伸ばされた腕をつかんで抱き寄せる。
しっかりと腕に抱いて布団のなかへ。
シンタローは俺の腕の中で自分の寝やすい場所を探すように動く。
良い場所を見つければ満足そうな顔で眠る。
「お休み、シンタロー」
そっと額にキスをして呟く。
シンタローはすでに夢のなか、返事は帰ってこない。
腕のなかの暖かさをしばらく堪能し、俺も眠った。
ザァザァ
雨、雨、雨。
毎日毎日雨が降る。
あぁ、うぜぇ。
仕事帰りにイライラしながら自分のマンションに向かう。
何気なく見た路地に、シンタローがいた。
いつもならそんなもんは見ても見なかったことにするのだが、なぜか俺は足を止めてしまった。
足を止めて、その濡れてしまっている猫に目をひかれてしまった。
気が付くと俺は、自分が濡れることも気にせず、シンタローを拾っていた。
拾ってきた猫は自分の名前と年齢以外何も答えなかった。
俺も別にどうしても聞きたいことが無かったので聞かなかった。
名前さえあれば呼ぶには困らないから。
最初は触れる事さえ許さなかった猫は、今は俺の腕の中でも眠るようになった。
いつでも出ていっていいといったのに、シンタローが俺の所にきてから、二ヵ月が経った。
朝日が眩しくて目が覚めた。
腕の中にいる黒髪がキラキラと眩しい。
ゆっくりと回していた腕を外し起き上がる。
シンタローを起こさないようにベッドを出る。
音を立てないように扉を開け、部屋を出た。
誰かを起こさないように気を遣うなんて、初めてかもしれない。
自分の変化に苦笑しながらコーヒーをいれる。
「…はーれむ」
目を擦りながらシンタローが起きてきた。
まだ寝呆けているのか、背中に抱きついてくる。
熱いコーヒーをシンタローにかけないように置く。
「シンタロー、おはよ」
首をひねってシンタローを見る。
シンタローは顔をあげ幼く見える顔に笑みを浮かべ、
「おはよう、ハーレム」
あぁ、この猫に、はまってしまった俺は。
いつこの猫が消えてしまうのか怯えている。
END
何が書きたかったんだろう。
たぶんハレシンが書きたかっただけです。
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